真・恋姫†無双 王匡伝 三国志ガチ勢の軌跡   作:ニーガタの英霊

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オウキョウマイフレンド

 

「此度のご助力、誠ありがとうございます」

 

「いえ、大したことではございません。王太守も壮健でなによりです」

 

 河内の乱のその折、太守館の大本営で対等に向かい会い、握手しあう二人の男がいた。

 一人は河内太守王匡。そしてもう一人は異民族の王、単于於夫羅の息子にして南匈奴の左賢王である劉豹であった。

 

 

 

 

 時を遡ること数日前、見事なまでに王匡の本拠地である懐県は反乱軍に包囲されていた。その状況の中、一糸乱れぬままに士気を保ち続けていた兵士に驚嘆を感じ得ないが、中々墜ちない都市に反乱軍が辟易していたその時だった。

 

 突如として南匈奴の軍勢が反乱軍目掛けて突撃をかましたのだ。慌てたのは反乱軍だ。唯でさえ反乱軍という負い目に加え、王匡が派遣した軍が次々と県を平定しているのだ。進むも地獄退くも地獄。最早趨勢は決したと言えよう。

 

 兵は次々と投降、元県令の佞臣も戦死、或いは一縷の望みを兼ねて降伏した。

 そんなこんなで河内の乱は終息したが、現状において最も混乱しているのはおそらく彼女であった。

 

「わけがわからないよ」

 

 赴任してからというもの、王匡にはいつも驚かされてばかりだ。王匡公節という人間は決して恵まれた出自ではないことは周りからの情報で把握していた。生まれは遠く泰山の生まれであり、庶民の家柄であった。そこから彼は太学へ入学することとなるが、卒業を控えた時に突如として泰山へ帰ってしまう。

 その後彼は喪に服し、私塾を営みながら何進将軍の招きに応じ武官に就く。

 

 色々と突っ込み所は満載だが、一番気になること、何故このような経歴であるのにどうして異民族とのパイプを持っているのかだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけなので、説明していただけますか」

 

「ふむ・・・・・・」

 

 執務室にて向かい合う男女、一人は河内において勇名を馳せた名太守王匡。もう一人はそんな彼の下事務の一手を引き受けた才女、司馬芝である。

 

「話すと長くなるが、構わないかね」

 

「ええ、既に仕事は終わらせております。何か起きない限りは大丈夫かと」

 

「結構、素晴らしいことだ。時に私の仕事も手伝ってくれるとありがたいがね」

 

 そんな冗談半分なことを言いつつもてきぱきと仕事を続ける王匡。いつみても彼は書類の山に囲まれている。一体いつ休んでいるのか、そんなことが気になりつつも、司馬芝は邪念を振り払う。

 

「私は新参者ですので、王太守直々の書類に触れるなど恐れ多いことですよ」

 

「なに安心し給え、新参者だのなんだのという輩はこの太守館にはおらんよ。あるのは君の実力を正当に評価する者たちだ。私の城で権威だのなんだの―――そういうことは評価されない。いいね」

 

 王匡はそういって司馬芝をたしなめる。よく思うが、この上司は比較過労の気がある。清廉かつ有能な上司はいいが、有能すぎるのも考え物だと司馬芝は思った。

 

「あー、兎も角。太守、説明して―――」

 

 司馬芝が机に手を付け、王匡に詰め寄ったときであった。不意に執務室の扉が開き、一人の小さな子供が部屋に入ってきた。

 

「王匡先生、お茶をおもちしました!」

 

「―――あぁ、翡翠か。いつものところに置いてくれ、それからこのお姉さんの分と、簡単な茶菓子も用意してくれないか」

 

「はい! わかりました!」

 

 太守館には似つかわしくない小さな少女、翡翠はにこにこ笑いながら、王匡に言われた仕事をのためパタパタと執務室から退出する。束の間の癒しというか何というか、微笑ましい光景だったのは確かである。

 

「司馬主簿、茶が来るまでしばらく時間がある。すまないが、話まで少し待っていてくれ」

 

「・・・・・・わかりました」

 

 そういうと司馬芝は普段は趙儼が腰かけ、仕事を行う席で王匡の仕事ぶりを観察するのであった。

 

「・・・・・・あの少女は?」

 

「それも含めて話をしよう。まあ、私の愛弟子だよ。将来はきっと大物になるさ」

 

「随分と買っていますね」

 

「教師と生徒だ。出来のいい生徒なら、そりゃ愛着もわくものだ。君もそういった経験は?」

 

「・・・・・・ありますよ。でも、出来が良すぎるのも困りものですよ」

 

 ふと彼女の脳裏に浮かぶのは一人の少女。一族の中でも本家筋、しかも次女である彼女の才は彼女の想定をはるかに超えるものであり。その才ゆえ、若かった彼女は強く嫉妬したものだった。一族の中でも最年長であったこともあり、先輩風を吹かせていたが、そんなものは数日でなくなった。

 今から思えば初めての挫折であろうと当時を振り返る。

 

「お茶をおもちしました!」

 

「結構、私も休憩に入ろう。あぁ翡翠、君も一緒に休憩しようか」

 

「いえ、王匡先生のじゃまになるとわるいので・・・・・・」

 

「邪魔ではない、むしろいてほしいんだ。お願い、聞いてくれるかい」

 

「は、はい・・・・・・」

 

 少女は顔を赤らめながら執務室にある長椅子、そこに座る王匡の隣にちょこんとかわいらしく座る。

 

「司馬主簿、改めて紹介したいと思う。彼女は羊祜、泰山の名門羊家の跡取り娘だ」

 

「・・・・・・はぁ?」

 

 いまだ幼い少女、その少女はお盆で顔を隠しながらじっと司馬芝を見つめるのであった。

 




ちなみに永遠のライバルはまだ生まれてない模様。陸遜ェ・・・・・・
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