どらごんメイドさんと神父さん   作:ちゅーに菌

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この主人公には
LittleMaidDragon
DragonMount
LittleMaidMob
以下のMODが導入されております。


どらごんメイドさん

一人の男性が鼻唄交じりに歩道を歩いている。

 

彼の服装は白をメインにした簡素な神父服を着ているようで回りの人々から時々視線が注がれている。

 

まあ、神父服とコンビニ袋の組み合わせがいけないのだろう。

 

彼が暫く歩くと人通りは段々と減っていき、舗装され切っていない道に入るとその突き当たりに大きめの洋館が建っていた。

 

彼の名はユルギス。少なくとも周りからはそう呼ばれているし、そう呼ばせている。

 

都市部から駅1つの距離の町ではあるがベッドタウンとして使われている程度で特に発展もしていない場所に本邸を持ち、幾つもの孤児院を経営している神父だ。

 

そこで彼、そしてとある事情により住み込みで使えている数人のメイドと住んでいるのである。

 

車もロクに来ないクセに無駄に大きい門をくぐり抜け、玄関へ続く30m程の私道へ足を1歩踏み入れた。

 

「お帰りなさいませ、旦那様」

 

その瞬間、凛とした声が隣から聞こえてきた。

 

彼が横を向くと、メイド服を着たアイスブルーの髪色の髪を2本のお下げに束ねた女性が頭を下げている。

 

大きなハサミを持っているところから庭をキレイに保つため、選定でもしていたのだろう。

 

「ただいま、ティアさん」

 

彼から放たれた声は誰が聞いても優しい声色と答えるような綺麗で澄んだ声だった。

 

ティアと呼ばれたメイドは頭を上げた。

 

最近珍しい丸渕の眼鏡を掛けており、丁度光が反射して目は彼に見えていないが、瞳の色は髪と同じアイスブルーである。

 

「ティアさんが俺が帰る前に仕事を終えてないなんて珍しいですね」

 

彼は嫌みでも何でもなく事実を述べた。

 

彼女は掃除も料理も苦手で何事も大雑把なのだが、仕事はとても速い。

 

よって、今の時間まで仕事をしているのはとても珍しい事だったりするのだ。

 

「それは…あれを見ればわかるかと」

 

彼女は白手袋に包まれた片方の掌を家へ向けた。

 

そこには一区画の窓という窓と換気扇から黒紫色の煙が上がっていたのだった。

 

端から見たら火事のような何かが起きているように見えるだろう。むしろなぜ彼が今の今まで気が付かなかったのか謎である。

 

彼はまたですか…と嘆きたい気分を顔をしかめるだけに止めた。

 

「なるほど…あれから逃げる口実のために庭作業をしていたわけですか…」

 

「はい、既に私の領分を越えています」

 

彼女は自分の主人へそう言い切る。

 

彼は少しの間、頭を自分の掻くと手を止めた。

 

「……子供たちは?」

 

彼は複数の孤児院を経営しているが、本邸でも10~20人ほどの孤児を住ませているのだ。

 

「ゲオルグ、レヴァイアらと山へ遊びに行っております」

 

「それはよかった…」

 

この惨事に巻き込まれたら死人がでないとも限らないからである。

 

いや、流石に死人は出ないとは思うが、口に含めばただでは済まないだろう。

 

彼は重い足取りで玄関を目指すと途中で手を上げて後ろにいる彼女へ会釈した。

 

「逝ってきます…」

 

メイドはそう呟いた彼の背中をただ見つめるだけだった。

 

 

 

 

 

彼が玄関を開けると一番に鼻を付く臭いが漂ってくる。

 

彼は頭は額に手を置いてから溜め息をついた。

 

「…………はぁ…全く…せめて金曜日にしてくださいよ…」

 

そう独り言を呟くとキッチンへ向かった。

 

ちなみに今日は月曜日である。

 

扉を開けると、キッチンには金色と黒色が入り乱れた髪をし、フライパンを片手でコンロに置きながら、もう片方の手でタバコを吸っているメイドがいた。

 

フライパンからは異様な色をした煙が立ち上っている。

 

それを見て彼はゲンナリしていると彼女が彼を見つけ、声を掛けてきた。

 

「おお、帰ったか」

 

彼女の双眸は右が金で左が黒という特徴的なオッドアイだった。

 

