「バーニングッ!」
そう叫んで炎を纏った拳を絶対悪へと何度も叩きつける。瘴気を吸う前に発動した力までは使う事が出来るため、戦うことは可能だろう。しかしやはり傷つける事すら出来ない。傷がつかないのにはトリックがある。しかしそれに気がつかない内は、永遠にダメージなど入らないだろう。
「あぁ、鬱陶しい!消え失せろ、ギガレイズ!!」
急に現れた銃剣イビルネスから放たれた灰色の極太レーザーがソニアを10km程吹き飛ばす。更に追撃で瘴気のレーザーが突き刺さる。
ように見えたが、バーンは絶対悪が気がついた時には既に後ろに居た。
「獣弾ッ!」
「グウッ!?」
「やっと効いたか!クソったれめ!」
「あぁ、確かに効いた……効いたさ…良くもやりやがったな……繭をぶち壊しやがって…」
「繭?なんだそりゃ?」
繭……そう。先程の傷がつかない理由。それが繭だ。絶対悪は体に細いワイヤーのようにした絶対悪の瘴気を巻き付けて、ガードしていたのだ。しかし繭には別の用途もある。
「こうなりゃテメェで十分だ。代わりにもならんだろうが……フンッ!」
「がぁっ!?体……が、動か……」
繭の糸と同じ物でバーンは縛られた。縛られた状態ではもはや動けないだろう。
「乗っ取らせて貰うぜぇ?テメェをよ!」
「ぐぁ……止め……!ああああああ!」
バーンの意識はそこで途絶えた。絶対悪に体を奪われたと言う方が正しいだろう。
「ふふふ……ほぉ……なるほど……思ったよりはなじむな。さて器も手に入った。待っていろ妖神人よ……」
次元を引き裂き、また別次元へと絶対悪は飛んで行った。
倒れた豊魅が次に目を覚ました時、そこには1人の少年と少女、そして見たことのある人造人間がいた。
「お主……ノアか?」
「あ、目を覚ました。迎えに行ったら倒れてたから一番近い次元のここで休ませて貰った。」
「明空翔だ……ってか正月に会ったよな?久しぶりだな。」
「クゥ・アルヘイドだよー!」
「わしは鬼灯豊魅じゃ。しかし……こっぴどくやられたのぅ……傷一つつけられんとは……」
申し訳なさそうに豊魅はすまんと謝る。翔とクゥにはノアが事情を話しているため、別にいいと言った。
「とにかく、その絶対悪を倒さなきゃならないんだろ?だったら力を貸すぜ。」
「ウチも貸すよ。足しにはなるでしょ?」
「ありがたいわ。……ッ!来た!」
次元が引き裂かれ、現れたのはバーン。しかし黒い結晶と気味の悪い目が肩と手の甲についている。
絶対悪バーン=ソニアとでも言うべきだろうか。
「ほぅ……どうやら飛ぶ場所を間違えたかな?」
「嘘だ……アンタは私の察知能力を先に潰しに来た!」
「ふん、つまらん奴め、遊んでやろうと言うのに。新しい器も手に入ったんだからなぁ?」
ノアの真の能力「特徴を具現する程度の能力」。これにより野生の感で危険を察知できるノアを潰しに来たようだ。しかし、翔とクゥが立ち塞がってノアを守ろうとする。
「なんだ貴様らは。ワタシの邪魔をするというのか?」
「当たり前だ!俺達の世界で好き勝手やらせるかよ!」
「ノアちゃんは逃げて、このことを伝えてくれる?」
「……分かった。クゥ。逃げなさい。いや、翔、貴方も良いわ、豊魅と次龍神の世界へ逃げて。私がやる」
ーー
ノアの姿がまるで悪魔のような姿へ変貌する。しかしそれは美しく、そして何よりも恐ろしかった。
(死ぬのは私だけで、十分だから。)