俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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お待たせしました。今回は大怪獣バトルの中で唯一と言っても良いギャグ回です。また、前に登場したキャラ達も出てきます。
感想と評価をお待ちしております。

古代怪獣ゴモラ、剛力怪獣シルバゴン、冷凍怪獣ラゴラス、宇宙鉱石怪獣ドレンゲラン
脳魂宇宙人ザム星人タクト(RB)、宇宙剣豪 ソウケンザムシャー(ルーネ)
凶悪宇宙人ザラブ星人、にせウルトラマン   登場




第29話 潜入者を撃て!

ヤプール率いる異次元軍団を倒し、グランデ達と別れた後クロウ達はレイオニクスバトルを止め、レイブラッドの復活を阻止するために惑星ハマーに残り戦い続ける事を決意した。そして今、俺達は損傷が激しくて航行不可能になったゴースタードラゴンの物質をペンドラゴンに運んでいた。

 

 

「すまないなボス、ゴースタードラゴンを壊すような事をしてしまって・・・」

 

「いや、気にしないでくれクロウ。このまま飛べず置き去りにされる事より、クロウの宇宙船となってまた宇宙を飛べられる方がこいつも喜ぶさ!」

 

 

謝るクロウにヒュウガはゴースタードラゴンを見て笑いながら言う。

実は今ゴースタードラゴンに備え付けてあった装備や機材などをペダン星人の攻撃で傷付いたギガ・ロボフォーの修理の為に分解しているのだ。

ゴースタードラゴンの傍に着陸させたギガ・ロボフォーのマジックハンドを新しく仲間になったグロラスがジェロニモン達に操縦方法を教わりながら部品を取り外し、そのまま傷付いた所に持って行き、待機していたロボット達が修理を行っている。

 

 

「それにこれからますます戦いが激しくなっていく。万全な状態にしておかないと危機的状況を乗り越える事ができない。まさにゴースタードラゴンのこの物資は、貴重な宝だ」

 

「そうだぞクロウ。こういう時こそ“備えあれば・・・”ん?」

 

「クク、“備えあれば患いなし”だよレイ」

 

 

まだまだ勉強不足だなと思って苦笑した時、通信機が起動してモニターにハルナが映った。

 

 

「ハルナです。物資の積み込み完了。これよりペンドラゴンに運びます」

 

「途中何が起こるか分からん。十分注意して行くんだ」

 

「了解ですボス」

 

 

そしてハルナは物資を積み込んだドラゴンスピーダーを発進させて、ペンドラゴンに向かって出発した。その後クロウ達は作業を続け、物資をまとめているとレイが机の上にキラキラ輝く物を見つけた。

 

 

「これは?」

 

「ああ、ハルナのコンパクトだ。ペンドラゴンに着いたら教えてやろう」

 

「それまでレイ、お前が持っていろ。けど絶対に傷付けるなよ。それは女の子にとってとっても大切な物なんだからな」

 

「あ、あぁ・・・(とっても大切な物?)」

 

 

 

その頃、ペンドラゴンに向かって出発したハルナは、物資を積み込み過ぎた事でいつもより重いドラゴンスピーダーを飛行させる事に苦労していた。

その時突然コックピットにツリ眼と星形の口が特徴で、頭部と胴体が一体化している銀色頭のザラブ星人がしがみ付いた。

 

 

「きゃあああああああ!!?」

 

「キャアアアアアアア!!」

 

 

それから暫くしてハルナが目を覚ますと銀色の特殊なロープで拘束されていた。

 

 

「ハッハハハ!気が付いたかねお嬢さん。いや、ハルナと呼べばいいのかな?更新記録を調べさせてもらったよ」

 

「くぅ!うっ!」

 

 

ハルナは何とかロープを外そうとするが、逆に先程よりも強い力で締め付けられてしまう。

 

 

「おっと!あまり動かない方がいい。そいつは動けば動くほどきつく体に食い込む仕掛けなんだよ」

 

「私をどうする気!?」

 

「君はどうやらレイオニクスではないようだ。だが仲間がいるのだろう?誰がレイオニクスかこっそり教えてくれないか?」

 

「誰がお前なんかに!うぅ!」

 

「やれやれ。動いてはいけないと言ったのに・・・まあいい。1人ずつ探り当てていけばいいだけの話だ」

 

「探り当てる?」

 

「そう、君の美しい姿を借りてね」

 

 

そう言ってザラブ星人は呪文のようなものを唱えるとハルナそのものの姿になった。そして本物のハルナを誰にも見つからないように岩場に隠した。

 

 

「それでは行ってくる。土産話を楽しみにしていたまえ」

 

 

 

そしてハルナに化けたザラブ星人は堂々とペンドラゴンに潜入した。その後誰がレイオニクスであるかを探るため人がいると思われるコックピットに入る。

 

 

「お帰りなさい副長!」

 

「どうしました副長?顔色が悪いですよ?」

 

「何でもないわ」

 

「ボス、只今副長が戻りました。これより搬入作業に入ります」

 

