4月1日、東京ドームのファイナルライブは一般でチケット取れた。
お金もちゃんと支払った。
3月31日と4月2日のライブビューイングが抽選で当選した。
お金がない。
ハートブレークッッ!!
ありふれたかな~しみ~! ありふ~れた~い~た~みと~!
社会の裏で暗躍する者達が集う場所は街の外れに建設された二五階建ての高層ビル。
会社のオフィスや芸能事務所といった事務的用途で建てられたものではなく、建設当初は一般の住居人が済む家庭用マンションとして利用されていた場所だ。
と言っても、当時の住居人に日本人の割合は非常に少ないものだった。
難民条約に参加している日本が都市中心部に、インドから来る難民達を保護する目的で建築されたものだからだ。
建設会社からこの高層ビルを買い取ったのがとある暴力団の上層部――今ではその傘下に属する音ノ木愚音隊の隠れ家、また次世代型メンタルウェポンの在庫を収める巨大倉庫として活用されている。
今日は新月。
空も澄んでいる夜中の一時を回った所。
駐車場には数多の乗用車やトラック、バイクや原付きが停車されており、自動ドアの窓ガラスも粉々に粉砕されたエントランスから入った広いロビーホールでは大勢の男達が集められていた。
全員が音ノ木愚音隊のメンバーだろう。
ロビーから見上げると吹き抜けの構造ならではで覗ける二階の廊下からも、ラウンジにさえ収まりきらなかった男達が顔を一階へと見せている。
「俺は水浦の野郎からは一発、顔面にお見舞いされた経験があっからな……あの時の恨みを晴らす最大のチャンス到来ってやつだ」
「はっ! お前がやる前に俺が水浦の奴をボコッってやんよ!」
「もう一人いるんだろ、正体の掴めない男がよ。そいつの実力はどうなんだよ」
「さぁな、梶ヶ谷さんも話してなかったからよ、やっぱ詳細は出てねぇんじゃねえの」
「氷室さんがそいつの顔を見たって――」
「相打ちだったらしいぜ、その氷室さんと」
先程、愚音隊の隊長として梶ヶ谷燐桐が部下達の前に姿を見せ、『愚音隊と水浦勢力の全面抗争』について明白にした。
この様子では梶ヶ谷燐桐は相手三人組に対し代表メンバーで立ち向かうのではなく、あくまで『音ノ木愚音隊』という一つの軍隊で相手をするつもりだ。
数で表しても、六〇VS三人という表記。
水浦勢力とやらからすれば、その抗争は無謀なもので命を捨てにいっているようなものだ。
「だが俺が最も警戒すべき相手は夜伽ノ美雪だと思うね。何せその女ってば、あの結城さんを完膚無きまでに粉砕したって話じゃねえか」
「あぁ、そういや結城さん、夜伽ノって女にやられて包帯ぐるぐる巻きだったもんな」
「結城さん、今はもう動けるんだろ?」
「だろうな、さっきも梶ヶ谷さんの隣に立っていたし。包帯も取れていた」
愚音隊のメンバーからすれば、その全面抗争とやらは完全勝利を約束される簡単なお仕事だと捉えても良いはずだった。
しかし全員がその実力を目の当たりにしている凶暴な水浦竜三、また自分達の幹部である実力派の結城雅人を破った夜伽ノ美雪――。
その二人の存在、その脅威に全員が警戒の念を心に持ち、決して油断をしてはならないと――そう心に留めていた。
「つうか、武器の使用を認めるとは言われたが……あれマジか?」
「マジ、なんじゃねえの……梶ヶ谷さんがそう言ったんだしよ」
「けど銃器はもちろん刃物だって、下手したら死ぬぜ?」
「かと言って迷いが生じて変に躊躇したり手加減なんかでもしたら、こっちが殺されそうだけどな」
武器――彼ら愚音隊の部下層が話すそれは、やはり一般の拳銃や包丁、その程度だろう。
隊の中でも階位の低い彼らはまだ『UAI』や『次世代型メンタルウェポン』なんていう科学最前線の代物を知らない。
