今回はケッコンカッコカリ第二弾最後です。
「よし、服装もOK。髪型も乱れてないっと…」
夜、古鷹は提督室の前に来ていた。一応他の人も来ることは知っているが、今の古鷹にはそんなことはどうでもいい心境であった。
理由は…やはり思いを寄せていた人からのお誘いだからだろうか。
「提督ー、失礼しますよー……」
ドアノックをし、古鷹が中に入ると、
「zzz…zzz…」
机に突っ伏して爆睡しているバカの姿があった。因みに時間は夜の八時。自分で言っといてこの失態は無い。
「あら…。しょうがない人ですね」
苦笑いを浮かべながら、提督の肩を揺らして起こした。
「提督、起きてください。もう夜ですよ」
「ぬぁ…もう、夜…夜!?」
慌てて起きた提督は壁にかけていた時計を見て更に慌てた。そりゃそうだろう、自分で言っといて約束をガン無視したようなものだ。
「ちょっ、他の皆は来てるのか!?」
「来てないですよ、私が一番です」
それを聞いた提督はホッと安堵のため息をついた。
「スマン、いつの間にか寝てしまってた」
「別にいいですよ。今日は色々遭りましたし」
「…そういってくれると助かる。ようやく体が本調子になったしな」
(……高所落下で、内臓にダメージ入ったのが、たった半日で回復って…私たちの提督は化物じみてるね…)
そんなことを言っていると、
「あのぅ、提督…いますか?」
「ああ、いるよ」
「失礼します……」
羽黒が入ってきた。恥ずかしいのかモジモジしている。
「えっと…もしかして食べられるんですか?」
「ブッフェッ!?」
まさかの吃驚発言に古鷹からもらったお茶を吹いた提督であった。
「ちょっと待て、そんなこと無えから!?」
「え? でも足柄姉さんがそんなことを…」
「…因みにどんなことを?」
「『男はみんな野獣なのよ~』って…」
「よっしゃあいつはアルフォンシーノとカスガダマ行きだ」
頭にピキマーク浮かべながらイイ顔をしていた。
「くちゅんっ! な、何か寒気が……!?」
でも大体は合っているのだが、提督のダイヤモンド級の理性で抑え込んでいるだけである。決してホモとかではない(断言)
「とにかく、そんなんじゃないから。……まあ、ある意味では気を悪くするかもだがな」
「…ある意味で?」
「とりあえず全員揃ってからな?」
そういうとまたドアのノック音がした。入ってきたのは飛龍・蒼龍の二人である。
「おまたせ、待った?」
「いや、待ってないぞ。……これで残るはあと一人か」
「木曽なら少し離れた通路で悶々としてたよ」
「してねえよっ!?」
「何してんだお前は…」
「いや、ちょっと恥ずかしかったしな…」
「なーんだ、悶々としていたじゃない」
「だーかーら違うって言ってるだろ飛龍ゥ!」
「夜だから静かにな」
「ぐっ…」
提督の言葉に木曽は押し黙ってしまい、それを見た飛龍がムフフと笑っていた。
「相変わらず提督には弱いねームフフ…♪」
「KO☆NO☆YA☆RO☆U」
「だ、だめですよぅ……!」
「そうですよ、喧嘩は駄目ですからね」
羽黒と古鷹がストップをかけ、木曽をなだめていた。
「お前ら、そんなに仲が悪かったっけ?」
「仲が悪いというより面白がってやっているだけみたい。ちゃんと戦場ではちゃんとするよ」
「……蒼龍も大変だなぁ」
「何だかんだかなり長い付き合いだから、慣れたけどね。飛龍も悪意を持って接しているわけじゃないから…」
アハハ、と乾いた笑いを浮かべた蒼龍であった。
「…さて、君たちに来てもらったのはある物を渡す為で「ケッコン指輪でしょ?」…真っ先に潰すのはやめてくれないか飛龍」
「いやだってここにいる全員条件満たしているし、そ・れ・に…提督が夜に呼びつける理由ってこれぐらいしかないよね?」
「ぐぅの音も出ねえや…」
「ま、まあそんな提督が私は好きですよ…?」
「羽黒ちゃんストップ。提督のHPはすり減ってるから」
羽黒のフォローになっていないセリフに古鷹がストップをかけたが心の中でorzになっていた提督であった。
「……とりあえずこの書類を読んだ後、名前を書いて俺に渡してくれ。その時にケッコン指輪を渡すから」
「はいはーい。取りあえずペンっと…」
「……ところで印鑑の部分はどうするんだ、血判でも押せばいいのか?」
「おいばか抜刀スンナそこは俺の仕事だから!?」
「何だ、親指を軽く切って押せばいいのかと思ったぞ」
「すんなよ、絶対にすんなよ!?」
発想が安土レベルの発想力である。
「それにしてもよく買えたねケッコン指輪。あれ結構高いんだけど」
「”迅雷”のテストパイロットもやっているからな。その分の金があったから買えたというか…」
「因みに無かったらどのぐらい伸びていたんだ?」