「(誰だレイオニクスは?この中にいるのか?こいつか?)」

 

 

想像―――

 

 

バトルナイザーを構えたクマノが怪獣を召喚する。

 

 

「行ってください!ガルベロス!!」

 

 

想像終了―――

 

 

あるシリーズに登場した事からクマノの相棒怪獣がガルベロスなのはとてもしっくりくる。

これは確実だ。

 

 

「(可能性はあるが・・・それともこいつか?)」

 

 

想像―――

 

 

バトルナイザーを構えたオキが怪獣を召喚する。

 

 

「じゃーん!行っちゃえ。モットクレロン!!」

 

 

想像終了―――

 

 

「(いやいや、こいつはあり得なさそうだ。確実に弱そうだ。間違えない)」

 

 

即座に否定するザラブ星人の言う通り、モットクレロンが相棒怪獣では例え野菜が沢山あったとしても戦いに勝つ見込みは到底ないだろう。これも確実だ。

 

 

「あっ、副長。ボスから連絡が入っています」

 

 

そう言ってクマノが席を譲り、ハルナ(ザラブ星人)が変わりにやって来るとヒュウガは大切な物を積み忘れていると言う。

 

 

「た、大切な物・・・(何だそれは?)」

 

 

この時ハルナ(ザラブ星人)は、考える事に夢中になって普段自分がやっている奇妙なポーズをしてしまう。それを見てクマノとオキは不思議に思いながら同じポーズをとる。

 

 

「副長、何忘れたんですか?」

 

「大事な物って?」

 

「(マ、マズイ。このままでは正体がばれる!)あっ・・・」

 

 

何とか誤魔化そうとハルナ(ザラブ星人)は、変な動きをして倒れた。

 

 

「「ふ、副長!?」」

 

「ん?どうしたハルナ?」

 

 

突然倒れた事にクマノとオキは慌てて駆け寄り、ヒュウガはモニターから消えたハルナを心配して何度も名前を呼ぶ。それを聞いてレイはクロウと一緒に運んでいた荷物から手を離して、すぐにヒュウガの所に行って一緒に見る。

その後ろでは突然レイが手を離してしまった事で荷物を支えきれなくなり、足元に落としてしまったクロウがピョンピョンと飛び回っていた。

 

 

「すいません。コホッコホッ!ちょっと・・・気分が悪くて・・・」

 

「よし分かった。ハルナは医療室で休め。オキ、少し前にリーシャが次の物資を持ってペンドラゴンに向かった。その中に薬が入っているからすぐに飲ませてやるんだ。彼女が来るまでハルナを頼んだぞ」

 

「りょ、了解!」

 

「大丈夫なのか?」

 

「いろいろ大変な事が続いたからな。後は俺達で片付けてゆっくり休ませてやろう」

 

「そうだな。だがもし病気だったら危ない。クロウ、お前もそう思うd・・・何やってるんだ?」

 

 

ここでようやくレイはクロウが足を押さえて飛び回っている事に気が付く。

その後クロウに荷物から手を離した事で怒られ、恐ろしいお仕置きを受けた事は言うまでもない。

 

 

 

一方オキに医療室に連れて行かれて休んでいるフリをしていたハルナ(ザラブ星人)は、再びレイオニクスを探そうと起き上がろうとした時、ちょうどタイミング良く(?)応急用の薬と水を持って来たオキがやって来た。

 

 

「副長~ダメですよ寝てなきゃ」

 

「あっ、え、えぇ・・・」

 

「それと副長!ザラブ星人を見ませんでしたか?」

 

「ドキッ!!(まさかもうバレたのか!?)」

 

「あっ!副長はザラブ星人が誰か知らないんでしたよね。もし何処かで茶色い人形を見つけたら教えて下さいね。あと此処に応急用の薬を置いておきますね。本当はリーシャが持って来る薬の方が良いけど、それでも効果はありますので飲んでいてくださいね」

 

 

そう言ってオキは医療室から立ち去る。

 

 

「・・・・・ハァ、ビックリした。ああ?」

 

 

バレずに済んだ事にハルナ(ザラブ星人)がホッとした時、床下にオキが作り探していたザラブ星人の人形を見つけた。手に取った瞬間、ザラブ星人の人形の首がポロっと落ちた。

 

 

「ありゃ!?(ガーーーン!!)」

 

 

 

その頃、拘束されて岩場に隠されたハルナは必死にテープを外そうとしていた。

 

 

「くっ!やっぱり外せない・・・」

 

 

痛みに耐えて岩場にぶつかったり、擦り付けたりするがテープは外れるどころかさらに強く締め付いた。

 

 

「一体どうすれば・・・ハッ!」

 

 

すると近くで誰かの足音が聞こえた。さらに遠くの方から飛行音も聞こえる。どちらもこちらに向かって来ている事に気が付いたハルナは息を潜め、見つからないように痛みを我慢しながら岩場に隠れる。

 

 

カチャ!カチャ!カチャ!