そもそも彼らは未だ『科学の扉』を叩いてすらいないのだ。
さて、そんな談話が繰り広げられているロビーや二階フロアを吹き抜けの五階フロアから眺めている一人の人影。
梶ヶ谷燐桐から見れば危機感の何も抱いていないような部下達を見ろしながら、彼はつまらなさそうに溜息を吐く。
「ま、最初から数撃ちゃ当たるの体勢だが……あいつらがあの化け物共に敵うとは到底思えないけどな」
――なにせ、相手はすでに次世代型メンタルウェポンという科学兵器の存在を掴んでいるのだから。
「拳銃や刃物で何とかなる話だったらどれだけ楽か」
吹き抜けに面する壁に背中を寄せ、見下ろしていた顔を正面へと上げる。
「で、今日の集会にお前は呼んでなかったはずだが……どうして来た」
見据える先には一人の少女。
彼の幼馴染みであり、愚音隊で唯一の女性隊員。
「むしろ、どうして連絡をくれなかったのよ。亞月から今日のことを聞いてなかったら、あたし本当に今日の集会見逃してたのよ?」
肩口の髪の毛を指で弄りながら來栖麗羅は憮然に文句を垂れた。
珍しく見せるいじけるような子供っぽい表情を見せられ、梶ヶ谷燐桐は右手でオールバックの金髪をさらに掻き上げるように頭を抱える。
「別に、今回の件じゃお前は必要じゃねえんだよ、ただそれだけの話だろ」
「だから、どうしてあたしが必要ないのよ。正直な話、下で群がっているあの雑魚達よりもよっぽど使い物になるじゃない。現にあたしってほら、水浦竜三を一度は撃破した女だし?」
「けど土壇場で捕らえ損ねたんだろうが」
「け、けどあいつを倒せるまでの実力は持ち合わせているのよ? 次世代型メンタルウェポンなんて言う科学兵器に頼らなくたって、きっと夜伽ノ美雪のことも捻り潰せるわ。赤子の手を捻るように、それはそれは簡単にね」
「その夜伽ノ美雪は素手で結城を奴を血祭りにあげてくれたがな」
「雅人の奴、調子出なかったんじゃないの?」
全体的に、ビル内の照明は薄明かりで周囲はあまり明るくない。
月明かりも差し込んでこない構造の廊下は薄闇に支配され、梶ヶ谷燐桐も來栖麗羅も、目を凝らしてようやく相手の全体像が瞳に映る感じだ。
「結城の奴があの後、夜伽ノ美雪をなんて評価したか知ってるか」
「……いいえ?」
「悪魔だってよ。間違いなく、過去に人を殺しているような眼をしていたと――。あいつがそれ程恐れるような脅威だぞ、理解してんのか」
「そういうことじゃないでしょ燐くん。相手がどうとかはこの際無視、その全面抗争にあたしが加わっていると何か不都合があるのかしら?」
そう強気な態度で尋ねると、梶ヶ谷燐桐は黙り込んだ。
両手をズボンのポケットに仕舞い、壁に寄り掛かりながら高い天井を吹き抜けから見上げる。
「やっぱ女が一枚噛んでると面倒くせえな」
「? ……燐くん、なんて?」
「いや、何も言ってない」
そういえば、の話になるが。
來栖麗羅は、自分の思い人である梶ヶ谷燐桐という幼馴染みに隠していることがある。
自分がSexy・Charmというスクールアイドルグループに所属していること。
『ラブライブ!』という本大会出場をかけた予選決勝が近日に行われるということ。
無論、彼女はそれを告白するつもりはない。
愚音隊なんていう暴走族に与していながらアイドル活動なんて巫山戯たお遊戯に参加していると話せば、いったいどれだけ彼に絶望されるか、分かったものではない。
アイドルは好きだ。
だが、幼馴染みのことはもっと大好きで、大切な存在だ。
來栖麗羅が出した答え。
アイドル活動よりも、自分の思い人も参戦するという全面戦争を優先する――その解答は意外にもすんなり出てきた。
結果から言うと、來栖麗羅はすでにSexy・Charmの仲間達を裏切っていることになる。
