提督と艦娘の日常(仮)   作:お芋侍

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※この話はフィクションです


12 シリアス?回

「傷害事件だぁ?」

 

 昼過ぎ頃に提督室に陸軍から訪れたあきつ丸が、提督に協力を求めてきた。

 

「ええ、今回はちょっと特殊すぎる例でして…」

「いやいや、警察や君たち陸軍の仕事だろ?何故海軍の俺に協力してほしいと言うんだよ」

「ええと…今回の事件は先ほど言いました通り特殊な事件なのであります。

 被害者は若い女性。被害は髪を切られたことによる傷害です」

「…金剛や長門らが聞いたらえらいことになってるな…」

「そしてこの事件…。今回が初めてではないのであります」

「…………はぁ!?」

 

 あまりのビックリな発言に声を荒げる提督。

 

「ちょっと待てや!今回が初めてではないってどういう意味だ!?」

「お、落ち着くのであります!」

「落ち着けるか!ヘタすればウチの娘達にも被害が来たかもしれんのだぞ!?」

「調査した結果、被害届を出してない女性がいたのです。今回発覚して、もしやと思って聞き込み調査をしたところ」

「…被害者が一人ではなかったという事か」

「しかも、犯人は豚の顔を被っていたようなのであります」

「………は?」

「信じられない気持ちもわかりますが、被害者の証言をまとめると、

 身長は160㎝ほど

 服装は黒っぽいジャージ

 体格は中肉中背

 顔には豚の顔を被っていたので判らない

 以上の四点であります」

「…最後の豚の顔で変質者確定だな。そのままブタ箱に直行させにゃな」

「そして被害者なのですが、ロングヘアで、その…」

「?何だ、言いにくいのか?」

「ええと、男性の人曰く美人だそうで…」

「…おい、まさか」

「…はい、囮捜査で捕まえようと」

「ふざけんな!」

 

 提督は大声で怒鳴った。それはそうだろう。誰が好き好んでそんな危険なことをさせにゃならんのか。

 

「第一、何故海軍が手伝わにゃならんのだ!それなら陸軍にもいるだろ!?」

「今回の事件は、陸軍は手伝うことは出来ないからであります」

「何故!?」

「…ヲ級ファンクラブの暴動があったせいで、警備が厳重化したのを覚えているでありますか?」

「ああ、覚えている。こっちにも来たからな」

「警備を厳重にしたのは良いのですが、結果人手が足りなくなってしまったのです」

「そんなの言い訳にならん!それならスケジュールを組んでやれば」

「スケジュールを組んでも足りないのであります!予備の補充人員は再来月!どうやっても無理なのであります!」

「なら地元の警察は!?」

「…今回の事件は特殊すぎる上に、犯人は凶器を持ってます。地元の警察はそれに対応できないのであります」

「……………」

 

 陸軍や警察には頼れないことが分かった提督はそのまま黙って考えていた。確かに長門や足柄達を囮にすれば来るだろう。だが、同時に危険でもある。もし彼女たちが傷ついたら犯人を8割殺ししているだろう。

 あきつ丸も、断腸の思いで助けを求めてきたのだろう。彼女の顔には悔しそうな顔がうかがえた。

 いや、だが、しかしと思考がループしかけたその時であった。

 

「話は全部聞かせてもらった」

「…長門」

 

 長門が提督室のドアを開けて開口一番言った。

 

「隠れて聞くのはいかんと言ったはず」

「提督、私たちを侮ってないか?」

「…………」

「いや、侮っているというより心配だったな。だが―――深海棲艦を相手取っている私たちが、たかが人間独りに負けると思っているのか?」

「……………」

「それに、私たちの役割は人々を護ることだ。困っている、泣いている人がいるなら、助け出すのが貴方の―――いや、私達の仕事だろう?」

「………………はぁ、分かったよ」

 

 深いため息を出した後、提督はそれを許可した。

 

「では…!」

「但し!条件がある。

 一つは今回の事件で発生した費用は陸軍持ちだという事。

 二つ目は犯人がどうなっても知らないという事だ」

「…二つ目は厳しいと思うのでありますが?」

「安心しろ。命まではとらないし、彼女たちが無事なら何もしない」

(つまり何かあったらフルボッコということでありますか…)

 

 その後は、今日から囮捜査が開始する旨と、捕まえる段取りをし、後のことは現場で考えるという事になった。

 

 

 

 

 

 

 その日の夜

 

「α、聞こえるか?」

『ああ、よく聞こえる』

「よし、作戦開始。豚野郎を誘きだすぞ」

『了解だ』

 

 長門は耳に引っ掛けるタイプの小型レシーバー、胸元にはコ○ンに出ているようなバッジタイプの小型のマイクを付けて、夜の道を歩いていた。

 服装はスーツで、頭に着けているレーダー機能付きのカチューシャを外している。

 

「β、そっちはどうだ?」

『こちらβ、怪しい人影は無し』

「了解した、引き続き頼むぞ」

 

 今彼らがいる場所は、犯人が襲ってきたルートから少し離れた、視認しにくい暗い場所にいる。

 α(アルファ)―――長門が動き出すのと同時に、陰に紛れて動く姿は、どこか忍のような光景であった。

 因みに、β(ベータ)―――あきつ丸とC(チャーリー)―――提督の格好は全身真っ黒の服装という、闇夜に紛れる気満々の恰好であった。

 変化があったのは作戦開始から数時間たった時だ。

 

『こちらβ、怪しい人物を発見。C、応答願います』

「こちらでも確認した。どうやらαに向かっているようだ」

『こちらα。位置は?』

『αの方向から12時の方向であります』

『例の豚野郎だったら全力でいいか?』

「許可する」

『…死なない程度にお願いするであります』

『了解だ』

 

 暫くすると、長門の前に豚の顔を被った男が現れた。

 

「フヒ、フヒヒ、フヒヒヒヒ」

 

 ちゃんとした呼吸が出来てないのか、物凄くキモいのが聴こえた。

 

「ああ、綺麗な髪だなぁ。いい匂いなんだろうなぁ―――ちょっと切らせてよぉ!フヒヒヒヒィ!!」

 

 言うやいなや、勢いよく駆け出し、長門の髪を切ろうとした変態であったが、

 

「フンッ!」

 

 グチュッ、と

 長門のつま先蹴りが変態の股間にクリティカルヒットした。

 豚のような悲鳴を上げ、そのまま倒れ泡をブクブク吹き出した変態。それを見た提督はこう言った。

 

「よし、良くやった」

『良くないであります』

 

 

 

 

 その後、変態はあきつ丸が憲兵隊に連行、変態の家宅捜索の結果、おびただしい量の髪の毛が発見された。担当した捜査官曰く「ホントに怖い」だそうだ。

 動機は、「女性の髪って良い匂いがしたから」という意味不明を通り越してマ○○チの臭いしかしないものだった。

 この後、提督は陸軍から感謝状と謝礼金を貰ったが、「二度とこんな仕事をさせんな」とクギをさしたのだった。




どうも、おはこんばんにちは。お芋侍です。
取り敢えず書き貯めていた話を投稿してみました。
尚、作者はこういう警察や陸軍の仕事は知らないので適当です。
さて、次は何を書こうかな?

誤字脱字ございましたら、感想欄にお願いいたします。









ところで、水着回って需要ありますかね?
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