「半年以上じゃねえかなぁ…。”迅雷”の危険手当もかなりあるし」
「そういえば”迅雷”の事故は大丈夫だったんですか?」
「あっばっ……!?」
古鷹が気遣いのつもりで言った一言が、木曽の様子を変えた。
「……提督?」
「いやちょっと待てもう完全回復してっから! もう回復してっから!?」
「そんなことはどうでもいい、重要なことじゃない」
「重要だからな!?」
「何で提督が怪我をしているかということが一番重要なんだ」
「お前相変わらずだなその考え!? 俺だって人間なんだから怪我だってするに決まってんだろ!?」
※5,000mから落下して軽く内臓を痛める段階で十二分に人外です。
「というか大丈夫なのか? 怪我は? 作った盆暗〆てくるから安心していいぞ?」
「しなくていいっつの! 最高責任者の俺が処罰は出しているんだから問題ない」
※尚しわ寄せはフィジカル面では明石・夕張・工廠妖精らが、メンタル面では近藤がこうむっております。(後者は当たり前)後”迅雷”魔改造フラグが立ってます。
「つか俺至上主義は止めてくれ。俺が死んだらどうする気だお前」
「勿論、後を追うだけだが?」
「思いが重いわ!?」
「「ブフッ」」
ギャグで言ったつもりがないのにそれっぽく言ってしまった結果、飛龍・蒼龍が吹き出していた。必死に声に出さないように真顔に徹しているが顔が物凄いプルプル震えていた。
「というか提督が気付いていないだけでオレのような考えを持っているの、結構多いぜ?」
「ある意味聞きたくなかった一言だ!?」
「むしろ気付いて無かったのか…?」
「いやまあ長門とか軽い依存入ってね?と思う部分はあったけど…」
「軽いどころか結構重いですよ?」
「知っていたのか古鷹!?」
「というかケッコン組で依存が入ってるの長門と金剛ですねー」
「マジか…」
「といってもヤンが入ってるのはいないと思いますけどね」
木曽の〆る発言は物理じゃなくSEKKYOUの部類なのでノーカンである(震え声)
「……良し、全員書いたな? じゃあ指輪渡すぞ」
提督は一人一人にケッコン指輪を渡した。
「……何かイベントみたいのは?」
「そんなものは無い」
「体がピカーッて光るのは?」
「そんなものは無い」
「……面白くない」
「ケッコンカッコカリにそんなこと言われても困るわ!」
飛龍がむくれた顔をしながら不満げに言い、それに突っ込む提督であった。
「強いて言うなら、燃費や回避力、というか全部のステータスが上がるぞ」
「そんなん無くても技術でどうにかできそうなんだけど」
「お前の発想はおかしいし普通出来ないからな?」
※飛龍は艦攻の一点のみの、蒼龍は艦爆の一点のみの天才です。
「……………」
「? どうした、古鷹?」
「え? うん…ちょっと、心がポカポカするなって、思っただけです」
「………」
「ふぇっ!? 何で無言で涙を流しているんですか!?」
「いや、男らしいのが多かったからこういうシチュの免疫が無かっただけだ」
思い返せば説明を聞かずに即ケッコンカマーンな大井とか他の鎮守府にいる大井が見たらどんな反応示すか気になるなあ、とズレにズレまくったことを頭に思い浮かべていた。
すると天井から、バカァンッ!!と凄まじい音を立てながら一人の艦娘が登場した。川内である。
「というわけで、皆さんには提督夫人の会に入って貰うよー!」
「天井壊しながら入ってくるんじゃないッ!」
川内の頭に拳骨が落ち、KOされた川内は、
「ぐふっ…! でも、私が倒れても、第二、第三の登場が…!」
「そんなにあってたまるか」
「では皆さん、この書類に書いてくださいね」
「加賀さぁぁぁぁぁぁん!!??」
すぐ後ろで加賀さんが古鷹たちに紙を手渡していた。
「では皆さんの書類をすべて受け取りました。―――ようこそ、提督夫人の会に」
「……もう突っ込みきれねえ」
物凄い疲れた顔で、しかしながら満足げな顔を浮かべながらケッコン関連の書類に判子を押していた。
「嫌ーーーー!? 何でハードなところに私を送るのよー!?」
『余計なことを言った罰に決まってんだろ。ほーれまだまだ来るぞー』
「余計なこと言わなきゃよかったー!」
後日、カスガダマで一人の哀れな重巡が前線で10回連続出撃(休憩無し)に行っていた。
という訳でケッコンカッコカリ第二弾、終了しましたー。
そういえばもうすぐイベントですねー。今回のイベはどんなものが来るのやら。できれば海外の重巡が欲しい。プリンツ? まだ先じゃね?(遠い目)
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作者は感想文が出るたびに喜びます。
先生助けて! カタパルトが手に入らないの!(任務を怠った馬鹿)