 

 

「・・・・・」

 

 

相手は鎧でも着ているのか?歩く度に金属音がする事に不思議に思いながらハルナは目を瞑り、立ち去るまでじっと我慢する。すると急に音がしなくなり、いなくなったのかと目を開けると目の前に長い黒髪をポニーテールのように束ねて、腰に2本の刀を備えている鎧武者がこちらを見つめて立っていた。

 

 

「!?」

 

「お前、此処で何を?・・・いや、そう言う訳か」

 

 

ハルナの様子を見て鎧武者は状況を把握し、刀を1本抜いて真っ直ぐ振り下ろす。そして刀を鞘に戻したのと同時に拘束していたテープがバラバラに切れて地面に落ちた。

 

 

「!?テープが・・・」

 

「これで話しやすくなった。助けた代償に私の質問に答えてもらう」

 

「質問?」

 

「そうだ。まず最初に地球人であるお前が何故この惑星ハマーにいる?次に何故此処で捕まっていた?最後にお前はレイオニクスか?この3つ全て正確に答えてもらおうか。もし1つでも嘘をついた場合は・・・分かるな?」

 

 

鎧武者は穏やかな口調で問い出す。だがハルナが不審な行動をとらないように刀を向け、隙が全くない態勢で構える。それを見てハルナは少し怯えながら質問に答えた。

 

 

「まず私が此処にいるのは仲間と一緒にレイオニクスバトルを終わらせる為!次に此処に捕まっていたのは私に化けたザラブ星人のせい!最後に私はレイオニクスではないわ!」

 

「・・・その目に偽りの影は映っていない。分かった。怖い真似をしてすまなかった」

 

 

ハルナの言葉が嘘でないと確信した鎧武者は刀を収め、礼儀正しく頭を下げて謝った。

 

 

「い、いいえ!そんな風に謝らなくても(汗)それよりも貴方は一体・・・っていけない。早く皆と会わないと!失礼します!」

 

 

鎧武者の正体を気にしていたハルナだったが、ザラブ星人の事を思い出して急いでペンドラゴンへと向かった。

 

 

「(先程彼女は仲間と一緒にレイオニクスバトルを終わらせると言っていた。ならその仲間がレイオニクスか)・・・私も後に付いて行くとしよう」

 

 

冷静に考えて答えを出した鎧武者は、ハルナが走っていた方に歩き出すのであった。

それから少し経つとハルナがいた場所に1機の円盤が降り立った。そして円盤から1人の宇宙人が出てきた。

 

 

「えぇ~と・・・反応からしてこの辺りに・・・あっ、あったぞ!」

 

 

出てきたのはザム星人タクトだ。彼はタブレットのような物を取り出して辺りを見渡し、少し大きな岩の陰に隠されていたケースを見つけた。開けてみると中には沢山のバトルナイザーが収納されていた。

実はこれ全部ザラブ星人が変身能力で騙し討ちしてレイオニクスから奪った物なのだ。

 

 

「こんなにも沢山のバトルナイザーを見つかるとは・・・ザムリベンジャー、この辺りにレイオニクスの反応はあるか?」

 

『此処から少し離れた所に反応があります』

 

「そいつだ!そいつがこのバトルナイザーを集めた者に違いない。急いで追い掛けてそいつを倒し、僕がさらに上である事を証明してやる!」

 

 

闘志を燃やしながらタクトはケースをザムリベンジャーまで運び入れ、レイオニクス反応がある方に向かうのであった。

 

 

 

一方ペンドラゴンの方では、ハルナ(ザラブ星人)がオキの部屋にこっそり入り込む。そしてそこに置いてあった怪獣の人形やパソコンの中の怪獣のデータを見て驚いていた。

 

 

「こんなにも怪獣や宇宙人の情報を持っているとは!?まさかあの男・・・」

 

 

そしてパソコンにザラブ星人のデータが映し出され、少しすると解剖図なども表示された。

 

 

「うわあーー!?何これ!!」

 

 

それを見たハルナ(ザラブ星人)は驚きのあまり大声を出してしまいそうになり、慌てて部屋から逃げ出した。自分の星で見た事ないのかい!?

 

 

 

その頃、ペンドラゴンとギガ・ロボフォーの方では積み込み作業と船の修理がようやく完了した。

 

 

「ボス、クロウ!作業は全て完了した。いつでも出発できるぞ」

 

「ダメだ。今外では猛烈な砂嵐が吹いている。暫く飛べそうにない」

 

 

窓の外で激しく巻き起こっている砂嵐を見て、ヒュウガが溜め息をつきながら飛べないと言う。

 

 

「ギガ・ロボフォーならペンドラゴンを運びながら飛べるが、修理したばかりなのに何かあってまた壊れてはかなわん。砂嵐が収まるまでレイ、お前のレイブラッドの力を制御する特訓をするぞ。ちなみにグロラスはもう既に始めている」

 

「分かった・・・ところでクロウ、これはそんなに大事な物なのか?」

 

 

