提督と艦娘の日常(仮)   作:お芋侍

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どうも、おはこんばんにちは。 一か月以上ぶりのお芋侍です。いやホントに申し訳ないです。

久し振りに書いてみたら全く書けない……!?


第68話

「ふむ……」

 

 提督が入院して3日経ち、提督の右手首を上下左右動かしてみた医者が考え事をしていた。理由は”ファイズシステム”の使用を許可するかしないかである。

 提督自身は何ともないと言ってはいるが、”ファイズシステム”の負荷はかなりとんでもない。

 

 吉川・豊能の二人が使用しているライダーシステムには適性率というものがある。適性率が高いと怪我や思考障害等、ヤバい類の症状は極めて軽くなる。低ければ……最悪、使っただけで”あの世行き”になってしまうとんでもないシステムなのだ。

 豊能が使っている”メテオシステム”は、未知のエネルギーを使用している為、本人以外は全く使用できない。因みに適性率は何と120%。

 吉川が使用している”ファイズシステム”は、適性があれば使えるが、全くのゼロの場合は弾かれ、適性が低ければ良くて大怪我レベルの欠陥品である。しかも、吉川の適性率は92%。それで地味な骨折とか起こしているのだから低かったらどうなるかお察しものだ。

 ……まあ、ライダーシステム自体、解析に参加した大淀・明石(チート)の力をもってしても、解析できたのが2割程。しかも”メテオシステム”を元にしている為、壊れたら修復不可な代物の為、あまり知られて無い&安定性や量産性に欠けるレベルである。

 無論、使用できれば深海棲艦に対抗できるが、「供給や安定性、安全性が確保されてない兵器」を誰が使いたがるのかと言えば、9割の軍人は「NO」である。残りの1割は、実験体を使用して解析するか、吉川達のように進んで使う者ぐらいである。

 

 話を元に戻すと、この軍医はもう少し検査入院をするべきか、復帰させるか迷っているのだ。

 現時点では二人を復帰させなければならない程の事態は起きていない。しかし、あのシステムがどのような影響を与えているのか考えたら……とグルグルと思考が空回りしている。退院させるか否か、軍医が迷っているのを横で見ている人達はというと、

 

「……何かヤバいのが出たんですかね?」

「出たとかいうなよ俺まだ25なんだぞ」

「……えっ!?」

「えじゃねえよ。俺そんなに老けてる?」

 

 しょうもない会話を繰り広げていた。吉川の骨折自体はほぼ完治。豊能の筋肉痛も2日で痛みは引いている。豊能がここにいるのは検査入院で色々と調べられたからだ。因みに体は一部を除いて全く問題は無く、健康体であった。

 

「いや、体から貫禄っつかオーラを放っているように見えたし。25でそこまでの奴はいないでしょ?」

「そりゃ最前線で体張って指揮していたからな。……一応言っておくが、イージス(するが)でだぞ?」

「個人でイージスを所有とかどの位戦果を挙げなきゃいけないんですかね…?」

「そりゃあ、姫級や鬼級のジャイアントキリング(格上殺し)を30回繰り返せば貰えるぞ? あと階級が少将に挙がればワンチャンあるな」

「何すかその難易度インフェルノ」

 

 ※この世界だと姫級や鬼級は環境災害(津波や地震とか)に匹敵するレベルの強さ。一体狩るだけでも一苦労。しかも結構な頻度で”湧く”。

  尚、最高スコアは沖田大将が率いる艦隊で94。吉川が85。有馬少将が57。村上少将が61である。平均で20も狩ればエース扱いなので、このスコアはかなりヤバい。

 

 それはさておき、

 

「……骨は完全にくっついた様なので退院しても大丈夫ですが、なるべくそのシステムは使わないように。というか今年に入って碌な怪我してないですね」

「文句は敵に言ってくれ。こっちは仕事をしてるだけだ」

「そちらの方も異常はありませんでしたが、何か違和感でも感じたらすぐに入院するように。あと血糖値が高いですよ」

「無視すんな」

「俺まだ若いのに血糖値が高いのか……。間宮印のアイスを五個食っただけなのに……」

「「食い過ぎだろ(です)」」

 

 なんだかんだで退院許可を貰い、退院許可書を頂こうとしたその時であった。

 

 

 ドタドタドタッ!! ドバーンッ!!!

