「花見、ですか?」
歓迎パーティーが終わって数日経ったある日、提督が皆に「花見でもしないか?」と提案してきた。
「ああ、丁度日本では春だし、天気予報でも暫く晴れが続くそうだからな」
「でも大丈夫なんですか?もし花見中で襲撃にでも遭ったら···」
「大丈夫だ吹雪。毎年やっているがそういうことは今まで無いしな。それに今は停戦協定を結んでいる。下手なことは出来んさ」
「···初めて聞きましたよ、ソレ」
「まだ大本営にも言ってないしな。それに停戦と言ってもトラック周辺の攻撃を期間限定で止めると言うものだ。五月に入れば戦闘が始まるよ」
その間に資源を回復させにゃいかんしな、と提督は言った。
「因みに花見は明後日だから宜しくねー」
「了解です。···あの、質問があるんですが」
「ん?」
「桜の木ってトラックにありましたっけ」
「それは見てのお楽しみ、てね」
花見当日
「提督、一体どこに行くんですか?」
「鎮守府裏にある山の頂さ」
提督と吹雪、そして手伝ってくれている時雨と古鷹と一緒に山の頂を目指していた。
と言ってもそんなに高い山ではなく、10分歩けば山の頂が見えた。
そこにあったのは――――――――
「わあ…!」
―――――――――辺り一面のハイビスカスだった。
ハイビスカスだけではない。見たことの無い花たちがそこに咲き誇っていた。
頂から見える海の光景もあいまって非常に綺麗な風景となっている。
「―――どうだ、綺麗だろう?」
気が付くと提督が横に立っていた。
「しかし、その様子だと気に入ったようだな」
「す、すいません!つい…」
「気にするな。初めてこの光景を見る人は大概そうなるしな」
「それにしても、こんな光景があるなんて…」
「ヤシの木だけだと思ってたかい?」
「…正直、そう思ってました」
「素直でよろしい」
提督と喋っていると遠くから、おーいと呼ぶ声が聞こえた。
聞こえた方向に目を向けると時雨がこっちに向かっていた。
「提督、こんなところに居たんだ」
「ああ、古鷹は?」
「もうちょっとしたら来るって」
「そうか」
「そんなことよりそろそろ皆がここに来るよ?」
「えっ!?もうそんな時間なんですか!?」
「うん、準備も終わったし皆が来るまでゆっくりしようかなと思ってたら提督たちが見えたからね」
「ごめんねしぐちゃん。そのまま任せちゃって」
「気にしてないさ」
吹雪と時雨は非常に仲が良く、あだ名で呼ぶこともあるぐらいの仲になっていた。
因みに時雨をしぐちゃん、吹雪をブッキーと呼んでいる。
「そろそろ皆が来る時間だね」
「そうだな、っと噂をすれば」
来た道を上から見てみると、皆がこっちに来ていた。
するとその中から小さい影が飛び出してきて―――
「てっいとっくさーん!」
「ん?なん―――ごぶえッ!?」
―――提督の腹に勢いよく突っ込んでいた。
「イテテ、勢いよすぎだろう、夕立?」
「てへへ、ごめんなさいっぽい」
テヘペロしている夕立をこつんと軽いゲンコツを落とし、腹を押さえながらヨロヨロと立った。
「あら、大丈夫かしら?提督」
「…分かっていって無いかい、加賀」
「あら、何のことやら」
真顔でしらばっくれている加賀を横目で見つつ提督は咳払いをしてこう言った。
「…よし、では皆!本日は無礼講だ。人に迷惑をかけないようにするんだぞ!」
おー!という掛け声とともに花見が始まった。
「あ、ねえねえ君」
「あ、はーい。どうしました、北上さん?」
「北上でいーよー。ところでどう?楽しんでる?」
「はい、前所属していた鎮守府ではこういうことが無かったので新鮮です」
「そっかー。私も去年ここに来たんだけど、今ではここ以外には行きたくないと思うぐらい居心地がいーからねー、ココ」
「他の鎮守府とは違いますからね、この雰囲気は」
「大井っちも最初はツンツンしていたけど、ここにきてまーるくなったぐらいだもんねー」
「そういえば、大井さんはどこに?」
「提督の所に行ったよー。アタックを仕掛けに行くんだってさー」
「…大丈夫なんですか、ソレ」
「ダイジョブダイジョブー、危害を加えに行くんじゃなくて恋の方だからねー」
「………え?」
クレイジーサイコレズというあだ名がついている大井が提督に恋しているという事実に驚きを隠せない吹雪。男性嫌いじゃなかったの!?と思っているのが分かったのか北上はこう言った。
「別に男性が嫌いというわけでは無いよー。ただ同じ艦娘でも性格がちょっと違うんだし、大井=レズというわけじゃないんだよー」
「す、すいません」
「ま、仕方ないと思うけどね。この私でも驚いたし」
なんだかんだで話が盛り上がり、こんな話が出て来た。
「そういえば吹雪ちゃん。一つ質問なんだけどねー?」
「?。はい、何でしょう?」
ジュースを飲みながら聞いていると
「君、好きな人いるの?」
「ブホッ!?」
驚いた拍子にジュースが気管に入り、ゲホゲホとむせていた。
「あーあー、大丈夫?」
「ゲホッ 大丈夫です―――じゃなくて!」
「んー?別に深い意味はないんだけどなー?」
「そんなの訊かれたら驚きますよ。…今はいませんけど。北上さんは?」
「んー私?提督だよー」
「え”」
「別に驚くようなことではないよー。提督の元にいる艦娘全員が提督に好意をもっているし」
「…提督は知っているんですか?」
「もちろん。と言っても指輪が高いからねー。今のところケッコンしているのは5人ぐらいだし」
驚きの発言に困惑しまくっていたが、…まあ本人たちが良いと言っているなら問題ないかと思い始めている吹雪であった。
「おーい皆ー、そろそろ時間だぞー」
夕暮れ時に差し掛かり、提督は皆にそう言った。
「各自、ゴミは拾うようになー。あと隼鷹。その酒瓶はちゃんと鎮守府まで持っていくんだぞー」
「…提督、手伝ってくれない?」
「悪いが、ブルーシートを回収したりゴミを持っていかにゃならんからなー」
「大丈夫よ隼鷹、手伝うわ」
「ありがとー千歳ー」
「しれえ!お花を摘んでもいいですか?」
「いいけど取りすぎないようにねー。あと一人で行動しないようにー」
「はーい!」
「あ、待ってよー雪風ちゃーん」
すべての作業を終わらせ、下山をしたときには既に夜になっていた。
「じゃ、各員よく手を洗っておくようになー」
「…あのー、すみません提督。ちょっと時間良いですか?」
「ん?何だ」
吹雪に呼び止められた提督は(一体何だ?)と思い吹雪に顔を向けていた。
「…今回は有難うございます」
「藪から棒にどうした一体」
「私、こういうのは初めてで、こんなに楽しい日は今まで無かったんです」
「…ならこれからずーっと続くよ、こんな楽しい毎日が、さ」
「はい! では改めて―――吹雪型一番艦、吹雪!これから宜しくお願いします!!」
「ああ、こちらこそ」
「はい!」
その夜の吹雪の顔は、満面の笑顔であった。
どうも、おはこんばんちわ。お芋侍です。
今回、かーなーり酷いかもしれません。花の情報に限ってはいい加減です。すいません。
後、歓迎パーティはキンクリしました。だって艦娘の数が多すぎるんだもん…。
誤字脱字あればどんどんお願いいたします。
あ、あと登場させたい艦娘がおりましたら感想欄にどーぞー。