懲りずにまた新作です。アイディアがあふれてます。ドバドバです。
活動報告で書いたものとは異なり、まじこいです。
まじこい面白いですよね。作者は小雪が好きです。マシュマロは嫌いです。吐き気がします。
目が覚める。と同時に感じる違和感。
目を開けて周りを見る。
森だった。
「………は?」
思わずそんな声が漏れた。それも仕方ないと思う。
だって、ベッドで寝ていたと思ったら、いつのまにか森の中に寝ていました、なんて、どう考えてもおかしい。
誘拐か、とも一瞬思ったが、それなら建物の中にいるはずだし、何より20代ニート男を誘拐するやつなんている訳ない。いたらそいつはとんでもない変態だ。
とりあえず考えてばかりでは何もわからない。俺はやっと体を起こし、そして気づく。
これ、俺の体じゃない。
否、俺の体ではあるが……昨日までの俺の体じゃない。
俺は少し寒気がした。
一刻も早くこの状況を確認しなくては。
そう思い、まず俺は自分の手を見る。
そこにあったのは、脂肪のついた俺の手ではなく―――しわだらけの老人の手。
「…………」
なぜだ。
疑問しかわかない。
ニートとはいえ、まだ20代だぞ?なのになんで一晩でこんなのになってるの?
…まさか、顔までしわくちゃになってるのか…?
俺は急いで自分の顔が見られるようなところを探す。
そして、水場を見つけた。水面なら顔が映るだろう。
俺は、恐る恐る水面をのぞき込む。
そこにいたのは―――
すごく不安そうな表情を浮かべた、銀髪赤目の、十代ほどの少年だった。
◆◆◆
しばらく呆然としていたが、上空から聞こえる鳥の声で我に返る。
そして、この状況について考える。
考えた末に、あることを思い出す。と同時に気づく。
自分が寝る前に読んだ大好きな漫画。
『史上最強の弟子ケンイチ』という、格闘技を題材にしている漫画だ。
そして、その漫画の中に一人、ある登場人物がいた。
その名は、シルクァッド・ジュナザード。
拳魔邪神、という物騒な異名をもつ、作中最強の一人である。
彼は外道で、作品の途中で死んでしまった人物だったが、俺は、この登場人物を気に入っていた。
だが、重要なのはそんなことではなく、俺の今の外見が、そのシルクァッド・ジュナザードに酷似しているということである。
……どうしてこうなった。
俺は、ゲームやアニメなど、俗世に染まった自分の脳をフル活用し考える。そして思い出す。
…そういえば、これと同じような現象を見たことがある。いや、読んだことがあると。
それは、転生。
それも、元々存在する人物として転生する、憑依というものだ。
本来ならば、空想の話。しかし、それ以外に思いつかない。
だが、ここで疑問が生じる。
そもそも転生というのは、死んだ人間が新しい生を神様などの超常的な存在から授かる、という現象のはず。
しかし、俺は死んでない。
転生のいわゆるテンプレとは、誰かしらが死にそうになっているのを助け、その代わりに自分が死に、実はそれは運命ではなく神様などのミスで、お詫びに転生する、というパターンだ。
だが、俺は誰かを助けた覚えは無いし、そもそも外に出ない。
なので、俺はおそらく変則的な転生を経てここにいるんだろう。
まあ、転生自体はどうでもいい。いやどうでもよくはないが、今は置いておく。
ここがどこか。それが一番重要だ。
とりあえず、俺がジュナザードのように動けるのかどうかの確認も兼ねて、この森を抜けることにした。
◆◆◆
結果から言うと、俺の身体能力は正真正銘ジュナザードのものだった。
全速力で走ったら予想以上に速く、木に激突してしまった。が、別に何ともなく、逆に木が折れた。
ジュナザードマジパネェ。
それと、森を抜けたらそこは平原で、どう見ても日本ではなかった。日本にこんなところはない。少なくとも俺の知ってる中にこんな風景の場所はない。
とすると問題が一つ。
言語である。
俺は一応英語なら少しはわかる。だが、それも日本国内での話。ネイティブ英語は聞き取ることすら難しいため、あまり役には立たないだろう。
となると、さっさとこの国を出ないといけないわけだが…ここがどこの国で、どの方角に日本があるのかわからない。
どこの国かだけでも、確認しなければ。
アメリカを舞台にした映画などにある、右も左も荒野しかない、終わりの見えない道路をひたすら歩く。
幸い、このジュナザードボディは無尽蔵のスタミナを持っているため、体感で数時間歩いても息切れすらしない。
だが、終わりの見えない苦行というのは、昨日までヒキニートだった俺の精神に多大なダメージを与える。
もうそろそろ休憩したくなってきたとき、道路標識らしきものを見つけた。
俺は急いで駆け寄り、それを見る。
その標識は英語で書かれてあった。
これで決まりだ。
俺の今いるここは、アメリカ合衆国。英語圏の国は多くあっても、こんな景色はないだろう。
まあ、まだここがどの辺りなのかはわからないが。
そこで、まず俺は、ニューヨークを目指すことにした。
作者のこの作品での最大の失敗は、アメリカにいったことがないことです。
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