俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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皆様、お久しぶりです。
大変遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
随分と待たせてしまってすみません。仕事が余りに忙しく時間が取れなかったので(汗)
今回は遂にクロウ達のライバルとなるキャラが登場します。そして新年早々怪獣祭りも行われます。懐かしく、そして強豪の怪獣達がたくさん出ますから楽しんでください!
感想と評価をお待ちしております。

最強合体獣キングオブモンス、宇宙超怪獣キングギドラ、超合体怪獣グランドキング
古代怪獣ゴモラ、原始怪鳥リトラ(S)、宇宙怪獣エレキング、怪獣酋長ジェロニモン
超古代狛犬怪獣ガーディー、巨蛾モスラ(モスラ・レオ)、ねこ舌星人グロラス(RB)
キール星人グランデ、X星人カイザー、暴君怪獣タイラント、宇宙隕石怪獣モンスターX
虚空怪獣グリーザ、円盤生物ブラックエンド、吸血怪獣ギマイラ、タコ怪獣ダロン
魔王ヤマタノオロチ、大悪獣ギロン、フィンディッシュタイプビースト・イズマエル
超遺伝子獣ギャオス・ハイパー、シビルジャッジメンター・ギャラクトロン
一角大魔獣ジャルム、最強超獣ジャンボキング、戦闘円盤ギガ・ロボフォー   登場



第26話 最強のレイオニクスコンビ

皆さんは“一難去ってまた一難”と言う言葉を知っているかい?

1つの災難が去ってもまた次の災難が起きると意味で前にも言った事がある言葉だが、今俺の周りで再びその言葉通りの事が起きていた。

レイがセブンのアイスラッガーによってレイブラッドの闘争本能を抜かれて暴走する心配がなくなった。だが代わりにペダン星人ダイルが姉の仇であるとリーシャが知ってしまった。

その日から1日の殆どを射撃の特訓やレイオニクスの力を高める修行などに専念するようになってしまった。俺が体を休めるように言うと素直に休むが、その分自分の手首に付けてあるブレスレットを寂しそうに眺める時間が多くなった。

 

 

「リーシャ・・・お前の心を今すぐ癒す事ができなくてすまない」

 

 

彼女の痛ましい姿を見る度に俺はそう呟いてしまう。俺は体の傷を癒したり治したりする事はできても心の傷まで癒す事はできない。

けどこのまま何もしないでいると言う情けない事は絶対にしない!今俺ができる事・・・それはリーシャの傍にいて慰めつつ一刻も早くダイルを見つけ出し、俺の手で始末する事だ。アイツは上層部の奴らにレイオニクスを始末する事が母星復興の為と思わされているとは言え、俺が愛する恋人の手を汚す真似はできない。そう思いながら俺は操縦席でダイルを探し続けた。本来ならロボット達にやらせるのだが、この時ばかりはクロウ自身がやるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、遠く離れた場所で激しい大爆発が起きた。そしてその近くに1人の宇宙人が立っていた。その者は見た目的に人間と同じヒューマノイドであり男性で、黒と赤が混ざったスーツに赤色の模様が入っている甲冑を着て、顔を独特な形をしたヘルメットで隠していた。

その者は無言で爆発を見た後、自分の足元から近い所と少し離れた所に落ちていたバトルナイザーに気が付いた。彼は軽い足取りで2つの内自分から最も近い所に落ちていたバトルナイザーに近づき、足を上げて思いっきり強く踏み付けた。それによりバトルナイザーはパリッと割れる音を響かせながら壊れてしまった。

これらの事を察するにこの者はレイオニクスであり、先程の爆発はレイオニクスバトルで起きたものだろう。その後彼は踏み付けていたバトルナイザーを蹴っ飛ばし、もう1つのバトルナイザーも壊そうとするが・・・。

 

 

「おーい!何やってるんだグランデ?」

 

 

今まさにバトルナイザーを踏み潰そうとした時に誰かが彼の名を呼んだ。彼が声のした方を振り向くとそこには自分と同じヒューマノイドで、全身黒一色の服とコートを着て細いサングラスをした男がこちらに向かって駆け付けて来た。

 

 

「あぁ、何だカイザーか・・・」

 

「おいおい愛想がないな。まぁ、ここ最近弱いレイオニクス共とバトルしてきたからな。俺もお前と同じ飽き飽きとストレスが溜まっているから分かるぜ」

 

