どうも、帝都警備隊隊長のカグラです
さて、何から話せばいいのだろうか?
俺はザンクを捕らえるために警備隊全員で捜索したが結局のところ、警備隊では見つけることは出来ずに終わった
ザンクもザンクで標的を警備隊ではなく、ナイトレイドに変えていたようだ
それを証拠に朝にはザンクの死体が見つかったとの報告が入ってきた
ザンクの首もとには横一文字の刀傷があり、帝具も見当たらないことから部下の連中はナイトレイドの犯行と断定
報告書で詳しい内容を確認していると、チェルシーからもザンクが討ち取られたとの報告という名のたかりにやってきた
そして、俺はチェルシーの口から『黄金騎士』の名を聞く
最近になって地方から帝都にむけてその噂が広がっている
地方の町や村を襲う危険種をいとも簡単に倒した
村を襲っていた野盗を一人も殺さずに捕まえた
人を家畜のように扱い村人から怨まれていた領主と皇皇寺の師範代であった護衛を殺し、その村を救った
噂だけでもその実力は黄金騎士と言っても過言でもない
チェルシーは『黄金騎士を革命軍にスカウトしてくる』と言って出ていくが、ムサシなら単身で皇拳寺羅刹四鬼、親衛隊やブドーを倒して大臣を討ち取るのは容易だろうが……まだ、あの『裏切り者』がいる
元インペリアルガードのあの男がーーー
「ーーん、ーーーグラさん、カグラさん」
カグラは声に気付くと鎧姿でびちょ濡れのタツミとシェーレが目の前にいた
「終わったか。どうだ、鎧を着けて泳ぐとかなりキツイだろ?」
「かなりハードでしたよ……」
今回の上司はシェーレのため暗殺者養成カリキュラム(ゴズキの鍛錬とオーガの鍛錬をカグラが更にハードにしたもの)で集中的に鍛えられているタツミ
ちなみにタツミの着けている鎧は普通の鎧に比べて1.5倍というのは内緒の話
「それにしても、カグラさんは帝都警備隊だから仕方ないにしてもなんでシェーレって役割がないの?」
「タツミ、それは聞かないでおくのが男だぞ」
「いいんです……料理は焦がしてアカメをクールに怒らせて、掃除は逆に散らかってブラートを困らせて、買い出しでは塩と砂糖を間違えてレオーネに笑われて、調査でははぐれて危うく警備隊に捕まりそうになってカムイに迷惑をかけて、洗濯は……うっかりマイン本人も一緒に洗ってしまいました」
過去を話していくシェーレはだんだんとしゅんとなっていき、タツミは「ドンマイ」としか言えなかったが、心の中では「最期は良くやった」と思っていた
「でも、なんでシェーレはこの稼業に?」
「俺がスカウトした」
「でも、初対面ではナンパしてきました」
タツミは覗きをしたラバックを見る目でカグラを見た
「おい、タツミ引くな。シェーレは天然で頭のネジが外れているとはいえ、ボン!キュ!ボン!のナイスボディ!そして、男に尽くしてくれそうな外見!そりゃ、ナンパしない方がおかしいっての!!」
「あの……力説はいいんですけど、シェーレをどうしてスカウトしたんですか?」
「あぁ、話が逸れたな。まぁ、初対面はさっき話したとおりなんだが、次に会った時は取調室だ。その時は『麻薬をやっていた友人の元彼氏が暴れて刺した』って事を感情がぶれることなく淡々と話していた。淡々と話すもんだから友人を庇っているのかと思って、友人にも話を聞いたら『刺したのは間違えなくシェーレです』って震えながら答えたよ。それで、正当防衛ってことは立証された」
カグラはキセルを取りだし、火をつけようとしたが、シェーレに嫌がれたため懐にしまった
「で、三度目は暗殺現場だ。俺の標的のところに行ったら、シェーレが殺していてな。普通、殺しに慣れていないやつは興奮したり、震えるやつもいる。俺はシェーレに問いただしたら、シェーレはいたって平常心で『社会のゴミ掃除をしていました』って言った瞬間、スカウトを決めたってわけだ」
「それから私はカグラさんのところで少しお世話になってからナイトレイドに入ることになりました」
「そこで、シェーレもこんなカリキュラムをやったわけか」
「はい、私はタツミのように即戦力ではなかったので……」
「さぁ、話は終わりだ。鍛錬を続けるぞ」
「はい!」
タツミは元気よく返事をするがその数時間後、そんな返事すら出来なくなるほど鍛錬された