だがそれよりも――天川美羽を含めた一一人の友人達よりも、梶ヶ谷燐桐の方が自分にとって付き合いも長いし、何より失いたくない存在なのだ。
「あたしはね、燐くん。燐くんを守りたい」
彼女は真っ直ぐ幼馴染みの顔を見つめ、そう話す。
「身勝手な意見だって、余計なお世話だって思われるかもしれない。燐くんの方があたしと比べて何倍も強いのも確か。それでも――」
幼馴染みとして。
あなたに恋心を抱く女性として。
「大事な時こそ、あたしは燐くんの隣にいたい」
胸に手を当て、頬を染めながら紡がれた思いの言葉は梶ヶ谷燐桐にどう伝わったか。
彼は壁に寄り添い身体を斜めに倒しながら彼女を見据え、少し早いペースで瞬きを繰り返す。
彼も彼で、來栖麗羅の想いなんてものに気づいちゃいない。
彼女がその想いを口にしないからという理由もあるだろうが、何しろ梶ヶ谷燐桐だって探りを入れようともしない。
幼馴染みだと言うのに。
一〇年以上の仲だと言うのに。
影に支配される世界へと進んだ自分に付いてきてくれた幼馴染みの彼女がそんな恋心を抱いているなど、考えたこともないのだろう。
そして。
梶ヶ谷燐桐は言葉を吐き捨てる。
「――勝手にしろ」
本当に、どうでもよさそうに。
端から興味や関心なんて全くなかったかのように。
來栖麗羅には、そう見えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「あ~~~、くっそダリィ」
愚音隊が所持する高層ビル。
その十五階フロアに、彼はいた。
吹き抜けに面した壁に背中をぴったりと付け、両膝を立てて座り込んでいる。
蜘蛛の巣が張り巡らされ、掃除も何もされた気配のない染みだらけの汚れた壁をぼおっと見つめ、気怠そうに息を吐いた。
「ったく……全面抗争だか何だかよく分からねぇが、また五月蠅い騒動になりそうだな。あ~さっさと終わらして帰りてぇ――あ、帰る家がなかったわ」
空虚に独り言を漏らす彼の赤い瞳には潤いも輝きもないようで、しかし乾いた真紅の絵の具を何重にも深く重なり合わせたような単純な濃厚さだけは健在だった。
全体的に癖毛が目立つアシメの髪型は左側を極端に伸ばし、黒髪の毛先部分だけを金色に染めただけの髪型はサラサラヘアーであれば目元を隠しているだろう。
しかし細長い顎に低い鼻。
ボサボサの髪とは異なり手入れの届いた細長い眉にしっかりと上を向く立派な睫毛。
可愛らしくピョコンと生えたアホ毛――。
全体的にイケメンと評されても良いレベルの外見だ。
彼が時折見せる獲物を見定めた肉食獣のような鋭く凶暴な目つきさえなければ、街を歩けば逆ナンパでもされるか、どこかの芸能スカウトマンに声をかけられることもあるのではないか。
「……腹減ったな」
そんな彼。
梶ヶ谷燐桐らより一つ下の歳で、学校を通っていれば高校二年生の段階であるはずだった少年。
名を、矢澤灯愛という。
來栖麗羅ならご存知であるだろうμ'sの矢澤にこ――彼女の弟、また矢澤家の長男でもあるのだ。
「虎太郎の奴、ちゃんと好き嫌いなしで飯食ってっかな……」
頭に思い浮かべるのは、最後に会ってからもう二ヶ月くらいが経過しただろうか――矢澤家の次男であり、自分の弟のこと。
バイト代でモグラ叩きのおもちゃを買ってプレゼントしてやったのが最後だったか――あの鼻垂れ弟の間抜けた顔は今でも鮮明に思い出せた。
過去の事情や普段のプライベートへと勝手に干渉するのは無粋だろう。
矢澤灯愛自身、あまり思い出したくもない過去がある――よってここでの回想は省くことにしよう。
一つ言えることとして。
彼は今、家族の元を離れて音ノ木愚音隊に世話をしてもらっている身だ。
また彼は――。
