ーリオンー
ティファニアに抱き付かれ、マチルダから命の危険を感じながらも魔法による見張りを続けて夜が明けた。
今更だが二人共よく眠れたよな。一応お貴族様だから文句がくるかも?なんて思ったが杞憂に終わりホッとする。
朝食の準備をしようかと思ったが私の腕前で貴族生活をして居た二人が満足するか微妙だな。しかし、逆に言えば貴族生活をして居た二人が食事を作れるのかも疑問だ。原作ではテファは料理をして居たはず。だがこの時期から出来ていたかは解らん。
仕方ない。やはり屋敷から持ってきたパンとチーズを焼いておこう。デザートも多少は有ったから何とかなるだろう。名前も食べた事もないから解らんが屋敷に有ったのだ、毒ではあるまい。
ーティファニアー
パンの焼ける匂いを感じ意識が浮上してくる、太陽の優しい光を感じ目を開けようとするが、私を包む温もりと優しい音が安心感を与える為もう一度眠りの世界へと誘われそうになる。
「ん、起こしたか?」
声が聞こえた。目を開けるとリオンの顔が目の前にあった。しがみついて眠ってしまったから当然なのに、あぁ、ずっと側に居てくれたんだ。なんて思った。と同時に急に顔が熱くなる。えっ?なに?なんで?
ーリオンー
パンとチーズを焼き始めるとテファが動き出した。まだ焼けては無いが匂いに反応したかな?テファが目を開け、正面から目が合う。挨拶を交わそうとするとテファは耳まで真っ赤になり俯いてしまう。
ヤベェ可愛い過ぎる。
何て思った瞬間凄まじい殺気が飛んで来る。マチルダさん、此方には背中を向けてるんですけど?
ーマチルダー
リオンがパンを焼き始めたのに気が付き、もう朝なのか、何て考えていたら物凄い不快な気分になった。今起きたら問答無用で魔法を放ちそうなので心を落ち着ける為、しばらく寝たふりをしておく。
しかし、食事の事を考え付くと何処にそんな物を持っていたのか、疑問が浮かぶ。彼は一体何者?杖を使わない魔法使い、何処からともなく取り出したパン。聞きたい事があり過ぎて何から聞けば良いやら。
テファの味方であるのは間違いないようだけどね。
だからってまだあの娘を嫁にやるつもりはないよ。昨日のあの娘のあの表情、今も感じるテファの嬉しそうな雰囲気。見なくても解るなんてこの黒い何かはある意味便利だね。
「マ、マチルダさ〜ん。起きていらっしゃるなら、御一緒に朝食などいかがでしょう?」
リオンの奴、下手に出てきたね。仕方ない、起きて話をしますかね。
今日、後二つ上げます。