ーーー襲撃から3日
帝都から北へ10kmの場所にナイトレイドの隠れ家がある
そして、アジトには簡素ではあるが二つの墓があり花が備えられており、その前にはタツミがいた
「よう、タツミ」
「カグラさん」
「うじうじすんな。死んだやつは戻ってこない。生きているお前はそいつらに恥じないように生きろ」
そう言うと、カグラはキセルに火を着けた
「ありがとうございます。それと二人の遺体も、ここまで運んでくれたことも」
「気にするな。そのままにしてたら今頃、灰にしていたからな」
「灰って……また、隠蔽ですか」
タツミはまた暗い顔になった
「そういうことだ。だが、そんな帝都も内側変えようとしている者もいる。それだけは忘れないでくれ」
カグラはタツミの頭を撫でるとアジトへ向かった
そして、入れ替わりでレオーネがやって来た
「オイッスー!私達の仲間になる決心はついたかー?」
「だから、俺は殺し屋には!」
レオーネはタツミの言葉を遮るように抱え込んだ
「まぁまぁ、このお姉さんが素質を保証してあげる。じゃっ、今日はアジトを案内してやろう」
レオーネはタツミを抱えたままアジトに向かった
途中、アジトの位置を教えるとタツミに「殺し屋なのに、そんなオープンでいいのかよ!!」突っ込みを入れられた
「まずは会議室だ」
会議室には眼鏡をかけた女性が本を読んでいた
「……まだ、仲間に入る決心ついてなかったんですか?」
「そうなんだよ。シェーレ、何かコイツに暖かい言葉をかけてやってくれ」
シェーレは顎に指をあてて思考し
「そもそもアジトの位置を知った以上、仲間にならないと殺されちゃいますよ?」
バッサリ一刀両断にした
「よく考えた方がいいですよ」
シェーレは読んでいた本に目を戻す
タツミは気になって本のタイトルを除いてみると『天然ボケを直す100の方法』と書かれていた
(……やっぱ変人の集まりなのか)
「あーっ!!ちょっとレオーネ!なんでソイツをアジトに入れてんの!?」
ピンク髪のツインテールが眉間にシワをよせながらレオーネ達に近づいてきた
「そーいうなよ、マイン。だって、仲間だし」
「まだ仲間じゃないでしょ!いくら、カグラの見立てがあるからって、ボスの許可も下りてないんだから!」
レオーネに言うだけ言うとマインはタツミを睨んだ
しばらく品定めするようにタツミを見ると
「不合格ね。とてもプロフェッショナルなアタシ達と仕事出来る雰囲気ないわ……顔立ちからして」
こちらはタツミの堪忍袋を撃ち抜いた
「まぁ、そう気にするな。マインは誰にでもこうなんだよ」
マインと別れる次に案内されたのは外
そこには二人の男が汗を流していた
「ここは訓練所という名のストレス発散所だ。んで……あそこにいる見るからに汗臭そうななのがブラート。そして、オッサンがカムイだ」
ブラートは槍を軽々と振り回し、カムイはその槍を全て受け流していた
タツミから見ても二人の実力はかなり高いものだと分かるほどであった
「レオーネ、オッサンではない。私はまだ33だ」
「いや、十分オッサンだよ」
「レオーネとこの間の少年か」
「なんで俺のことを?」
「あぁ、この姿は初めてだったか。鎧に包まれていた奴だよ」
タツミは思い出し、納得した
「ブラートだ。ヨロシクな!」
「ド……ドモ」
タツミとブラートは熱い握手を交わしたが
「少年、そいつは男色だぞ」
「つまり、ホモだ」
それを聞いたタツミはブラートから二、三歩引いた
「オイオイ、誤解されちまうだろ?なぁ」
ブラートはブラートで否定せず、若干頬を赤く染めた
次に案内されたのは水浴び場
緑髪の変態が覗きを画策していたが、レオーネによって、指を二本持ってかれた
だが、中々にしぶとく腕も持っていく手前まで行ったが、気絶したので次に向かった
「なんかもう、お腹一杯なんだが……」
「アハハ、次は美少女だから期待しろって!ホラ、あそこにいるのがアカメ。可愛いだろ?」
レオーネが指を差した方向には特級危険種エビルバートを丸焼きにして食べているアカメがいた
「お、タツミも食うか?」
先程、別れたカグラもアカメと一緒にエビルバードの丸焼きを食べていた
「カグラ、コイツは仲間になったのか?」
「いや、なってない」
「じゃあまだその肉はやってはいけない」
アカメはカグラから肉を奪い取るとそのまま口に入れた
「そうだ、タツミ。ナジェンダもいるぞ」
カグラは男装の麗人にしてナイトレイドのボスであるナジェンダを紹介した
レオーネはナジェンダを見た瞬間、顔が青ざめ逃げ出すが、ナジェンダはそれを許さず、右腕の義手が飛ばしてレオーネを捕まえた
「レオーネ、カグラから聞いたぞ。また金を騙しとったそうだな。そして、前の仕事で作戦時間をオーバー。その二つの癖はなんとか直すんだ」
「分かったからそのキリキリ音止めてくれ」
「ところでカグラ。お前が言っていた少年はコイツか?」
ナジェンダはタツミの顔を見て品定めをする
だが、シェーレとマインのように言うわけでもなく「ふむ」と、一言だけ言う
「あ、あの……」
「とりあえず、詳しい話はアジトでしよう。アカメ……会議室に皆を集めろ。この少年の件を含めて前作戦の結果を詳しく聞きたい」