 

話の内容からこの者もレイオニクスのようだ。

彼らの正体だが、最初に現れた者はキール星人グランデと言い、かつて破壊活動の為に宇宙エイ・ボスタングを地球に送り込ませた宇宙人の同族である。

次に現れた者は様々な怪獣を操って地球を侵略しようとしたX星人である。その星に住む者達は皆全て名前の変わりに番号で呼び名が決まっているのだが、彼だけは特別であった。彼は他の同族達にはないサイキック能力を持っている為“カイザー”と呼ばれていて、本人もその名で呼ばれるのが好きだった。

彼らはそれぞれ別世界の宇宙出身で全く違う者同士であったが、ひょんな事から2人は出会って性格や考え等から意気投合し、惑星ハマーにやって来た日から今日まで数多くのレイオニクス達を倒してきたのだ。

 

 

「はぁ~~。もっと骨のある強い奴はいないのかね?」

 

「いないんじゃないの?俺とお前が倒してきた連中は全てザコ怪獣を操るつまらない奴らばかりだったしよ」

 

 

グランデの問いにカイザーは隣まで移動すると腰を下ろして胡坐をかいた。そして自分の持つネオバトルナイザーを見つめる。

彼の持つバトルナイザーは普通の物とは違っていた。レイオニクスとしての実力が高い事以外にサイキック能力もあって通常金色の部分のカラーがつやのある黒で他の部分が青色であるのだ。

 

 

「けど・・・もう少し探してみようぜ。ちょうど此処からあまり遠くない所にレイオニクスの気配を感じるしな」

 

「あぁ、それじゃ仲良く行きますか!」

 

 

2人はそれぞれボスタング型の宇宙船と爪のような形状の宇宙船に乗って、気配が感じる場所を目指し移動して行った。

だがこの時、彼らは破壊しなかったバトルナイザーから1体の怪獣が現れ、最初は周りの状況に戸惑っていたが突然何かの気配を感じて後を追い掛けるように同じ方向に歩き出した事に気がつかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

一方クロウ達はそれぞれ自分の役割を果たしていた。レイはレイオニクスの特訓をした後ヒュウガ達と一緒にペンドラゴンの修理を行い、リーシャは自分の部屋で修行を行い、ジェロニモンはトロンガー及びロボット達と一緒に厳重警戒をし、クロウはダイルの行方を探していた。

その時、1体のアンドロイドが飲み物を持ってやって来た。

 

 

「ピピッ!」

 

「お!ご苦労さん。いつも悪いな少し休んでいいぞ」

 

「ピピピッ!」

 

 

俺が休めと命じるが、アンドロイドはその場に立ったまま静かに見つめた。主人が働いているのに自分だけ休める事はできない、そう言っているかのようだった。

機械とは言えこうも忠義を示してくれると本当に嬉しいな。感謝してもしきれないぜと思いながら飲み物を飲んでいた時、センサーが激しく反応した。調べてみるとペダニウム反応がある飛行物体が数十機こちらに向かって接近していた。

 

 

「こいつはペダンの宇宙船。向こうからやって来るとは都合がいい。今度こそ決着を付けてやるぞダイル!全員に命じる!直ちに攻撃準備!!」

 

 

クロウがそう言った瞬間船内に警報が響き、その場にいたロボット達はすぐ配置について準備をする。そして少ししてリーシャとジェロニモン達が慌てて部屋に入って来た。

 

 

「クロウさん!どうしましたか!?」

 

「何カアリマシタカ?」

 

「リーシャ、ジェロニモン・・・こちらにペダン星の宇宙船が接近している」

 

「!?」

 

 

訊ねてきたリーシャに言うか迷ったが、こんな状況では嘘はつけられないと思って真実を言う。

するとリーシャは怒りの表情になった後元の姿に戻り、コックピットで操縦していたアンドロイドを無理矢理席から退かして攻撃しようとする。それを見て俺はすぐに止める。

 

 

「待てリーシャ!どれにダイルがいるか分からないんだぞ?」

 

「けどアイツは姉さんの!」

 

 

 

ドッゴオオオォォォン!!

 

 

 

「「!!?」」

 

 

 

突然宇宙船が激しく揺れながら爆発した。どうやら奴らが攻めてきたようだ。しかも最初の攻撃の影響で防御シールドとバリアーを使用する事ができなくなってしまった。いくら元から高い防御力を持つギガ・ロボフォーでもこのままではやられてしまう。こうなったら仕方がない!

