「提督、準備できたぞ」
「長門か」
「あ、長門さん」
三戦目の呉山戦を前に、全ての準備が終わったことを知らせに来た長門。
装備も46cm三連装砲と試製40cm三連装砲を装備している。
「それにしても、提督を怒らせる奴がいるとはな…。阿呆の極みだ」
「まさかナイフで刺そうとは思いませんでした…」
「それはしょうがない。普通の神経ならそのような行動はしないからな。…阿呆でもない限り」
「…もしかして長門さん、怒ってます?」
「当たり前だ。提督を傷つける輩はこの手でぶちのめしたい気分だしな。提督の命令で我慢しているだけだ」
「だが、奴の艦隊は本気を出すに値する娘がいる。…まさか大和や武蔵、大鳳迄いるとはな…」
「どちらにせよ、本気を出していいのなら遠慮無く叩きのめすだけさ」
その時、ドアをバンッ!と音を立てて開けた者がいた。呉山だ。
「よお、そいつらが手前の最高の戦力か?」
「貴様、無礼だぞ!!」
「あぁ?手前に聞いてねえんだよ」
「貴様…!!」
「落ち着け、長門。それからさっきの答えだが答える義理は無いが?」
「ふん、まあ?手前がどんな艦娘を使おうが?俺の大和に勝てる訳ゃぁねえんだがなぁ!けひゃひゃひゃひゃ!!」
「…言いたいことはそれだけか」
「―――あん?」
「ならばこっちも言わせてもらおう―――とっとと失せろ、親の七光りに頼ることしかできねえド三流風情が」
「…手前、いい度胸だ…!そんなこと言って無事で済むと思うなよ…」
呉山はそう吐き捨て、ドアをまたバンッ!と閉めた。
「…親の程度が知れるな。上層部は腐ってんのか」
「しかもマナーがなっていないとはな…。あんなのでよく提督が出来る」
「でででも、大丈夫なんですか!?あの呉山って親が中将って…!」
「そこん所は問題ない。そろそろ来るだろうしな」
「「?」」
吹雪と長門が頭の上に?マークを浮かべていると、ドアをノックする音がした。
「入れ」
「失礼しまーす」
「どうだった?」
「真っ黒でしたねー。叩けば叩くほど埃がバンバン出ますよ」
「…まさか提督、青葉に仕事を…?」
「まあな。情報収集能力は極めて高い上に、隠密行動もできるしな」
「大変でしたよー。分かってると思いますけど…」
「ほら、間宮のアイスクリーム券だ」
「いやったっ。中々手に入らないんですよねーこれ」
「さて、これで奴の心臓部分をがっちり握った」
「あとは、私たちが勝てばいいんだな?」
「ああ、―――全力で叩きのめせ。いいな?」
「了解だ。世界のビッグセブンの名前は伊達ではないことを思い知らせてやる」
長門は口元を上げ、部屋から出た。
「吉川提督の第一艦隊か…」
「どうした大和?そんなことを言い出すとは」
呉山艦隊の旗艦、大和と二番、武蔵は演習用の海域に向かっている最中のこと。
「いや、確かトラック諸島奪還作戦とその防衛戦に活躍した艦隊が確か吉川提督の第一艦隊って言う話を聞いたことがあったからね…」
「だとしても、我ら大和型二隻、大鳳迄いるのだ。敵ではないよ」
「…だと、良いのだけれど」
大和の胸には、嫌な予感が渦巻いていた。
「総員、準備できたか」
旗艦、長門
「いつでも」
二番、伊勢
「こっちもだよー」
三番、北上
「準備完了です!」
四番、秋月
「とっくに完了してます」
五番、加賀
「同じくよ」
六番、瑞鶴
「では、―――提督に勝利を、敵には恐怖を。総員、最大船速!いくぞォ!!」
「「「「「応!!」」」」」
長門の号令を皮切りに、敵めがけて突撃した。
