ーリオンー
ティファニアを探していた時、彼女の悲鳴を聞き、自分自身に腹がたった。私は彼女を守る為に力を得てこの世界に来たのに何をやっているのか、と。
今まで通った町でも迷子になった。しかし、ティファニアの可愛さに周囲の人たちが優しく事情を聞いたり、保護していたりという状況だった。ティファニアは本当に13歳なのか?と思う時もあった。だが目の前の状況、ティファニアが目に涙を貯め、怯えている姿を見てこの様な危機的な場面もあり得るのだ。日本でも有ったはずだ。子供が誘拐され殺される事件は。テレビの向こうと、関係ないと思っていたが危険は常に日常的にある事を再認識した。
男達の下品な笑い声や下卑た表情を見て自分への怒りとこいつらへの不快さが頂点に達した。驚いたよ、人間感情が高ぶり過ぎると逆に冷静になり、どうやってこいつらを苦しめようか考えていると、ティファニアが男達に同情的な視線を向け、マチルダは何だか祈ってる。
男達の興奮が盛り上がり気分が高揚している所を絶望に叩き落とす。火の魔法を使い生きたまま身体を焼いてやる。じっくりと。男達が地面を転げ回り、炎を消そうとするが魔力供給が止まら無い限り消える事はない。1人懐から杖を取り出し水を掛けている。成る程、自信満々なあの表情はこいつが居たからだろうがその程度の魔力では私の足元にも及ばん。その証明として更に魔力を継ぎ足し杖を燃やしてやる。苦しみから私の方へ視線をむけ、許しを請うが一切取り合わずティファニアを抱き上げる。
マチルダから拳骨を貰い説教されているティファニア。違う意味での涙目に心揺さぶられマチルダに一声掛けるが剣呑な視線を貰い撤収する。すまん、ティファニア。私には無理だったよ。自分に言い訳をしながら視線を遠くへやり、どうでもいい天気の事を口にする。……ティファニア、マチルダから助けなかったからとはいえ腕をつねり上げないでくれ。
ーマチルダー
リオンがテファの居所を察知したようなので後をついて行く。行先には男達に囲まれ涙目になったテファ。それを見たリオンから膨れ上がる怒気に本当に彼が味方で良かったと思う。私も怒りを覚えたがリオンを見たら男達が可哀想になった。せめて楽に死ねれば良いな〜、何て思ったがあの兵士達にした仕打ちを見ればそんな事をしてくれる訳ないか。それを証明するが如く男達が生きながら焼かれる。匂いに顔を顰めようとするが風の魔法を使ったのか、一切感じない。此れなら私はテファを叱る事に集中出来そうだ。拳骨を落とし、説教を開始。途中リオンが何か言った気がするが一睨みすると引っ込んだわ。
テファもリオンに助けを求めるが今日はしっかりと言い聞かせる。流石に身の危険を感じたのか、真摯に受け止めてくれるテファ。本当は私もしっかりとしなきゃいけないのよね。一応最年長は私なのだ。頑張ろう。