 

 

「攻撃開始!ペダンの宇宙船を1機残らず打ち落とせ!!」

 

 

クロウの命令を聞いた瞬間、リーシャとロボット達はペダン星の宇宙船を攻撃し始めた。全ての砲門から弾が発射されて宇宙船を次々と撃ち落としていく。

だがペダン星人側もやられるままではなく、残った機体が光線を撃って反撃した。激しい銃撃戦が行われるが、時間が経つにつれてペダン星の宇宙船は2、3機を残してほとんどが撃ち落とされた。逆にクロウ側の被害は軽いものだった。

残りもさっさと片付けようと照準を合わせさせようとした時、突然横からリトラ(S)が飛んで行き、その後を残った機体が追い掛けて行った。そう言えばギガ・ロボフォーの後ろはペンドラゴンがいたな。すっかり忘れていたぜ。

 

 

「リーシャ、レイの後を追い掛けろ。絶対に見逃すな」

 

「はい!」

 

 

操縦桿を操作するとギガ・ロボフォーは上昇し、猛スピードでリトラ(S)が飛んで行った方向へ移動した。途中ヒュウガ達から通信が入ったが面倒なので無視した(えっ!?)

その後暫く飛んでようやく追い付いた。

 

 

「さて、今どんな状況だ?」

 

 

モニターで下の状況を確認してみるとレイとダイルが戦い合っていた。レイはアイスラッガーで、ダイルは電撃棒で応戦し激しい戦いを繰り広げた。周りには原作よりも多くのペダン星人が倒れていた。

 

 

「ダイル・・・!姉さんの仇!!」

 

 

ダイルの姿を見たリーシャがギガ・ロボフォーから出て行く。俺も慌てて後を追って外に出るとちょうどレイがアイスラッガーでダイルが持つ電撃棒を破壊したところだった。それを見たリーシャが絶好のチャンスとばかりに銃を抜いてダイルに狙いを定める。

 

 

「レイ、今すぐそいつから離れて!」

 

「リーシャ!?」

 

 

驚くレイに構わずリーシャは引き金を引こうとするが、その前にクロウに銃を掴まれて発砲できなかった。

 

 

「離してくださいクロウさん!姉さんの仇をこの手で!!」

 

「気持ちは分かるが少し落ち着け!」

 

 

暴れるリーシャを必死に押さえていた時、ふと嫌な気配を感じた。この場にいたらマズイと察し、リーシャを抱き締めてレイに「飛べ!」と言った後その場で大きくジャンプした。

すると俺達がいた場所目掛けて何処からか光線が放たれ、大爆発を起こした。さらに上空で停止していたペダン星の宇宙船も同じ方角から放たれた光線によって破壊された。

 

 

「ふぅ~危ないところだった。大丈夫かレイ?リーシャ?」

 

「あ、あぁ・・・」

 

「は、はい。ありがとうございます」

 

 

爆発が収まった後抱き締めていたリーシャを離して2人が怪我をしていないか確かめる。幸いレイもリーシャも怪我がない様だ。ほっと一息つこうとしたところで俺達の近くに2つの宇宙船がやって来た。それを見て俺は乗っている奴が誰かを察した。そして俺の予想通りそれぞれの船からあの宇宙人達が降りて来て軽く挨拶してきた。

 

 

「ハロー!皆さーん!」

 

「よぉ、お前ら全員強そうだな」

 

「お前達もレイオニクスか?」

 

「そうです。私がキール星人グランデです」

 

「That’s right!I'm X星人カイザーです!」

 

 

グランデは耳に付いたピアスを鳴らし、カイザーはその場でくるりと回ってマントを舞わせた。

やっぱりグランデ達だったか。だがまさかあのX星人の統制官まで一緒とは驚きだ。それにテレビで見た時ではそれほど思わなかったが、対峙してみて2人がそこらの連中よりもかなり実力の高いレイオニクスであると分かった。

 

 

「キール星人とX星人?」

 

「そうだ。ちなみにお前らはどこのレイオニクスだ?」

 

「俺の名はレイ。地球のレイオニクスだ!」

 

「私はリーシャ。ピット星のレイオニクスよ!」

 

「俺はクロウ。モンスターキングだ!」

 

