「そういや、お前らの所はどうなんだ?」
「どうって?」
「深海棲艦の敵襲とか資源プラントの襲撃とかだ」
「あー…全くと言っていいほど無いねー。寧ろ横須賀は平和だし」
「俺んトコも同じだ。ここはどうだ?」
「ここもそんなに襲撃されてないが、時々敵が来る程度だな。フラッグシップでも月一ぐらいだし」
「…フラッグシップ相手にどうやって戦うの?」
「あ、それ俺も気になるな」
「どう戦うって、敵の攻撃を避けたり弾いたりしながら間合いを詰め、ボコボコにするだけなんだが…」
「「まさかの脳筋!?」」
「おう脳筋言うのヤメーや。ヘタに間合いを維持すると手も足も出ないことがよくあったんだよ。戦艦クラスの、あの長門型の装甲でも夜戦なら魚雷でやられかけるんだぞ」
「…そういや魚雷って史実でも一発で戦艦を轟沈させる事が出来るんだったね…」
「日本の鎮守府だとフラグシップは来ないからな。平和ではあるが別の戦い〈政治〉があるけど」
「それでも潜水艦は来るだろうに…。あいつらどこにでもいるんだぞ。気が付けば鎮守府の近くまで来てることもあったしな」
「…対潜水艦用の装備の充実、大本営に申告しようか?」
「何度もしてんだが、良い返事が出ないんだよ」
いい感じに議論というかボヤキというか、話が白熱していた時だった。
突然腹痛が来たのだ。
「…すまん、ちょっとトイレに行ってくる」
「大丈夫か?」
「…多分」
そう言い、提督は急いでトイレに駆け込んだのだ。
「…大丈夫かね、アイツ」
「大丈夫よー、出すもの出せばすぐ治る治る」
それよりー、と
「そこにいる三人、そろそろ出てきたらどうかなー?」
((バレてるー!?))
(いや、三人と言ったはず。つまり私たちではない可能性が微レ存)
「もう一度言うよー。そこの金剛ちゃんと加賀さん、そして青葉ちゃん。
―――そろそろ出てきたら?」
((やっぱりー!?))
「…あちゃー、ばれてましたかー」
(いつの間に!?)
金剛たちより少し離れたところに青葉がいた。
…今の今まで分からなかったようで金剛たちは物凄く驚いているが。
「それにしても、どうして分かったんですかー?気配を完全に殺してたはずなんですが」
「気配を殺しても視線で分かるんだよー?もうちょっと修行した方が良いかなー」
「青葉の存在が分かったのなら、私たちも直ぐバレるはずですね…」
「でも、何で私たちを呼んだのデスカ―?」
「それはねー―――一緒に仲良く飲みたいからだよー」
「「「…………え?」」」
有馬の話にポカーンとなっている三人。気を悪くしたんじゃなかったの?と三人ともそう思っていたのだ。
「別に隠れてするのは良いんだよー。別に疾しいことはしてないんだしねー。むしろ彼を大事にしてくれてることが分かったからどっちかっていうと嬉しいいかなー」
「俺もあまり気にしないしな。敵意があったら何かしらのリアクションを取るが、無い相手にどうこうするのは好きじゃないし」
そんなことを言っているとトイレからすっきりした顔で提督が戻ってきた。
「ふう、よく出たよく出た。…てあれ?三人ともどうしてここにいるんだ?」
(((ヤバい、バレタ時の言い訳、考えてなかった…!)))
