アカメが斬る!~罪人の正義~   作:祇園

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カムイが斬る~仕事編~

トーマの屋敷は帝都から東へ1kmと少し離れたところにあった

 

屋敷の回りを囲む塀は外からの侵入を拒むように高く、門は鉄の扉で閉ざされ門番が二人いる

 

そして、今日はトーマとその仲間達が月に一回集まる日であるため、屋敷にはその護衛もいる状態である

 

「あ、あの、カムイさん……大丈夫なんですか?」

 

「何がだ?」

 

「いや、前みたいに狙撃するわけでもないし、他のみんなだっているわけでもないのに、この人数をどうやって殺すんですか?」

 

タツミの疑問はもっともである

 

この任務の暗殺対象は30人

 

ナイトレイド全員でならとにかく、カムイとタツミの二人になるといささか不安である

 

だが、タツミはこのあとナジェンダの言っていた理由を知ることになる

 

 

 

 

 

 

「お~い、カムイ」

 

タツミは空を見上げるとツチナガがやってきた

 

「よぅ、偵察してきたぜ」

 

「鳥なのに、よくそんなこと出来るな」

 

「ふふふ、出来る鳥はな。そんなことは関係ねぇのさ」

 

「それで、中はどうだった?」

 

「あいつら宴会をおっ始めてるぜ。護衛達も中に入っちまってるから、やるなら今だぜ」

 

「関係ない者は?」

 

「いない。全部の部屋を確認してあるから問題はないぜ」

 

中の状況を聞いたカムイはそのまま屋敷の門へと歩き出す

 

タツミはカムイの後を追いかけようとするがツチナガにつつかれ、歩みを止められた

 

「小僧、黙って見ていろ……死にたくなかったらな」

 

ツチナガの最後の言葉に重みを感じたタツミはその場に留まることとなった

 

そうこうしている内に、カムイは門の前まで来ていた

 

門は固く閉ざされており、そう簡単には開かないようになっているがカムイには関係なかった

 

カムイは腰を落とし、刀の柄を握る

 

それは居合い抜きの体勢

 

カムイほどの実力なら門を斬ることは容易いが、これからカムイが斬るのは門ではない

 

 

 

 

「万物、悉く斬り刻めーーーーー『地獄蝶々』!!」

 

 

 

 

一閃

 

カムイの居合い抜きは横一文字で斬り払われた

 

「あ、あれ?」

 

タツミは目を疑った

 

カムイは刀を鞘に納めるとそのまま帰ってきた

 

「あ、あのカムイさん……仕事は?」

 

「あぁ、終わったぞ。ツチナガ、帰ったら飯にするぞ」

 

「おう、それならデザートランナーの唐揚げを頼む」

 

「えぇー……」

 

タツミは普通に帰っていくカムイとツチナガに不信感しか持てなかったが、何かが崩れる音が聞こえてきた

 

タツミが振り返るとトーマの屋敷が崩れ、瓦礫の山と化していた

 

「え?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

タツミは理解出来ていないわけではないが目の前でそれが起きている事実を飲み込めなかった

 

そう、カムイは一回の居合い抜きでトーマの屋敷全てを斬ったのである

 

中にいた標的も斬り、斬り損ねた標的はあのように崩れた屋敷に押し潰されて圧死している

 

仮に生きていたとしても、重症は免れず帝都から離れているこの場所から医者のいる帝都までに死ぬのがオチである

 

「ボスが『派手にやれ』って言っていた理由はこういうことだったのか……」

 

「な~に放心してんだ。小僧」

 

「痛っ!何すんだよ!!」

 

「終わったんだ。帰るぞ」

 

「は、はい!」

 

月明かりに照らされながら、カムイ達はアジトへと戻っていった




ーーーナイトレイドアジト

「ところで、何で俺着いていくことになったんですか?あれだけで終わるなら俺、いらないんじゃ?」

タツミはアジトに帰るとナジェンダに聞いてみた

「あぁ、カムイは元インペリアルガードの一員でな。そいつの実力を間近で見るのも一つの勉強かと思ったんだが?」

「いえ、凄すぎて参考にすらならないです……」

この数日後、カムイとのコンビは解消することとなった
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