全く書く時間が無かった為、リハビリ感が凄まじいです。おまけに艦これする時間も無い。
今回は初の6500文字オーバー。常にこのぐらい書けと(ry
「ほら、もうすぐすぐ着くから荷物準備しとけよー。2,3分ぐらいしか止まってくれないからな」
「…提督、いっそ「するが」で行った方が良かったんじゃあ…」
「その代わり墓参り終わったら即帰ることになるぞ? それに本国で一旦整備した方が良いしな」
「うう、そう言われるとちょっと嫌ですね。提督の故郷ですし、色々見て回りたいですし」
「と言っても一泊したら舞鶴に帰ってこにゃならんがな」
「それにしても早く見てみたいですね―――福岡を」
始末書を書き終えた提督は、「するが」のメンテナンスを海軍整備基地に回し、迅雷は有澤で最終動作確認の為、舞鶴にあるパワードスーツ専用の整備ドックで留守番させた後、大和達と一緒にその足で新幹線に乗り、故郷の福岡に向かっていた。
…もしかしたら名前で広島辺りかなーを考えた人がいましたらゴメンナサイ…。
博多駅に着いた一行は、まず提督の実家に立ち寄ることにした。荷物を預けるのと、ホテル代を浮かせるためである。
もしかしたら嫌じゃないだろうかと思った提督であったが、むしろ伝えた瞬間食い気味で聞いてきたところを見てホッとしていたのであった。(吹雪たちからして見れば、ある意味挨拶(意味深)なのだから、そりゃそうだろう)
と言ってもまずは腹ごしらえである。
「そういや昼飯何が良い?」
「博多ラーメン!」
「水炊きかな?」
「アジの胡麻和えだろう?」
「明太子じゃないですか?」
「個人的には魚介類が良いですから…武蔵と同じですね」
「じゃー多数決で魚だな。ちょっと待ってろ、調べる」
提督はそういうと、スマホで辺りの美味しい飯を探していた。
暇になったせいか、吹雪が話を切り出した。
「…そういえばさっき百貨店の中見てみたんですが、東京と比べて値段は安かったですね」
「福岡は物価が安いって話だしな。かなり人気があるんだ」
「さらに言うと家賃とかも安いから単身赴任先としても人気ねー。博多に軍港が無いのが残念」
「? 何でないんですか?」
「商業に力を入れてるからよ。軍港よりコンテナをトラックに積むクレーンを建てた方がいいの。横浜や川崎とかその例ね」
「…何で知っているの?」
「さっき調べたのよ」
そう言っていると、調べ終わったのか提督が声をかけた。
「よっし、場所は分かった。皆ー、行くぞー」
「「「「「はーい」」」」」
因みにお昼は漁港の近くの店だった模様。大和達からは高評価だった。
その後、提督の故郷の町まで行ったが…、
「「「「「遠すぎるッ!?」」」」」
「…何なんだいきなり?」
「いやいやいや、車で行ったら二時間以上って遠すぎますって! 後どのくらいなんですか!」
「んー? 後十分かな?」
「それ言って三十分以上経っているんですが。というかここどこですか?」
「行橋」
「…門司港の方が近かったんじゃあ…」
「門司港付近はあんまり分からん。ぶっちゃけ作者も行ったことないしな」
「メタい!?」
「と言ってもそこまで田舎っていう程じゃないのだな」
「ここはな。少し大通りから離れると畑が見えるぞ。コンビニもかなり減るしな」
「むしろ都会は溢れかえってますからね…」
途中途中休憩を挟みながら運転し、漸く提督の実家に到着した。
「さて着いたぞー」
「こ、腰が…痺れて…」
「腰を伸ばしたらパキパキ鳴る~」
「たった二時間揺られただけだぞ。六時間なら分かるが」
「それ下手したらエコノミー症候群になりますよね…」
「ホントに見る限り畑しか見えないですね。コンビニ一軒もない…」
「まあ車で20分であるからまだマシじゃないか?」
「いきなり失礼なこつば言うているな…」
実家の玄関から一人の筋骨隆々の爺さんが出て来た。
「ところで、歯ば食いしばれキサン」(訳:ところで、歯を食いしばれ貴様)
「ちょ、いきなり何をゲボアッ!?」
「やかましい! いつん間にボウズば作っちきよった!?」(訳:やかましい! いつの間に子供を作ってきた!?)
「ちょ、何か勘違いしてんぞジジブヘッ!?」
「こん儂の根性入れなおしとってくれるわ! 覚悟しとれよ!?」(訳:この儂が根性入れなおしてくれるわ! 覚悟しろ!?)