 

 

「パパー! お見舞い来たよー!!」

「……ここは病室です。お静かに」

「おー美風ちゃん。元気なのはいいがここは病院だから静かになー」

「はーい、パパ」

 

 テヘペロッ☆と舌を出して笑顔を見せた女の子―――ジュリィ・美風がやってきた。

 

 

 

 今回の襲撃で、豊能大佐の鎮守府は8割方の施設としての機能停止…つまりほぼ全壊となり、豊能は一時的な措置として村上少将の副官として処理。全壊となった鎮守府は一旦更地にして新たに組み立てることになった。

 この時に鎮守府が全壊した責任として、二日ほど病院で謹慎、そののち村上少将の副官という事となった。因みにその謹慎処理もぶっちゃけ病院で治療するだけでOKのガバガバッぷりなので事実上の処分無し。但し、ライダーシステムの兵器使用の許可の書類(50枚)を書く羽目になった。

 豊能大佐が保護していた子供たちも、安全をとってフィリピンに移動。そこで保護という事になった。―――ジュリィ・美風を除いて。

 彼女に関しては断固として離れようとせず、根負けしたフィリピンの陸軍大将が、

 

「海軍中将の吉川、少将の有馬・村上、大佐の豊能が責任を持って少女を保護すべし」

 

 という命令書が飛んできたのだ。吉川もこれには思わず乾いた笑いが出てしまった程、思い切った行動である。

 ……まあぶっちゃけ一人ぐらいなら問題無い為、拝命したのだが。

 

 因みに流石に部屋に閉じ込めるのもどうかと思った吉川は、豊能に、

 

「間宮と伊良湖のお店に勤めさせたらどうだ?」

 

 と、提案したのだ。豊能は結構迷ったのだが、美風ちゃんが「やってみたい!」という言葉で許可したのだ。これが昨日の話なのだが…間宮が昨日きた美風ちゃんをガチな意味で(パティシエとして)育てようとしたりと、その時一緒に付いていった金剛さんが全力で止めたりとかなり大変だったらしい。

 

 

 話を元に戻して。

 

 

 

 まあそんなこんなで美風ちゃんは豊能の元にいることになったのだ。無論、豊能だけじゃなく金剛さんやその配下にいる比叡が遊び相手になっている為、大分楽になっていた。

 しばらくすると、

 

「着替えをもってきましたデース!」

「ん」

 

 金剛が吉川と豊能の着替えを持ってきた。

 

「モウ、美風ちゃん? ホスピタルで走っちゃノーデショー?」

「えへへ、ゴメンなさーい」

 

 金剛が美風ちゃんを軽く叱りつつ、提督たちはそそくさと着替えた。なるべく早く鎮守府に戻らなければならない用事がたくさんあるからだ。

 

「ア、テイトクー。午後にニューフェイスがやってくるヨー」

「マジか」

 

 ……今しがた、更に仕事が増えて慌てて着替え始める吉川であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 退院の手続きが午前中一杯潰れてしまい、鎮守府の食堂で丼飯をかっ込むように食った吉川は提督室に向かったのだが、入った瞬間驚いた。その理由は、

 

「あん? 何でお前らが…」

「一か所で顔合わせた方が楽だからだよ。新人の戦力判断は得意だろ?」

「そういうこと。 退院して直ぐでゴメンけど、その観察眼、当てにしてる」

「ハァ……まあいいけどな」

 

 有馬・村上の二人が提督室が提督室に来ていたからだ。

 今回来る艦娘は対空特化の子とドイツ艦、更に新たに戦艦が登場したという情報しか知らされていない。練度やクセ、性格等、見極めることが重要となる。一つでも間違えると場合によっては艦隊全員に悪影響を与えるからだ。例えば自分の腕に過剰な自信を持つ娘とか矯正しないとマズイ類のとか、協調性がかけらもないとか、それらを見極めるのが吉川は得意なのだ。

 

「そろそろ来る時間だね」

「みたいだな」

 

 そう言っていると、ドアノックが聴こえた。どうぞと言おうとした、その瞬間―――、

 

 

 ズゴシャアッ!!

