be with you いつもそばに   作:グリアノス

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第6話です。


5/10 加筆修正を行いました。


第6話 力の意味

あの後、束お姉ちゃんのナビゲートもあってか誰にも見つからずに(なんでも、光学迷彩っていうのを使ったらしい)千冬お姉ちゃんは僕達の元に帰って来た。僕達は千冬お姉ちゃんに駆け寄った。

 

千冬お姉ちゃんは駆け寄ってくる僕達を見ると白騎士を解除した。

 

すると千冬お姉ちゃんは倒れ込む様に膝をついた。

 

「千冬お姉ちゃん!?大丈夫!?怪我はない!?」

 

「ああ、何とかな。どうだ、私はちゃんと帰って来たぞ」

 

千冬お姉ちゃんは息を切らせながらも笑いながら言った。

 

僕はその言葉を聞いた瞬間、涙をこらえられなくなった僕は泣きながら千冬お姉ちゃんに抱きついた。

 

 

 

 

 

 

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皆が無事を喜びあう中、とある場所で一人の男がその様子を覗いていた。

 

「今回は君の勝ちだよ。篠ノ之束」

 

「しかし"インフィニット・ストラトス"か。まさかこれほどとはな」

 

男はそう呟くと誰にも気づかれること無く立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

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そしてそれから1年が経った。

 

この1年の間に色々な事があった。

 

まずあの一件以降、以前は見向きもされなかったインフィニット・ストラトスが手のひらを返す様に注目される様になった。たった一機で二千発を越えるミサイルを落としたのだから当然と言えば当然だろう。

 

社会に国際IS委員会なんてものが出来る位にはインフィニット・ストラトスは認められたのだろう。……無論、兵器として。

 

そして男性には起動出来ないという欠点は開発者である束でも解らなかった為に、女性の社会進出が急速に進んだこともインフィニット・ストラトスが与えた影響だろう。

 

しかし束は本来の使い方をされないインフィニット・ストラトスに心を痛めているし、私も一夏も今のインフィニット・ストラトスは好きになれなかった。

 

束は今、国際IS委員会の要請によりコアの製造に精を出している。

 

……いつかは皆が分かってくれると信じて。

 

そうそう、世間で白騎士事件と呼ばれるあの一件で白騎士に対して攻撃を行ったアメリカを始めとした各国は世界中で非難された。

 

それによりアメリカは以前までの発言力を維持出来なくなり、その他の国も国連から重いペナルティが課せられた。沖縄を始めとした米軍基地が次々と閉鎖されているのもその影響だろう。

 

 

 

 

 

一方、一夏と箒が小学校に入学するという出来事もあった。私や篠ノ之家一同はおおはしゃぎで皆が一夏と箒の入学を祝った。

 

そして一夏と箒は剣道においてどんどん力を付けて行った。柳韻さんと束曰く、実力は同年代ではかなりの強さらしい。

 

そんななか箒が学校で苛められるという事もあった。

 

その時、一夏は箒を苛めた相手を叩きのめしたらしい。一夏は同年代と比べて力も強く、相手は怪我を負った。当然それは問題となった為に私は一夏を叱った。

 

……まあ、一夏は叱られた事に納得していない様だがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

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僕は箒を苛めていた相手を叩きのめした事で千冬お姉ちゃんに怒られた。

 

でも納得出来なかった僕は束お姉ちゃんにその事を話すと、

 

「ねえ、いっくん。何で箒ちゃんを苛めた子を叩きのめしたんだい?」

 

束お姉ちゃんは僕にそう問いかけた。

 

「勝手な理由で箒を苛めてたのが許せなかった」

 

僕は思った事をそのまま伝えた。

 

「なるほどね、でもそれだけじゃダメだね」

 

「どうしてさ」

 

「いっくん、自分の力は何の為にあると思う?」

 

力は何の為にあるか? どういう意味だろう?

 

束お姉ちゃんの問いに答えを返せないでいると、

 

「んー、少し言い方を変えようか。いっくんはその力でどうしたかったのかな?」

 

「僕はただ箒を助けたくて……あ」

 

束お姉ちゃんは僕が間違いに気づいた事を察して更に声をかけてきた。

 

「そう、いっくんが相手の子に振るったのは人を助ける力じゃなく、相手を傷つける暴力だったんだよ」

 

間違いに気づいた途端に僕は自分のした事が恥ずかしくなった。

 

「いっくんは確かに強くなったかも知れない。けど忘れないでね。力は少しでも使い方を間違えるとただの暴力になるんだよ」

 

束お姉ちゃんはそっと僕を抱き締めながら囁くように言った。

 

「今度は力の使い方を学んでいかなきゃね」

 

僕はその言葉を決して忘れないようにして今日も竹刀を振るう。

 

 

 

 

 

 

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私は今、束を誘って近所の喫茶店に足を運んでいた。

 

「お前には感謝しきれないな」

 

「ふふ、そんなことないよ」

 

コーヒーを啜りながら言った私の呟きに対して束は軽く笑いながらやんわりと否定した。

 

「謙遜するな。本来なら私が一夏に教えなければいけない事をお前は一夏に教えてくれている」

 

実際、こいつには助けられてばかりだ。

 

「まあちーちゃんは口で何かを語るのはあんまり得意じゃないしね」

 

束はキャラメルマキアートに口をつけながら若干失礼な事を言う。

 

ぐっ、認めるのは癪だが否定出来んな。

 

「うるさい。だがお前がここまで人と関わるなんて以前のお前ならば考えられないな」

 

意趣返しのつもりで言ったが実際コイツは自分から人と関わる事はなかった。私との関係も私から関わった事が始まりだったからな。

 

「まあ私もいっくんには色々教えられてるのさ」

 

「そうか、アイツも最近は口を開けば出てくるのはお前の話ばかりだ」

 

姉としては少々寂しいものがあるがコイツの話をしている一夏の顔はとても生き生きとしていた。父さんと母さんが死んでからというもの、笑いながらもこか曇った表情をするようになったアイツにとって束は心の拠り所になっているのだろう。

 

(まあおそらくマドカの行方が解らないのも原因の一つだろうがな)

 

一夏は本当に家族の事が大好きだったからな。実際、父さんと母さんが死んだときのアイツは見ていられなかった。

 

「所で今日は少し相談したい事があるんだ」

 

コーヒーを飲み終えた私はそう言って本題を切り出した。

 

「ほや? ひーひゃんはほうはんほはへふはひいへ? ( おや? ちーちゃんが相談とは珍しいね? )」

 

束は飲み物と共に頼んだケーキを頬張りながら聞き返してきた。

 

「茶化すな。それと口に食べ物を含んだまましゃべるな」

 

「モクモク……ゴクン……それで相談って何かな?」

 

「ああ、相談とは一夏の事だ」

 

「いっくんの事?」

 

「ああ、お前の事だ、気付いているんだろう?」

 

 

 

 

 

 

「アイツには、一夏には剣の才能が無いことに」




読んでいただきありがとうございます。
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