「話聞けジジイィィィィィィィィ!!」
「ちょ!? 提督落ち着いてぇぇぇぇぇ!?」
突然の乱闘に慌てて止めに入ろうとする吹雪だったが、逆にそれがいけなかったようで、
「第一なし孫んこつば教えてくれなかったんじゃ! 初孫なんじゃぞ!(訳:第一何故孫の事を教えてくれなかったんじゃ! 初孫なんじゃぞ!)
「だから俺の子供じゃねえっつの! 俺の職業知ってて言ってんのか爺!」
「知っちて言うているんじゃ! どげんしぇそんおなごし性っちよろしゅうしたばいんじゃろ!?」(訳:知ってて言っているんじゃ! どうせその女性とよろしくしたんじゃろ!?)
「俺がそんなことすると思っているのかコラァ!? 終いにゃ破顔掌すんぞ!!」
最早恥晒しレベルのケンカである。大和達がどうしたもんかとオロオロしていると、
「父さん、人前でそんなんやっちゃいかんでしょうが?」
玄関から50前半のおっさんが出て来た。
「なんじゃ冬彦。コイツん根性ば」
「だからと言って去年と同じこと言ってたよね? 天丼はいいから早く皆さんに挨拶」
「ぬう…。吉川源一郎(キッカワ・ゲンイチロウ)じゃ」
「僕は吉川冬彦(キッカワ・フユヒコ)。いやーウチの親父がやらかしてごめんね嬢ちゃん達」
「あ、いえ…何というか、個性的ですね?」
「個性的というか、何というか…。結構マイルドだね? もっとストレートに言ってもイイんだよ?」
「いたらんこつば言わんでよか」(訳:余計なことは言わんでいい)
「去年も同じこと言うからとうとうボケたかと思ったぞ爺」
「フン、きんしゃーたんびにちごうとるおなごし子連れてきよったらこうなるわ」(訳:フン、来るたんびに違う女子連れてきたらこうなるわ)
「いや、きんしゃーたんびっていうけど去年しか来てないからね? それも一回」
「というかそろそろ標準語喋ろ。いつまで博多弁喋っている気だ」
「儂ん勝手じゃろ」
「あー…嬢ちゃん達がついてきてない感があるから普通に喋ろうや。ぶっちゃけ作者もそこまで詳しくないし」
「…分かった。これでいいんじゃろ?」
「えっとぉ…」
話のテンポが掴めていない大和達である。提督がそれに気づき、自己紹介をした。
「さっきも言っていたが、またもう一回言うぜ。
こちらの爺さんが吉川家当主 吉川源一郎。
その横にいるのが次期当主 吉川冬彦。
ここにはいないが当主の奥さん 吉川ユメさん。」
「おいこら若造。何故儂の名前を呼び捨てにしやがった」
「人柄の差に決まってんだろ」
「良し表出ろ。その根性きっちり叩き伸ばしてくれる」
「やめなさい父さん」
どうどうと、パワフルなお爺さんを宥める冬彦氏であった。
「ところで、この嬢ちゃん達は?」
「ああ、こちらの自己紹介しとく。
右から吹雪・大淀・大鳳・武蔵・大和だ」
「ど、どうぞよろしくお願い致しましゅっ」
緊張のあまり舌を噛んじゃった大鳳であった。
「ハッハッハ、そんなに気にしなくていいよ。んじゃ家に行こうか?」
「おい息子。それは儂が」
「貴方が言ったら怖がりますよ。色んな意味で」
「………」
「…まあ言えてるな。強面だし」
提督と冬彦氏の無慈悲なセリフに黙ってしまったお爺さんであった。…まあでも仕方ないですよね、身内でも怖がってしまうレベルの顔だし。
家に入ると、一人の女性が近づいてきた。
「あらあらいらっしゃい。去年と違う子だねぇ」
「どうもお久振りです、ユメさん」
「春ちゃんも久し振りねえ。あらいけない、お客様にお茶出さなきゃ」
そういうと女性は奥に行った。それを確認した吹雪と大和は提督に質問を投げた。
「…さっきの女性若かったですけど、もしかして後妻ですか?」(小声)
「そう思うだろ? あれでも80後半入ってんだぜ…」
「いやいやいや、どう見ても50前半でしたよ!?」(小声)
「ウチの家系、女性が若く見えてしまう家系らしいんだ。…俺は直系の人間じゃないから、親戚の女性言ったらユメさんしか見たことないけどな」
