徹夜した所為か文が可笑しいところがあると思います。ご勘弁を。
迅雷&「アル」が提督の鎮守府に参入して一週間たったある日の事。新型パワードスーツの性能を確かめる為、護衛の艦娘と共に鎮守府から少し離れた海域で性能テストを開始した。
そう、この新型パワードスーツ”迅雷”の特徴は、水に浮くことなのだ。
今までのパワードスーツは陸をメインとしており、主に戦車の撃破や人命救助、災害救助等幅広い行動範囲とそのマシンパワーを生かしたのが今ある第一世代の特徴だった。
しかし、”迅雷”の特徴は第二世代であり、深海棲艦を撃破する為だけのパワードスーツであり、全体的にスペックが底上げされており、そして何より基本的に水に浮き、移動できる性能が最大の特徴なのである。
更に、背部にあるブースターを撤去することによってパック換装も可能としており、砲撃専用パック「轟雷」、空中機動専用パック「韋駄天」など、様々な戦局に対応可能という汎用性にも優れていた。
但し、一見素晴らしいように見える新型にも弱点があった。それは―――操作性が激ムズなのと、そこまでする必要性が無いことであった。
操作性はパック毎に変わってしまうという残念な仕様であり、通常仕様の機体でもトールギスみたいなとんでもない加速がデフォ、ヘタすれば中の操縦者が血まみれ(自分の)になってしまうという兵器としては残念すぎる機体だったのだ。
何故そんな物プレゼントするし、と提督が担当者の近藤に言ったところ、「不死身や鬼と言われた貴方ならコイツの性能を引き出せると思ったからですよ」とのこと。有沢の技術力は極端すぎることと浪漫な技術者が多いことで有名だったことは知っていたがここまでする必要はあったのかと思ってしまう提督であった。
まあ貰った以上性能テストはしなければならないし、いざ使おうとして限界以上の数値を出してマシンに殺されでもしたら泣くに泣けないのでその機体を使ったのだが。
「…あんなことを言っていた割には別に大した事は無いな」
《おそらく機体との相性が良いのでしょう。現時点ではすべて最高値を出しています》
因みに「アル」にも声がついたのだが、声が何故かアスラーダなのだった。
これも近藤に聞いてみたところ、前に見たアニメが面白かったので相棒の声を付けたとのこと。あらゆる方面にケンカ売っている技術者であった。
「相性ねぇ…。クイックターンやクイックブースト、オーバードブーストまで可能な機体を手に入れたのは嬉しいのは嬉しいけどさ」
《?》
「ぶっちゃけここまでする必要は無かっただろ。懐に飛び込む前に中の操縦者が天に召されるわこんなG」
《ですが貴方はそんなことにはなっていません》
「頑丈さとあらゆる恐怖に打ち克つのが俺の数少ない利点だからな。これでも接近戦では同期の中ではナンバーワンだし」
「アル」との会話を挟みつつ、急発進からの急停止、そこからのブーストを使った大ジャンプ、更にそこから後ろにブーストをかけ後退する等、動作確認を行ていた。―――音速というとんでもない速度でだが。
「…提督って人間でしたっけ…?」
「人間だ…一応な」
『通信で聞こえてるぞ。体を鍛えたらある程度のGには耐えられるし、機体との相性も良いからこんなことが出来るだけだ』
「いやいやいや、前者は確かにそうですが、後者は補正があっても無理ですからね!?」
「何言ってるのさ吹雪ちゃん。そんなこと言っていたら大和と長門のガチパンチに耐えられる訳無いじゃない」
「確かにそうですがそれ自体も普通はあり得ないですからね!? というか伊勢さん日向さん、新たな武器の調子はどうですか?」
「中々いい感じー。海神(わだつみ)の真価は切れ味じゃないみたいだし、実戦が楽しみだね」
「此方もだ。加減が難しいが上手くいけば凄まじい切れ味を発揮する筈だ。後は実戦でコツを掴むしか無いだろうがな」
「危うく消し炭なりかけたよぅ…。自慢のスピードで逃げてなかったらホントに危なかった…」
「その分私はマシっぽーい」