レイは先程見つけたハルナのコンパクトを見せながら訊ねた。

 

 

「あぁ、それはハルナだけでなく、女だったら絶対に大事な物だ」

 

「女か・・・リーシャも同じなのか?」

 

「当たり前だ。お前も心の底から好きな女の子ができたら女心が分かるようになるさ」

 

 

この時俺は知らなかった。まもなくリーシャと同じように命をかけて守りたい程愛する女の子に出会うなんて・・・。

 

 

 

再び所変わってペンドラゴンでは、オキとクマノは暇を持て余していた。

 

 

「ふあ~~暇ですね。搬入作業が終わっちゃって、ボス達がやって来るまでやる事ないですね」

 

「ああ」

 

「・・・あっ、そうだ!クマさん、アレやりましょうよアレ!」

 

「あれか?よし!久しぶりにやるか!」

 

 

その頃ハルナ(ザラブ星人)は、レイオニクスの情報をさらに探ろうとコックピットの操縦室の前にやって来ていた。すると部屋から2人の話し声が聞こえてくる。

 

 

「流石だなオキ、ガッツ星人を一発で仕留めるなんて驚きだぜ」

 

「(えっ!?ガッツ星人を?)」

 

「当然ですよ。インコ頭なんかに負けませんよ!」

 

「(ええ!?)」

 

「ゼットン星人もお前には敵わなかったし。こりゃあクロウも潔く負けを認めるだろうな」

 

「ガーーーン!!(ゼットン星人まで倒し・・・あの噂の怪獣王、モンスターキング・クロウに負けを認めさせる程の実力者とは!?あんなあの間抜け面をしているくせに・・・何と言う事だ!)」

 

 

あまりの事にハルナ(ザラブ星人)は腰が抜けそうになるのを必死に耐え、一刻も早く此処から逃げ出そうと来た道を戻ろうとするが、そこへタイミング良く(?)リーシャが薬を持ってやって来た。

 

 

「あっ、ハルナ!此処にいましたか」

 

「ギクッ!?」

 

「せっかく急いで薬を持って来たのに医療室にいなかったから心配しましたよ。まったくもう・・・オキ達は何をしていたんでしょうか?まぁ、丁度良いわ。早くこの薬を飲みなさいハルナ」

 

 

そう言ってリーシャは用意していた薬と水を差し出す。それを見たハルナ(ザラブ星人)は自分の正体を見破り毒殺しようとしているのだと考える。何とか逃げ出そうと後ろに下がった時、またもやタイミング良く(?)今度はオキ達が出てきた。

 

 

「アレ?副長、何で此処に・・・ってリーシャ!?」

 

「何ですか人の顔を見た途端驚いて?」

 

「あ、いや、何でもない。それよりさっきボス達から連絡が入って、まもなくこっちにやって来るそうだ」

 

「えっ!?(まさか他にも仲間がいるとは!しかもこのタイミングでやって来るなんて・・・早く逃げなければ俺様の命がない!!)ど、退きなさい!」

 

 

クロウ達がこちらに向かっているという知らせを聞いたハルナ(ザラブ星人)は、自分の命が危ないと思って逃走を始める。

 

 

「えっ?ちょ、ちょっとハルナ、薬を忘れているわよ!」

 

「「副長!!」」

 

 

突然逃げ出した事に3人は驚きながら急いでハルナを追い掛ける。必死に外へ出ようと船内を走り回るハルナ(ザラブ星人)は、途中戻って来たクロウ達と遭遇してぶつかる。大丈夫かとレイが訊ねるが、ハルナ(ザラブ星人)は何も言わずにそのまま走り抜ける。

 

 

「どうしたんだハルナは?」

 

「さぁ・・・」

 

 

いつもとは違う様子にレイ達は首をかしげる。だがクロウはハルナから異様な気配を感じていた。

 

 

「(今の確かに宇宙人の気配!だがどんな宇宙人か分からんな)」

 

 

ハルナに関係している宇宙人・・・アレはどの宇宙人だったかな?最近いろいろな事があったからすぐに思い出せない。クロウが頭の中を回転させて記憶を弾き出そうとしていたリーシャ達がこちらに駆け寄って来た。

 

 

「クロウさん、こちらにハルナが来ませんでしたか?」

 

「あぁ、今外へ出て行ったけど・・・何かあったのか?」

 

「私達もよく分からないのですが、さっき薬を飲ませようとしたら突然逃げ出して・・・」

 

「何だと?」

 

 

薬を飲むのが嫌い?子供じゃあるまいし、やはりいくらなんでも変だ。兎に角ハルナの後を追うと全員がペンドラゴンから外に出た。そして少し走った後ハルナを発見する事ができたが、何とハルナが2人もいたのだ。

 

 

「ふ、副長が!」

 

「2人いる?」

 

「どういう事だ!?」

 

 

ヒュウガ達が2人のハルナを見て戸惑っている間、彼女達は互いにもう一方の自分を差して偽者だと言い合う。まぁ、今目の前にいる方が偽者だけどね。けどこの後何となく面白くなりそうだから黙っていよう。