「何?モンスターキング!?」

 

「最近宇宙で話題になっているあの怪獣王様かい?」

 

 

クロウ達の自己紹介を聞いた2人は地球とピット星については大した事のない星と思ったが、クロウの事なら別だ。あの怪獣王ならかなり強い怪獣を持っているに違いない。楽しいバトルができると感じたからだ。内心喜んでいる2人にレイが先程の件について訊ねた。

 

 

「お前らがダイルを!?」

 

「ダイル?あぁ、あの男か。邪魔だったからご退場してもらった」

 

「・・・余計な事をしてくれたわね」

 

グランデが興味なさげに言うとリーシャが静かに怒り出す。だが2人がやってくれた事は俺にとって嬉しい事だった。もしあのままだったら本当にリーシャがダイルを殺していたかもしれないからだ。そして2人は関係ないと言わんばかりの表情をしながら所持していたネオバトルナイザーを取り出す。それを見て俺達も各々のバトルナイザーを取り出した。

 

 

「へぇ~、それが怪獣王様のバトルナイザーか。こいつはかなり面白いバトルができそうだ!」

 

「あぁ、それにリーシャちゃんも強いレイオニクスだってビンビン感じるぜ。だが地球のレイオニクス、お前は期待外れだけどな!」

 

「何!?」

 

 

グランデとカイザーはクロウとリーシャの持つバトルナイザーを見て、彼らの実力が自分達と同等もしくはそれ以上の者だと分かって狂喜した。だがレイのバトルナイザーは今まで倒してきた者と同じだったので、レイの事をザコと思い“期待外れ”と評した。それを聞いて怒り出したレイだったが、俺が手で制止して2人に言った。

 

 

「レイは期待外れではないぞ。お前達が今まで倒してきた連中と同じだと侮っていたら痛い目に遭うぞ?」

 

「ほぉ、だったらその力見せてもらうぜ!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「ギィガアアアアアァァァッ!!」

 

「フェッフェッフェッフェッフェッ・・・!!」

 

 

グランデが召喚したのは強豪怪獣である暴君怪獣タイラント。そしてカイザーが召喚したのは、胸部分に黄色のコアがあり、黄色く発光している頭部と無機質な顔、様々な棘状の装飾が加わっている体が特徴の虚空怪獣グリーザだった。

 

 

「タイラントにグリーザ。なるほど・・・こいつは強い怪獣達だ。俺達も全力で行くぞ!」

 

「「ああ!/はい!」」

 

 

どんな奴だろうと負けはしないと決意を固めながらそれぞれのバトルナイザーから相棒怪獣を出した。

 

 

「キングオブモンス!!」

 

「ゴモラ!!」

 

「ガーディー!!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「グオオオオォォォッーーー!!」

 

「キシャアアアアアァァァーー!!」

 

「ガウウウゥゥゥッ!!」

 

 

召喚された3体は咆哮を上げる。それを見てタイラントも両手の武器を掲げながら咆哮を上げ、グリーザは両腕を前に突き出して構える。お互いに威嚇している間グランデとカイザーはジャンケンをし始めた。どうやらどちらが俺と戦うか決めているようだ。その隙に俺はレイとリーシャに指示を出した。2人はすぐに承諾して怪獣達に命令した。それと同時に勝負が決まったグランデ達も自分の手持ち怪獣に命令した。

ちなみにジャンケンの結果だが勝負は2回行われた為、カイザーがクロウとリーシャの2人の相手をし、グランデがレイの相手をする事になった。

 

 

「行けぇ!タイラント!!」

 

「やれ!グリーザ!!」

 

「暴れろ!キングオブモンス!!」

 

「行け!ゴモラ!!」

 

「行きなさい!ガーディ!!」

 

 

主人の命令と共に5体の怪獣達は一斉に走り出した。キングオブモンスとガーディーはグリーザと激突し、ゴモラはタイラントと激突した。

 

 

「グオオオオォォォーーー!!」

 

「フェッフェッフェッフェッフェッ・・・!!」

 

 

キングオブモンスとガーディーは連係プレーでグリーザを攻めた。

最初にキングオブモンスがグリーザの頭を尻尾で叩いて体勢を崩し、その隙にガーディーが腹にキックを食らわせ、さらに背中の剣状の突起を掴み力強く噛み付いて動きを封じた。グリーザが引き剥がそうと暴れるがガーディーは噛み付いたまま離れない。