そう言っていると、救援信号を受信した。
『…だ(ジザザザッ)助け…ださ…! だれ(ジザザザザザッ!!)』
その声はノイズが凄まじく、部分的だが、確かに助けを求めている声だった。
しかし、今の我々は提督の護衛がある。ヘタすれば提督自身も危険。普通ならとっとと鎮守府に帰るのが普通なのだ。―――そう、普通ならば。
『…救援信号の場所を調べろ』
《了解》
「ちょ、ちょっと待って下さい!? 流石に危険すぎます!」
『現時点で我々が近かったら我々はこの者を見捨てたことになる。それだけは出来ない。何、救援信号を出したなら近くの部隊も来るはずだろ」
《信号、探知完了。我々の距離から三十キロ離れたところで、ル級を中心とした艦隊から攻撃を受けています》
「近くに味方は?」
《ありません。近いのは我々ですね》
「……吹雪」
「…はぁ。何でしょう?」
「魚雷二本、スマンがくれないか?」
「? 良いですけど…」
そう言うと、吹雪は酸素魚雷二本を”迅雷”の横の腰にある武器格納ラックに左右一本ずつ格納した。
「でもどうするんです? ここからだと間に合わない可能性が…」
「知っているか? コイツの最高速度は音速レベルとまではいかないがかなりの速度を維持できるんだぜ?」
因みに瞬間的に音速をたたき出すことも可能であり、それに耐える提督は人外レベルである。
「…まさか」
「そのまさかだ」
提督はそう言い、直ぐに吹雪たちから離れると、
ズッドォッッ!!!という音と水柱と共に、提督は助けを求めている者を助けに向かった。
―――”迅雷”と、AI「アル」と共に。
「糞ッたれがァ!! 撃て撃て撃てェェェェ!!」
「この船には近づけさせません!」
「このぉ!」
輸送艦を護衛しているトラック諸島第三鎮守府所属、護衛部隊長 天龍は悪態をつきながら敵に砲撃をしていた。
「(糞ッ、どうなっている!? 弱体化していたんじゃないのか!?)」
心の中で言っていると、駆逐イ級の魚雷が輸送艦に向かっていた。
「やらせねえっつの!」
腰の斬艦刀で魚雷の信管部分を切り落とし、如何にか魚雷を処理。輸送艦を守った。―――だが。
「天龍さん! 敵ル級、砲撃を開始しました!」
「チィッ! 朝潮、済まないが俺についてこい!」
「了解ですッ!」
天龍の命令に、半ば悲鳴のように、しかしながら負けてたまるかという意思を感じられる声と共に、戦艦ル級を止めに向かった。しかし、
「(こいつら…! 連携が取れてやがる!? 今までそんなことなかったのに!?)」
「きゃあ!?」
「朝潮!? 糞ッたれがぁ!!」
朝潮が敵の連中に翻弄され、被弾。天龍も必死に反撃するも、敵に有効打を与えられずにいた。
「天龍さん! 私に構わず逃げてください!」
「阿呆! 諦めてんじゃねえ!」
しかし、ル級の目が被弾している朝潮をロックオンした。
「避けろ、朝潮ォ!」
朝潮はル級から逃げようとするが、機関部分がやられたのか、移動が遅かった。
朝潮は自分が沈むのを覚悟した。自分も艦娘なのだから、沈む覚悟は持っていた。
「朝潮ォ!」
でも、
「最後に、提督の声を聴きたかったな…」
『待たせたな!』
次の瞬間、轟音と共にル級の体が真っ二つに裂けた。
「…え?」
朝潮は何が起こったのか、全く分からなかった。
「朝潮、大丈夫か!?」
「な、何が…!?」
天龍が朝潮を確保し、援軍の味方を確認した。そこには―――真っ赤な鬼が、立っていた。
「な…!?」
『済まない、少し遅れてしまったようだな』
「アンタは?」
『トラック諸島第五鎮守府所属の者だ。救援要請を出したのは君たちだな?』
「あ、ああ…」
天龍は目の前の後継を半ば信じられなかった。それはそうだろう、全身機械化したナニカが立っているのだから。
「(パワードスーツか? しかし、こんなの見たことが無い―――)」
天龍が思案していると、混乱状態から脱した敵艦隊が攻撃を開始した。
「しまった!? 味方が!」
『大丈夫だ。―――島風、着いたか?』