 

 

「クロウさん、一体どちらが本物でしょうか?」

 

「うん?お前には分からないのかリーシャ?」

 

「え~と、同族が変身した姿だったらすぐに分かるのですが、あの2人からはどちらも似た感じの気配しかしなくて(汗)」

 

「そうか・・・」

 

 

リーシャも他の者に変身できる能力を持っているからてっきり見破られると思っていたけど意外な事だった。どうやらあの宇宙人の変身能力は意外にも高いようだ。

その時、遠くにいるハルナの後ろから謎の鎧武者がやって来た。さらに空の彼方から1機の円盤まで来て、中から1人の宇宙人・・・いや、脳魂宇宙人ザム星人が現れた。全員が警戒する中、鎧武者は気にせずハルナに訊ねる。

 

 

「この者達か?お前の言っていた仲間とは?」

 

「貴方・・・どうして此処に?」

 

「あの時お前が言った言葉を考えた結果、その仲間には必ずレイオニクスがいると悟った。私はある目的の為にレイオニクスと戦っている。さぁ、誰がレイオニクスだ?」

 

「(何とこいつも私と同じ考えをしていたのか!ならば此処で味方にさせるとしよう。俺様が宇宙最強になる為にもな)彼よ!このオキがモンスターキング・クロウも超える最強のレイオニクスなのよ!」

 

 

「・・・・・はい?」

 

「ぼ、僕が!?」

 

「何だって!?」

 

 

ハルカの言葉に全員が呆然としてしまう。今何て言った?俺を超える最強のレイオニクスだと?余りの衝撃な事にオキとザム星人タクトは仰天する。

 

 

「ザムリベンジャー!今目の前にいる奴は本当にあのクロウ様を越えるレイオニクスなの

?」

 

『いいえマスター、彼は唯の地球人です。この場にいるレイオニクスはマスター以外に3人おり、特に1番強い反応があるのが黒い服を着た者です』

 

「えっ・・・?」

 

 

ザムリベンジャーの言葉を聞いて今度はハルナ(ザラブ星人)が呆然とする。そんなハルナ(ザラブ星人)から全員が離れ、武器を構えながら本物のハルナの元へ行く。

 

 

「お前が偽者だな。撃て!」

 

 

ヒュウガの合図で全員が攻撃する。激しい弾丸と爆発の中でハルナ(ザラブ星人)の体が光に包まれ、懐かしいBGMと共にウルトラマンが姿を現した。

 

 

「シュワ!あ、あれ?え、ええ、ああおお・・・こっちか」

 

「あれは・・・ウルトラマンなのか?」

 

「違います。あれはザラブ星人が変身した姿のにせウルトラマンです!」

 

「シュワ!・・・あっ、手が違う、シュワ!」

 

 

そうだった。ザラブ星人がハルナに化けていたんだ。いや~~すっかり忘れていたぜ。それにしても・・・偽者だって分かりやすい姿をしているよな。まぁ、取り合えず今やるべき事は1つ!

 

 

「行け!キングオ「待って!」んん?」

 

 

さっさと倒そうとギガライブナイザーを構えた時、突然鎧武者が俺の前に立ちはだかった。

 

 

「お前がこの中で1番強い者みたいだな。ならこの場にて私と戦ってもらうか!」

 

「何故・・・と聞くのは野暮だな。なにしろ相手があの宇宙剣豪で知られるザムシャー一族だからな」

 

「ザムシャーって、あの宇宙剣豪のザムシャー!?」

 

 

ザムシャー一族と聞いてオキが騒ぎ出す。また、リーシャとグロラスも騒がなかったが、驚きの表情に見つめている。

 

 

「知っていたか。いかにも私はザムシャー一族の戦士・疾風のソウケンザムシャー!」

 

 

堂々と自分の名を名乗りながらソウケンザムシャーは2本の刀を抜いて構える。

 

 

「なら俺も自己紹介するとしよう。俺はモンスターキング・クロウ!全ての怪獣達の上に立ち、全ての怪獣達を護りし者だ!」

 

 

名乗りつつ怪人形態になり、ギガライブナイザーを振るって構える。その姿にリーシャ達は目を輝かせ、尊敬の眼差しで見つめる。

 

 

「フ、噂以上に勇ましい姿だな。其方なら私の期待に応えてくれそうだ」

 

 

クロウの姿と溢れ出る強者のオーラにソウケンザムシャーは満足そうに頷き、いざ尋常に勝負を開始しようとした時、突如地震が発生した。

 

 

「ええい!いつまで俺様を無視するつもりだ!!」

 

 

地震の原因はにせウルトラマンであった。長い時間無視され続けた事に怒り、その場で何度も地団駄を踏んだのだ。

 

 

「やれやれ、空気の読めない奴だ。レイ、リーシャ、グロラス、悪いがお前達3人でアイツを倒してくれないか?俺は少し離れた所で勝負をしに行ってくる」

 