冷や汗を流す三人であったが、有馬が
「その子たちね、たまたまこの居酒屋に来てたんだよ?」
と助け舟を出してくれたのだ。
その言葉を聞いて納得した提督は三人と一緒に話をし始めた。
「そういえばテートクー?有馬さんから聞いたんですけどネ?」
「ん?」
「『鬼の吉川』って何なんですカ?」
「ブッフォッ!?」
予想してたのより斜め上の質問に思わずビールを吹き出す提督。その先には
「ギャアアアアアア!!目が、目がアアアアアア!!」
真向かいに座っていたイケメンにぶっかけていた。
「ゲホ、ゴホ…何で教えた有馬ちゃんや!」
「その前に一つ言うべきじゃないかオイ!?」
「えー、別に教えてもいいじゃん」
「そうです、私も気になります」
「そうです!青葉、気になります!」
「えっ、スルー?スルーなのこれ?」
野郎の発言を出してもねえ…
「…あまり面白い話じゃないからね?」
「俺たち三人は、海軍学校でも頭のいい部類だったんだが、同時に厄介な人間だったらしくてな。他のメンバーと違い隔離されていたんだ。俗にいう『住み分け』だ。
普通な人間と問題児を一緒にしたくなかったんだろう。ただの問題児なら退学できるが俺たちは頭が良かったからな。…その分やっかみも多かったが」
「そのお蔭というべきか、俺たちはすぐに仲良くできた。戦術や戦略を三人で考えて教官のメンツを潰したこともあったしな。」
「それに私って美人だから、寄ってくる男も多かったわー」
「その男共を振りまくってたもんな、お前」
「話を元に戻すが、この二つの要因が原因で起きた話なんだ」
「海軍学校の中にも、どうしようもない阿呆というのがいてね。そいつが有馬ちゃんにしつこく付きまとっててねぇ。
彼女も何回も付き合わないことを言ってたんだけど諦めなかったんだ」
「挙句の果てには俺たちを悪者みたいにしてたしな。お前らが彼女を洗脳したんだろーって言った時は爆笑したよ」
「でも、海軍学校から寮に帰る道に張り込んでてね。流石に駄目だろうという事で注意しに行ったんだよ」
「そしたら、包丁を振り回すわ振り回すわ。危なかったから顔面に蹴りいれた後、腰のベルトを使って即行ぐるぐる巻きにした」
「もしかして、その時の行動が鬼のように見えたから?」
「そうじゃないんだ。まあ話を最後まで聞いてくれ」
「その後、憲兵が飛んできてそいつは退学になった。これで大丈夫だろうと思ってた時だ」
「―――その馬鹿が逃げ出したという情報と有馬ちゃんがいなくなったという情報が入ってきたのは」
「そいつは憲兵が持っていたテイザーガンと拳銃を持っててな、有馬ちゃんを気絶させた後、手足をしばって近くのレンガ倉庫に連れて行ったんだ」
「どうしてそんなことが分かったんですか?」
「もしもの為にビーコンをポケットの中に入れてたんだ―。…まさか役に立つとは思ってなかったけど」
「本来なら二人で行動すべきだったんだろうけど、一人でそのレンガ倉庫に向かったんだ」
「そのレンガ倉庫を調べると、奥にその馬鹿が有馬ちゃんの口に拳銃を突っ込み、犯そうとしてやがったんだ」
「………!!」
「俺は急いでその馬鹿を引きはがして、顎を殴った後彼女を助けたんだ」
「だが、彼女もパニックになっててな。俺を認識してなかったんだ。暴れる彼女を縛っている縄を解いてすぐに外に出ようとした時だ」
「―――馬鹿が拳銃をこっちに向け発砲しようとしてたのは」
「「「なッ!?」」」
「避けたら後ろにいる彼女にも当たってしまう。だから俺は彼女に『伏せろッ!』と言ってド突く事しかできなかった」
「幸いにも弾は俺にしか当たってなくてな。彼女には当たってなかった」
「だけど倒れたら彼女にどんなことをされるか、分からなかったからな。必死に立ってたんだ。」
「その時馬鹿がこう言ったんだ。
―――『どいつもこいつもボクのいう事を無視しやがって!お前らから先に殺してやるッ!』てな。
それを聞いた途端キレて視界が真っ赤になったと思ったら気が付けば病院のベッドの上。全身包帯だらけだったんだよ。彼女も俺の手を握って泣いてたし何が何だか分からなかったし」
「その後憲兵がやってきて、軽い取調べを受けた後、あのバカのことを聞いたんだ。
そしたらこう言ったよ。
「『来る…赤い鬼が…こっちに来る…!』と言い続けてるよ」
てな。だから『鬼の吉川』と呼ばれたんだ」
「どうやらその発言が海軍学校にも広まっててな。まあ相手が生徒からも先生からも被害に合ったことがあるせいか、俺を褒めまくってたがな」
「むしろ良くやったという声が多かったねー」
「でもだからと言って鬼は無いと思うんだけどね俺は」
「良いじゃないか、かっこいいし」
「…まあそういう話だ。納得してくれたかい?」
「…はい。では有馬さん、あなたに質問があるんですが」←青葉
「んー?なにかなー?」
「貴女は何故、提督に恋しているのですか?」
続く
前後編と言ったな?あれは嘘だ。
どうも、おはこんばんにちは。お芋侍です。
前後編のつもりが前中後になった。な、何が(ry
明日こそ終わらせますので。ええ、絶対。
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