闇に堕ちた元提督 作:きんにく同盟
何かわからない事があったら教えて下さい。
俺たちは明日、仕事を与えられる。
南米に潜伏中の反政府組織に大量のAK-47が流れたという俺たちの仕事は銃を破壊し、計画を探る事だ。
そう、銃が大量にあるならば、武装組織に変わるのだ。
それなのに、訓練もしなくて平気なのか?
空挺部隊に居た時は、訓練のみを重ねていた。それも特殊部隊に入りたかったからだ。
結局、俺は童貞を捨てていない。
(人を殺すこと)
果たして、俺はこの部隊で満たされるのだろうか…
他のメンバーの書類を確認する。
経歴も氏名、性別さえも書いていない。
信用出来ない……
まぁ、乗り掛かった船よりかは、自分で選んで乗った船だからやり切る。
俺のコードネームはランサー、先陣でもきるのか?
とりあえず、考えても無駄なので寝ることにした。
眠りは便利だ。疲れも取れるし、体が高速で修復しているのを実感出来る。だから寝る。
当日…
飛行機で現地まで飛んだ俺は、夜に集合場所まで急いだ。
メンバーが明らかになるので気分が高揚している。
俺は、集合場所の倉庫まで行った。そんな俺を迎えたのはガスマスクをした3人だった。背丈も体つきも同じで、筋肉がついてるとか、太っているよりかは、会ったらすぐに忘れる様な平均的な体だった。
そういえば、聞いたことがある。特殊部隊に所属している隊員の体つきは筋肉で固められてる訳ではなく、腹がポテポテしている隊員が多いという。ただ、一般人と違うのは強靭なる精神力。
そう考えれば、この3人を神格化してしまう。
俺が見ていると
「お前がランサーか?」
「はい!宜しくお願いします。」
「では、簡単な自己紹介でもしておこう。」
ガスマスクに、腕に細いナイフを携帯している奴が
「俺はサイレント……」
そして、軽装備の奴が
「俺はハック…そしてあまり俺に触れないで欲しい。服の中に小瓶が入っているから、割ると皆死ぬ。」
「わ、わかりました。」
そして、最後は…ヤケに大きなアタッシュケースを持っている。
「俺はクレバー。スナイパーをやっている。」
「スナイパーですか…火力が足りませんね。」
「だから、お前にやって貰う…」
俺は、マシンガンを渡される。それにガスマスクも
「いいですよ。」
服を迷彩服に着替え、ガスマスクを装着する。
そして、簡易な地図を机に広げる。
「いいか、俺はここで別れて、狙撃と状況に応じての指示をする。サイレント、ハック、ランサーは、ランサーを先頭に進んで行け。」
「俺が先頭ですか!?」
「先陣をきるのがランサーだ。」
「そして、外の見張りを狙撃する。」
「中に入ったら、隠密に行動しろ…、そして先頭をサイレントに変われ。」
「それから先は、臨機応変に無線で指示をする。いいな」
返事は無いが、沈黙こそが肯定なのだ。
それから、数時間もしない内に建物の周辺に到達する。
前には、武装した見張りが2名。
『そいつらは任せろ』
『サイレントは右のをやれ。同時にやるぞ、タイミングは任せる。』
コンコン…
サイレントが無線を叩く。任務中での肯定だ。
ナイフを腕から抜き、背後に近寄るサイレント。
衣擦れ音すら出さずに近寄る。そう無音……
近寄ると、後頭部と首の間にある中間点をナイフに当て無音で刺した。脳幹を文字通り、ぐちゃぐちゃにした。それから、サイレントは音も出さずに倒れる見張りをじっと見つめていた。
やはり異常か……
片方を見ると、頭を撃ち抜かれて事切れていた。
『サイレントとハックは中に進め』
『ランサーは2階の扉の階段中腹に居ろ、必ず数人は出てくる。』
コンコン…
俺は、中腹に居た。
ドクンドクン……心拍数が上がってくる、とうに100は超えているだろう。
ガチャ…何かを話して出てきた2人を確認した。
『お前は右だ、タイミングは任せる。一撃で仕留めろ。』
コンコン…
俺が狙いやすい方を選んでくれた。立体認識が凄まじい。
狙いを定めて、撃つ!!
片割れが崩れ落ちるのを見た後、驚愕の表情を晒したまま名も知ら無い男は崩れ落ちる。
母さん……人を殺してしまいました…
『銃を回収し、計画を綴ったホワイトボードの写真も撮ったらしい。』
『一階の右奥の部屋にいるという、ランサー、合流しろ』
コンコン…
俺は、音を殺して中に入った。
次の瞬間、中の凄惨さに息を呑んだ。
溶かされた元人…例えるならばクリーチャー
ナイフを刺されたのだろう、無傷に見える屍体
明らかに殺し過ぎている。無造作に開けられた扉の中には同様の屍体が満たされていた。
中には、寝ている人までも……
見るたびに興奮した。
指定された部屋に入ると、2人がいた。
『合流した頃か…ランサーを先頭に建物から出ろ、銃は持っていく。』
コンコン…
クレバー、この2人なら平気です。
建物から出て、逃走経路を進む。
建物が見えなくなった時、建物が爆発した。
つまり、皆死んだ……
クレバーと合流した俺たちは、倉庫へと行く。道中、クレバーと会話した。確かめたい事があったのだ。
「クレバー、建物を爆破したのは貴方ですか?」
「そうだ。美しかっただろう?あの建物構造は中間の強い衝撃に弱いんだ。」
「貴方たちは……」
狂ってると言いかけた……がミラーに映った自分のニヤケ顔を見て、ゾッとしたから止めた。
「クレバーはアジア系だそうですね。」
「そうだが……」
「前職は何だったのですか?」
「海軍の司令官さ…………遠い昔の話だよ。」
20代にしか見え無い顔でそう言うクレバーは俺に個人的な質問を躊躇わせる。
「回収した銃は如何するのです?」
「決まってるだろ。また売るんだよ俺たちが」
「そんな事したら……」
「そしたら、また俺たちに仕事が来るし、金も儲かる。」
何より…………また殺せるじゃないか……
ニタニタと笑う、3人に吊られて、自分もニヤける。俺はコッチ側の人間だったのだ……
沈黙は、ある意味肯定だ。
だから否定は口で意思表示をしなくてはいけない。
思えば、無線応答の際、拒否を示す方法は教えられていない。つまり、拒否は許されていないのだ。
だからこその沈黙だったのか………
どうでしたか?
少し長かったと思いますが読んでいただきありがとうございます。