「提督はっやーい(大汗」
『割と余裕そうだな。輸送艦と護衛部隊の守り、頼んだぞ』
「やればやれるけどさー、なるべく早くね? 吹雪たちも激おこプンプン丸だったし」
『OK』
島風との交信も終わり、提督は背中にあった突撃槍「仁王」と左の格納ラックに収めていた酸素魚雷を取り出し、天龍に言った。
『ここから離れた方が良い。援護は一切無用』
「お、おい!? 幾らなんでも無茶だ!」
『現時点で交戦可能なのは俺しかいない。お前らじゃ死ぬだけだ』
「だがよ!」
天龍は納得しなかった。艦娘としての矜持がそれを許さなかったのだ。
『安心しろ。―――お前らより強いのでな』
その言葉と同時に、
提督は躍り出た。
「まず最初に、コイツを喰らっとけ!」
左に持っている酸素魚雷を近くにいたチ級に叩きこみ、即爆殺。
その後、「仁王」を構え、イ級の側面を突き刺す。
「まだ終わってねえぞ!」
『ブースター、最大出力』
そしてそのまま背中のブースターを吹かし、リ級の胴体を刺し、更にそのままもう一体のル級に突き刺し、
「焼け死にやがれェッ!!」
『放電開始』
突撃槍の根本にあるトリガーを引いた次の瞬間、
ズバババババババヂィッ!!!と凄まじい音と共に、凄まじいほどの熱量が三体の敵が体の中を焼き、黒焦げとなった。凄まじいほどの熱量である。
しかし、この攻撃で「仁王」は使用不能。残るは駆逐イ級・後期型のみ。しかし、その最後の敵がいけなかった。
「コイツ、フラか!?」
『敵、攻撃開始。回避行動』
「分かってる!」
単艦でありながら近づけさせない攻撃をするイ級。こりゃどうしたもんかと思った矢先であった。
「川内さん直伝…!」
イ級の背後から近づく艦娘の姿があった。その娘の名は―――
「魚雷バンカーッ!!」
―――吹雪である。
「提督!? 一体何を考えているんですか!?」
『いや、こうでもしないと間に合わなかったんだよ』
「そうかも知れませんが、もう少し自分を大切にしてください! 貴方が傷ついたら悲しむ人がいることを忘れてませんか!?」
『い、いや、忘れてないとも』
「なら今後こんなことをしないでください! 良いですね!?」
『いや、流石にそれは』
「何 か 言 い ま し た か ! ?」
「イエナニモ」
吹雪の剣幕に思わず肯定せざるを得なくなった提督であった。
「おいアンタ」
『あん?』
「今回は助かった。感謝するぜ」
『気にすんな。データも取れたしな』
「…それは効かない方が良いのか?」
『そうしてくれると有難い。まあ聞かれても答えられないがな』
「そうか。後で提督経由で改めてお礼を言わせてくれ。じゃあな」
天龍は朝潮を背負いながら、輸送艦の護衛に戻った。
『…島風』
『はいはーい』
『輸送艦の護衛、引き続き頼むぞ』
『了解でーっす。間宮製のお菓子頼みますねー』
詳しいことを聞かず、文句を言わずに(お願いはする模様)新たな任務に就いていった島風だった。
「では提督、帰りますよ! 帰ったら金剛さんと加賀さんの説教がありますからね」
『うげえ…、戻りたくねえ…』
「そんなこと言っても駄目です!」
―――…………………。―――
『? 何だ?』
《如何しましたか?》
『いや、声が聞こえたんだが』
《近くに我々以外の存在を感知できず。気の所為ではないでしょうか》
『……だと良いが』
その後、鎮守府に帰った提督は二人からコッテリ叱られたのであった。
因みに”迅雷”の姿は「装甲悪鬼村正」の”村正”、フルメタルパニック・アナザーのブレイズ・レイブンをミックス、上半身は”村正”、下半身はブレイズ・レイブンの足を少し大きめなのをイメージ、後ろのバーニアはトールギスをイメージしています。誰か絵がうまい人おらんかなぁ(チラッ
あ、両肩にアジャイル・スラスターもあります。…分かる人しか分からないネタだなぁ(オイ
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