仮面ライダー555 Angel Awakening   作:ファイ Φ

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第四話

  「この子は······どうやら“ハズレ”みたいね」

 

  「ハズレ? ハズレってどういうことですか?」

 

 オルフェノクから人間の姿に戻った美波は目の前にある数十秒前まで彼女のメイドだった者の灰を見つめながら“ハズレ”という言葉を放つが明菜は意味が分からず聞き返した。

 

  「私達は仲間を増やすこと、つまり人間をオルフェノクにすることができるけれどオルフェノクになれる人間は限られているわ。この子はなれなかった。だからクジでいうハズレっていうわけ。ちなみに貴方は自らオルフェノクに覚醒した稀な存在よ」

 

 美波にそう説明され明菜は考える。自分は恐らくあの時、屋上から飛び降り一度命を失ったがオルフェノクに覚醒し、再び蘇ったのだろう。死んだ人間が生き返るという超常現象を自身で体験した明菜は自分がオルフェノクという人間を超えた存在であることを自覚してしまう。

 

  「さて、座学は終わりにして実技の時間を始めましょうか」

 

  「実技······? 実技って一体何をやるんですか?」

 

  「決まっているわ。貴方もオルフェノクとして仲間を増やす行為ー―私達は使徒再生って呼んでいるどーーをするのよ。最も貴方は一度実践しているのだけれど」

 

 その言葉を聞き、明菜は戸惑う。美波の言う使徒再生でオルフェノクになれなかった人間は目の前の光景が示している通り灰になってしまうのだろう。それは死と同義だ。殺人に等しい行為に抵抗を感じる明菜だが、そんな明菜の戸惑いを見抜いたのか美波は明菜に言う。

 

  「仲間を増やすことはオルフェノクの使命であり本能でもあるわ。貴方も感じた筈よ。オルフェノクになり、人を襲い、仲間を増やす快感をね」

 

  「それは······」

 

 美波に指摘され明菜は初めてオルフェノクになった時のことを思い出そうとする。あの時は確かに本能に突き動かされるままに二人の女子生徒を襲い、使徒再生をした。そしてその時に何か快感の様なものを感じたのも確かだ。また人を襲ってみたい。明菜は心のどこかでそんな風に思ってしまう。

 

  「余計なことは考える必要はないわ。ただ本能に身を任せればいいの。貴方はもうオルフェノクよ。自分が生き残るために必要な事をするの。」

 

 “貴方はもうオルフェノク” “生き残るために必要” そう言われ、明菜は今までのことを不意に思い出す。自分のこれまでの時間は自殺をするほどに酷く苦しいものだった。だがオルフェノクになれた自分はこれまでの自分と決別し、新たな時を過ごすことができる。

 

  (私は·······オルフェノク······。そうだ·······私はもう今までの私じゃない)

 

 この時、明菜はオルフェノクとして生きることを決めた。

 

  「分かりました。私はオルフェノクとして生きる」

 

  「それじゃあ、オルフェノクの本能を解き放ちにいきましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

  夜の九時過ぎ、休憩室と思わしきその場所では数人のメイド達がテーブルを囲み談笑している。仕事が終わり休憩の後に帰ろうとしていた彼女達だが突然、休憩室の扉が開く。中に入ってきたのは自分達の主であり、雇い主でもある美波だ。後ろには見知らぬ女性がいるが恐らく美波が連れてきた客人だろう。主である美波は唐突に外出し、誰か連れてくること稀にがある。

 

  「お嬢様、そちらの方はお客様ですか?」

 

  「そうなの、彼女には話したい事があって家に来てもらったの。それと貴方達に頼みたいことが一つあるの」

 

  「頼みたいことですか?」

 

  「ええ、貴方達には彼女の実技に付き合ってもらいたいの」

 

 そう言うと美波と客人の女性はメイド達の目の前で怪人の姿に変身する。メイド達は悲鳴をあげるが怪人の一人が一番前にいるメイドに近づくと体から触手をだし、口からメイドの体内に侵入させる。口から触手を入れられたメイドは自分の心臓が触手で刺され何かを注入されたるのを感じるが、やがて心臓は焼失し、体は灰になってしまう。その様子を見た残りのメイドは逃げようとするが怪人のもう一体が彼女達に墨の様なものを顔面に浴びせると口や鼻から墨が体内に入り、その場に倒れる。最後に残ったメイドは必死で逃げようとするが怪人の強力な脚力で先回りをされる。

 

  「誰か助けっ うっ!? あっ あああああああ!」

 

 怪人に触手を入れられたメイドは呻き声をあげる。心臓を刺されると体は足から徐々に灰になりその場に衣服を残して灰の山ができる。

 

 

 

 全てのメイドに使徒再生を行った二人は人間の姿に戻る。

 

  「よくやったわ、明菜。オルフェノクの力はどう?」

 

  「最高ね······この力は······」

 

 そんな二人の後ろで彼女達に襲われたメイドの一人が立ち上がる。そのメイドは体にオルフェノクの紋様を浮かぶと、そのまま少しの間だけオルフェノクの姿に変身するがすぐに倒れてしまう。その様子を見た美波は笑みを浮かべる。

 

  「どうやら“アタリ”が出たみたいね」

 

 

 

  

 

 

 

 

 

  




 戸田 美波

 身長 171cm  体重 54kg  年齢 25歳

 明菜の前に現れ彼女にオルフェノクの知識を教えた女性。自身もオルフェノクであり、オルフェノクによる世界の支配のために行動する。


 スクィッドオルフェノク

 身長 217cm  体重 141kg

 烏賊の特質を持つオルフェノク。軟体を誇り、あらゆる攻撃を受け流す。棍棒から墨を発射し、使徒再生を行う。

 (※原作登場のオルフェノク 情報は公式のものを参照しています)

 
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