「終わったぞ」
ブラートの手術を終えたジンはタツミ達にブラートが一命をとりとめたことを伝え、ブラートが戦場に立つことは不可能と宣告した
日常生活には問題はないのだが心臓のダメージが大きく、一度戦えば命の保障はないという
「なんでだよ!あんた医者なんだろ!!兄貴を……兄貴を戦えるようにしろよ!!」
タツミはジンに怒りをぶつけると鉄拳が飛び、タツミは文字通り外に殴り飛ばされた
「おい、小僧。よく聞け!俺は医者だが神じゃねぇんだ。あの男は死んでもおかしくはない致命傷を負って一命をとりとめたのは奇跡なんだ。生きているだけでもありがたいと思え……死んだら二度と会うことは出来ねぇんだからよ」
「医者が怪我人を作るのもどうかと思うが?」
「……ふん、怪我人にすらならない化物は来てほしくはないんだがな。カグラ」
酒瓶を片手にカグラがやって来た
「ドーモ、ボス」
「よう『影』任務ご苦労さん」
「え、ボス?」
タツミはキョロキョロとしてナジェンダを探してみたがその姿は無く、カグラを見直した
「ま、まさか……カグラさんがボスって……」
「あぁ、タツミは知らなかったな。俺がオールベルグのボスってことを」
「カグラさんって、ナイトレイドのメンバーじゃ……」
「ないね。まぁ、単独行動が多いからそう思われても仕方ないか」
カグラはカラカラと笑い飛ばした
それを横目にタツミはガックリとしていた
「カグラ!?貴方が!!」
診療所から驚いた顔をしてイオリが出てきた
「お会いできて光栄です。『黒騎士』カグラ」
「その名はやめてくれ。俺、一応は死んだことになってんだから……って、お前さん誰よ?」
「申し訳ありません。俺はムサシの息子のイオリと申します」
「マジかよ……息子がいたのは知っていたが……いや、よく見ればあいつの面影があるな」
カグラはイオリをまじまじと見て感心する
チェルシーからの情報もあったがイオリは既に強者の雰囲気を纏っていた
「まぁ、傷をつけられているってことは実戦経験の少なさってことか」
「カグラ、その腹部の痣と切り傷をつけた人物はあの『ハバキ』だ」
カグラはハバキの名を聞くと酒瓶を握り潰した
「おい、それは本当か?」
「『影』が相手したからいいが、あいつのことだ」
ジンは地面に手を突き刺し、何かを引っ張りあげた
「やっぱり、つけていたか」
ジンの手には刺客が握られており、ジンはそのまま首の骨を追った
「この気配だと、あの6人いるな」
「今のを除いて俺、ジン、影、イオリ、タツミで十分だな」
「え?俺、武器ないんですけど……」
「診療所に何かしらあるからとってこい」
ジンにそう言われるとタツミは診療所へ戻った
「えっと、これって……」
タツミが目についたのはブラートの帝具であるインクルシオの鍵である剣
タツミはそれに手を伸ばすとブラートが眠っている部屋から物音が聞こえてきた
タツミはそのまま部屋へと走り出し扉を開けた
「兄貴!」
部屋には刺客とブラートがいた
いつものブラートならこの程度の刺客なら難なく倒せるが、今の状態では体を動かすのがやっとの状態
タツミは叫んだ
それは無意識だったのか
それとも必然だったのか
タツミは帝具の名を叫んだ
「インクルシオォォォォォォォ!!」
並みの帝具よりま負担が大きく即死する位の帝具であるがインクルシオに主と認められた場合、使い手に合わせた形に変え、進化していく帝具
「兄貴から、離れろぉぉぉぉぉぉ!!」
タツミの拳は刺客の胸を的確に捉え、診療所から殴り飛ばした
「はぁ、はぁ……」
タツミはインクルシオを解除するとブラートの元へ向かった
「兄貴!無事か!?」
「あぁ……お前の熱い愛の叫びでな……愛の」
「2度言わないでいいよ……」
頬を赤く染めるブラートに対して若干引くタツミであった
「それより、兄貴。これを」
「いや、タツミ。それはお前が使え」
タツミはブラートにインクルシオを返そうとするがブラートは受け取ろうとはしなかった
「俺の体は俺が分かっている。もう、俺は戦うことが出来ないってことを……タツミ、俺が戦えない分をお前に託す。忘れんなよ、一緒に戦えなくてもそれには俺の魂も入ってるってことを」
「兄貴……」
タツミのはブラートからインクルシオを受け継いだ
熱い魂と共に