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怪獣王クロウ(怪人形態)最強合体獣キングオブモンス、磁力怪獣アントラー
砂地獄怪獣サイゴ、透明怪獣ゴルバゴス、噴煙怪獣ボルケラー
甲殻怪地底獣ゾンネル、岩石怪獣サドラ、地底怪獣バラゴン、レッド星人レッドマン 登場
惑星ボリスからレイ達が去り、怪獣達の楽園となってから約1ヶ月が経った。
その間に俺はリーシャやジェロニモン達と協力して惑星の開拓や調査、住んでいる怪獣達の住処を分け合ったり仲間にしたりした。おかげで怪獣達は互いに理解して共存し、中には同居し合う者がいたりと仲良く平和に暮らせるようになった。
しかし怪獣達の中には戦いが好きな奴も数十体くらいおり、そんな連中はギガライブナイザーの手持ちとしていつでも戦う事ができるようにしてストレスなどを与えないようにしてあげた。昼間はそうやって怪獣達の世話をして、夜はリーシャを始めとした女怪獣達の相手をしてあげている。意外にリーシャの相手もハードなものだ。まぁ、俺自身もやりたいからしているけどな(笑)
そう言った日々を過ごしながら今日も昼間から怪獣達の暮らしを観察しつつ見守っていた。
「今日のこのエリアも異常はないな・・・」
今俺がいる場所は一面が岩と砂で埋め尽くされて、所々に巨大な岩石や少々生えている植物などがある砂原エリアである。此処に住んでいるのはアントラー、サイゴ、ゴルバゴス、ボルケラー、ゾンネルなど他も含めて数十体ほどいる。
アントラーとサイゴは同じ砂の中で一緒に暮らして、ゴルバゴスとボルケラーは岩をボールみたいにして遊び、ゾンネルは岩の間に挟まって眠っているなどそれぞれが幸せそうだった。そして時々子供の姿も見れた。そんな彼らの様子を俺は大きな岩場の上で観察している。
「やっぱり可愛いな怪獣は・・・っ!!?」
この光景に心が癒されていた時、突如この惑星に何かがやって来た事に気が付いた。宇宙怪獣かなと不審に思わず、また観察をしていた時に遠くの方から悲鳴が聞こえた。通常の人では聞き取れないはずの声だったが、俺の耳にははっきり聞こえた。今のは間違いなく怪獣の断末魔の悲鳴だ。
「あっちか!出てこいキングオブモンス!」
『バトルナイザー!!モンスロード!!』
「グオオオオォォォーー!!」
断末魔がすると言う事はやって来た相手は結構強い奴だ。その事を考えてギガライブナイザーからキングオブモンスを召喚して頭部に向かって大きくジャンプして乗っかり、急いで悲鳴がした方向に行くように指示する。キングオブモンスは翼を大きく広げ飛び立ち、空高く飛行する。その道中で俺は信じられない光景を目にした。
「ば、馬鹿な・・・こんな事が・・・」
様々な所に怪獣達の死骸が転がっていた。どの怪獣も何度も刺された痕や顔や体を激しく殴られた痕、首が別方向に折られている痕など惨すぎる光景に吐き気を起こしそうだ。同時に後悔と悲しい気持ちが湧き上がった。もしもあの時、すぐに様子を見に行っていればこんな事にはならなかった。此処にいる怪獣達を殺したのは俺だ、とクロウは自分を責めた。そんな様子をキングオブモンスは飛びながら悲しそうな眼で見つめていた。
けどクロウはそれに気がつかず、逆にある怪獣達の死骸に突き刺さっていた槍の様な武器をじっと見つめていた。