「来たわね…」
「ふん、ただ突撃すればいいというものでは無い。大鳳!」
「了解!攻撃隊、発艦せよ!」
大鳳の右手に握っているクロスボウから攻撃隊が発艦、長門たちにめがけていった。
しかし、ただ漠然と敵めがけて突撃したのでは無い。
「―――加賀!。瑞鶴!」
「分かってるわ。―――行きなさい、烈風改」
「行って、虎鉄隊!」
加賀の最大スロットから烈風改が、瑞鶴からは零戦52型―――撃墜数を示す桜がびっしりとペイントされた零戦―――が発艦した。
「撃ち漏らした敵機は私に任せてください!」
「私もやるよ!」
秋月と伊勢の対空攻撃により敵の艦爆、艦攻は手を出せず、大したダメージを負わせることが出来なかった。
しかし、こちらも相手にダメージを負わせる事が出来ず、状況は変わらなかった。
「まだ私のターンが残ってるよー!」
航空戦が終わり、雷巡の攻撃により高雄が大破、轟沈判定が出た。
「たかが一隻の差、大和型二隻でカバーできる!」
大和と武蔵が旗艦の長門を押さえようと動き出した時、加賀と瑞鶴の艦爆攻撃で分断された。
「しまっ!?」
「ちょーっと待った。貴女の相手は私よ」
武蔵の相手を伊勢が
「一対一で勝負だ、大和!」
「一対一で私に勝てるとでも!?」
大和の相手を長門が
「あの二人の邪魔だけはさせないよー」
「艦爆だろうと艦攻だろうと、私が全て打ち落とします!」
「いい的ね、貴女」
「特訓の成果、アンタ達に見せてやるわ!」
残りの敵を加賀達4隻が相手をする。
一対一のタイマン勝負で勝ち、相手の気力を下げ、有利な状況に持ち込む。これが吉川艦隊お得意の戦い方であった。
「くそっ、どけぇぇぇっ!!」
武蔵が伊勢に砲撃するが
「へいへいどうしたの!?。そんなへっぴり腰じゃ当たらないわよ!?」
「くそ、なぜ当たらない!?当たれば必殺の威力なのに!」
「そらそらそらぁー!」
武蔵の攻撃が全く当たらず、伊勢の攻撃が全弾命中という事態に武蔵は混乱していた。
(何故、なぜ当たらない!?性能はこちらが上なのに、何故!?)
混乱している武蔵だが、攻撃を続けると隙が見えた。
「もらったぁ!」
武蔵は伊勢に砲撃し、その弾が命中した、かに思えた。が、
「―――無駄よ」
キィンッ!、と
武蔵の砲弾を刀で縦に切ったのだ。
「―――何ィ!?」
「隙あり!」
驚きの余り砲撃を止めた武蔵だったが、その隙を伊勢は見過ごさなかった。
そのまま懐に飛び込み、ゼロ距離による砲撃と刀による斬撃で武蔵は大破、轟沈判定がでた。
「武蔵さんが!?」
「そんな!?」
武蔵がやられた知らせを受けた敵は、まさかと思った。あの武蔵がやられる訳がないと。しかし―――
ドォンッ!!
「きゃあ!」
伊勢の長距離砲撃で愛宕が大破、轟沈判定とまではいかなかったが、事実上轟沈であった。
「あんな距離をどうやって…!?―――まさか」
大鳳が空を見上げると、雲の隙間に瑞雲を確認した。
(着弾観測…!?でもそれでも当てることは難しいはずなのに!?)
「しま―――」
そう思っている間に長良が回避に失敗し大破、轟沈判定が出た。
(くっ、大和が長門に勝てばギリギリ波はこちらに来るはず!それまでに耐えるだけです!)
大鳳は大和が勝ってくれることを、願っていた。
どうも、おはこんばんにちは。お芋侍です。
引き続き戦闘シーンです。そしてかなり強引です。
次回は長門対大和です。うまく出来るかなぁ…。ちょっと不安だ。
誤字脱字ございましたら、感想欄にお願いいたします。