序章『逃亡した先の日々』   作:練火

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(バカテスト)

《常識》

『火災の時で言う【おかし】とはいったいなんの意味か答えよ』

南上の回答
『お…押さない
か…駆けない
し…喋らない』

先生のコメント
『ちゃんと覚えて、危険を防いでいきましょう』

吉井の回答
『お…おい
か…火事だ
し…消火器持ってこい』

先生のコメント
『あなたが持ってきなさい』

土屋の回答
『お…おさなくて
か…かわいい
し…少女』

先生のコメント
『焼け死にたいのですか?』


新クラスから自己紹介

学校開始一日目。

桜が満開になるこの時期、乱流は一人で登校していた。

 

テクテクテク

 

正門の前には西村先生こと鉄人と先生五人が立っていた。

 

「おお、南上か。貴様……いったい何をしたんだ?」

 

鉄人がこちらに気付き、近づきながらそう言ってきた。

 

「やだなぁ、先生。俺はまだ何もしていませんよ?」

 

そう言うと、鉄人はため息をつきながら。二枚の紙を渡してきた。

 

「だったら何故、Aクラスの頭脳を持つ生徒がこのクラスに行くことになるんだ?………しかも」

 

乱流は鉄人の声を聞きながら、二枚の紙に書かれた文字を見た。

一つは

 

『Fクラス』

 

もう一つは

 

『観察処分者』

 

 

「………………………………」

 

 

 

 

 

乱流の思考はその場で停止した。

 

「おい……おい!南上!!」

 

気付くと鉄人に肩を揺さぶられていた。

 

ガシッ

 

乱流は鉄人の胸ぐらを掴み、逆に揺さぶり始めた。

 

「ちょ、ちょっと待ってください!!俺が何かしましたか!?」

 

鉄人は少し引き気味になりながら

 

「私は何も知らんし、もう決まったことだ。諦めて行ってこい」

 

そう言われ、乱流はガーンッと効果音が付きそうなほど落ち込んだ後。小さな声でわかりました。と呟くとその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く……俺が何したって言うんだよ……」

 

テンションが駄々下がりの乱流は、校舎の廊下を歩いていた。

途中、Aクラス・Bクラス・Cクラス・Dクラス・Eクラスの部屋を見てきたが。

Aクラスではエアコン、PC付きのシステムデスク等の最新がつくような物が置いてあった。

しかし、下がっていく毎にだんだんと貧相なものになっていく。その上、Eクラス・Fクラスは旧校舎に移されている。

 

「ここか………」

 

Fクラスの前に辿り着くと、すでに数人がいるのか話し声が聞こえる。

 

ガラララララッ

 

乱流は中に入ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………Fクラスは、ある意味凄かった

 

(どういう事したら、こんなことに成るんだよ)

 

ボロボロの畳にいつ壊れてもおかしくないちゃぶ台、椅子の代わりに座布団と言う惨状に乱流は落ち込むしかなかった。

適当な席に荷物を降ろし、一息付いていると

 

ガラッ

 

吉井がやって来た。乱流はそれを見て

 

「久しぶり、吉「さっさと座りやがれ、クソ虫野郎」」

 

後ろから酷い罵倒で乱流の発言に被せてきた。

誰だ?っと思い振り向くと、そこにいたのは。

少し赤い髪を逆立てて、不良っぽい少年が吉井に笑顔を向けながら、此方に来いと言う手振りをしていた。

 

「あ、雄二。もう来てたんだ」

 

吉井は雄二と呼ばれた少年の所に行き、世間話みたいなのを始めた。

乱流は吉井の所に行き、軽めに挨拶をする。

 

「久しぶりだな。吉井」

 

その本人の吉井は首を傾げて

 

「あれ?……ランルー…だよね…?」

 

「おい、お前の記憶力は犬以下か?」

 

本気で殴りたくなったのは黙っておこう。

吉井の横にいる雄二は乱流を見ながら、

 

「明久。コイツは?」

 

「うん?……あぁ、紹介が遅れたな俺は南上乱流、ランルーって呼んでくれ」

 

「それはどうもご丁寧に、俺は坂本雄二だ」

 

雄二は手を差し出し

 

「これからよろしく頼む」

 

乱流はその手を握り、握手をした

 

「こちらこそよろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後から数分がたった後、あらかた生徒が集まり。

 

 

ガラララララッ

 

担当の教師が現れた。教師は黒板に『自己紹介』と書くと、こちらに振り向き

 

「それでは、一番端の机からお願いします」

 

一番左端にいた人が前に出た。

 

「木下秀吉じゃ、演劇部に所属しておる」

 

秀吉と呼ばれた人物は男なのに女と間違えらる容姿をしていた。

 

(確か、アイツは同性から告白されたことがあったよな。うん、確かにアイツだ。見たことがある)

 

「という訳じゃ。今年一年よろしく頼むぞ」

 

軽やかに微笑みを浮かべて自己紹介を終える秀吉。その顔に男子のほぼ全員が心を奪われかけていた。乱流は苦笑しながら

 

(おいおーい、男子戻ってこーい。アレは男だぞー)

 

初っぱなからこのクラスにいることが不安になってきた。

そう思っていると、次の人が前に出た。

 

「………土屋康太」

 

(ん?アイツは確か)

 

俺はそう考え込んでいる間に土屋は戻って言った。

そして気付くと、すでに女性が前に立っていた。

 

「島田美波です。趣味は」

 

そこで一息入れて

 

「趣味は吉井明久を殴ることです♪」

 

(どんな趣味だァァァァァァッ!?なんだ!?スゲー堂々と言ったぞ!!?)

 

後ろの席の吉井をチラッと見ると同じ事を思ったらしく、驚いていた。

 

「ハロハロ~」

 

島田が吉井に手を降っている。

 

「………あぅ。し、島田さん」

 

「吉井、今年もよろしくね」

 

(しかも知り合いかよ!?……吉井の知り合いにまともな奴はいるのか?)

 

なぜか、吉井の将来が心配になってくる乱流であった。

 

 

そして次々に自己紹介が終わっていき。次は乱流の番となった。乱流は黒板の前に立ち。

 

「南上乱流です。ランルーと呼んでください」

 

そう言うと、男子の数人がいきなり立ち上がり、息を合わせたようなシンクロで某有名なジャンクフードのキャラクターの前をしながら

 

『『『ランランルー!!(笑)』』』

 

「よーし!今は言った奴ら表に出ろ!!」

 

南上は今言った奴らを睨みながらにこやかにそう言った。

 

「それは後にしてください。それでは次の人」

 

教師は冷静に無視して次の人が前に来ようとしていた。乱流は渋々席につくと。前の奴を見る……バカだった。

 

「コホン。えーっと、吉井明久です。気軽に『ダーリン』って呼んでくださいね♪」

 

そう言った瞬間

 

『ダァァァァァリィィィィィンッ!!!!』

 

男子の野太い大合唱が起こった。

 

「失礼。忘れてください。これからよろしくお願いいたします」

 

吉井は引きつった笑みを浮かべながら、自分の席に戻って言った。

 

 




次回予告

「すみません遅れました」

「今年一番の大嘘をありがとう」

「俺は坂本雄二だ、代表でもなんでも好きな呼び名で呼んでくれ」
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