提督と艦娘の日常(仮)   作:お芋侍

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どうも、おはこんばんにちは。お芋侍です。
今回は、一部大和回となっております。


あと水着回がやたら伸びがあって笑ったw。というかやけに伸びていたのは駆逐艦が主役だったからなのか、水着だったからなのか…もしかして、両方?


16 ⑤

「…………………」

 

 ある日の早朝、大和は鎮守府周辺を歩いていた。ここに着任して一ヵ月半。大和は武蔵と大鳳以外、誰とも喋っていなかった。長門は話してくれるが返事をしない。そもそも武蔵たち以外には会ってもいないので着任したことを知らない、とまでは言わないが、鎮守府内では認知度では最下位であった。

 しかし、むしろ大和にとっては幸運であった。武蔵たち以外信用できないし、嫌味や虐め何ぞ受けなくて済むのだから。

 

「…………………」

 

 そのまま歩いていると、向こう側から何かが走ってきた。一人ではなく、複数の足音だ。近くに建物の陰に隠れ、その足音の主を待った。しばらくすると吹雪と葛城が来た。

 

「ぜぇ、ぜぇ…」

「えーと…大丈夫ですか?」

「吹雪ちゃん、いつもこんなに走り込みしているの…?」

「ええ、といってもまだ半分程度ですが」

「鎮守府周辺二周して半分なの!?」

 

(※鎮守府1周辺り四キロあります。鍛えてない人が走ったら死ねます)

 

 吹雪は葛城の体力が限界なのを見ると、走るのをやめ、海沿いの堤防に腰掛けた。

 

「私って、夕立やしぐちゃんと比べても弱いですからね。最近では睦月や如月も改二になってますからね。私ももうすぐ改二だけど、それでもスペック的には二人に負けますし」

「いや、夕立と時雨は比べるほうがおかしいよ…。夕立は夜戦火力ならトップよ?時雨も幸運持ちで夜戦でも姫普通に爆散させるし」

「それでも、ですよ。それに…」

「それに?」

「…いや、なんでもないです」

「?変な子だね」

 

 そういうと吹雪は走り出す準備をした。

 

「葛城さんは戻っても大丈夫ですよ。その感じだとリバースする一歩前な感じに見えますし」

「…やっぱり、そう見える?」

「顔色が悪いですからね。今はだいぶ落ち着いてますが、だからと言って無理に走らせたら見るに耐えない光景が…」

「あはは。じゃあごめんけど、先戻っているね」

 

 そういうと、二人はそこから離れていった。

 

「……………………」

 

 大和は先ほどの光景を見て、少し懐かしいように、同時に眩しく見えた。今の大和には、無いものだったから。

 だが、仲よくする前に虐められるかもしれない。陰で悪口を言っているのかもしれない。そう思うと、一歩先が踏めないのだ。

 それに、提督に暴力を働いてしまったのも拍車をかけている。今更謝って、許してもらえないと、そう思っているからだ。そう思いに耽っていると、

 

「お、大和やん。こんな時間にどうしたん?」

 

 背後から声を掛けられた。大和が驚いて後ろを見ると、両手にパン屋の袋を持った龍驤の姿があった。

 

「………………」

「…いや、ちょう喋てくれたかてええんとちゃう?」

 

 そういうと、龍驤は大和の手を引っ張り、先程吹雪たちが座った堤防に腰掛けた。

 

「ほら、これでも食べーや。これはな、ここでも有名なパン屋のパンなんや。なかなか手に入らんからついようけ買うてしまってなぁ」

 

 そういうと、メロンパンを大和に手渡した。しかし、大和は受け取ろうとしない。

 

「?もしかして、このパン好きやなかったん?ほかにおいしいパンもあるんやけど…」

 

 そういうと、袋の中にあるパンをゴソゴソ探し出した。すると、

 

「……なんで?」

「ん?」

「何で、私にそれを渡してくれるの?」

「別に理由なんてへんけど…そもそも何でそないなことを聞くんや?」

「だって、私、提督傷つけたし…」

「別に気にしてへんし、提督は怒ってへんよ?いつものことだし」

 

 そう言うと、龍驤は肩をすくめた。

 

「セクハラでもされたん?だとしたらウチが〆ておくけど」

 

 大和は首を横に振った。

 

「…提督は、ああ見えて優しい人や。ウチラが問題起こしてもある程度許してくれるしな」

「………………」

「信じられへんかもしれへんけど、いつまでもほんで足踏みしてたら…いつか後悔するで?」

 

 そう言うと、龍驤はメロンパン一個を大和に渡し、そのまま鎮守府に帰って行った。

 大和は手渡されたメロンパンを一口齧り、

 

「…………美味しい…」

 

 その美味しさに、その優しさに、一筋の涙が流れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、いつまでそこに隠れてるんや?」

「………ばれてたか」

 

 鎮守府の正面門に隠れるように、武蔵がいた。

 

「まったく、心配なら君が行けばええんかったのに…」

「いつまでも私がいるわけにはいかないからな」

「…ほれ、君も」

 

 そう言うと、武蔵にもメロンパン一個を手渡してきた。

 

「?何で私にも?」

「別に、ただのウチの気まぐれや」

「……そうか。なら、有難くいただこう」

 

 そう言い、メロンパンを一個いただいた。

 

「…美味しいな」

「せやろ?いやーなかなか手に入らんから大変だったわー」

「なるほど、確かに手に入りにくいだろうな」

「せやろせやろ♪」

 

 龍驤と武蔵はそのままパンを食べながら食堂室に向かった。

 

 

 

 

 そのまま食堂室に向かった武蔵たちであったが、食堂室には先客がいた。

 

「」グテーン

「…伸びてるな」

「伸びとるなー」

 

 食堂室の奥に、葛城がへばっていた。どうやら鎮守府周辺のマラソンは相当きつかったようである。

 

「まるっきし情けへんなー。ウチが直々に鍛えようか?」

「もう、勘弁してください……」

「そもそも、龍驤は式神式だろ。この子はボウガン式だ」

「…なら大鳳にやらせんのもいいかもしれんなー」

「ああ、あいつならやってくれるだろう。面倒見もいいしな」

 

 

 

「クシュンッ、…誰か私のことを噂してるんでしょうか?」

 

 

 

 

「そういや、改になったら式神と弓道のハイブリットになるんやったっけ?」

「らしいな。まあそれは改になってからでも教えればいい」

「あのー、なにそこで私の訓練メニューを作ってるんですか…?」

「「お前が一番弱いからだ」」

「そんなー!?」

 

 

 翌日から、大鳳のトレーニングに朝から晩まで付き合う葛城の姿があったそうな。




龍驤の設定の一つ。グルメなことを知っている人はどれだけいるんでしょうかね…。
なお今回の龍驤のしゃべり方はネットで調べてますがたぶん間違っているかもです。誰か詳しい人教えて…。


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