深海の都の話   作:林屋まつり

127 / 128
十三話

 

 そして、呪詛があふれ出した。

 

「退避ーっ!」

 主砲の砲撃で、自壊、沈むいぶきを見送って、曙達は回頭。《呪詛の御社》から最高速度で離脱。

 呪詛、それも、目視できるほどの濃度で海に流れる。《がらくた》の威はそれを深海棲艦として造り変える。

 垂れ流される呪詛は近くにいた深海棲艦さえ飲み込み、広がる。……止まった。

 そこにあるのは、島のような、巨大な深海棲艦。

 舌打ち。

「あれ、どうしろってのよっ!」

「とにかく退避じゃっ! 全容確認できるところまでなっ!」

 広がるのは止まってくれたが。その範囲はまだ全容を確認できない。海を覆う、島のような巨大な黒。

 無秩序に生えているのは砲塔。あらゆるところから飛び出すのは、艦載機か?

 吾妻島は深海棲艦に覆われて潰されている。とにかく、

「これ、なんとかしないと、か」

「爆撃、有効でしょうか?」

 滑り込んできたのは加賀。そして、ひさめがいる。

「とりあえず、それで「来たっ!」」

 ひさめは機銃を向ける。銃撃。飛び出した艦載機を撃ち落とす。が、足りない。

 深海棲艦の、あらゆるところから無秩序に生えた砲が、一斉に砲撃する。

 そのうちの半分以上は射線上にあった砲を破壊し止まるが、それでも莫大量の砲弾が辺りにばら撒かれる。

 舌打ち。

「ああもうっ、どうしろってのよこれはあっ!」

 怒鳴る曙に、羽黒は無線からの入電を確認。

「皆さんっ! 聞いてくださいっ!

 横須賀鎮守府の、吹雪さんと合流しますっ! 海域に展開する全艦娘で、協働しますっ!」

「確かに、それがいいわね」

 皆で頷き、艦載機を討ち落とし、砲撃を回避しながら曙達は動き出した。

 

「う、……そ」

 榛名は目を見開いた。眼前、大量の砲塔。

 黒い島のようななにか。そこから、一斉に砲弾が放たれる。

「くっ」

 霧島との戦闘で大破した榛名に、逃げるすべも、耐える事も出来ず、せめて、まだ意識を取り戻さない霧島を護ろうと、抱きしめて、…………爆発。

「さて、と。…………これはどうしたものですかね」

 炎を纏う薙刀で砲弾を薙ぎ払ったのは、南朝の知り合い。

「護良、さん」

 助けられた安堵の呟き、そして、駆け寄ってくる少女を見つけた。

「おおっ、護良かっ!

 無事だなっ!」

「それはもちろんです。父様。

 多少の傷、仏の加護を受ける私にとって大した事ではありません」

「…………そなたは、都合のいい時に仏教徒になるなあ」

 すとん、と降りたのは尊治。彼女は忌々しそうに前を睨んで、

「誰かが《呪詛の御社》の封印を砕いたが、……その反動か。

 よし、後で豊浦は殺そう。護良、榛名達を護るがよい」

「承知」

 達、という言葉に榛名は反射的に霧島に視線を向ける。

 感じたのは安堵。確かに敵対した。けど、見捨てたくはない、絶対に、

「では、私はちょっくら上に行ってくる。

 こんな汚物に私の敵を殺させるのも不愉快故な」

 法華経の影が伸びる。その先には、横須賀鎮守府。おそらくは、大将室。

 飛び出した尊治を見送り、護良は砲弾を薙刀で叩き落とす。そして、

「《飛鉢法》」

 ふわり、榛名と霧島が、浮いた。

「え? へ?」

「榛名さん。そっちの彼女を抱えていてください。

 二人より、一人の方が楽です」

「あ、は、はいっ!」

 そして、護良は走り出す。

 目指す先は同僚のところ、そして、

「まあ、非常事態だし、大丈夫でしょう」

 

「お前らっ! 状況が変わったっ! 一時休戦だっ!」

 正成の言葉に、彼と交戦していた陸軍の軍人たちは姿を現す。

 状況が変わった。それは、誰の目から見ても明らかだ。一息。代表が手に持つ銃を落とし、休戦受け入れを態度で表明。

「大楠公、休戦は受け入れる。

 あれの応戦に共闘を提案させてもらうっ」

「共闘しなくていいっ! あれは俺がやるっ!