 

 

「ハァイ♪ 失礼するわよー」

「帰れ」

「WHAT!?」

 

 金髪美女の爆乳娘が、ドアを破壊しながら入ってきた。

 

「やれやれ。これだから礼儀の知らないヤンキー(アメリカ)は嫌いなんだ」

「HAHAHA! 芋臭いドイツの病弱娘は黙ったら?」

「二人とも。上官を前にしてそのような行動はお互いのお里が知れますが?」

「自分だけいい子ぶっても意味ないぞ? ヤーパン?」

「……やれやれ」

 

 帽子を深くかぶった吉川は、椅子からスッと立ち上がった。それを見た二人は即座に耳を両手で塞いだ、次の瞬間、

 

「―――ATTENTIONッッッ!!(気を付けぇぇぇいッッッ!!)

 

 凄まじい怒号が飛んできた。

 

「「「ッ!?」」」

「上官を前にケンカとどういうことだ? ケンカしたいのならとっととここから帰れッ!! ここは遊び場じゃない、前線基地だ!!」

「「「も、申し訳ありません!!」」」

(すんげえ怒号……)

(軍人ならある程度声が大きくないと舐められるけど……これは凄いわ)

「貴様らは誇りある軍人か!?」

「「サー・イエッサー!」」

「ヤヴォ―ル!」

「なら軍人らしい行動をせんかッ!! こんな若造に言われるなど、恥と思えッ!! 良いな!?」

 

 そういった提督は直ぐに椅子に座った。入った三名は若干顔を青ざめながらも、シャキッとした顔つきになっている。

 

「では、右から挨拶してくれ」

「HI! アイオワ級一番艦、アイオワ」

「グラーフ・ツェッペリン級航空母艦一番艦、グラーフ・ツェッペリン」

「秋月型防空駆逐艦、初月―――以上、三名。着任します」

 

 

 

 

 ―――アイオワ級一番艦、アイオワ。

 対大和型を想定とした戦艦で、当時としては割ととんでもない性能を誇っていたが、当時機動部隊で編成されたことはあまりなく、彼女が活躍しだすのは第二次世界大戦後というちょっと可哀そうな子である。まだ降伏文書但調印式や映画やゲームで度々登場する三番艦(ミズーリ)の方が知っている人が多そうな感じだが、性能は対大和を想定しているだけあって”高速戦艦”という部類だけなら最強クラス。(但し回避は低め)

 

 ※因みにこの子は現在パソコン版ではなくVITA版に登場する。

 

 

 

 

「アイオワは吉川艦隊に。グラーフは村上艦隊に。初月は有馬艦隊に編入する!

 ―――明日、吉川・村上・有馬の合同演習を行う。貴様らも来るように。良いな!?」

 

 怒号を挙げ、彼女たちが提督室を出たのを確認した後、吉川の隣に二人がやって来た。

 

「あまり怒らないでやってくれ。あいつらはまだペーペーなんだぜ?」

「ペーペーだろうがなんだろうが、上官を前にしてケンカするのは論外だろ」

 

 お忘れかも知れないが、吉川”中将”に村上”少将”、有馬”少将”というトップエリートである。会社で言えば大きい支部の店長(社長)の前でやらかしたようなものだ。礼儀を失しているとかそういうレベルじゃない。

 

「第一、ここで上下関係をしっかりしとかないと色々不味いからな。……お前らもしなければならないんだけどな」

「ああうん、そこについては本当に感謝しているよ?」

 

 

 

(全く、なーんでこんな子がいっぱい来るのかねぇ……?)

 

 吉川は心の中でそうぼやいた。―――後に最強の一角と言われる、アイオワのファースト・コンタクト(最悪な出会い)なのを、彼は知らない。




意味深な言葉を残しつつ、と。

今回は色々突っ込んだ話でした。
因みにアイオワは”艦これ改”にしか登場しない艦娘デス。(今の段階は)

次回は、三人の戦い(演習)を、

・神代 緋鉄(カミシロ ヒテツ)中佐

・坂本 明日香(サカモト アスカ)大尉

・ジャッカル・ツヴァイク大尉

の三名が見るお話です。
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