そして、朝。
「ん、…………ふぅ」
「おはようございます。もみじ」
「おはようございます。加賀」
欠伸を一つ。加賀はスーツですか。
「もみじ、榛名達ですか、お花見の準備手伝いに参加させられませんか?
眠りながら思いついたのですが」
「…………どういう思いつきですからそれは?
が、そうですね」
仕事と並列してお花見の準備をしている現状。確かに手が足りなくなっています。
正成たちが先に向かっていますが。
「それもいいかもしれませんね。体験させるのもいいでしょう」
もっとも、お花見の重要性を考えればいきなり任せきりは不安ですが。
「加賀は、そろそろ吉野に向かいますか?」
「いえ、先に長野県、守屋、と呼ばれる魔縁のところに向かいます。
案内が必要らしいので、その後は東京都にいるらしい、豊浦とか言う魔縁ですね」
「そうですか」
と、加賀は溜息。
「食事を取らせてもらう身分では仕方ありませんが、花見まであちこち飛び回る事になりそうです。
面倒な事ですが」
「どうせ必要経費でご当地の美味しい物巡りでもするつもりでしょう。
予算は決まっています。せいぜい気をつける事です」
「ちっ」
舌打ちしないでください。
朝の支度を終えて、まずは朝食ですね。食堂へ、挨拶を交わしながらいつもの料理を頼んでいると、
「あっ、おはようございます」
「おはよう、相変わらずよく食べるな」
「若葉と初霜?」
珍しい二人です。ただ、見ない顔ではありません。
新田義興、海軍中将、彼のところにいる第二艦隊と第三艦隊の旗艦。そして、新田中将の最初の艦娘、二人です。
なぜその二人がここにいるか、簡単な事で新田中将は主君の部下でもあります。というか、主君の部下が海軍に紛れ込んでいるのですが。
「どうしたのですか?」
くれはの問いに若葉は頷いて「花見について、主君に確認に来た」
「準備に駆り出されちゃいましたから、仕方ないですね」
「お疲れ様です」
「そうだ。
三人とも、主君にも話しておこうと思ったが、先に話しておこう。《呪詛の御社》についてだ」
その言葉を聞いて、私達の動きが止まりました。
《呪詛の御社》、それは、
「見つかったの?」
冷めきったあきはの言葉に若葉が首を横に振り、初霜は溜息をついて応じる。
「海軍が確保している、というのは、ほぼ確実です。
夕張さんを中心に情報の収集と、解析を進めているんですけど、まだ場所の確定はしていないです」
「東京湾か、その辺りの可能性が高いのだが。その辺りは立ち入り禁止区域や、情報がそもそも存在しない場所も多い。
《呪詛の御社》がどのようなものかわからない以上、倉庫や雑木林の中も十分にあり得る」
「そうですね」
「なんにせよ、さっさと破壊してしまいたいですね」
くれはの言葉には同感です。あんなもの、ないに越した事はありません。
だから、
「こちらで引き続き探す。
問題は軍部の出方だな。おそらくは真っ向から激突するだろう。負けるとは思わないが、《呪詛の御社》を完全に制御しているとなると、難しい戦争になりそうだ」
//.榛名
「ええと、食事は、…………は、はー」
早速、五月雨、困ってます。
「なんでえ、知らないのかい?」
「うう、ごめんなさい。
ここにきて食べたの、主君に案内してもらったお外の洋食屋さんだけなんです」
いいな。と、そんな事を思ってしまいました。主様と一緒に、食事、……榛名、羨ましいです。
「主君、ですか」
ふと、鳳翔が、……なんで榛名を見て笑っているのですか?
他意のある笑顔が気になります。けど、五月雨は別の意味で受け取ったみたいです。
「あ、……え、ええと、」五月雨は困ったように視線をさまよわせて「その、変、ですよね。艦娘の私が、深海棲艦の主を、こんな風に呼ぶなんて、けど、」
変、……とうか、軍法会議ものだと榛名は思います。けど、その思いは、なんとなくわかります。
「尊治さんだよね?