「よお矢澤。相変わらず覇気のねえ顔してるな、何か嫌なことでもあったか」
愚音隊のリーダー格の人物達から、一目置かれている存在でもある。
「……あぁ、結城さんですか」
愚音隊の中にも序列はある。
たった一つの無礼で処罰や責任を問われる社会ほど重くはないが、学校によるクラスカーストよりは重要なものとして捉えていいだろう。
今は住人の往来もない十五階フロアの薄暗い空間で、矢澤灯愛に声をかけた結城雅人は愚音隊のリーダー格だ。
敬意や尊敬の念といった内面的な問題は省かれようと、年下でもあり部下である矢澤灯愛はしっかりと形だけの敬語を扱う。
力なく壁に寄り添って座り込んでいる彼の隣で、結城雅人は立ちながら膝を曲げ、同じく吹き抜けの壁に尻を置いた。
「梶ヶ谷の話、しっかり聞いてたか。お前も無関係って訳じゃないんだぜ?」
「聞いてましたよ、水浦勢力との抗争でしょ。つっても、相手はたった三人じゃないですか」
結城雅人は比較的に陽気な雰囲気を醸し出す軽佻な喋り方だが、矢澤灯愛は全体的に低く、常に喉が渇いて干上がっているような声を出す。
声だけを聞けば酷く疲労しきっているような――泥酔一歩手前まで調子に乗ってしまった若者のような感じが出ている。
「俺もそうだが、梶ヶ谷も氷室もお前には期待してんだよ。だが三人だからって油断すんなよ、何せ相手は血も涙もない冷血な化け物集団だ」
「……夜伽ノ美雪ってのもですか?」
「あいつが特にやべえよ。俺も思わず尻尾巻いて逃げ出しちまいそうになるくらい震え上がったぜ、あの女の顔を見てよ」
「……へぇ」
確かに矢澤灯愛は、愚音隊の中でもその他大勢に加えられる部類の下っ端扱いだが、しかしその拳の実力は部下達の中でも上に逸脱している。
結城雅人や氷室亞月とやり合わせてみても面白いのではないか、と梶ヶ谷燐桐が評価する程の力の持ち主であることも確かなのだ。
率直に言って、愚音隊の上層部メンバーに加えられていてもおかしくはない人物だ。
だがそうされないのは、彼はたまにだが目上の人物に歯向かう態度を見せるのと、仕事に対して関心がないような軽快な素振りを見せることが多いからだ。
しかし、任務は必ず果たして帰ってくる。
自分にとって片腕しか必要のなかった仕事レベルだった、なんて言わんばかりの余裕を感じさせる無表情で。
「そういや矢澤。お前ここ最近ずっと、このマンションの部屋で寝泊まりしているらしいな。家に帰らなくていいのか。こんなクズだが一応、俺にもお前にも親や兄弟はいるんだろ?」
結城雅人の質問に、彼の眉がピクリと反応する。
乾燥しきった赤い瞳に透水の潤いが戻される色が浮かび上がった。
「家族、ですか」
「あぁ、いるだろ? 適当な頃合いで帰ってやんねえと、警察呼ばれて行方捜査なんて始められたら面倒だぞ」
結城雅人にだって。
無論、梶ヶ谷燐桐や氷室亞月にだって、家族は存在する。
幼い頃に家族を事故で失いましたとか。
親の借金で家庭が崩壊しましたとか。
そんな深い訳ありの事情で愚音隊に入隊したメンバーなんてほんの一握りしかいない。
不運にも漫画やドラマでよくありがちな展開に出会してしまった彼らはただ単に代わりとなる居場所を求め、自分を必要としてくれるそこを見つけただけなのだ。
そんな運命の歯車に従わされた彼らは帰る家もないので、親戚の面倒にもならず、この愚音隊が所持する高層マンションで生活をしている。
無論、バイトをしながらや家事を分担しながらといった共同生活が基本的だ。
矢澤灯愛には。
家庭がある。
苦労を強いられながら仕事を続けて滅多に帰宅しない母親と、そんな母親の代わりになろうと家事を一生懸命にこなす立派な姉。
そして成長期に差しかかっている二人の妹と、まだまだ手を焼かせてくれる小さな弟。
