仮面ライダー555 Angel Awakening 作:ファイ Φ
ある晴れた日の土曜日、灰澤市にある人通りの少ない地区、人気など全く感じられないようなその地区だがそこにある一軒の古びたビルには十数人の人が集まっている。そこに集まっている彼らは自らのことを“人間解放軍”と呼ぶ。それはスマートブレインにより隠されたオルフェノクの存在にいち早く気づいた自分たちがオルフェノクを打倒し、その暗躍から人々を解き放つという目的のために活動している組織だ。
解放軍のリーダーである水原隆俊はビルの中にいるメンバーに声をかける。
「明日の作戦のための最終確認をするぞ、全員聞いてくれ」
水原が言った作戦とはオルフェノクを裏で匿い、統率しているスマートブレインに対する反攻作戦のことだ。スマートブレインが新兵器を開発したという情報を得た解放軍はその兵器を奪取し、スマートブレインに大きな動揺を与えると同時に自らの戦力を増強できないかと考えたのだ。
「俺たちの目的である新兵器はスマートブレインの第六研究所に運び込まれたという情報だ。新兵器の奪取には研究所に潜入する必要がある。だが研究所の警備は厳しく普通に潜入するのはおそらく不可能だ。そこでまずは潜入のための“手段”を得ることにする。豊永、藤田 説明を頼む」
豊永と呼ばれた男は部屋に設置されているスクリーンにある映像を映し出す。映像には学校と思わしき大きな建物の映像が見受けられる。
「私立灰澤女子学園。第六研究所の近くにあるスマートブレインが経営している学園の一つだ。事前の調査でこの学園の関係者が第六研究所に出入りできる許可証を持っていることを確認している。学園に潜入してその許可証を手に入れることができれば研究所への潜入もできるだろう」
豊永がそこまで話すとスクリーンの映像が切り替わる。スクリーンには学園と校舎内部の情報が映し出されて藤田と呼ばれた年配の男が話し始める。
「学園の警備は研究所に比べてかなり緩い、潜入にはさほど苦労しないだろう。それと学園に潜入したら許可証の入手の他にもう一つやってもらいたいことがある。スマートブレインに関する情報を調べることだ。スマートブレインが経営している学園の内部ならば新たに有益な情報をえられるかもしれんからな」
豊永と藤田の二人が説明を終えるとリーダーの水原が再び部屋の中にいる全員に向けて話し出す。
「学園への潜入は俺を含めた九人で行う。本来ならもっと少人数で行うべきだがスマートブレインの息のかかった学園への潜入だ、人数は多い方がいいだろう。潜入時には武器も携行する。残りの人員はここで待機して潜入のサポートを頼む。作戦に決行はいよいよ明日だ、各員最後の準備をしておけ」
次の日の日曜日の午前、水原達は潜入のため車で灰澤女子学園の正門前まで来ていた。作戦では潜入班はスマートブレインの社員を装い学園に潜入することになっている。スーツ姿で社員に変装した水原が運転する車で正門から学園の敷地に入り、受付にいる警備員に話しかける。
「スマートブレイン本社から新製品の納品に来ました」
「ご苦労様です。どうぞお通りください」
簡単な手続きをすると水原達はすぐ正門から中に入ることができた。車を運転しながら辺りを見回すが日曜日であるからか学園の敷地内で誰かを見かけることはほとんどなかった。そのまま人気のない駐車場に車を停めると周りに誰もいないことを確認して水原達はスーツから作戦用の服に着替え、車の中に隠してあった銃器で武装をする。
「よし、これより校舎内部に潜入を開始する。ここはスマートブレインの施設だ。何が起こるか分からない、十分に注意して進むぞ」