コラボ 激闘、絶対悪   作:ゆっくり無色饅頭

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追跡3

小裁は神人を連れて逃げた。豊魅は恐らく絶対悪を倒せないと分かって止めに入っている。純粋に時間を稼ぐために鬼神の威厳を捨ててまで絶対悪を止めに入ったのだ。その思いを無駄には出来ない。

 

「絶対死なないでよ……豊魅。」

ぼそりと呟いた。豊魅があの時返した言葉を思い出し、死なない事を望み、次龍神の世界へ戻った。

 

「不変の鬼神、鬼灯豊魅……いざ参らんッ!」

「ハッ!雑魚がイキがってんじゃねぇぞ!」

 

豊魅の拳は空を切り、絶対悪にかすりもしない。能力を使えなくとも、相当な強さを持つ豊魅すら一撃も与えられない。

 

「くぅっ……これだけやっても当たらんか……。ならばッ!鬼灯流闘術『鬼火の型』ッ!」

 

鬼火の型。本来は妖力により鬼火を纏い戦うのだが、瘴気の力で妖力は封じられている。鬼火は出る事はない。

 

「そうじゃったな、ついうっかりしておったわ。なら形だけでも……やるとするかのぅ!」

先程とは変わって一撃一撃の速度を早めて連打していく。それを絶対悪は防ぐ事無く全て受け切った。傷ひとつ無い姿を見て流石に豊魅も苦笑いした。

 

「……おいおい、流石に傷は付くかと思ったんじゃが……」

「欠伸が出る。弱いんだよ!メテオハンド!」

 

ビットが巨大化し、空から降ってくる。あまりの威圧で豊魅は立ち尽くすしか無かった。しかし不意に笑いがこみ上げて来た。

 

「ふふっ……ハハハハハ!」

「どうした?何がおかしい。」

「いや、わしはこの程度では死ねんなと思ってのう。未だにわしを殺せる奴は居ないし、殺そうとしたら返り討ちが当たり前じゃった。」

「あん?押しつぶされて死なねぇ奴なんざ軟体な奴か不死身だけだ。てめぇは潰れて死ぬんだよ!」

「果たしてそれで死ねれば良いがなぁ……」

 

轟音が鳴り響き、豊魅の姿が巨大な手の下へ消える。大地にヒビが入るほど強烈な力だった。コレならば例え妖怪であろうと木っ端微塵に吹き飛んでもおかしくはない。しかし、絶対悪は驚愕した。手をよけたその下には気絶した傷一つ無い豊魅が倒れていただけだったのだ。

 

「馬鹿な……何故だ。コイツは次元神でも無いのに何故瘴気が効いていない!?いや、効いてはいるのか……何と言う力だ……末恐ろしい奴め。さっきのはそうゆうことだったのか!」

 

絶対悪は豊魅を掴み、洗脳しようと試みたが効いていない。洗脳出来ないのだ。豊魅の能力『原型をとどめる程度の能力』は、いかなる変化も拒む力。本人自体にかかったその能力を解除する手段は無い。本人にすら解くのは不可能だ。無力化しようにも、本人にかかったそれは無力化を拒み無力化出来ない。それは本人のココロにもかかっている。外部からの変化を拒む力は洗脳を弾いたのだ。

 

「チッ……味方にすりゃかなりの戦力と思ったが……。」

「そこのお前ッ!バベル様の命で俺っちが相手をするぜ!」

「あぁ?また邪魔か。早く神人を回収して完全体にならねえと計画が狂うってのによぉ。」

 

現れた短く赤い角の生えた長身の鬼。この出現はいかなる物語を紡ぎ出すのか。

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