連係プレーに翻弄されて自分への注意が逸れたグリーザの胸のコア目掛けてキングオブモンスは渾身のパンチを放つ。

 

 

「そうはさせないぜ。行け!モンスターX!」

 

「グガアアアアァァァッ!!」

 

 

カイザーが次に出したのは2足歩行で全身が白い骨の姿で頭部に2本の角と両肩の骸骨を縦に2等分したものが特徴の宇宙隕石怪獣モンスターXだ。

咆哮を上げたモンスターXはすぐさま走り出し、グリーザに攻撃が当たる前にキングオブモンスの攻撃を片手で受け止め、そのままキングオブモンスを取り押さえた。その隙にグリーザが右腕の爪をキングオブモンスの腹に突き刺した。そして背中の剣状の突起から腕へ『超振動波』を流し込んだ。その衝撃は噛み付いていたガーディーにも影響を与え、ガーディーは後ろへ吹き飛ばされてしまった。

 

 

「グオオオオオォォォォッ!?」

 

「負けるなキングオブモンス!シャークファングだ!」

 

 

クロウに励まされたキングオブモンスは自分の腹に突き刺さっている腕を『シャークファング』で左右から突き刺した。

 

 

「アッハッハッハッハッ!?」

 

 

攻撃を続けていたグリーザは予想外の攻撃に驚いて突き刺していた腕を引っこ抜いてしまう。その隙をついてキングオブモンスは尻尾を上手く使ってモンスターXの背中を叩いて振り払い、グリーザの頭を掴んで何度もパンチを食らわせ、そのまま地面に強く叩きつけた。頭から叩きつけられたせいかグリーザは痛みの為に起き上がれずにいた。

目の前の敵が倒れたのを確認した後、キングオブモンスは振り返って背後にいるモンスターXと組み合った。しかしモンスターXもかなり強いパワーを持っていたので、両者はその場で力比べをする。だがこの時倒れていたグリーザがようやく起き上がって頭部から渦巻状の光線『グリーザボルテックス』を発射する。

 

 

「ガーディー!ゼペリオン光線よ!!」

 

「ガウウウゥゥゥッ!!」

 

 

キングオブモンスに命中する寸前、ガーディーが『ゼペリオン光線』を放って『グリーザボルテックス』を相殺した。

 

 

「フフン、流石は怪獣王様だ。俺の自慢のモンスターXとグリーザ相手に互角とは・・・このバトル、とても楽しいぜ。それにリーシャちゃんもな」

 

「フェッフェッフェッフェッフェッ・・・!!」

 

「お前こそ、結構やるじゃないか」

 

「でも私達は負けませんから」

 

「グオオオオオォォォォーーー!!」

 

「ガウウウゥゥゥーーー!!」

 

 

久しぶりの強敵にカイザーは喜びを表す。俺も内心手応えのある奴と戦えて嬉しかった。それに見た感じ的にカイザーはモンスターXとグリーザの事を大切にしているようだしな。

お互いに相手を認め合いながらクロウ達はカイザーと一進一退の攻防を続けた。

 

 

 

「ギシャアアアァァァーーーッ!!」

 

「ギィガアアアアアァァァッ!!」

 

 

一方ゴモラとタイラントの戦いは、ゴモラの方が押されていた。

タイラントの鎌で体を切り裂かれたり、鉄球で頭を激しく叩かれたりして傷を負う。さらに傷を負って動きが鈍くなったゴモラにタイラントはベムスターの腹の口から冷気を、口から強力な火炎『爆炎放射』を同時に放つ必殺技『ハイブリッドヘルサイクロン』を食らわせる。それを受けてゴモラは膝をついてしまう。その様子を見てグランデは溜め息をつく。

 

 

「ぬるい。怪獣王の言葉はあてにならないな」

 

「くそ!ゴモラ!超振動波だ!」

 

「ギシャアアアァァァッ!」

 

 

立ち上がったゴモラはタイラントに『超振動波』を放つが、タイラントはベムスターの腹で吸収してしまった。

 

 

「ゴモラの超振動波を吸収しているだと!?」

 

「はい。ご馳走様でした。タイラント!食後の運動だ」

 

「ギィガアアアアアァァァッ!!」

 

 

