起きたら某邪神に憑依してた   作:パラボラ

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お久しぶりです。

ちょっとずつ書いてました。キャラの口調で悩んでました。

ずいぶん長いこと待たせてしまいましたが、(待っていた人がいるのかわかりませんが)楽しんでいただければ幸いです。


第参話 メイドは可愛い(世界の真理)

何故気付かなかったのだろう。

 

九鬼帝という名を聞いたときに、わかっていなければならなかったのに...!

 

ここが『真剣で私に恋しなさい!』の世界であるという事に。

 

◆◆◆

 

 

どうも。ジュナザードだ。

今俺は九鬼の皆さんと一緒に飛行機ーーたぶんプライベートジェットーーに乗っている。

皆さんの威圧感がすごい。

おそらく、帝様が独断でスカウトした俺のことをまだ警戒しているんだろう。やっぱりプロなんだな。さすが従者。そこにしびれる憧れる。

それは仕方ないんだが、とにかく居心地が悪い。

仕事中私語をしないってのはわかるが、少しくらい話しかけてきてほしい。話しかけられても会話が続かないだろうけど。

ちなみに、俺はまだジュナザードの服のままだ。

九鬼の制服は日本に戻ったときにもらえるらしい。

それを聞いたとき、思わず『メイド服を着るんですか!?』とか言っちゃったけど、よく考えたら俺は執事服に決まってるよな。恥ずかしい。

そのおかげで少し俺に対する警戒がほんの少し緩んだ気がしたから、まあよかった。

 

それにしても、ここは『マジ恋』の世界だったのか。

ジュナザードに転生したからケンイチ世界だとばかり思ってた。

言われてみれば、闘ってたときとか観客の方からMOMOYOとかなんとか聞こえてきてたな。

その時は訳分からなかったからスルーしてたけど、そう考えてみるともしかしたら、俺が見落としていただけで他にもヒントはあったのかもしれないな。

 

『真剣で私に恋しなさい!』というのは、日本のPCゲームのタイトルである。

ケンイチ同様、武術が主な内容の作品だ。

ただ、ケンイチとは違って殺人などは起こらず、学園モノとでも言えばいいのか、日常的な雰囲気の作品だ。

俺はこの作品が大好きで、1日で全てのルートをクリアしたことがあるくらいだ。

そして俺が所属することになった九鬼。これは作中に登場する大企業であり、ストーリーにも頻繁に絡んでくる。

 

気づかなかったことが悔やまれる。

1ファンとして、すぐに気づくべきだった。ちくせう。

まあいい。これからはその九鬼の従者として、精一杯頑張っていく事にしよう!

 

そう決意したところで、飛行機の揺れが収まった。どうやら、もう日本に着いたらしい。長く考えごとをしてしまうのは俺の悪い癖だな。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

流されるままに空港から出ると何台か車が来ていて、少し恐怖を感じた。マフィアかと思った。

その車が全部九鬼の車だと言うのだから驚きだ。九鬼が大企業であることを改めて思い知った。

そして俺は車に乗せられた。これから川神に向かうらしい。

それにしても、相変わらず気まずい。今俺の隣に座っているのは金髪のメイドさん。リアルメイドマジ可愛い。

 

「なあ。」

 

おお!メイドさんが俺に話しかけてきてくれた!

ヤバい、興奮して呂律が回らない感じがする!

落ち着け、冷静になって返事をしろ、俺。

 

「...なんだ?」

 

俺のコミュ力の低さに泣いた。

メイドさんから話しかけられてそれだけしか返事出来ねえのか俺は!こんなことになるってわかってたらいろんな人と話し......てねえわ。うん、ないない。俺シャイボーイだから。

 

「その服...どっかの民族衣装なのか?」

 

......どうなんだろう。正直俺も知らん。言われてみればこの服って結構珍しいよな。シラットの道着的な何かなのか?

めちゃくちゃ気になってきた。

 

「...さあな。たぶんそうなんじゃないかな?」

 

こんな感じで大丈夫だろうか。なにせ前世では女の人と話すことなど母親以外になかったために、どう接していいのかがまるでわからない。

こんなことになるってわかってれば、もっと人と関わったのにな...

 

「さあなって...自分で着てるのにわからないのか?」

 

メイドさんに訝しげな目で見られる。

やめてくれ!そんな目で俺を見るな!

興奮するじゃないか!

 

このままでは俺の尊厳が危うい。

話題の転換をしなくては。

 

「そ、そういえば、お前の名前は?」

 

苦し紛れに言ったにしては上出来な気がする。

よくやった俺。

 

「ああ、そういえば名乗ってなかったか。ステイシー・コナーだ。これからよろしくな。」

 

......カメラはどこだ。

誰かカメラをくれ!早く!一秒でも早く!

まさか原作キャラだったとは。ヤベエ、心臓が破裂しそうだ。

そういや恥ずかしくてまともに顔見てなかったな。可愛いってのは察したが。ちゃんと見とけばよかった。

おっと、返事しないのはまずい。

 

「シルクァッド・ジュナザードだ。こちらこそ、よろしく。」

 

なんとかこれだけ言えた。もう俺死んでもいい。

 

「そうか。」

 

 

その後は、九鬼につくまでステイシーと色々話していた。

主に仕事だったり九鬼についてのことだ。

もちろん、その間ずっと俺の心臓は肋骨が弾け飛ぶんじゃないかと思うほど強く鼓動していた。

 





ここ間違ってるぞ!とか、このキャラこんなんじゃねーよ。などあれば感想にてお知らせください。

一応自分でも読み直してはいるのですが、至らない点が多々ありますので。

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