「……世の女性がある意味羨ましく見てしまいそうですね」(小声)
「お爺さんと奥さんが外見は年が離れすぎててビックリしましたよ。…年を聞くとそれはそれで嫌ですが。色んな意味で」
「結婚当初は30前半の男性と見た目女子中学生の同い年だったから、よく警察に職務質問されてたみたいだったがな」
「いい加減儂の恥を晒すなアホ孫」
お爺さんが話に加わりました。
「一応言っておくが、職務質問されたのはここではたったの三回じゃ」
「それでも多いわ」
「旅行の時は誘拐犯と間違われたものねぇ~」
お婆さんが話に加わりました。
「『おい! 其処の男性! その子を離しなさい!』と言われたときは何か事件があったのかと思ったわぁ」
「ちゃんとその警官からは謝ってもらったがの。お蔭で旅行が台無しだったわい」
「そう言ってるけど、父さんも満更では無かったんじゃないか?」
「冬彦。お前は奥さんと一緒に都会に旅行したら高確率で職質される旅行を楽しいと思うか…?」
「でも好きな女性だろ? なら楽しい思い出になったんじゃないかな?」
(((((あ、この人提督のメンタルに近い)))))
叔父のセリフに思わずそう思ってしまった大和達であった。遠縁ではあるが、確かに血が繋がっている部分ではある。
「そろそろ夕日も刺してきたところだし、そろそろ墓参りに行こうか?」
「そうですね。じゃあ大和達はどうする?」
「一緒に墓参り行きたいですっ」
「私もですね」
「私もだ」
「よし、吹雪・大和・武蔵は参加っと…」
「じゃあ私は夕飯の準備を手伝いましょう」
「大鳳はお手伝い」
「私は少し付近を散歩したいですね。提督の故郷ですし」
「…まあいいけどな。何もないがいいのか?」
「歩くだけでも何かしらの発見はありますし、こんなに畑があるのも無いですから」
「分かった。六時までには帰ってこいよ」
「良いのかい? 女性が一人で散歩するのは?」
叔父さんが提督に言ってきたが、
「ああ見えて合気道有段者だから問題無い。むしろ手を出してきた奴ザマァとしか言えんな」
「…艦娘って全員そうなのか?」
「俺の所が特別なだけだから」
シレッと自分の鎮守府が規格外的発言を言ってしまう提督であった。
「という事で山の懐まで来ました」
「「「いやいやいや、何で山なんですか(なんだ)」」」
「墓地というのはかなり金がかかるからね。それに都会ならあるかもだけど田舎だと山に墓地があることも多いんだよ」(※そんなわきゃ無い)
「さらに言うと墓は山のてっぺんじゃ。蜂もおるから気を付けるようにの」ジャコン!
「…一つ聞きたいんだが、何で猟銃持っているんだ?」
「猪が出るからの。あいつら畑を食い荒らす害獣じゃし、大人になると大の人間を轢き殺せるから気をつけにゃならんのじゃ」
「更に言うと大人の猪は熊と同じレベルでおっかない。下手したら1メートル超える奴もいるからこういうの(猟銃という名の銃剣付歩兵銃)が必要になるのさ」
「…因みに出てきたら?」
「今夜の鍋の具材になるのう」
軽ーく引いている大和に対し、
「ほう、猪の肉か。食べてみたいものだな」
「臭みが強いから好き嫌いが激しいよ? 個人的にはウサギとか」
「というか基本牛・豚・鳥以外臭みは強いがな。その三つでも臭いしな」
武蔵は一度食べてみたいと肝っ玉の大きい発言を出していた。
なんだかんだで一行は提督の両親のお墓の前に到着したのだった。
「…一年経っただけじゃ変わらないもんだな」
「そりゃそうじゃ。儂も手入れしているんじゃ、墓の周りには草一本も生えとらんわい」
「父さん週に3回も行ってるもんねぇ。『気に入らないが孫の為じゃ』と言いながら行っている部分素直じゃない」
「これ以上言うなら儂とて考えがあるぞ? お前の恥ずかしい話とかな」
「オーケイ分かった取り敢えず謝るからやめてくださいやがれお父さん」
「取り敢えず雑巾はあるから、大和はバケツに水を入れてきてくれ。武蔵はその手伝い。吹雪はお線香を置く台の掃除を頼むわ」
(…ほう?)