五月雨、一緒にご飯食べたんだ?」
「うん、それでお話したんです。…………私、提督に捨てられました、って。
何の役にも立たないんだから、せめて、面白い光景見せろ、って。それで、深海棲艦に拾われて、その主と一緒にご飯を食べて、言われたんです。
誰からも無価値だって言われても気にしないでいいって、誰に捨てられても、私が拾ってやるって、……そう言ってくれたのが、凄く、嬉しかった。私、ドジで、出撃にも役に立たない、弱い駆逐艦で、本当に、何の価値もないかったのに、それでも、私は欲しいって言ってくれて、本当に嬉しかったんです」
「そうですよね」
それなら、……そう言ってくれるなら、確かに、人の提督よりも、深海棲艦の主である彼女の方が、五月雨にとって仕えるに値するのでしょう。
そして、もちろん榛名にとっても、……あの星空の思い出、まだ目に焼き付いています。ずっと、ずっとです。
「あ、……と、あの、じゃあ、主君にご飯食べられるところ聞いてみますっ!
たぶん、最上階にいますからっ」
「そうですね」
というわけで、エレベーターを使いみんなで最上階へ。…………榛名、エレベーターを使うの、このビルが初めてです。そして、ノック。ちょっとどきどき。
「あ、あの、主君、五月雨です」
「………………あのー、主君、お客さんみたいですよ」
「ぐ、ぬ、ぬ、…………ぐふっ」
「って、わーっ! 主君っ! 倒れないでくださいっ!
若葉っ! 若葉っ! 水っ! 水っ!」
「…………了解した」
へ?
「主君から、入室を許可するそうだ」
「え、えと、失礼します」
入りました。中央の机でぐったりと倒れる主様と、傍らでおろおろしている初霜。溜息をつきながら歩いている若葉。……艦娘?
「え? 艦娘?」
眼を見開く村雨。初霜は頷いて、
「大島基地、第二艦隊旗艦、初霜ですっ!」
「同、第三艦隊旗艦の若葉だ。
主君、水だ」
「ぬう、……すまぬな。若葉。
私が、…………私が、ふがいないばかりにぃい」
「これに懲りたら酒は控える事だ」
…………って、
「大島基地っ?」
それは、最強と名高い新田中将が指揮をする、海軍最大規模の基地。
首都、東京都や横須賀鎮守府のある東京湾、相模湾などを護る最終防衛ラインを任された基地です。
その、第二艦隊と、第三艦隊の旗艦。って、
「おお、義興は、そこそこ有名なようだな。
ふ、……ふふ、私は、鼻が高い、…………ぞ」
「ああ、主君っ! 倒れないでくださいっ!
お客さんですっ!」
「…………それで、どのような要件だ。
見ての通り、主君は二日酔いで死にかけている」
「し、死者なのに、死にかけるとは、……これ、いかに」
「主君っ、水ですっ! か、かけましょうかっ?」
「やーめーろー」
「…………それで、どのような要件だ?」
「色々ありますが、なぜ、大島基地のお二人がここにいるのですか?」
鳳翔の問いに皆が頷いて、若葉は表情を変えず、
「簡単な事だ。
私達の提督、新田義興中将は主君の部下だ。ゆえに、彼女は私や初霜の主君でもある。今回は週末に開催する花見について確認に来た」
「は、……初霜、……酒に負けるような、不甲斐無い主君で、すまぬ、……な」
「どんだけ飲んだんですか?
確か、主君ってざるですよね。かなり」
「…………ふ、ふふ、……前に、白い響からもらった、ウオッカという酒だ。
響、これは水だと言って飲んでいたから、そういうものかと思ったが、う、かつ」
「あの下戸棲艦と張り合わないでください。
この前大島に来た時、派遣先で肝臓が近代化改修したとか意味不明な事言ってましたよ。スピリッツと清酒以外はジュースらしいですから、ワインをぶどうジュースと言って備蓄の酒を飲み尽くしていましたし」
「ぐぅ」
「それで?」
「ご飯食べるところを聞きに来たんだけど、……それどころじゃ、なさそう?」
「いや、……いい、私が、案内し、よう」
主様とご飯、……と、けど、
「ああっ、主君っ、無茶しないでくださいっ!