「あの武器・・・まさかアイツがいるのか!?」
あれの使い手が誰なのか分かると心の底から今までにないくらいの怒りが湧き上がった。
するとまた怪獣の悲鳴が聞こえた。下を見てみるとそこにはサドラとバラゴンが赤い巨人に追われていていた。2体とも体中傷だらけで、口や体から血も流れ出ていた。そしてその2体を追い掛けている巨人・・・真っ赤な体に銀色の手袋、ブーツ、ベルトを付けて、中国の辮髪帽をかぶったような頭が特徴の戦士『レッドマン』だ。アイツは銀河連邦の一員でレッド星出身の戦士だ。平和のためと言う理由で怪獣と戦い続けているが、そのやり方が余りに許せないものだった。今目の前で起きているように戦意がなく必死で逃げる怪獣を追いかけて捕まえたり、先程見た光景通りに怪獣を虐待して倒したりなど、ウルトラ戦士達とはまるで違うから“赤い通り魔”とも言われている。
「キングオブモンス、お前はあの2体を助けて離れていろ・・・」
「グオオオオォォォッ!?」
「奴は・・・俺の手で倒す!!」
そう言ってキングオブモンスから飛び降りる。それを見たキングオブモンスが慌てて空を飛行する事ができない主(クロウ)を助けようとしたが、途中で動きを止めてしまう。なんとクロウの体が少しずつ変化して巨大化していったのだ。
頭と額から黒い角が出て、両腕に鋭い刃のような物が生えて、胸部に鋭い爪がある腕に似た物が重なりあって、体全体も人の姿から怪人の姿へと変わっていく。この姿こそレイがレイモンへ覚醒したようにクロウがレイブラッド星人に覚醒してなった形態なのだ。さらに身長も50メートルくらい巨大になり、持っていたギガライブナイザーも大きくなった。
「ウオオオオオォォォーーー!!」
大きく咆哮を上げながらレッドマンと怪獣達の間に砂煙を巻き上げながら着地する。
「よくも可愛い怪獣達を殺したな!俺は貴様を絶対に許さない!!」
「・・・!レッドファイト!!」
殺意を放ちながら現れた新たな敵を見てレッドマンは標的を変えてファイティングポーズをとる。
「大丈夫かお前ら?早く此処から逃げて安全な所で待っていろ。コイツを倒したらすぐに傷を治してやるからな」
痛みと恐怖で体を震わせていた2体にクロウは後ろを向いて優しく声を掛けて逃げるように指示を出す。最初目の前に現れた相手も敵かと思っていたサドラとバラゴンだが、その声を聞いて彼がいつも自分達を守ってくれる王だと分かると嬉しい表情になる。そして空からやって来たキングオブモンスにも指示を受けて、2体はクロウに深く頭を下げて走り出した。
その途中、キングオブモンスがこちらを向いて鳴き声を出した後2体を連れて走って行った。
「(絶対に負けるな!っか、やっぱり良い相棒だな)・・・行くぞ!!」
鳴き声の意味が分かるとクロウは内心感謝する。そして視線を前に戻して勢いよく突撃してレッドマンの胸部目掛けてギガライブナイザーを突き出す。対するレッドマンも石突が十字架の形をした手槍『レッドアロー』を両手に強く握ってそれを防ぐ。
ガッキィィン!!
「レッドアロー!!」
激しい金属音を響かせながらレッドマンは腕に力を込めてギガライブナイザーを押し返し、さらにクロウの腹にキックを食らわす。それを受けて後ずさりしたクロウにお返しとばかりに『レッドアロー』を投げつける。
「そんなもの!」
キィン!!