 お前らは、怪我人運び出して、あとは戦う事出来なさそうなご近所さまを避難させろっ!」

「了解っ!」

 いくら敵対した相手とはいえ、英雄に対する敬意はある。その言葉に、納得が得られれば動かない理由はない。そして、

「助力、感謝する」

 声、その主に軍人たちは敬礼。

「大将殿、ご無事でっ!」

「私はな」

 溜息。彼の腕には一人の女性。

 片腕を失い、歯噛みする彼女。

「中将っ!」

「怪我人として彼女も護送しろ。

 無事な者は集まれ、これより、周辺住民の避難を開始する」

 将門の言葉に、彼らの動揺が収まる。深く、強く、息を吸う。

「「「「「了解しましたっ!」」」」」

 

 なんとなく、彼らも予想は付いている。

 あれは、《呪詛の御社》の副産物だ、と。自分たちが護ろうとした物、それが、何らかの理由で暴走した結果だ、と。

 だから、それで外に被害を出すわけにはいかない。誰ひとり、傷つけるわけにはいかない。

 将門の指揮で、陸軍の軍人たちが動き出した。…………声。

「ああ、これが俺達の仕事だな」

 と、誰かがぽつり、呟いた。

 

「ああもうっ、なんだってのよあのでっかいのはっ!」

 満潮は誠一の手を引いて走る。彼は息も絶え絶えに続く。

 元々、事務仕事ばかりの彼は走り続ける事になれていない。エレベーターでも使えば楽だろうが、いつ砲弾が飛んでくるかわからない現状でそれは自殺行為。

 故に、二人は走る。満潮は毒づきながら、重荷を下ろす事だけは絶対にせず、

「…………」

 重荷、……元帥である彼はそれを自覚し、けど、謝る事なく、置いていけ、と言う事なく黙々と走る。

 言うべきではない、と解っている。その言葉は、手を引いて走る彼女の誇りを傷つける。

 護るべき人をおいて逃げる。軍人である彼女にとって、これ以上屈辱的な事はない。

 だから、せめて「な、なあ、満潮君」

「なによっ?」

 置いていけ、と、そう言われる事を予想した満潮は苛立たしそうな声。もしそれを言われたら、後で全力で打ん殴る、と決意。対して、

「まあ、……その、な。

 …………安物かもしれなくて、申し訳ないんだが、……明日、おやつに、ケーキを買おうと思うのだが、……どう、だろうかなあ?」

 そんなあまりにも惚けた声に、一瞬。危機感も何もかも消し飛び、…………笑う。

「ばっかじゃないのっ! こんな面倒事の後なのよっ!

 安物なんか許すわけないじゃないっ! 霧島とかに借金してでも美味いの用意しなさいっ!」

 笑い、走る。明日への約束。それを思えば疲労程度で足を止める気にはなれず、

「…………本当に、そなたらは面白いなあ」

 苦笑、その声の主を思い出し、満潮は足を止めた。

「あ、……貴女は」

「尊治、だ。覚えておけ小娘。

 その大切そうに抱えている重荷の敵だ。これからも、そなたとの付き合いはあるだろうからな」

 彼女は楽しそうに笑う。砲弾が迫る。一振り、御剣の一撃で砲撃を叩き落とす。

「どうだそなたら、私に命預けてみるか?