あとでおやつを一緒すればいいですからっ!」
わたわたと手をする初霜。……残念ですけど、大変そうですし、仕方ないです。
「では、私が案内しよう。
初霜、主君の事は頼んだ」
「お任せくださいっ!」
「ぐ、ぬ、ぬ。……若葉、すまぬな」
「いや、構わないからさっさと復帰してくれ。
これではくれはに話を聞く事になりそうだ」
「こ、…………ふっ」
「主君っ! 主君っ! お、お水お代わり持ってきますっ!
あと、ホタテ持ってきますっ!」
「…………初霜、二日酔いに効果があるとされるのはしじみだ」
「ホタテ、食いたい」
「どっちも探してきますっ!」
ぱたぱたと部屋を出る初霜。
「では、私達も行こう」
「社員食堂はここだ。
多分、…………いた、加賀」
「ん、ああ、……若葉ですか」
「ああ、相変わらずこの一角は目立つな」
それはそうでしょう。明らかにテーブルに載っている料理の量が違います。
それも、四人。
「あ、これですか?
深海棲艦兼艦娘用メニューです」
「私は艦娘だが、こんなに食うつもりはない」
榛名も無理です。ともかく、それぞれ食事を持って席に、少し迷って、
「貴女が隣に来ますか?」
空母棲鬼、もみじの隣へ。
「若葉か五月雨と思いましたが、それも旗艦としての義務ですか。
真面目でよい事です」
「そうですね」
いえ、あまり意識はしていませんでしたが。
「いい機会だ。深海棲艦について話しておこう。
《波下の都》の誰かがいれば話は早いのだが」
「あ、私、大和さんにはお会いしました。……あの、可愛らしくなっていた」
「可愛い? 大和ってそういうタイプだっけ?」
村雨が首を傾げ「どっちかっていえば綺麗って感じです」と名取。
「いえ、その大和なら五月雨よりも幼くなっています。
深海棲艦、轟沈して、死に切れなかった艦娘です。死に切れず、想いを叶えるために再構築した艦娘、それが深海棲艦です」
「え、じゃ、じゃあ、……私達が戦ってきたのって、艦娘、…………な、の?」
名取が、顔を青くして呟きました。けど、それは、
思い出す、出撃の度に撃ち砕いていた存在。
あれは、…………元々は、榛名と、同じ?
「違う、と思う。
鬼種や姫種は確かに元は艦娘だ。そこにいる三人のようにな」
「もっとも、艦娘だったころの記憶なんて何もないけどね」
ひらひらと手を振るあきは。くれはともみじも頷きました。
「そちらは轟沈すると、深海にある異界、《波下の都》と呼ばれるところに堕ちる。
先に話した死んでも死に切れない艦娘も同じだ。深海棲艦になり《波下の都》に堕ちる。その都には多くの深海棲艦が暮らしている。私は行った事がないが、一度行ってみたい」
「そこに金剛がいましたね。
榛名、貴女の姉です」
金剛、お姉さま。…………ええと、「あ、あの、こんな言い方、変かもしれないですけど、元気、ですか?」
「元気です。……と、そうそう、比叡も最近来たみたいですね。
こちらは轟沈していないようですが、まあ、ここに所属するのならもしかしたら行く機会もあるでしょう。そこは主君に相談する事です」
「はい」
金剛お姉さま、比叡お姉さま、…………榛名は、是非会ってみたいです。
「所属するのか?」
「すでに所有者のいない艦娘ですからね」
眉根を寄せる若葉にくれはは苦笑。
「あの、……問題があります、か?」
五月雨の問いに若葉は少し、眉根を寄せて「主君に進言するが、花見の後に決めた方がいいだろう」
「主君がそれまで待つかは解りませんが?」
「ただの社員としてなら問題はないと思うわ」
問題、ですか?