「「「ああ!╱はい!」」」

 

 

俺の頼みを聞いた3人が承知してくれたのを確認した後、俺はソウケンザムシャーと対峙しながら決闘の場に相応しい所へ走り出した。バトルナイザーを取り出して構えて怪獣を召喚する。

 

 

「行け!ゴモラ!!」

 

「行きなさい!シルバゴン!!」

 

「出てこい!ラゴラス!!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「ギシャアアアァァァッ!!」

 

「ゴシュィィィィィィィィン!!」

 

「ピュアアアアアアッ!!」

 

 

召喚された3体は咆哮を上げてにせウルトラマンと対峙する。すると彼らの隣にもう1体怪獣が現れた。出てきたのは宇宙鉱石怪獣ドレンゲランである。さらにレイ達の隣にタクトがやって来た。

 

 

「お前、何の真似だ?」

 

「決まっているじゃないか。この戦いでクロウ様に僕と怪獣の絆と力を見せて、仲間にしてもらうんだ!行け!ドレンゲラン!!」

 

「ギュイイィィィッ!!」

 

「ふん!何体で来ようが宇宙最強の俺様に勝てるものか!シュワ!」

 

 

そう言ってにせウルトラマンはドレンゲランの体に飛び蹴りを食らわせるが、全身が鉱石でできている為にゴキッと鈍い音を鳴らしながら足を折ってしまう。その隙にドレンゲランは首を長く伸ばして頭突きを食らわせた。

 

 

「くそ~~抜け駆けするなんて許さない!ラゴラス!!」

 

「ピュアアアアアアッ!!」

 

 

タクトとドレンゲランに遅れてなるものかとグロラスはラゴラスに突撃命令を出す。

 

 

「おのれ~~!!」

 

 

突撃して来たラゴラスにブッ飛ばされながらもにせウルトラマンは必死に持ち堪えてラゴラスの頭を掴み、エルボーを数回浴びせて変な角度からチョップをするが、その瞬間指が折れる音がした。

 

 

「ピュアアァァ~~!」

 

「か~~痛ったい痛い痛い痛ったい!」

 

 

痛みのあまり何度も手を振るにせウルトラマン。どうやら彼はあまり戦いが得意ではないらしい。それでも必死にラゴラスとドレンゲランに応戦する。だが彼は忘れていた。自分にもまだ戦う相手がいる事を!

 

 

「シルバゴン!ウルトラマンなんてボコボコにしちゃいなさい!」

 

「ゴシュィィィィィィィィン!!」

 

 

2体の間から今度はシルバゴンがやって来てにせウルトラマンの顔面にビンタを食らわせる。

 

 

「ぐあぁ!うぅ、親にも打たれた事がない俺様の顔に~~!」

 

「ゴシュウゥ!ゴシュィィィィィィィィン!!」

 

 

頬を撫でて痛みを和らげようとするにせウルトラマンにシルバゴンは「そんなこと知るか!」と言わんばかりにパンチを放つ。にせウルトラマンはこれ以上受けて堪るかと必死に受け流す。

 

 

「キシャアアア~~?」

 

「えっ、あ、あぁ・・・俺達も行くぞ!ゴモラ!!」

 

「キシャアアアアァァァッ!!」

 

 

3体が戦う光景を見ていたゴモラはレイにどうすればいいか訊ねる。その声を聞いてレイはゴモラに攻撃するよう指示を出す。

ようやく戦える事にゴモラは内心喜びながらにせウルトラマン目掛けて尻尾を振るう。しかしにせウルトラマンは側転で避けて距離を取る。

 

 

「よっこらしょっと。スペシウム光線!!」

 

「キシャアアアアァァァ~~!?」

 

 

かつて同族に止めを刺したあの必殺光線がくる事にゴモラは恐れて、両手で顔を隠し身を伏せてガード態勢を取る。シルバゴン達も同様に身を伏せてガード態勢に入る。だが一向に光線が発射される気配がなく、全員が顔を上げてみると・・・。

 

 

「あれ?出ないな?」

 

「・・・・・」

 

 

にせウルトラマンは何度も両腕を合わせて光線を放とうとするが全然出る気配がなかった。それを見た怪獣達は笑顔(?)になって安心して攻撃を開始した。

 

 

「ん?ぐああああぁぁ!!ぐうぅぅ~おのれ!」

 

 

にせウルトラマンは攻撃を受けるも蹴りを放って反撃する。だがシルバゴンが足を掴み、動けなくなったところをラゴラスが腹にパンチとキックを食らわせる。

にせウルトラマンは後退しつつ『八つ裂き光輪』を放とうとするがやはり出ない。その隙にゴモラが再び尻尾を振るうが、何度か避ける。だがまたしても尻尾を振るって今度は顔面に直撃した。

 

 

「あ痛!あ痛い!」

 

 

そしてゴモラとシルバゴンは同時に勢いをつけた尻尾落としを放つ。にせウルトラマンは真剣白刃取りで受け止めようとするが失敗して大ダメージを受けてしまう。

 