提督の指示に爺さんが少し驚いた顔をしたが、すぐに真顔になり、
「じゃあそこの別嬪二人は儂についてくると良い。案内する」
「父さん、変なことしないようにね?」
「するか阿呆。お前はさっさと手伝いにいかんか」
はいはい、と言いながら提督たちの手伝いに戻った伯父さん。その姿を確認した爺さんは大和達に質問してきた。
「…なあ、そこの黒髪の別嬪さん。孫は…どんな感じじゃ?」
「え、あ、私ですか?」
「あー、スマン。名前覚えてないんじゃ。どっちが大和さんで武蔵さんか分からないんじゃ。スマンの」
「じゃあ改めて自己紹介しますね。私は大和型一番艦 大和と申します」
「同じく、二番艦 武蔵だ」
「うむ、有難う。で、さっきの質問なんじゃが…」
「鎮守府では立派な提督ですよ? …少し敵が多いですが(ボソッ)」
「うむ、訳有りの私たちも同じように接してきたしな。…お蔭で同じ心境の者が多いが」
「成程。なんか魘される様な行動も無いんじゃな?」
「「?」」
「…安心したわ。あいつも立派になったもんじゃのう」
爺さんはしみじみと言いながら、それでいてホッとしているような口調で言った。
「…アイツの過去は、君たちは知っているのかの?」
「はい、と言っても大鳳…あ、今日一緒に来た眼鏡をかけていない子ですが、その子経由で」
「ほうか。あいつは親が死んでしまう前は活発な子でな。本人は覚えていないじゃろうが、儂もよく遊んだものじゃ」
と言っても、儂は陸軍所属だったから、一回二回ぐらいじゃがな、と自嘲するように言った。
「じゃが、両親が死ぬとあいつは引きこもってしまった。家族が余程好きだったんじゃろう。冬彦が声をかけても反応が無かったし、儂らには懐きもしなかった」
「…今とだいぶ違いますね」
「うむ、それに儂は陸軍じゃったから家にはよくおらんかった。いじめをあったことを知るのも、大分後になってからだったしの」
あの時の冬彦の怒りはすごかったのう、と自慢げに言った。
「その時も、いじめが何だと言ったら冬彦が『アンタの大事な孫が泣いてんだぞ、分かってんのか糞親父!!』と怒鳴ったときは恥ずかしく思ったわ。自分の考えにな」
「…当時としては、仕方なかったんじゃないのか」
「だとしても、儂は気付かなんだ。家族が悲しんでいるのを、全くな。…おお、ここじゃ。じゃあスマンがバケツに水を入れてくれんか?」
「あ、はい」
大和がバケツ三つ取り出し、水を入れた。
「奴は、今でこそあんな感じじゃが、その時は儂らの前で泣こうとせんかった。多分、弱みを見せたくなかったんじゃろう。弱みを見せたら何をされるか分からない、とな」
「だが友人は違うと」
「その友人ですら最初は疑っとったんじゃ。恐らくその友人がいなかったら、もっと酷いことになっていたじゃろうな」
「………」
「その生活が、あいつが海軍学校に行くまで続いた。儂には心を開かなかった。ウチの女房には心を開いていたみたいじゃったがの。
じゃが去年、突然奴が返って来たんじゃ。『長年の、心の清算をする為』と言ってな」
その時もお前さんみたいな子を連れて来とった、と当時を思い出したのか、少し嬉しそうな顔をしながら言った。
「そして墓参りが終わった後、奴はこう言ったんじゃ―――『じゃあ爺さん、ウチに帰ろうか? 色々話もしたいしな?』とな」
「やっぱり、嬉しかったですか?」
「そりゃな。長い時間がかかったが、こうして遠慮なく話すことが出来たのは、やはり嬉しいもんじゃ」
「ならあんな行動しなきゃいいのに」
「この歳になると恥ずかしいんじゃよ」
本人(提督)がいたら『男のツンデレとか誰得だよ』とやれやれ顔で言いそうである。
「さて、話を聞いてくれて有難うな。こんな奴のことを聞くのはないからの」
「いえ、お気になさらず。…少し、自分と重ねてしまいましたから」
「…もしや、聞いてはならんことを聞いてしまったのかの?」
「気にしないでください。提督のお蔭で、立ち直れましたから」
「姉さん…」
「だーかーら、気にしなくていいって。ほら、早く行かないと怒られますよ?」
辛い過去を完全とまではいかないが、少なくともあまり気にしないレベルに落ち着いていた大和は、笑いながら提督のいる場所に向かったのだった。
後半へ続く(キートンボイス)
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