ナイトレイドの襲撃から一夜明け、カグラは警備隊として屋敷の惨劇あと片付けに勤しんでいた
屋敷の者の死体、倉庫にあった身元不明の死体は庭の角に集め、まだ息のある者は『とある』医者に運び込んだ
「カグラ副隊長、焼却部隊が到着しました」
「すぐにこっちに案内してくれ」
そして、一番厄介なのが死体の処理である
ただの殺されただけならいいのだが、夫人が薬漬けで人為的に病を発症させて殺した者がいる
その病を帝都で流行させないための焼却処理ーーーというのが建前で、本当は拷問の死体を残さないためである
この貴族が行っていた所業の証拠隠蔽
息のあるものはそのまま医者のところで安楽死させる
(あぁ……『建前上』でも、この仕事はイヤなもんだね)
そんな事を考えていると焼却部隊が部下の案内で到着した
「休日なのに悪いな。ボルス」
カグラは部隊の前に立つ覆面を着けたボルスに話かける
「いえ、構いませんよ。でも、カグラさんの方がお辛いでしょう」
「仕事とはいえ、この悪事を隠蔽。そして、記者には『また善良な貴族がナイトレイドに殺されました』と公表しないといけねぇ」
「でも、それは誰かやらないといけないですから。それがたまたま私でもあり、カグラさんでもあった」
カグラはやりきれない気持ちになるが、すぐボルス達に焼却を始めるよう促した
焼却部隊の面々は普通の火炎放射器であるがボルスだけは違う
帝具『煉獄招致 ルビカンテ』
この帝具から出る炎は対象が燃え尽きるまで消えることはなく、消火することは不可能
そして、その炎は死体の山に発射された
人の焼ける臭いが屋敷の敷地に広まる
あまり、こういう事になれていない警備隊員の中には吐く者もいた
「いくら死体でも気持ちは痛みますね」
「だが、これは生きている人のためだ。あまり気に病むな。あとの処理は警備隊でやっておくから、早く家族のとこに帰ってやれ」
ボルスはカグラに一礼すると部隊を率いて帰った
「カグラた……じゃなかった。副隊長」
「ここにオーガいたらお前、大変な目にあっていたぞ……まぁ、いい。で、なんかあったか?」
「屋敷の前で金髪の美女がお呼びです」
それを聞いたカグラは直ぐ様、屋敷の外へと向かったが
「オイッスー!カグラ」
「チェンジで」
その美女が残念美女のレオーネだと分かった瞬間、カグラの気分は一気に萎えた
「ちょっとー!何だよ、その反応は!?」
「美女と期待していったらお前だったからだよ。それより、俺の部下だったからいいが、オーガの方の部下だったら危ねぇだろ」
「ちゃんと『匂い』で判断しているから大丈夫だよ。それと、この『臭い』って……」
「あぁ、倉庫にあった死体を焼いてる。病の元にならないようにするってのもあるが、上からは証拠隠滅ってことで片付けろと」
「そうか…伝言がある。ボスが明後日帰ってくるから来いってさ」
「了解した」
レオーネは伝え終えると獣の姿になって姿を消した
カグラは一服し、紫煙をくぐらせるが気持ちが晴れることはなかった
サブタイ見て気付いた方もいたかもしれませんがボルスさん登場デス