 そうすればここから手っ取り早く脱出させてやるが? ん?」

 にやにや笑う彼女に、満潮は舌打ち。誠一に視線を向け、

「…………その、だな。

 た、頼もうかな」

 彼は息が荒い。疲労が濃い。このまま逃げ切れるかわからない。

 だから、彼女の提案に乗ろうと決めた。彼女はここにきて自分たちを害する事はしないだろう。と、

「よしっ、ならば来い。

 そこの男っ! 満潮をお姫様だっこするなっ!」

「へあっ?」「な馬鹿な事させないってのっ!」

 指を突き付けて変な事を言う尊治に、誠一は素っ頓狂な声をあげ、満潮が荒ぶる。笑う。本当に、楽しい連中だ、と。

 手を引っ張る、法華経の道に乗せる。そして、そのまま一気にかけおりた。

 砲弾を斬り砕きながら尊治は疾走する。そう、本当に、

「はは、……これで、《呪詛の御社》は砕けるか。

 楽しい事になりそうだなっ! なあっ! 元帥っ!」

 楽しそうに、魔は笑った。

「楽しそうって、あんた、これどうにかできるのっ?」

 満潮の問いに、尊治は笑う。

「うむっ! 多分なっ!

 私がやるわけではないが、まあ、大丈夫だろうっ!」

 

 眼前に起動する。巨大な深海棲艦。

 吹雪は、それを見て連装砲を構える。けど、

「……私、は」

 これでよかったの? その疑問がぐるぐると頭の中を駆け回る。その疑問が、動きを一時縛り付け、砲撃。

「つっ?」

 砲弾が飛んでくる。回避、それを考えて、……砲撃の音。

「無事ですか?」

「……いや、そういう雪風ちゃんこそ、無事じゃなさそうですね」

「あ、あははは、……正直、かなり辛いです」

 入渠を、と思った矢先にこの事態だ。大破状態のまま。それでも雪風は吹雪の傍らに。

 そして、綾波と時雨も傍に駆け寄る。一息。空を見上げる。艦載機が飛んでくる。

 永い戦いになりそうだ。時雨は苦笑し、仕方ないか、と機銃を上に向ける。

 これで、終わりかもしれない。それは悔しい、けど、

 やらなくちゃいけないね、と。だから彼女は機銃を向けて、……深海棲艦の、黒い艦載機は横から飛び込んできた艦載機に撃破される。

「吹雪さんっ! 皆さんもっ!」

 赤城。そして、一緒にいるのは初霜と若葉。

 そこにいる誰もが、傷を癒す事も出来ず、それでも、弱さを感じさせない視線で眼前の深海棲艦を睨む。

「艦、と言うよりは島だな」

 言い得て妙だ、と吹雪は苦笑。

「まったく、最後の最後になによこの馬鹿でかいの?」

「祭りの締めじゃなっ!」

 うんざりとした口調の曙と、したり顔の利根。そして、ひさめは溜息をついて「もうちょっとのんびりと終わりたかったなあ」

「ままならないものですね」と、加賀も溜息。

 彼女達の合流。曙は吹雪に視線を向け「あんたらは入渠してなさい。轟沈しても知らないわよ?」

「長期戦になりそうだ。早めに休んでおくといい」

 入渠をしていたらしい、長門と陸奥が最後に合流し、展開していた艦娘は集まった。

 永い戦いになる。敵はあまりにも巨大だ。けど、

 吹雪は、首を横に振る。そう、だって、

「これは、……私達が起こした問題です。

 だから、私達がけりをつけます」

 例え、それが絶望的な戦いになろうとも、……それでも、自分たちの撒いた種だ。自分たちで刈り取る。

 その覚悟、雪風と時雨、綾波も頷き、前を見据える。放たれる砲弾を睨み。ふと、前に影。

 

「子供が、強がるな」

 

