仮面ライダー555 Angel Awakening 作:ファイ Φ
第十一話
灰澤市のオフィス街、多くの高層ビルが建つ並ぶそのエリアの中でも他のビルと比較にならない程の高さ、巨大さを有するビルがある。灰澤市のシンボルでもあり街を一望できるそのビルは大企業、スマートブレイン社の本社ビルだ。
スマートブレイン本社ビルの最上階の一室、社長室と隣接しているその部屋は会議室のような内装だが“部屋”と呼ぶのが間違いではないのかと思う程に広い。その会議室にはスマートブレインの重役たちが集まり、円卓を囲みながらこれから始まるであろう会議の開始を待っている。数分後、重役たちが揃い開始時刻直前になると隣の部屋から会議出席者最後の一人が出てくる。スマートブレインの社長、村上哲樹である。
「お待たせしました。それでは始めましょうか」
村上の一言で会議が始まる。スマートブレインはオルフェノクの企業であり、村上を含めた重役たちは全員がオルフェノクである。彼らはオルフェノクによる世界の支配のためスマートブレインという大企業を立ち上げ、暗躍している。スマートブレインはオルフェノクを匿う隠れ蓑であり、オルフェノクの活動を支援するための組織であり、この会議もオルフェノクの繁栄と世界の支配という最終目的のためにこれまでのスマートブレインの活動報告と今後を話し合うためのものだった。
「......以上が今期の主な活動内容になります。詳しくは配布した資料をご覧下さい」
重役の一人が報告を終えると村上が立ち上がり会議の出席者全員を見渡し話し始める。
「私の方からも報告することがあります。以前から進めていた例の開発プロジェクトですが“あれ”の開発にようやく成功することができました。これにより私たちスマートブレインの崇高なる目的に大きく近付くことができるでしょう」
村上のその言葉を聞くと会議に出席していた一同が騒然となる。村上が報告した開発プロジェクトとはスマートブレインの技術を結集したオルフェノクのための特殊装備を開発するためのものである。オルフェノクのためのものであるこの計画は開発内容などのの全貌が謎に包まれており全てを知っている者はスマートブレインの中でも限られている。
「現在“あれ”はスマートブレイン第六研究所で最終調整が行われています。“装着者”の選定も並行して行っていますので次の報告には期待していてください。私からは以上ですが他に何かある方はいますか?」
村上のその言葉に一人の出席者が挙手をして立ち上がる。
「社長、一つお伝えすることがあります。最近、人間の中にオルフェノクの存在に気づいたと思わしき輩がおり、組織立って行動しているようです。このまま放置しておけば我々の活動に悪影響を及ぼす可能性があります。早急な対策が必要かと思われますが皆さんはどの様にお考えですか?」
人間がオルフェノクの存在に気づいている。それは同時にスマートブレインがオルフェノクを裏で支援していることに気づかれている可能性があるということでもある。もしオルフェノクの存在、そしてスマートブレインとオルフェノク関係が世間に暴露されればスマートブレインの計画は破綻、最悪の場合はオルフェノクの存在そのものが危うくなることになる。人間を超える力を持つオルフェノクだが今現在、数では圧倒的に人間に劣る。今、数十億いる人間と戦うことになれば確実に敗北することになるだろう。そして敗北はそのままオルフェノクという種の消滅につながる。オルフェノクの存在が今知られるということはそういうことだ。そのことを理解している重役たちの表情は一気に強張るがその中で村上は動揺した様子もなく口を開く。
「その件については私も聞き及んでいますが心配する必要はありません。ここにいる皆さんもご承知の通り、オルフェノクの活動の痕跡は我々スマートブレインで処理してきています。簡単に露呈することはないでしょう。我々に気づいたという組織についても問題ありません。すでに“布石”は打ってありますから……」
村上 哲樹
身長 182cm 体重 69kg 年齢 35歳
スマートブレイン社の社長。オルフェノクの企業であるスマートブレインの社長であるため特に強い力を持ったオルフェノクであるが詳細は不明。