「レッドナイフ!!」
クロウはレッドアローを力強くギガライブナイザーで叩き落とす。だがその後2本の短剣に似た大型のナイフ『レッドナイフ』が同じように交互に投げ飛んできた。レッドアローを投げた後の隙を取らせない戦法だ。
「舐めるな!!」
しかし2本ともクロウがギガライブナイザーを車輪のように素早く回した事で弾かれた。連続攻撃が防がれたのを見て流石のレッドマンも驚いたのか動きを止める。その隙にクロウは回すのを止めて、再びギガライブナイザーを構えて突っ込むが、ある程度距離が近くなったところでレッドマンは大きくジャンプして飛び蹴りを放つ。
「レッドキック!!」
「ぐおぉ!?」
放たれたレッドキックはギガライブナイザーに当たり、その衝撃で両手から弾き飛んで少し離れた地面に突き刺さってしまった。着地した瞬間、レッドマンは武器を失ったクロウに駆け寄ってパンチやチョップを何度も繰り出して打ち込む。
そして強烈な一撃を受けてフラつくクロウの首を掴んで背負い投げのように投げ飛ばした。
「タァッ!」
地面に叩きつけられて転がるクロウにさらに追撃しようと近づいて首を掴もうとした時、突如腹に痛みが起きた。見てみるといつの間にかレッドマンの腹に斜め横に切れた痕があって、そこから血が流れていた。
「どうだ?お前のナイフより切れるだろう」
そう言うクロウの右腕にある刃には血が付いていた。どうやら攻撃し続けて油断していたレッドマンに鋭い一撃を与えたようだ。またクロウもあれだけ殴られた筈なのにそれほどダメージを受けていない感じだった。実はこの1ヶ月間クロウは覚醒できるようになる以前にずっと自分を鍛えていたので、これほどの攻撃にも耐える事ができるくらい強くなったのだ。
「今度はこっちの番だ!ギガモンスランス!!」
レッドマンの腹の切られた部分を強く蹴って後退させ、その隙に立ち上がって右手をグドンの鞭に、左手を3式機龍のドリルに変化させて戦闘態勢を構える。一方レッドマンは切られた上に蹴られた痛みが激しいのか、膝をついてうずくまっている。それを見てチャンスと思ったクロウは素早く近寄って、右手の鞭を首に巻き付けて締め付けながらレッドマンの心臓目掛けて左手のドリルを突き出す。
「トォッ!」
間一髪のところでレッドマンは右手でドリルを掴んで押さえる。そして左手で鞭を掴んで引き離そうと力を込める。しかしそれを見たクロウが再びレッドマンの腹にキックを繰り出す。蹴る度にクロウの足先に赤い血が飛びついていく。相手に攻撃され続けられて悔しい思いが湧き上がったのか、レッドマンの両手にさらに力が入る。けれどそれとはもう1つ別の思いもあった。今まで多くの怪獣や宇宙人を倒して葬ってきたが、こんなに自分と渡り合う敵は初めてだ。表情にこそ出さないものの、赤い通り魔のレッドマンは内心ほくそ笑んだ。
「イヤッ!」
「うおっ!?」
攻撃を受け続けた事でとうとう怒りが爆発したのか、勢いよく立ち上がったレッドマンはそのままクロウを強く地面に叩きつけた。余程凄まじい力だったのか、周りに衝撃が走って砂煙がまきあがり、大きな地震が起きた。
叩きつけられた時に頭を強く打ったのか、クロウは意識がボーッとして起き上がれる事ができなかった。だがこれだけでは終わらず、倒れたクロウをレッドマンは無理矢理立たせて再び叩きつけた。それからレッドマンは倒れたままのクロウの両足を掴んでそのまま引き摺りながら一直線に走り出す。ようやく頭がはっきりしてきたクロウは引き摺られながら頭を起こして目の前を見るとこの先は崖であった。
「(まさかアノ技を使う気か!?)この野郎・・・離せ!」
レッドマンの次の行動を悟ってクロウは拘束を抜けようと何度も鞭で相手の体を叩く。だがそれも空しくとうとう崖の所まで来てしまう。
「レッドフォール!」
技の名前を叫びながらレッドマンは掴んでいたクロウを崖下に投げ落とした。先程のダメージによって背中から翼を出す事や超能力を使う事ができない。しかし、クロウは最後まで諦めていなかった。
「貴様も道連れだ!」
「!?」
落下していく中、クロウは右手の鞭をレッドマンの足に巻き付けた。今までこのような事態が起きていなかった為にレッドマンも反応するのが遅れてクロウと一緒に落下していった。2人は地面と近くにあった岩に体を打ちつけられ、転がり落ちた地点から動かなかった。
そして暫く経った後、先に立ち上がったのはレッドマンの方だった。体中砂で汚れ、腹から血を流してフラフラしつつも未だ倒れたままのクロウの元に向かう。この行動は、相手が死んだかどうか念入りに確認する『レッドチェック』と呼ばれるものである。この残虐な事をするため、レッドマンは『赤い通り魔』と言われるのだ。
そして倒れているクロウの元に辿り着いて見つめようとした時、突如閉じていたクロウの眼が開き、さらに体も起き上がったのと同時に左手のドリルを突き刺した。
ドシュッ!!