 海面から生えた、稲穂色の刃に砲弾が串刺しにされた。

「え?」

 前には、二艘の小舟。

 そのうちの片方に乗る青年が手を振る。刃がすべて砕けて消える。

 きょとんとする吹雪に視線を向け、

「手に負えなくなったら大人に頼る事だ子供。

 強がるな、お前たちの戦いは、さっき終わったばかりだ。そして、次の戦いはこの先だ。今、この後始末ではない」

 そこに存在する彼に、さらに砲弾が叩き込まれる。対して、彼は手を振る。

 そして、海面から飛び出す稲穂色の刃が砲弾を弾き、串刺しにする。莫大量の砲弾、そのすべてを防ぐ。

「そこで休んでろ。

 顕仁、終わらせて来い」

「ふん」「わかった」

 もう一艘、そこにいるのは屈強な男と、黄金の、鳶。

「為朝、露払いだ。潮の操作は私がやる」

「承知」

 為朝は頷く。……ふと、顕仁は吹雪に視線を向ける。

「勘違いの小娘か。

 子供が一人で背伸びしようとするからこうなるのだ馬鹿者。そこで大人しくしておれ」

 顕仁、黄金の鳶は傍らにある二つの珠、干潮と満潮を操る竜宮の宝殊に視線を送る。そして、小舟が一気に走りだした。

「さて、……あとは、艦載機か」

 稲刃の届かない空を舞う艦載機群。赤城と加賀が弓を取るが、彼は視線でそれを制し、

 傍らの弓を取る。矢を放つ。

「悪禽、飛べ」

 弓削の矢を放つ。放たれた矢は光の鳥となる。

「艦載、機?」

 ぽつり、加賀が呟く。けど、その数は桁外れ。

 一矢で千。光の鳥、悪禽が艦載機に食らいつき、突撃し、切り裂いて迎撃。四天王の加護さえ貫いた力の具現。深海棲艦の艦載機程度なら容易く破壊できる。

 一矢で千。さらに矢を放つ。放つ、放つ、文字通り、空を埋め尽くす悪禽、数を万に届かせて連射を止める。

 莫大量の砲弾は稲刃を超えられず、艦載機は悪禽に食い散らかされ、そこにいる誰もが、唖然と、それを成した彼を見る。

「…………貴方は、……なん、ですか?」

 吹雪の問いに、彼は振り返らず応じる。

「物部守屋。魔縁だ。

 これからも関わるだろう。どのようにかは知らないがな。……そうだな、挨拶代りとしておこう。海軍の長よ」

 

 そして、為朝はその武を振るう。

 かつて、最強と呼ばれた彼、大刀を振るい蹴散らし、弓を取る。矢を放つ。島が構築した深海棲艦を蹴散らしながら進む。

 暴虐、竜巻のような戦い。けど、それは露払いでしかない。そう、本命は、

「そろそろよいか」

 声に、小舟の動きが止まる。顕仁が潮流の操作を停止したのだろう。

「では、主」

「うむ。……さっさと終わらせる。

 あの小娘の勘違いは不愉快だ。終わらせて、その勘違いを糺そうか」

「その後は四国に」

「そうだな」

 為朝の言葉に、顕仁は笑った。

「楽しい事になる。な」

 そして、飛翔する。

 

 吹雪は、その光景を見る。

 黒の島。深海棲艦の上を舞う、黄金の鳥。

「私の、勘違い、って?」

 ぽつり、呟く。

 言仁にも、尊治にも、そして、いぶきからも告げられた言葉。

 勘違い、間違い。それが何なのか、解らない。……苦笑。

「後で顕仁辺りが教えるだろう。

 覚悟しておけ、あいつは怒ると面倒だ」

「…………守屋、さんも、解るのですか?」

 問いに、苦笑。

「一応、な」

 物部、その姓を名乗り、大連としての位置にいた。見当はつく。

 が、

「彼から直接聞くといい」

 その先、黒い島の上を舞う黄金の鳶。ぞわり、と。その鳶を中心に、赤い文字が零れおちる。

「なんだ、……あれは?」

 長門が呟く。守屋は溜息。

「よく見ておけ。

 もしかしたら、だが、いずれ相対しなければいけない存在だ」

 

 《華厳》、《大集》、《般若》、《法華》、《涅槃》。

 血で書かれた五部大乗経の文字が敵対する存在の、すべてを覆う。

 

 声が聞こえる。永く、もっとも恐れられた魔縁の声。すべてを滅亡へと導く、誓願の言葉。

「願わくは、上は梵天帝釈より、下は堅牢地神まで、この誓約に力を与えたまえ」

 

 ――――血書経。

「《天下滅亡》」

 

 天の下に存在する万物万象、そのすべてを滅亡へと叩き込む血書の誓約。

 それが、巨大な深海棲艦を滅ぼした。

 

「くだらぬ」

「おおっ、来たか顕仁っ!

