笑顔を咲かせた少女は紛れもなく…   作:西部荒野に彷徨う海賊

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 あ、短い……かなり


23話 生徒会役員

 アイドル研究部の部室を後にした俺達三人は、階段を降りて廊下を歩き、音楽室の扉を開けた。

 

「よォ、やッてるかァ?」

 

「あ、美雪。それに真姫と海未も」

 

 教室に一歩踏み入れた俺に、ピアノの前で突っ立っていた絵里が駆け寄ってくる。

 他のメンバーは二人一組でさまざまな形で柔軟を行っている様子だった。花陽が目下に涙を溜めながら腰を折り、それを凛が残酷にも笑いながら彼女の背中を押している。

 

「海未」

「はい? 何ですか美雪」

「真姫に柔軟の特訓を頼むわ。そいつ滅茶苦茶身体硬ェから、念入りにな」

「……ふふ、はい、了解しました。さぁ、まずは着替えますよ真姫」

「ヴェェ……」

 

 彼女ら二人は、他のメンバーの邪魔にならないよう教室を歩き、隣に音楽準備室へと姿を消す。

 

「どうだったの? 作詞作曲の方は」

 

 二人を見送った後、絵里が俺に尋ねる。

 

「まァ、何とかなンだろッてレベル」

「そ、そう……」

「そンな不安そうな顔すンなよ。……絵里、希を呼んで廊下に出てくれ」

「え?」

 

 それだけ伝えると、俺は音楽室を出た。

 

 後ろから、絵里が希の名前を呼ぶ声が聞こえる。

 

 やがて、絵里と希の生徒会コンビが廊下に出てきた。

 

 俺は音楽室の外壁に背中を預け、二人の同級生は俺の前に立った。

 

「どうしたん、美雪ちゃん?」

 

 人指し指を頬に当てて、希が問う。

 

 ……さて、この二人はどうなのか。

 

「なァ、……お前ら二人は、このμ'sでどこまで狙ッてるンだ?」

 

 それは、先程の部室で海未と真姫に問い掛けた質問と同じ内容。

 それでいて、俺がこれから、この音ノ木坂スクールアイドルでマネージャーをしていく上での、一番重要なポイントを押さえる為の質問なのだ。

 

 そしてまた、彼女らの返答は早い。

 

「ラブライブ優勝、じゃないの?」

「まぁ、そうやんな」

 

 曖昧に躱されたような言い方だったが、しかしその言葉を聞ければもういいのだが……。

 

「そうなのか。生徒会長と副会長のお二人さンだ。てッきり、音ノ木坂学園の廃校を免れさせようという思いで、お前らがμ'sに入ッたのだとばかり、俺は思ッていたンだが」

 

 だがストレートにそう決めつけていた訳ではない。

 あくまで可能性としての話だ。

 

 学園に世間からの注目を浴びる為には、ラブライブ最終予選か、本戦出場以上の結果が求められるだろう。

 その目標が果たされた時、彼女らはその順位で立ち止まるのか。

 否、優勝へと向けて駆け出すのか。

 

 俺はその気持ちを知りたかった。

 

 そして、彼女らは言う。

 

「そりゃ第一の優先事項は、音ノ木坂の廃校を取り消させる事よ?」

「けどせっかく、華の高校生活でスクールアイドルなんてもんができとるんやし、てっぺん狙っても誰も咎めんやろ?」

 

 ――つまり。

 

「一石二鳥……目標達成の為に自分も楽しく、か」

「そういう事やんな♪」

 

 楽しそうに笑いながら、希は頷いた。

 

「……そうか」

 

 少し話が早く纏まりすぎのような気もするが、こいつらは高校の最上級生だ。

 卒業や受験のプレッシャーもありながら、しっかりと弁える事もできる。

 

「了解。ンじゃ、お前らもう戻ッていいぞ」

「えぇ? 何だったのよ今の質問は?」

「いいから、さッさと戻れ」

 

 猫を追い払うように手を振ると、絵里は「何なのよ~」とぶつくさ言いながら音楽室の扉を開け、中へと入っていった。

 

「……なな、美雪ちゃん」

「ンだよ希、つかお前もさッさと戻れ」

「本当はうちら、最初の頃は、美雪ちゃんの言う通りだったんよ」

「……あ?」

 

 隣には俺の顔を見上げる希の顔。

 

「廃校を廃止させる為の活動を生徒会が行う事が禁止とされて、エリちは路頭に迷ってたんよ。そんな時のスクールアイドルへのお誘い……これはチャンスやと思ってな。これを利用すれば廃校も阻止できると、エリちは思っとった。言葉にはせぇへんかったけど、うちにはそれが分かってしまったんや」

 

 聞きながら俺は思う。

 まぁ当然だろう、と。

 

 絢瀬絵里はスクールアイドルに加入する前、廃校阻止の為に生徒会でいろいろ行動を起こしてきたらしい。

 だが練りに練った施策は全てボツ続き。

 それは、高坂穂乃果のようにひたすら邁進するタイプではなく、真面目に勘案を繰り返し、生徒会長として学園の補填となりながら、葛藤の日々を送ってきた絵里にとって、かなり応えたものだろう。

 

 そりゃ、スクールアイドルを利用してやろうという気にもなるわ。

 

「けどな、美雪ちゃん」

 

 それでも、彼女の親友である東條希は胸を張って言えるのだろう。

 

「エリちがさっきみたいに、目標をラブライブ優勝と言えたのは、君の影響なんやで?」

 

 そしてここから先は、俺にも分からない。

 

「……どういう事だ?」

「それは……うちが言っても意味ないやん?」

「……あァ、そうだッたな」

 

 そうだった。

 希はそういう奴だ。

 どうでも良い事には熱心に喋り続け、重要な事柄は遠回りに解答を避ける。

 

 俺も似たような事をよくするが、希は決して嘘を吐いている訳じゃない。

 その辺が、俺と彼女の違いだろう。

 

「さ、戻ろか」

「そうだなァ」

 

 俺達も歩き出し、音楽室へと戻っていった。

 

 

 





 やはりか。

 僕の好きなアニメ「俺ガイル」の2期が先週から始まってたぜイェイ!
 
 あぁやって自分の大好きなアニメを見ると、自分でこの作品の小説描いてみたいと思っちゃうんですよね。
 けど僕にはこの作品もありますし、受験勉強もありますのでそれはまた先のお話――

 次話もよろしくお願いします!
 今回の内容が短すぎたので連続投稿アリかもです。
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