もみじとくれはの遣り取りより、そこが少し、気になります。なにか、あるのでしょうか?
主様に仕えるのは、榛名歓迎です。けど、他の皆を危険にさらしたく、ないです。
若葉は頷いて、
「それならそれでいい。
だが、艦娘として戦う事を考えているのなら、その結論は花見の後にした方がいい」
「ちょくちょく聞きますが、お花見、ですか?
あの、桜の花を見る、ですよね?」
「ざっくりと来ましたね」
鳳翔の問いに加賀は応じ、鳳翔は言葉に詰まりました。
苦笑。
「そうです。
今週末、吉野にてお花見をします。今はそのためにいろいろな者たちが働いています。若葉達もそれ関係ですね?」
「そうだ。私と初霜、そして、もちろん提督も呼ばれている。……否、参加を命じられている」
「貴女たちも無関係ではありません。
お花見の準備に付き合ってもらおうと、尊治と相談をしています」
「お花見、ですか」
「そう、お花見です。吉野で今週末に開催する桜の花を見ながら行う宴会です。
団子がたくさん食べられるので、今から気分が高揚します」
「同感です。すべて、鎧袖一触です」
…………なんていうか、加賀ともみじって、似てませんか?
「花より団子って、そんな直接的な意味でしたっけ?」
「たぶん、違うと思うわ」
「まあ、楽しみなお団子はいいとして、ここの事をいろいろ体験するにはいい機会だろう。
すでに吉野には正成がいるはずだ。あとは、誰か行くか?」
「私が行きます。
主君に伝えに行きましょうか? 朝食が終わったら来なさい。連絡に向かいます」
「はい」
そして、朝食を終えて最上階へ。
「主君」
もみじが戸をノックしました。「はーい」と初霜の声。
「あ、主君復活しましたか?」
「うむっ、しじみの味噌汁とベビーホタテを食べたら復活した。
初霜は優秀なやつだな。嫁に欲しいな」
む。
「……主君。同性です。榛名さん、睨まないでください」
「え? は、榛名睨んでないですよ?」
そんな事、ないと思うのですが。……って、「鳳翔、なんで笑ってるんですか?」
「なんでもありませんよ」
「むぅ」
「そうか、同性なのだな。…………私はもともと男だったのだが、どうして女性になったのだろうな。
やっぱり女装したのが悪かったのだろうか」
お、男だったのですかっ? 榛名、びっくりです。
「…………主君、その黒歴史詳しく」
もみじが食いつきました。榛名も、興味があります。
「うん? 謀反人呼ばわりにされて島流し食らってな。
仕方ないから女装して隠岐島さまよって、漁船見つけてなんとか抜け出した。それにしても、漁船一艘に船団百艘で追撃とか、佐々木の奴め、力の入れ方が半端じゃなかったなあ」
「…………ええと、尊治って、帝、よね?」
心底意外そうな村雨の言葉に主様は胸を張って「元だがな、まあ、そうだぞ」
「私、帝ってもっと平穏な人生歩んでる印象でした」
同感です。
「何を言うか、妻の連れ子に暗殺されたり、神器に祟り殺されたり、怨霊に呪い殺されたり、神罰食らって死んだり、臣下に殺されたり祖母に無理心中食らったり、色々いるぞ?」
「け、結構、大変なのですね」
「残念な現実だが仕方あるまい。
で、もみじ、何用か?」
「彼女たちに、お花見の準備を手伝ってもらおうと思っています。
私達の仕事を体験させるにはいい機会だし、こちらも忙しい部分に助力が得られて有り難いです。
それで、私とともに吉野に向かってもらおうと思います」
「ふむ? ……む?」
眉根を寄せる主様。
「なにか問題でも?」
「問題、……だな。
昨夜、五月雨と、そこにいる皆と一緒にカレーを食おうと約束していた。果たさねばならぬ」
え?