 

「か~~痛い~!!ん?」

 

 

するとそこへスピーダーに乗ったハルナがにせウルトラマンを睨み付けながら迫ってきた。

 

 

「偽者に化けるならもっと上手に化けなさい!!」

 

 

そしてにせウルトラマンの腕、膝、尻を徹底的に痛めつけた。それを食らってにせウルトラマンはその場でピョンピョン飛び跳ねる。彼が悲鳴を上げている隙にゴモラ達は四方を囲んだ。

 

 

「ゴモラ!超振動波だ!!」

 

「シルバゴン!貴方の新必殺技・ゼペリオン光弾発射!!」

 

「ラゴラス!冷凍光線だ!!」

 

「ドレンゲラン!火炎弾連続発射だ!!」

 

 

主の命を受けた4大怪獣は一斉に必殺技を放った。ちなみにシルバゴンの『ゼペリオン光弾』とは、ガーディーやモスラ、最近仲間になったエレちゃん達の指導と長年の特訓のおかげでなんとか弾状の光線を吐けるようになったのだ。と言っても本人はビーム状ではないから不満に感じている。

 

 

「お、お、お・・・!ぐああぁーーー!!」

 

 

止めの必殺技を食らったにせウルトラマンは倒れる。だが死んではおらず、グロッキー状態になって元のザラブ星人の姿に戻った。

 

 

「唯の怪獣マニアをレイオニクスと間違えるとは・・・ええい!出直しだ!」

 

 

そう言ってザラブ星人は空を飛んで逃げて行った。途中腰を痛めながら・・・。

 

 

「何なんだったんだ?アイツは?」

 

「さぁ・・・」

 

「まぁ、兎に角勝てたんだからそれでいいんじゃないか?」

 

「そうね・・・ってクロウさんは!?」

 

 

何とも言えない戦いが終わってレイ達は少し物足りない感じになってボーとするが、リーシャの言葉で我に戻り、急いでクロウの元に向かう。

自分達が戦っていた場所から少し離れた所にクロウ達はいた。そして彼は今ソウケンザムシャーと凄まじい死闘を繰り広げていた。

 

 

「フッ!ハッ!オラ!」

 

「せい!えい!ハァー!」

 

 

レイ達がにせウルトラマンと戦っている間、2人はずっと激しい金属音を響き渡せながら斬り合っていた。

 

 

「ここまでやるとは・・・正直お前に事を侮っていた。女ながら見事な腕だ」

 

「ふ、よくぞ私が女だと気づいたな。それと怪獣王の其方に褒められるとはなんだか嬉しく思うな。それに私の疾風の速さについていける其方の腕も素晴らしいぞ」

 

 

お互いに相手の事を褒めながら息を整えつつ、ここまでの戦いを思い返す。

クロウがギガライブナイザーで突き刺そうとしたり、叩きつけようとすれば、ソウケンザムシャーは2本の刀で巧みに防ぐ。逆に刀を振るって斬り付けようとすれば、クロウはギガライブナイザーで受け止める等と互角の攻防を繰り返していた。

だがどちらも完璧に攻撃を防いでいる訳ではなく、体の様々な部分に傷がついて血が流れていた。

そんな状況の中でリーシャ達が近づいている事に気が付いたクロウは笑みを浮かべながら言う。

 

 

「どうやらあちらの勝負が終わったみたいだな。なら俺達もそろそろ終わらせようか?」

 

「そのようだな。これ以上斬り合っていたら正直武器が持たんかもしれないからな」

 

 

そう言ってお互いの姿を見据えた後・・・。

 

 

「オオオオオォォォォオオ!!!」

 

「ハアァァァァァァアアア!!!」

 

 

雄叫びを上げながら目の前の相手に向かって駆け出す。己の武器を持つ手に全ての力を込める。そして2人の武器が・・・交差した。

 

 

「「・・・・・・・」」

 

 

武器を振り切ったまま互いに背を向けて2人は動かない。戦いの場に辿り着いた全員が見守る中、反応を見せたのは・・・。

 

 

「ぐはっ!!」

 

 

ソウケンザムシャーの方であった。血反吐を吐き、地面に膝を付く。それと同時に彼女の脇腹から大量の血が噴き出す。

 

 

「・・・本当に凄いよ。ここまで俺が深手を負ったのは久しぶりだ」

 

 

そう言ってクロウが振り向いた瞬間、右腕の刃物の部分が落ち、さらに腹がX字に切れて血が流れ出ていた。

 

 

「「「「クロウ╱さん╱様!!」」」」

 

 

戦いが終わった後リーシャ達はすぐさま駆け寄る。全員が傷付いた部分を見て心配そうに見つめる。特にリーシャは今にも泣きそうな感じだ。けど俺はすぐに再生するから大丈夫だと言って、ソウケンザムシャーの元に歩み寄る。彼女は震える両腕に力を込めてなんと仰向けになる。

 

 