 相変わらず無駄に派手だなっ! 目がちかちかしたぞっ!」

 絶好調の尊治に顕仁はうんざりとした視線。守屋は苦笑し「来たか、面倒事の元凶」

「心外だな。大体は豊浦のせいだ」

「……あいつは後で殺す」

 守屋は頷く。元よりここに来るつもりはなかったが。顕仁の知り合いである睦月にその名を伝えられては、来ないわけにはいかない。

 次見つけたら絶対に殺す。守屋は決意を固める。そして、

「尊治さん、……教えて、ください」

「ああ、そなたの間違いか?」

 問いに、吹雪は頷く。尊治は笑う。

「民安かれ、……そなたはその祈りを胸に戦い続けた。な?」

「はい。

 けど、その祈りが間違えているとは、思いません」

 それは、絶対に許さない。断固として告げる吹雪の言葉に、尊治は苦笑。顕仁は呆れたような溜息。

「…………なんですか?」

 じと、とした視線。

「そうだな、そうであるな。

 そなたの言う事は間違えていない。……で、だ。吹雪。

 そなたは、安かれと、その祈りを胸に刻みながら、なぜそなたは戦い続ける道を選んだ? いぶきから聞いているぞ? 戦いを好むような者ではないであろう?」

「なぜって、……それは、私は艦娘です。

 平穏を護るために「それが間違いだと言うのだ大馬鹿者」」

 

 ――――民安かれ、その、尊き祈りの意味。

 

 駆逐艦、吹雪の乗員が、自分達とともに戦ってくれた彼女に、最期に向けた言葉。

 大切にしてくれた先輩であるいぶきが、本当に願った言葉。

 …………彼女を大切に思ってくれた皆の、祈り。

 

「大元帥、その祈りを形にした帝とは、万物に霊性を認め、万象に神性を見出した者だ。現人神であるその存在にとって、鬼も河童も天狗も、付喪神も深海棲艦も艦娘も、神の下、万物、すべて等しく、民、として平穏を祈られる存在だっ!

 その祈りを誰よりも大切に魂に刻みながらっ! そなたは誰よりもその祈りを蔑にしていたのだっ! 己自身の平穏を蔑にする事で、だっ!

 それがそなたの間違いだっ! その祈りを叶えるために戦うと決めたのならば、それでよいっ! だが、それを理由に、そなた自身を蔑にするな大馬鹿者っ!」

 

 大切な貴女が、安らかに生きて欲しい。

 

「……私、の?」

 呟く吹雪に尊治は笑う。顕仁は言う事はない、と。視線をそらし、守屋は苦笑。

「そこにいる、そなたの友とよく考えておけ。

 さて、」

 その言葉に、呆然とする吹雪。尊治は視線を滑らせる。さて、一息。彼は笑う。祭りは終わった。ならば、次にやるべき事は次の祭り、そのための準備。

 次の祭りのために、魔は笑って声をあげる。

 

「南朝総員に告げるっ!

 今回の戦闘は我らの勝利だっ! 総員帰還っ! 体勢を立て直して、また、存分に遊ぶぞっ!」

 

 遊びに向かう言葉。告げる。歩き出す。

 若葉と初霜は己の提督たちにその言葉を届け、加賀は赤城と視線を交わす。そして、二人は、背を向けて別の道に進む。

 吹雪は顔をあげる。尊治は、悪の秘密結社、その主は笑う。

 

 祭りの終わり、そして、次の始まり。

 

「だから、まだ終わるには早すぎるぞ?

 そなたが、これからも平穏を愛し、そのために、戦うのなら、……よい、私は、平穏を脅かす魔として、存分に相手になろう」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。