ーリオンー
宿に到着後私は警戒の為部屋に結界の魔法をかける。扉は内側からは開くが外側からは開かない様にした。その後二人と相談に入る。
「マチルダ、後は食料の調達や着替えだけで良いかな?」
「そうね。現金を準備しましょう。ここならば屋敷から持って来た調度品も売れるでしょうから。」
「あの時の兵士達の装備も売れるだろう。」
抜け目無く剣や鎧を剥ぎ取り、屋敷から調度品を奪う。あれ?もしかしたら私がフーケ役か?いやいや、あれはセーフだろう。一応家主側の人が居たんだから。……了承はなかったが。
マチルダに調度品を見せた時も「売れば現金になりますね。」と言って攻める様な視線はなかったし。多分。
「では明日に備え休め。あの女が信用出来るかは解らんが少なくとも今夜に襲撃はないだろう。有るならば明後日の明け方だな。」
「そうね、今夜仕掛ければ犯人はここを紹介したあの人しかないからね。」
テファが首を傾げるがゆっくりと髪を梳いてやり寝る様に言う。
翌日、色々な店舗を周り現金にした後着替えを購入、商店街を回り食料の調達をして宿へと帰る途中にジャガイモを発見した。店主に聞いた所主に肉料理の付け合わせで使われる位らしい。これはチャンスではないか?私の魔法を使い成長促進と気候の保護、杖の能力で土壌の改良による連作障害の防止で大量生産しポテトチップスやフライドポテトといったジャンクフードを売れば金を稼げるのでは?マチルダがいるので錬金で必要な物は作れるだろう。
ジャガイモを手に取り考え込んでいた私を店主どころかテファやマチルダ迄不思議そうに見つめていた。マチルダへ私の考えを話をし、錬金で何処まで出来るかを聞き問題ない事が解った。店主に種イモを売ってくれる様に頼むとウチではなく直接農家の方に行ってくれと言われた。冷静に考えれば当然だった。農家の場所を聞き、早速に行ってみる。二人には申し訳ないが共にきてもらう。別れた後襲撃があったら目も当てられん。
「ねぇ、リオン。」
「ん?どうしたテファ。」
「あのイモをどうするの?」
「フム、私の世界に有るジャガイモと同じならば菓子が出来る。それを売って生活をしようと思ってな。私の魔法とマチルダの魔法を使い移動式の店舗を作ろうと思う。」
「私も手伝える?」
「もちろんだ。テファは可愛いからな、売り子をして貰う。」
「……可愛い。」
テファが赤くなっていたがそれは置いておこう。
「マチルダ、しばらくは売った金で生活をするがどれ位持つ?」
「畑用の庭付きの家を借りるならば半年もたないよ。」
「フム、半年で成果を出すか。いっそ私の魔法による治療院も併設するか。」
「ちょっと待っておくれ、その分大きくなれば期間も短くなる。自信があるのかい?」
「ウム、魔法に関してはかなり自信がある。」
なんたって神様からの贈り物だ、カトレア嬢の治療練習にもなるだろう。
マチルダは溜息を吐きながら了承してくれた。