仮面ライダー555 Angel Awakening   作:ファイ Φ

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序章
第一話


 灰澤市。大企業、スマートブレイン社に所縁のあるこの街は傘下の企業や研究機関、学園やその関係者で地方の街ながらもそれなりの賑わいがある。特にスマートブレイン社が設立した研究機関としての役割を果たす大学や、そこに多くの人材を輩出している高等学園がいくつかあり、その学生達は多くがスマートブレインの管理運営しているマンションやアパートで一人暮らしをしているのが特徴だ。

 

 そんな中のあるアパートの前、一人の少年がが困った顔をしながら自分の部屋に向かって歩いている。彼の名前は西谷勇太郎。この日、学校で大量の課題を出された勇太郎は憂鬱な気持ちだった。これらの課題を今日中に全て終わらせなければならないと考えると足取りが重くなるがアパートの階段を上がろうと上を見上げると一人の女性が視界に入ってくる。憂鬱だった少年の心高揚し、階段を駆け上がりその女性に話かける。 

 

 「こんにちは、明菜さん」

 

 「あら、こんにちは、勇太郎君」

 

 明菜と呼ばれた女性は微笑みながら勇太郎に挨拶を返す。

 

 小林明菜は勇太郎の部屋の隣に住む女性であり、彼女もこの街の学生だ。綺麗なロングヘアに整った容姿、年上の彼女は勇太郎が困った時、何かと助けてくれた。美人で優しい明菜のことが勇太郎は初めて会ったときから好きだった。

 

 「今日は早いのね、勇太郎君。何かあるの?」

 

 「はい、学校で課題が山のように出されて。今日中に終わらせないといけないんです」

 

 「それは大変ね。......じゃあ、この後私の部屋に来ない? 一度習ったところなら私にも教えられるわ。」

 

 「いいんですか!? じゃあ準備したらすぐ行きます」

 

 「ええ、待ってるわ」

 

 明菜の思わぬ提案に勇太郎は心が踊る。まさか憧れの人の部屋に行けるなんて、つい先程とは打って変わり、彼は大量に出された課題に感謝したいくらいだった。

 

 

 手早く準備を済ませると勇太郎はさっそく明菜の部屋に向かう。部屋の呼び鈴を鳴らすと明菜はすぐに出てくる。

 

  「早かったのね、さぁ、上がって」

 

  「はい、お邪魔します」

 

 部屋に上がると勇太郎は奥のリビングに通される。部屋にはおしゃれな家具などがたくさん置かれており、女の子らしい部屋といった印象だ。明菜はお茶を持って来ると二人は課題を始める。

 

 教え方の上手い明菜のおかげで課題は次々と片付いていく。半分程が終わり、休憩にはいった二人だが何故か嬉しそうな明菜の顔を見て勇太郎は聞いてみる。

 

 「明菜さん、嬉しそうですね。良いことでもあったんですか?」

 

 「良いこと?...... そうね。最近、とても良いことがあったの」

 

 そう言って笑顔で見つめてくる明菜を直視した勇太郎は自分でも顔が真っ赤になるのが分かる。慌て顔をそらした彼は緊張のあまり咄嗟に話題を変える。

 

  「そ、そういえば最近、おもしろい噂が流れているんですけど知ってます?」

 

  「おもしろい噂?」

 

 「はい。この街には人間の姿になる怪人がいて、人を襲っているっていう噂です」

 

  そこまで話した勇太郎は明菜の様子が少し変なことに気付く。下を向き、何か考え事をしているかのようだが、突然に顔を上げながら勇太郎の方を見るとこう言う。

 

  「それって、こんな風に?」

 

 立ち上がった明菜の顔に変な紋様が浮かび上がったかと思うと明菜の体は何と怪人の姿に変化していく。二メートルを越える長身の怪人であり、頭には兎のような長い耳状のものがついている。怪人の足元には明菜の裸体が青白く映し出され声を出す。

 

  「私達のことがそんな風に広まっているなんて知らなかったわ。せっかくだし勇太郎君も私達の仲間になろうね」

 

 目の前で理解不能な出来事の起こった勇太郎の耳に明菜の言葉はほとんど入ってこず、急いで逃げようとするが怪人に体を掴まれ動けなくなる。怪人は体から触手の様なものを出し、勇太郎の口から体内に侵入させる。心臓に到達した触手は心臓を突き刺す。触手を通じて何かを注入された心臓は瞬く間に焼失してしまった。

 

 床に倒れた勇太郎はそのまま体が灰になっていく。勇太郎の体が完全に灰になった後、怪人は明菜の姿に戻り、妖艶な笑みで呟く。

 

  「やっぱりこの力、最高ね......」

 

 そう言いながら彼女はこの力を得たきっかけである数週間前のことを思い出すのだった。

 

 

 




 小林明菜

 身長 162cm 体重 51kg  年齢 17歳

 灰澤市に住む学生の一人。その正体は人類の進化形態ーオルフェノクの一人。普通の学生として生活する反面、裏ではオルフェノクとして人間を襲っている。

 ラビットオルフェノク

 身長 207cm 体重 126kg  

 高崎明菜が変身するウサギの特質を備えたオルフェノク。非常に遠くの物音を聞き分けることができ、高いジャンプ力を持つ。

 (原作登場のオルフェノク、情報は公式のものを参照しています)

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