ーマチルダー
《従者契約》か、聞いた瞬間テファが言い出した事は納得だ。反対しようがない。私やリオンが居なくなった後、この娘を1人にする位ならば其方の方が良いわ。聖地に連れて行けば良いかもしれないが『ハーフエルフ』がどう扱われるか解らない以上ベターな選択だ。第一連れて行けるかも解らない。
「リオン、私からもお願いします。この娘を1人にしたくない。」
「……反対すると思ったが、その理由は聴けば理解した。エルフが1人で生きて行けるほどこの世界は優しく無いのだな。だがエルフの集落はないのか?あぁ『ハーフ』がどうなるのか解らないからか。」
「その通りよ。」
「テファ、私と同じ時間を過ごしてくれるか?」
「はい、リオンは私と同じ時間を過ごしてくれますか?」
「もちろんだ。」
聞いてるこちらが赤くなるセリフだね。………ムカつく。
ーリオンー
さて、テファとの《従者契約》を行うことが決まり、有頂天になっているがやるべき事の確認を怠れない。
「テファ、まずはすべき事を済まそう。マチルダ、アルビオンから逃げなきゃならんが逃亡先になる場所はどこだろうか?」
「それですが、候補はガリア、ゲルマニア、トリステイン、クルデンホルフの四つ。正確にはトリステインとクルデンホルフは一緒だと考えて三つですね。」
「それで?それぞれの国で最近起きた大きな事件があったら教えて欲しい。」
「事件、ですか?それならばガリアは止めましょう。最近王位継承で揉めたらしいですから。」
「では後二つ、その二つで国境が接している都市はありますか?」
「トリステインならヴァリエール、ゲルマニアならツェルプストーが有名どころですね。」
「それではその二領の戦争頻度はどうですか?」
「小競り合い程度はあるでしょうが、社交界であからさまに聞こえる事は無かったですね。」
「では歴史的に古いのはどちらですか?」
「ゲルマニアの国そのものが政治の権力闘争の成り上がりが治めている国です。ですから歴史的に見ればトリステイン。」
「決まりですね。ヴァリエール領に行き、最悪はゲルマニアに逃亡しましょう。出来ればある程度はトリステインで実績を残してからゲルマニアへ、そうすればゲルマニアでも下地作りは容易になるでしょう。ま、一番はヴァリエールで過ごせれば問題無しですがね。」
締め括り行動開始とする。まずはアルビオンから出国だ、これが出来なかったら話合いそのものが無意味だからね。マチルダも同意見らしく、南部最大の港『ロサイス』ではなく、北部の『ダータルネス』を目指す事を提案してきた。