左手のドリルはレッドマンの腹に当たってそのまま突き破った。完全な不意打ちと自信が相当なダメージを受けていたため、レッドマンは避ける事ができなかった。
「ク、クハハハッ・・・悪いな。俺は結構生命力が高くってな。何とか生き延びたんだよ」
生きている理由を説明するクロウだが、彼も体中から血が流れ出て傷だらけだ。しかしクロウは攻撃の手を緩めず、ドリルをレッドマンの腹から引き抜く。するとレッドマンはゆっくりと前に倒れる。そして倒れた地面に真っ赤な血の水溜りが広がっていった。
「ハァ・・・ハァ・・・これで、ハァハァ・・・くたばったか?」
荒い息を出して全身の痛みを我慢しながら立ち上がり、油断しないように警戒しつつレッドマンの生死を確かめる。
暫く見るけど奴はピクリとも動かない。勝ったと思った時、なんとレッドマンはよろめきながら起き上がろうとする。まだレッドマンは生きていた。それならばとクロウはレッドマンの背中に跨って馬乗りになり、両足で押さえ込んで動けなくする。
「貴様が今まで殺してきた怪獣達の痛みと苦しみを・・・全て思い知らせてやる!!」
恐ろしいくらいに低い声で言うと両手を再び自分の手に戻し、手を強く握って怒りを込めたパンチをレッドマンの背中や頭に何発も打ち込む。自分の手が壊れようとかまわない程強烈なパンチを浴びせる。レッドマンは両手足を動かしたりして抵抗するが、楽園に住む怪獣達を護ろうとする気持ちと殺された怪獣達の仇を討つと言う気持ちが籠った力は強く、どうしても起き上がれる事ができなかった。
無我夢中で殴り続けた後、クロウはそのままうつ伏せに倒れているレッドマンの頭部を乱暴に掴んで、地面に何度も叩きつけた。頭が割れると思うくらい叩きつけると今度は首と顎を掴む。そして全てのパワーを両手と両腕に込めて後ろから引っ張り曲げ始める。
ギリギリッ・・・メキメキ・・・ボキッ!!ブチッ!!
するとレッドマンの首から痛々しい嫌な音が響き出た後、首は180度反対方向に折れ、さらに骨が砕けて肉が千切れて体から抜けてしまった。首が抜けたと同時にレッドマンの眼から光は消えて絶命した。
今まで多くの怪獣達を残虐な方法で倒してきた赤い通り魔は、自分の首を引っこ抜かれると言う因果応報なやり方で倒されてしまったのだ。
「か・・・勝った。フ、フハハ・・・やったぞおおおぉぉぉーーー!!」
自分の両手に抱えられているレッドマンの首を見てクロウは勝利の咆哮を上げた。怪獣の楽園を守りきり、仇を討てた事にクロウは・・・否、怪獣王は喜びを表す。
しかし、ここまでのダメージと緊張が解けたためにクロウはゆっくりと後ろ向きに倒れてしまった。ゆっくりと閉ざされて真っ黒になっていく視界の端で、キングオブモンスと知らせを聞いたのであろうリーシャ達が走り寄ってくる姿があった。
その後、クロウが目を覚ますとリーシャやキングオブモンス、この星に住む怪獣達からも泣かれたり、怒られたりして必死に謝りつつ自分の事を心配してくれるこの者達を守れて良かったと改めて思うのであった。
それから数日経つとこの戦いの事が宇宙に流れた。
『銀河連邦最強の戦士で、怪獣退治の専門家のレッドマンが怪獣王クロウに倒された!』この衝撃のニュースを聞いて銀河連邦はクロウを危険人物と警戒するが、怪獣と宇宙人達は英雄と称えて、彼の強さと器の大きさに惚れて自ら仲間や傘下になる者が現れるようになったとの事だった。
やりました!ようやく念願の仇討ちができた!!
あの赤い通り魔にキツイ制裁を与える事ができました。今まで多くの怪獣達がアイツの為に泣かされてきたことか。まぁ、怒りの為にいろいろとやり過ぎた事もありましたけどね(笑)
次回から惑星ハマー編に入ります。皆様、また時間がかかってしまいますが楽しみに待っていて下さい。