be with you いつもそばに   作:グリアノス

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第14話です。




第14話 友人との日常

束お姉ちゃんが姿を消してから数年が経ち、俺は中学生になった。

 

世界中は血眼になって束お姉ちゃんを探しているが、それを嘲笑うかのように束お姉ちゃんの行方は分からないままだった。

 

一部では篠ノ之束は既に死んでいるのではないか?等と囁かれる位なのだからどれ程かは推して知るべきだろう。

 

束お姉ちゃんの事だから滅多な事はないと思うし、千冬お姉ちゃんも、今アイツを探している連中にアイツをどうにか出来る奴が居るとは思えんな、と笑いながら言っていた。

 

……確かに想像つかないな。束お姉ちゃんを捕まえるなんて宝くじで一等を当てるより難しいんじゃないか?

 

それにしても束お姉ちゃんは元気でいると良いんだが。

 

 

 

 

 

 

そしてこの数年で様々な事にがあった。

 

まずは束お姉ちゃんや篠ノ之一家が居なくなった後、しばらくしてから開催された第一回モンド・グロッソで千冬お姉ちゃんが総合優勝を果たしてブリュンヒルデと呼ばれるようになった事だろう。

 

千冬お姉ちゃんは大会において世界各国が開発した機体を相手に戦い、刀一本で全て切り伏せた。

 

まるで嵐のように放たれる弾丸を掻い潜り、ミサイルを切り裂いていく姿は凄まじいの一言だった。

 

千冬お姉ちゃんは白騎士の再来と言われ、そして千冬お姉ちゃんの専用機である暮桜の単一仕様能力である零落白夜は千冬お姉ちゃんの代名詞となった。

 

……俺としては白騎士云々は真実を知ってるだけになかなか笑えなかったが。

 

しかし大会後、家に取材の為にやって来る記者やマスコミは凄く目障りだったな。

 

これには千冬お姉ちゃんも辟易としていたのは良く覚えている。

 

しかし千冬お姉ちゃんがモンド・グロッソで優勝した事の影響は良いことばかりではなかった。

 

なんでも、男性より女性が強い、なんていう俺に言わせればバカらしく、そして下らない風潮が広がった。

 

もともとISの為に敷いていた女性優遇政策もこれに拍車をかけていた。

 

……別に女性が強くなった訳じゃないし、偉ぶっている連中はISに乗ってる訳じゃないのにな。

 

 

 

 

 

 

 

さて、話は変わるけど俺が小学四年生の時に中国から転校生が来たりもしたな。

 

転校生の名前は"鳳 鈴音(ファン リンイン)"というちょっと小柄で活発な女の子だ。

 

彼女は当時はまだ日本語が上手く話せなかった為に虐められていたりもしたが、何とか解決することが出来た。

 

ちなみに今回は相手を叩きのめす、何て事はしなかった。

 

具体的には彼女が早く日本語をマスター出来るように手助けをした。彼女も努力を重ね、驚くべき速度で日本語を覚えていった。今では違和感なんて全くないし、国語なんて学年でもトップクラスの成績を誇っている位だ。

 

まあそんな事もあってか今では親友として仲良くしている。

 

 

 

 

 

俺が中学校に入ってからは五反田 弾と御手洗 数馬という友人も出来た。

 

二人共少し頭は悪いが人当たりも良く、誰とでも仲良くなれる奴だ。

 

……まあいつでも彼女が欲しいと言い続けている為、彼女には縁が無いみたいだが。

 

黙っていれば彼女ぐらいすぐに出来るだろうに。

 

だからさ……

 

「ちくしょー、おい一夏!なんでお前ばっかりモテるんだよ!!」

 

「くっそー、このリア充が!!」

 

そう言う事言うの止めないか?

 

「んなこと俺に言うなよ」

 

俺は二人に呆れながらそう言う。

 

「でもお前、告白されても皆断ってるんだろ?」

 

数馬、お前それをどこで知ったし。

 

「好きな人がいるんだから仕方ないだろ」

 

「大体お前の好きな人って誰なんだよ?」

 

弾が俺に聞いて来るが、

 

「そんなの他人に言うわけないだろうが」

 

そんな風に楽しくとも下らない話を続けていると向こうから鈴がやって来た。

 

「弾、それと一夏に数馬、アンタ達そんなとこで何やってんのよ!」

 

……うん、勘の良い奴は気づいたんじゃないかな?

 

「おーおー俺と一夏はまるでついでみたいだな?」

 

数馬はニヤニヤしながら鈴をからかう。

 

「な、ななななな何言ってんのよ!!」

 

鈴は顔を真っ赤にしながら言ってきた。

 

……分かりやすい奴め。本当にこの反応で分からない奴なんて、

 

「ん?一夏、数馬どういう事だよ?」

 

……いっそ死ねば良いんじゃないか?

 

鈴の顔もさっきとは違う意味で真っ赤になっている。

 

俺と数馬は同時にアイコンタクトを交わして、

 

「「自分で気づけ、このバカが!!」」

 

弾の尻に蹴りを入れた。

 

「ぬあ!?何すんだお前ら!!」

 

黙れ、これはお前が悪い。

 

「黙れ、これはお前が悪い!!」

 

……どうやら数馬も同意見らしいな。

 

すると鈴が弾の目の前にやって来た。

 

「……弾の、バカァァァァァァァッ!!」

 

「ぐわぁぁぁ!?」

 

怒りの余りに耳まで真っ赤になった鈴は弾の顔に拳をめり込ませてそのまま踵を返して走っていった。

 

鈴の拳をモロに喰らった弾は数メートルは吹っ飛んだ。

 

……良いパンチだな。ちゃんと体重が乗っていてさらにひねりも加わってかなりの威力が出てるし、束お姉ちゃんも褒めてくれるレベルじゃないか?

 

っとそんな事より鈴を追いかけないとな。

 

「数馬、そこのバカをほっといて鈴を追いかけるぞ」

 

「ああ、分かった」

 

俺と数馬は弾を放置して鈴を追いかけていった。

 

「り、理不尽だろ」

 

俺達が走り去った後、弾が何か言っていたが俺達は気にせずそのまま鈴を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ一夏、アンタ来月のモンド・グロッソに行くんでしょ?」

 

「ああ、勿論行ってくるぞ」

 

ある日鈴は俺にそう聞いてきた。

 

俺は鈴の問いかけにそう言うと弾と数馬も会話に混ざって来た。

 

「確かドイツだったか?あー、俺も行ってみてぇなぁ」

 

「まったくだな」

 

「お前らには土産くらいは買ってくるから勘弁しろ」

 

俺は皆に苦笑しながらそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし俺はそこで面倒事に巻き込まれる事になる。

 

……やれやれやっぱり俺には平穏はないらしいな。




読んでいただきありがとうございます。


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