彼女はタバコの火を灰皿代わりにされていた小皿で消すと彼に大して手招きをした。

 

「………今回は何を作っているんですか? クロウさん?」

 

彼が近づき、クロウと呼ばれたメイドが持つフライパンの中身を見ると、凄まじく粘着力のある石油のような何かが絶えず渦巻いているのがわかった。

 

「普通の玉子焼きだが?」

 

クロウはまるで見てわからんのか?とでも言いたげな顔で呟くと、さらにジト目で彼を見つめ、言葉を吐いた。

 

「なんだ? 換気はしているし、料理本に載っている材料で作っているぞ?」

料理本には簡単! 厚焼き玉子! などと書かれたページが開かれていた。

 

油、卵、塩、砂糖、カニカマなどを使ってどうしたらこんなものを精製出来るのだろうか? 錬金術か何かだろうか?

 

黒魔術の素などと言われた方がよっぽど納得出来る。

 

というかそもそも玉子焼きじゃなくて厚焼き玉子じゃないか。 まあ、このダークマターを卵料理と言えるのかは謎だが。

 

「そういう問題ではなく、あなたがキッチンに立つなと何度言えば…」

 

「俺に出来ないことはない」

 

キリッとでも言いたげな表情でそう言い切った。

 

どうやらこのメイド、出禁の意味を理解していないようだ。

 

彼の額がピクピクと動き、握り拳をプルプルと震わせていた。

 

「ククク、今度こそギャフンと言わせてやる。毎日料理して鍛えなければな」

 

 

その直後、何かが千切れる音が響いた気がした。

 

「あなたが料理した後片付けをいつもいつもしてるのは誰だと思っているのですか…?」

 

彼の口調はさっきと変わり無いがその表情は凍てついており、誰が見ようとも一目でキレているのが見てとれた。

 

「それは…」

 

彼女は口ごもった。

 

そう、問題は喰えたものではない料理だけではない。

 

その後片付けもである。このメイド作ると満足するのか片付けは一切しないのだ。

 

メイドらの料理スキルが壊滅的なため、キッチンはほぼ彼の城と化しているのである。

 

「だいたい、小皿を灰皿に使うんじゃありません。灰皿なら何処かに置いてあるでしょう?」

 

「…………」

 

「いい加減認めなさい。あなたは他の事は万能だとしても食事は作れないんですよ」

 

「…………ッ!!」

 

顔を俯かせていた彼女は突如、彼の横を掛け抜けるとキッチンから退出し、そのままドタドタと階段を掛け上がり1つ上の階へ行った。

 

そして、直ぐにキッチンの真上の部屋の扉を勢い良く開く音が響き、さらに声が聞こえてきた。

 

『え? クロウ? 怖い顔してどうしたのぉ?』

 

『ま、待って何で無言でロープで縛るのぉ? ボク動けな…せめてセーブさせ…』

 

『た、助け…』

 

また、ドシドシと音が響き、リビングの扉が勢い良く開かれた。

 

「待たせたな」

 

どこかの蛇のようなセリフを吐きながら再び彼女が現れた。

 

さっきと違うところはぐるぐる巻きにされたメイドを担いでいることか。

 

「ぐぇ…」

 

無造作にキッチンの床に放られたメイドはゆっくり身体を起こすと、ちょうど彼と目があった。

 

「あ、ご主人様。お帰りぃ」

 

「ただいま、ミドさん」

 

ミドと呼ばれたメイドは無造作に伸ばされた灰色の髪と、長いアホ毛が特徴的な女性で、身長はメイドの中で一番高いようだ。

 

「え~と…」

 

彼女は彼とクロウを交互に見てから一部が換気扇に吸い込まれていく煙を見た。

 

そして、顔色がみるみるうちに青くなって行った。

 

「ウソ…ウソだよねぇ? また…またなのぉ?」

 

彼女の様子から察するに1度や2度こうなったわけでは無いらしい。

 

「用は美味ければ良いんだろう」

彼女はフライパンを取るとその中身をお玉で掬い上げた。厚焼き玉子とはお玉で掬うモノだったのか。

 

そして、それをミドの前に差し出した。

 

「喰え、そして感想を言え」

 

「…………」

 

彼女は料理のような何かを見つめた。どう見ても身体に害しかない色である。ちなみに料理自体は無臭で、煙から刺激臭がしているようだ。

 

「…………」

 