「あ、……あの、覚えてて、くれたの、ですか?」
「何を言うか、当たり前だ。
私はそこまでぼけていない、そなたは失礼だな」
「あ、ご、ごめんなさいっ!」
慌てて謝る五月雨。けど、
「カレー?」
村雨が小さく呟きました。……食事。主様と一緒に、というのは嬉しいです。けど、それよりも、…………あの泊地では、食べる事がなかった。皆と一緒の、食事。
「む? そなたはカレーが嫌いか?
が、まあいいっ、他に食べられるものはいくらでもあるからなっ! 酒は飲まない方がいいぞ」
「あ、いや、飲まない。けど」
「そういう事でしたら昼食後に出ましょう。
主君、どうか穏やかな食事を、彼女たちはそれまで、自由にしてもらえばいいでしょう」
「約束したの、覚えててくれたんですね」
仮眠室に戻って、少し狭いけどみんなで入って、
ぽつり、五月雨は呟きました。
「約束?」
「はい、……ええと、昨日の夜。
主君と、ご飯を食べたんです。カレーを、案内してくれて、……それで、みんなをここに呼んだら、みんなで一緒に食べようって、……えへへ、あの時、すっごく嬉しかった、です」
照れたように微笑む五月雨。……その気持ち、榛名にもわかります。
「食事取る事なんて、ありませんでしたね。私達」
「うん」
「燃料ばかりだったね」
「そうですね。維持さえ出来れば、それでよかった。ようですから」
鳳翔の言葉に皆が頷きました。
楽しい事なんて何もなくて、ただ、資材を確保する為の、それだけのための維持。
辛かったけど、……私達は艦娘、それで、仕方ないと思っていました。
「その時、主君に言われたんです。
私の事を、誰ひとり価値を認めなくても、自分は認めてくれる、って。……私、ドジばっかりで、全然いらない娘だったから、そう言ってくれて、凄くうれしかった、です」
確かに、五月雨は泊地でも決して優秀な艦娘ではありませんでした。失敗も、多かったです。
だから、そうやって価値を認めてくれるのが、嬉しいのですね。
「なんでぇ、そんなの、あたしたちだって同じだってんだ」
涼風が、そっぽを向いて呟きました。もちろん、それは榛名も同じです。けど、
鳳翔は、少し困ったような微笑。
「言葉に出さなければ、伝わらないですね」
はい、その通りです。
五月雨は微笑んで、
「だから、……ずっと、私の事を欲してくれるのなら、仕えたいって、そう思ったんです」
だから、主君と呼ぶのだと、彼女は告げました。
「ぃよしっ! 昼飯の時間だなっ!
五月雨っ! カレー食いに行くぞっ!」
どばんっ、と扉が豪快に開けられ、主様です。
「はいっ」
そして、嬉しそうに応じる五月雨。
「そなたらも来い。
金はないだろうから私が奢ってやるっ、お代わりはなしだがデザートくらいは、………………か、加賀のような注文は、するなよ?」
「な、なにがあったのですか?」
急に口調が落ち込みました。凄い落差です。
「初めて加賀と一緒に飯を食うという事で、気前のいい私は奢ってやると言ったのだ。
そしたら、加賀はな。カロリーが高い料理を上から五品頼んだのだ」
「そんな注文しませんよ」
どういう注文ですかそれは?
「だ、だから、一人二品、……それなら、好きなもの頼んでよいぞ。
いいな、二品だからなっ、五品頼んで注文は一つですとかそういうのはだめだからなっ」
「大丈夫です。榛名達はそんな素っ頓狂な注文はしません」
二品で十分です。
「そうかっ、では行くかっ!
皆で食べる飯は美味いからな、私は楽しみだっ」
そう言って颯爽と歩きだす少女。そして、
「では、行きましょうっ」
五月雨が続いて歩き出しました。……彼女ほどではないですけど、榛名、小さく笑っていました。
主様と、そして、みんなと初めての食事、榛名、すっごく楽しみですっ!
//.榛名