これからも頑張りますんでよろしくデス
竜船の死闘から数日が経った
ナイトレイド本部にある温泉にマインの姿が浸かっていた
ヘカトンケイルのコロに折られた右手を動かし手の平を開け閉めし、現状の回復具合を確かめ十分に手が動くと分かると温泉からあがった
シェーレは殺され、ブラートは生きているものの戦うことが出来ない体になってしまった
そんなピンチを切り抜ける
マインの思いは静かながらも熱く燃えていた
温泉を出て急いで何時もの服に着替えてある場所へ向かう
「誰か!アタシと訓練しなさい!」
勢い良く扉を開け大声でそう叫ぶが、目の前に広がる光景に顔を引きつらせる
ラバックとタツミがレオーネとアカメを背中に乗せながら腕立て伏せをしており、カムイは重りを足に乗せて片手逆立ち腕立て伏せをしているからである
「……えっと、何してんの?」
「鍛練以外何に見える?」
カムイは足の重りを器用に蹴りあげ、片手逆立ち腕立て伏せを止めた
「二人共、いきなり私に鍛練をつけてくれと言ったのでな、暇そうな二人にも手伝ってもらっている」
「まぁ、我輩から言わせればまだまだひよっこどころか卵程度だがな」
マインは冷めた目で「あぁ、そう」としか言えなかった
「でも、こうでもしないと兄貴みたいにインクルシオを長時間装着することも出来ねぇし、透明化だって一瞬で終わっちまう……インクルシオを受け継いだのに使いこなせないと意味がねぇ!!」
タツミのその姿に心の中でタツミに対しての評価を上げるマイン
まだ完全に認めたくないのかタツミから顔を逸らしラバックに話かける
ラバックはあまり、鍛練をする方ではないため珍しいといえば珍しいのだが、レオーネの尻の感触を密かに楽しんでいるのは内緒の話
「腕立て回数はタツミの半分以下でカムイの十分の一だからな」
レオーネの冷やかしに舌打ちするラバック、そこにアカメが冷静に言葉を発する
「それは仕方ない。私とレオーネでは体重に大きな差がある」
ピシッと何かが壊れる音と共に、この場の空気がアカメの爆弾発言に固まった
ラバックは青ざめ、タツミは冷や汗を流し、カムイとツチナガは呆れ、マインは開いた口が塞がらずにいた
次の瞬間、レオーネの怒り鉄拳がアカメの頭に直撃した
アカメは何故叩かれたかわからず涙目になりながらキョロキョロと見回すとナジェンダとブラートが大荷物を持って現れた
カムイはナジェンダに「もう出るのか?」と聞くと「あぁ」と答えた
ナジェンダはこれからブラートと共に革命軍本で三獣士から奪取した帝具を届けると共に欠けたメンバーの補充をしてくるのである
「みんな留守を頼むぞ。アカメ、カムイ。作戦は『みんながんばれ』だ。もしもの時は『いのちをだいじに』だ」
「だいたい分かった」
「どうでもいい」
「えー!?」
タツミは荷物の確認をしているブラートに近付いた
「兄貴…ゴメン、俺が弱かったばっかりに…」
「それはもう気にすんな。今、弱くてもお前は必ず強くなる。それも俺を超える男になるかもしれねぇくらいにな。だから、これからを後悔しないように強くなっていけ」
悲しげな顔をする弟分の頭を撫でるとブラートは荷物を背負った
(タツミ、強くなれよ)
タツミは目に涙を浮かべながらも兄貴分を見送った
いつかあの背中に追いつき、追い越せるようにとその姿を目に焼き付けた