「ハァ、ハァ・・・見事だ。この勝負は其方の勝ちだ」

 

「クク、褒めてくれてありがとう。けどだいぶ深い傷をつけちまったようだな。すまない」

 

「謝る事はない。私も其方のように結構回復力が高い。暫く寝てれば傷は塞がる。それに全力で戦ってくれてとても嬉しい気持ちだ」

 

「そうか・・・俺も久々に全力で戦えてスッキリする事ができた。俺からもお礼を言うぜ」

 

 

互いに全力で戦い合った仲だからであろうか、それとも彼女が元から良い人だと感じたからであろうか、俺は彼女に対してあの赤い通り魔の時みたいな悪い気持ちにならなかった。

 

 

「ところでこれからお前はどうする気だ?」

 

「そうだな・・・負けたからと言う理由ではないが、其方の元に居させてくれないか?」

 

「何!?」

 

「ええっ!?」

 

 

予想もしていなかった事に俺は思わず驚きの声を出してしまう。また、後ろの方でリーシャも同じように声を出した。

 

 

「其方は私よりも強く、負けた私を心配してくれるほど大きな器の持ち主であった。そんな其方の元に居たいのだ。ダメだろうか・・・?」

 

「あ、いや・・・ダメと言う訳ではないが・・・」

 

 

あまりの突然の事に俺はどうするか迷う。後ろでリーシャが必死に首を横に振っている。だが彼女は真剣な表情の上にその瞳がまるで捨てられた子犬が拾って下さいと言っているように見える。

 

 

「・・・はぁ~、分かった。お前の好きにしろ」

 

「!!ありがとうございます!モンスターキング・クロウ様!それと私の事は疾風のソウケンザムシャーではなく、ルーネとお呼び下さい。元々そちらが私の本当の名前ですので・・・」

 

「あ、あぁ・・・」

 

 

さっきまでとは態度がもの凄く違わないか!?何だか急に馴れ馴れしいと言うべきか・・・それにさっきから後ろにいるリーシャから殺気を感じるのだが!?それに気が付いたルーネが傷の痛みを我慢しながらゆっくりとリーシャの元に歩む。

 

 

「これからよろしく頼む。リーシャ殿(ニコッ!)」

 

「ええ、こちらこそよろしくね(ニコッ!)」

 

「「「(怖い。もの凄く怖い)」」」

 

 

2人の表情は笑ってはいるが、体から恐ろしいくらい強烈な負のエネルギーが溢れていた。それを感じたレイ達3人は身を寄せ合って震えていた。

ともかく偽者騒動が解決した後、全員がペンドラゴンに集まって新たに仲間になったザムシャー一族のルーネとザム星人タクトを紹介した。

ちなみにタクトはこれまで集めたバトルナイザーを献上し、戦いのデータを見せた事でその強さと怪獣との絆の良さをクロウに認められて仲間になったのだ。

あと余談だが、レイがハルナにコンパクトを渡した際、これがどんなものか尋ねたところ、女の魅力と言う武器に必要と答えられてさらに分からなくなってしまった。

 

 

「しかし、オキをレイオニクスと間違えるとは面白い奴だったな」

 

「ええ、普通考えたら絶対違うと思いますのにね。あの様子からでも(笑)」

 

 

全員が休んでいる中、オキとレイは積み荷を運ぶ作業をしていた。何故2人だけかと言うとただ単純にジャンケンで負けたからだ。

 

 

「ハァ、ハァ、やっと作業が終わりました~~」

 

「ご苦労様!どうしただらしがないぞ?クロウを超える最強のレイオニクス」

 

「うわ~~!もう勘弁してくださいよ!」

 

 

頭を抱えて震えるオキを見て全員が、特に俺達レイオニクスは心の底から笑うのであった。

 




【大怪獣バトルファイル】
宇宙剣豪 疾風のソウケンザムシャー(ルーネ)


宇宙に名の知れた宇宙剣豪の異名を持つザムシャ一族の女戦士。ルーネが本名である。
『大怪獣ラッシュ』で登場するユミザムシャーと同じ鎧武者姿だが、鎧の色は紅と黒が合わさった色をして、また髪の色が黒色である。
主な武器は腰に供えている2本の刀を使った剣術で、目にも止まらぬ速さで相手を切り倒す事と己の剣術を極める為に日々努力をした事で使用できるようになった風の技から“疾風のソウケンザムシャー”と呼ばれている。
武士らしく真面目な性格で敵や他人に対してはタメ口で話すが、仲の良い者や信頼のおける者に対しては礼儀正しく敬語で話す。
かつて地球で散った兄と同じように常に強い敵と戦う事を望み、また兄の死から学んだ自分が心から守りたいと思う者に会う為に惑星ハマーにやって来た。そしてクロウとの果し合いに負けて、彼の強さと器の大きさに惚れて自ら進んで仲間になった。
同じ女同士のリーシャとは、仲の良い関係ではあるが同時に恋敵でもあってクロウの事になると良く衝突してしまう。

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