ゴモラの技を喰らった事でエネルギーを得たタイラントは先程よりも激しくゴモラを攻撃した。

両手の武器で何度も痛めつけた後、キングクラブの尻尾でゴモラをブッ飛ばした。そして倒れたゴモラを何度もキックし、最後は力強く蹴り飛ばした。

 

 

「ギシャアアアァァァ~~・・・」

 

「ゴモラ!しっかりしろ!」

 

 

凄まじい連続攻撃にゴモラは耐え抜いたが、これまでのダメージが大きい為かなかなか起き上がれずにいた。それを見たレイがバトルナイザーに戻そうと構える。

 

 

「くっ、ゴモラ・・・もど「ギシャアアアアァァァーーー!!」ゴモラ!?」

 

 

ゴモラはバトルナイザーに戻らず、痛みを我慢して立ち上がりレイをじっと見つめた。その目からは「まだ戦える!」と言っているかのようであった。その目を見てレイはゴモラの気持ちを察した。

 

 

「・・・分かったよゴモラ。お前と俺はいつも一緒だった。なのにあの時お前を捨てるような事をしてすまなかった。もうお前を・・・いや、お前とリトラとエレキング、全員ずっと一緒だ。そしてどんな戦いにも負けたりしない!」

 

 

レイがそう言うとゴモラやバトルナイザーにいるリトラ(S)とエレキングの鳴き声が響いた。それと同時にバトルナイザーが輝き出し、輝きが収まっていくにつれて形が変わっていった。それはリーシャと同じネオバトルナイザーであった。

 

 

「これは・・・リーシャと同じ物!?」

 

「なっ!?ネオバトルナイザーに覚醒しただと!?クッ・・・ハッハハハハ!!こいつは俄然面白くなってきたぜーーー!!」

 

 

レイのバトルナイザーが進化したのを見てグランデは狂喜して両耳のピアスを激しく鳴らす。

そして笑いながらタイラントに攻撃命令を出す。レイもパワーアップしたゴモラに迎え撃つように命令するのであった。

 

 

 

激しさを増す5人のレイオニクスによる大怪獣バトル。その戦いを見つめている者が2人いた。

1人はクロウとリーシャがいる場所の近くにある大岩の陰に隠れている者で、その者は氷で覆われて怪獣のような姿をしているが、ねこ舌星人と言う立派な宇宙人であった。名前はグロラスと言い、彼の手にはバトルナイザーが握られていた。つまり彼もレイオニクスなのだ。

 

 

「キール星人共に復讐しようと思い追って来たけど、何てレベルの高いバトルなんだ・・・」

 

 

どうやら彼はグランデ達に負けたレイオニクスの1人で、彼らと戦って命からがら逃げ延びた後、執念深いあのメトロン星人(RB)と同様に彼らにリベンジしようと考えて追い掛けてきたようだが、今目の前で行われているレイオニクスバトルを見て自分の持つ怪獣では勝てる勝算がない事を悟ったようだ。

 

 

「それにしても・・・あの人がモンスターキングか。何て強い人だ!」

 

 

そして今のグロラスの目にはリーシャと一緒にグリーザと戦いを繰り広げているクロウの姿しか映っていなかった。やはり怪獣に似ているせいかクロウの強さと王のカリスマに心酔してしまったようだ。

 

 

 

だが彼とは逆にクロウ達の事を恨みの籠った目で見つめている者もいた。それはあの異次元空間に潜む黒い影が特徴の者だ。

 

 

「この場に6人のレイオニクスがいるとは!ちょうどいい、今この場において1人残らず倒してやる!さぁ、行け!!」

 

 

その者が片手を上げるとクロウ達が戦っている戦場の中心に黒い異次元空間を発生した。それに気が付いた全員が戦いを止めて異次元空間を見つめた。そんな中で俺はあの異次元空間を発生した者が誰かを悟った。

 

 

「この邪悪な気配に異次元空間・・・間違いない。アイツの仕業だな」

 

 

まさかあの悪魔が復活していたとは思わなかった。確かアイツらは大昔にレイブラッドの奴に全滅寸前まで追い込まれた恨みがあった筈だ。だからきっと後継者である俺達を抹殺する為に超獣を送り込んでくるだろうな。まぁ、出て来たところで仲間にすれば良い事だし!そう思ったクロウだが、彼の考えは半分正解で半分外れだった。異次元空間から出て来たのは超獣だけではなく、別世界の怪獣達も含めた10体だった。

