Angel Beats! ~木村…いや、関根しおん物語~   作: ふーみん

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相変わらずのゆりっぺのむずさ。


Ep13 What's interesting?

「は?おもしろくなりたい?」

 

 今日も今日とてゆりと弁当を食っているとあやめがわけわからんことをいってきた。

 

「そうなんだよ。実は部活をやってるときにさ……」

 

「ゆり、これ旨いわ」

 

「ホント!?やった!」

 

「イチャイチャせずに話聞いてくれませんかね!?」

 

「べ、別にイチャイチャなんかしてないわよ!」

 

「後何その態度。もっと下手に出なよ」

 

「なんでだよ!」

 

「そうか、ならもう話聞いてやらない」

「すみません!どうか今一度チャンスを!!」

 

「…変わり身早いわね、北川君」

 

「仲村!今はなりふり構ってる場合じゃねえんだ!」

 

「そんなにおもしろくなりたいのかよ」

 

「ああ。聞いてくれ。あれは太陽がぎらぎらと照っている日だった」

 

 あやめが回想に入った。ぶっちゃけめんどくさい。

 

「部活をやっているときのことだ……一人の後輩がこんなことを言い出した。『先輩方って誰が一番強いんですか?』たわいない疑問だった。バスケにはポジションというものがあり誰かしらどこか得意分野があればそこを伸ばす。優劣をつけるのはむずかしい競技だ。俺達先輩はそう言った。そしたら後輩はこう返してきた。『じゃあ先輩方は何が得意なんですか?』と」

 

 あ、展開は読めた。でも疑問が残る。

 

「あるやつはシュート、あるやつはドリブル、あるやつは司令塔としてのゲームメイク、あるやつは長身をいかしたブロックができると言った。だが俺は何も言えなかった!得意なものがなかったんだ!一通り全部できる!だが得意とは言い切れない!俺はすごい敗北感を感じた。だからおもしろくなろうって!」

 

「そこがわからない。なんでおもしろくなる必要あるんだよ。バスケの練習しろよ」

 

「あたしもそう思うわ」

 

「バカ野郎!もうバスケはネタ切れなんだよ!」

 

「何言ってんのよ。ほら、あれがあるじゃない。左手は添えるだけ」

 

「それ皆やってる!」

 

「じゃああれじゃね?こう、ぐわっ!って感じなやつ」

 

「そんなんでわかるか!」

 

 真面目に考えてくれよ~、とうなだれるあやめ。ふむ、

 

「じゃあオヤジギャグとか?」

 

「オヤジギャグ?なんだそれ」

 

「……」 「……」

 

「な、なんだよ」

 

「お前やばいぞ」

 

「オヤジギャグすすめるしおん君も十分やばいわよ」

 

「??オヤジギャグすばらしいじゃないか。バカにするなよ」

 

「バカにしたつもりはないけどすばらしいとも思わないわよ」

 

「しょうがないな。俺がさくらから教えてもらったとっておきをおまえに授けよう」

 

「別にいらないわよ」

 

「……」

 

「そんなに悲しそうにしないでよ!聞く!聞くから!」

 

「そうかそうか!そんなに聞きたいか!では耳の穴かっぽじってよく聞け!」

 

「いや言わなくていいし聞かなくてもいいから俺におもしろいこと教えて!」

 

「……お前、今日ツッコンでばっかだな」

 

「おめえらがボケ倒すからだろーが!」

 

「北川君、ボケとツッコミ両方できるなら一人コントでもしたら?台本はあたしが考えてきてあげるから」

 

「マジか!」

 

「その代わり今度の期末試験、1つでも赤点取ったら………罰ゲームね」

 

 えええ!そんなあ!!

 

 などとあやめが悲鳴をあげた。あれだけ教えたのに前の試験で赤点取るから悪いんだ。

 

「ねえ、しおん君は何か得意なものとかあるの?」

 

「得意なもの?そうだな…今は特にないかな」

 

「俺知ってるぜ、人を怖がらせることだろ」

 

「やっべ。なんか無償にボクシングしたくなった。あやめ。ちょっとサンドバッグになってくれないか?」

 

「対戦相手じゃなくてサンドバッグ!?一方的に殴られろと!?ちょっ、俺が悪かったから構えないで!」

 

 ったく、人が気にしてることを言うなよな。

 

「しおん君、『今は』ってことは前はあったの?」

 

 ……ま、いいか。

 

「実は父さんが音感好きでな、小さい頃からよくベースを弾いてたんだ。同年代じゃ上手い方だったと思う。暇あれば弾いてた記憶があるし」

 

「ベースって……想像してみたけどなんか似合ってるわね」

 

「それはどうも」

 

「やめちまったのか?」

 

 あやめの質問に少し苦笑する。

 

「まあな。今はもうベースを持ってないし。それに手を怪我しててさ、日常生活には問題ないんだけど、そんなに速く動かせないんた」

 

「……」

 

 そう言ったとき、ゆりが少し申し訳なさげにしているように見えた。

 

「ゆり?」

 

「っ…ごめんなさい。ぼうっとしてたわ」

 

「別に謝らなくてもいいけど…ホントに大丈夫か?」

 

「大丈夫よ。それより、ベースをやってたとき、おもしろかった?」

 

「面白かったよ」

 

 なんだその質問、と思った。けど、なぜかすんなりと答えれた。俺が思っていたより俺はベースを弾くのが好きだったのかもしれない。それとも……しおりとの、家族との思い出にベースが深く結び付いているからかもしれない。

 

 

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 

 

「お、予鈴だ。戻ろうぜ」

 

「ええ」

 

 二人の後を追いながら俺は昔のことを思い出していた。




次回、過去編。やっとしおりんをたくさん出せる。

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