次に彼女はクロウを見つめた。クロウは澄んだ目でこちらを見つめている。

 

「…………」

 

さらに彼女は彼を見つめた。彼は青筋を浮かべながらにっこりと笑っていた。

 

「…………」

 

最後に彼女は上を見た。蛍光灯の優しい光が酷く眩しく見えた。

 

そして、彼女の頬に一筋の涙が流れる。

 

「ボク…がんばるよ…」

 

 

 

結果は彼女が食べた数秒後に白目を向いて気絶し、感想が言えなくなったため、ノーカンになった。

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ふう………」

 

キッチンの片付けと、周辺の換気を完全に終えた彼はリビングにて現在、湯呑みで緑茶を飲みながら一息入れていた。

 

「チッ…また気絶か。ノーカンだな」

 

彼女はソファーの上で口から魂がはみ出ているミドに向かってそんなことを言っていた。

 

「クロウさんは生きるの楽しそうで良いですね」

 

そう言いながら彼は机の上のリモコンを手に取ると、TVへと向けた。

 

「それなりにな」

 

彼の皮肉を受け流し、彼女はタバコを取り出すと火を着けると吸い始めた。

 

すると彼のTVへと向けられていたリモコンの手がピタリと止まった。

 

さらに彼の額に再び青筋が浮かび上がり、彼の身体がブレた。

 

その次の瞬間、爆撃でもされたかのような爆音が辺りに響き、リビングの窓全てがガタガタと強風にでも煽られたかのように揺れ、近くにあった小物が棚から落ち、紙が宙に散乱した。

 

音の源を探すと、さっきまでソファーでゆったりとお茶を飲んでいた彼がクロウの真横に移動しており、クロウの頭の横に白い何かを纏っている片足がある。

 

一方、彼女は何食わぬ顔でそれをタバコを持っていない方の腕1本で受け止めていた。

 

「退屈しないさ」

 

彼女はタバコを口から放すと深く息を吐く。

 

その表情は妖艶で、心底楽しそうに見てとれた。

 

「クロウさん…匂いで気づきましたが、それ大麻タバコでしょう?」

 

「ああ、この前神社から採ってきた。お前も吸うか?」

 

「ここは日本です。せめて俺の知らないところで吸ってください」

 

「おいおい、ただの純大麻だぞ? こんなもの酒程度の嗜好品だろ」

 

彼は足を下ろすと近くのソファーにまた腰掛けて、お茶を啜ってから呟いた。

 

「ここはコロラド州でもワシントン州でもなく、日本です。よって家でも御法度です。子供たちが覚えたらどうするんですか?」

 

「はいはい…俺の母親か何かかお前は…子供だって今いないだろうに…」

 

彼女はブー垂れながらもタバコを自分の掌に押し当て握り潰してから彼に渡されたポケット灰皿に押し入れると、市販の箱からタバコを取り出してまた火を着けた。

 

「今、終わりました」

 

そんなやり取りをしていると庭仕事をしていたティアが戻ってきた。

 

そして、ミドを見つけるとああ、やっぱり貴女が犠牲に…とでも言いたげな顔をしていた。

 

哀れみというよりは一種の諦めに見える。

 

なぜ神父服の男が数人のメイドを抱えているのか?

 

それは彼が天性的に持っている能力に関係する。

 

ティアと呼ばれていたメイドの本名はティアマット。五大龍王の中で最強と謳われる天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)と全く同じ名前だ。

 

ミドと呼ばれ、現在伸びているメイドの本名はミドガルズオルム。悪神ロキの生み出した五大龍王、 終末の大龍(スリーピング・ドラゴン)同じ名前だ。

 

そしてタバコを吹かしているメイドの本名はクロウ・クルワッハ。世界最強の邪龍として認知されている三日月の暗黒龍(クレッセント・サークル・ドラゴン)と同様の名前だ。

 

彼女らがなぜそんな共通点を持つのか?

 

それは彼女らがそれらの龍と同一の個体だからだ。

 

そう、彼の能力は…。

 

 

 

 

"ドラゴンをメイドにする能力"である。

 

 

 

 




どうもちゅーに菌or病魔です。

メイド可愛いよね。
ドラゴン格好いいよね。

………………合わせりゃ最強じゃね?

と言うとんでもない理論で始まったこの小説。

じゃんじゃんドラゴンさんをどらごんメイドさんにしちゃいましょう。
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