そんな、ほんの少しだけ訳ありな家庭。
矢澤灯愛も、そこの一員のはずだった。
あの事件が起こるまでは――。
「……いえ、親は滅多に帰ってきませんし、兄弟なんかもいませんからね。戸締まりさえしっかりしときゃ、数週間程度帰らなくても平気ですよ」
「へえ。親は共働きか」
「親父は死にました、俺が小さい頃に」
「……あ~、そうか。悪いな、考えるべきだった」
「いえ、別に」
結城雅人も悪気があった訳ではないだろう。
ただ、愚音隊という居場所にしがみついているような奴らだ――彼も梶ヶ谷燐桐も、決して頭の良い方ではない。
それに、社会的に必要な相手への配慮や気遣いといったものの知識が少し乏しい面がある。
立てた両膝を両腕で抱え、そこに顔を埋めるように身体を丸めて、矢澤灯愛は完全に表情を隠した。
「もう良いっすか、ちょっと眠いんで。一人にしてください」
モゴモゴとした口調の言葉に、視界を塞いだ矢澤灯愛からは見えなかったが、結城雅人の眉間にわずかに皺が寄せ合った。
「……お前、そういうメンバー同士の交流さえも敬遠しているような態度、少し改めた方がいいぞ。信頼関係も欠けてくるからな。梶ヶ谷もお前のそういう面があるから、格上げして近くに置くことを控えているんだ」
「別に、内部での階位なんてもんには元から興味ありませんし……オレ、何でも一人でこなせるタイプですから」
反抗――とまで言えないのかもしれないが、上司に向かってのその口答えに、結城雅人は奥歯を軋ませる。
舌打ちを我慢するのがやっとの思いだった。
だがここで手を上げるほど結城雅人も子供ではない。
踵を返すように歩き出し、吐き捨てるように言う。
「本当に相変わらずだな、自惚れやが」
足音が遠ざかる。
身体を丸める矢澤灯愛はわずかに顔を上げ、視界を半分だけ明けさせた。
見慣れた薄汚い壁。
木製の扉から漂う黴びた匂い。
ここが、今の自分の居場所。
かつて五人の家族達が自分へと向けてくれた笑顔の家庭とはまるで天と地の差だ――。
そんなことを思っていながらも、矢澤灯愛は家へ帰ろうとはしない。
いや、今の彼ではあの家に帰ることができないのだ。
矢澤灯愛はモゾモゾと蠢くような動作で、上着として着ているジャージのポケットから片耳のイヤホンを取り出した。
それを右耳にはめ、またポケットに手を突っ込んでは音楽デバイスの電源を入れる。
片方の聴覚が聞き慣れたメロディに刺激される。
今では次のパートでは誰が、自分の姉がどこのパートで、なんていうのも覚えてしまった。
他に、もっと曲があったはずだ。
今度また、聴いてみよう。
『僕らのLIVE 君とのLIFE』
μ'sというスクールアイドルグループの楽曲であるその歌を聴きながら、矢澤灯愛はそう思った。
「夜伽ノ、美雪……」
そして、彼はすでに覚悟している。
正面から堂々と、戦うことを――。
今回も最後まで読んでくれて、ありがとうございます!!
さてさて、今回のお話ではようやく『第二の主人公』とも作者が紹介できる
矢澤灯愛くんの初セリフが公開されました!
ただ『矢澤にこの弟』という設定だけを付くって終わりのキャラではありません。
彼にも夜伽ノ美雪と似て『過去のトラウマ』というものを抱えていたり、また『姉が目指しているアイドル』についてあまり良いイメージを持っていなかったり……といったストーリーを織り交ぜられるキャラクターとなっております。
しかし、その辺りはまた本編で。
けれども多分、本作品では詳しく述べられないとは思いますが――。
矢澤灯愛――彼の出現により、物語がどう動いていくのか。
彼とμ'sはどのような形で関わっていくのか。
そこら辺に期待をしていただけると嬉しいです!
それでは次話もよろしくお願いします!