1体目は、赤と黒色の丸い体の前後に2本の角が生え、長く先端が鋏になっている尻尾とドラゴンに似た顔が特徴の円盤生物ブラックエンド。

2体目は、全身が黒く鋭い棘に覆われて鼻部に生えている鋭い1本角が特徴の吸血怪獣ギマイラ。

3体目は、体中にある長い触手が特徴で一緒に現れたギマイラの用心棒であるタコ怪獣ダロン。

4体目は、8つの紅い竜の頭と紅蓮の紅色に染まった体と長く巨大な尻尾が特徴の魔王ヤマタノオロチ。

5体目は、両腕の翼に全身の赤い模様と頭部の巨大な1本角が特徴の一角大魔獣ジャルム。

6体目は出刃包丁に似た頭が特徴で、刃の部分に目と口があって手足が生えて四足歩行の大悪獣ギロン。

7体目はオーソドックスな翼竜に似た姿で、蝙蝠のような羽を持ち全身が群青色で輝く黄色の目が特徴の超遺伝子獣ギャオス・ハイパー。

8体目は、体中の様々な部分がスペースビーストの頭部で構成されているフィンディッシュタイプビースト・イズマエル。

9体目は長い髪を束ねた人型の白いドラゴンのような姿のロボットで、両腕の大きな鉤爪と回転式の大剣が特徴のシビルジャッジメンター・ギャラクトロン。

そして最後が超獣達の中でも最強クラスの実力を持つケンタウロスに似た姿の最強超獣ジャンボキング。

 

まさかウルトラ怪獣やゴジラ怪獣以外の怪獣がこの世界で見る事ができるとは思わなかった。しかしどれも懐かしい怪獣ばかりだ。

 

 

「あの異次元人には感謝しないといけないな。こんなにもいろんな奴を呼び集めてくれて!」

 

 

俺達を倒す為に送り込まれた連中だろうが関係ない。この怪獣達はこの場で全て俺の仲間にしてやる。

 

 

「行け!キングギドラ!グランドキング!」

 

「俺も!行け!エレキング!」

 

「貴方もお願い!モスラ!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「ピギャアアアオオオオン!!」

 

「グゥエエエエエゥゥゥーー!!」

 

「キィイイィィィ!」

 

「ピュアアアアアァァーー!!」

 

 

相手の数に対抗する為俺はキングギドラとグランドキング、レイはエレキング、リーシャはモスラ・レオを召喚し、キングオブモンス達と合流させた。するとタイラントとグリーザの2体も一緒に合流した。不思議に思ってグランデ達を見ると彼らは先程の喜びの表情から打って変わって怒りの表情になっていた。

 

 

「俺達の戦いを邪魔しやがって・・・絶対ブッ倒してやる!」

 

「その通り!怪獣王様、今だけあんたに協力しますぜ!」

 

「フェッフェッフェッフェッフェッ・・・!!」

 

「ギィガアアアアアァァァッ!!」

 

 

2人は戦いの邪魔をされた事に腹を立てたからこちらに協力すると言い出した。別に俺の手持ち怪獣を増やせば良かったのだが・・・まぁ、的確な指示がキングオブモンス達に早く伝わるから構わないか。その後俺の左右にリーシャ達が並び立ってから全員に指示を出した。

 

 

「全員!目の前にいる敵の怪獣達を倒せーーー!!」

 

 

大声でそう言った瞬間、キングオブモンス達は目の前の敵に向かって走り出した。

此処に異次元の悪魔に呼び出せた怪獣軍団とクロウ達レイオニクスが操る怪獣軍団との間で激しい大怪獣バトルが行われるのであった。

 

 




【大怪獣バトルファイル】
宇宙隕石怪獣モンスターX


隕石の中に潜んでいる宇宙怪獣でX星人の切り札とも言える怪獣。
X星人カイザーの主力怪獣で、人間と同じ2足歩行で全身が白い骨の姿で頭部に2本の角と両肩の骸骨を縦に2等分したものが特徴である。
主な武器は両目と肩の目から放たれる電撃光線『引力光線デストロイド・サンダー』である。
優れた運動能力を持っていて、キングオブモンスのパンチを受け止めたり、互角のパワーを持つなど高い実力者だ。その為キングオブモンスのライバル怪獣として認められている。

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