俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

36 / 44
皆様、明けましておめでとうござい・・・って遅過ぎる~~!!
時と言うのは長いようで早いものですよ。次からはもっと早くできるようにしなくては。その為に・・・ブツブツ・・・はっ!今のは無し!気にしないでください。

兎に角今回は文字通りヒロイン達が活躍します。そして登場する四天王は原作で女隊員達と因縁があった者達です。愛する人の為に戦う女の強さ、是非ご覧下さい。
感想と評価をお待ちしております。

超古代狛犬怪獣ガーディー、剛力怪獣シルバゴン、巨蛾モスラ(モスラ・レオ)
放電竜エレキング(エレちゃん)、銀星人宇宙仮面、幻覚宇宙人メトロン星人Jr
宇宙電気クラゲ・ユニバーラゲス、くの一超獣ユニタング、暗黒超獣ブラックサタン、恐竜
水瓶超獣アクエリウス、バイオ怪獣ビオランテ、石化魔獣ガーゴルゴン   登場




第33話 乙女の戦い!愛する人の為に

突如現れたヤプールの手によって異次元空間へ吸い込まれてしまったクロウ達。彼らはヤプール率いる異次元軍団の四天王がいる4つの異次元空間にバラバラにされてしまった。

その中の1つ灼熱地獄のような空間に吸い込まれたグロラス、タクト、ダーラムの3人は四天王の1人・マグマ超人マザロン人が率いる異次元軍団と戦い、友情を深めながら力を合わせて撃破する事ができた。

そしてザムリベンジャー(円盤形態)に乗って異次元空間から脱出したのであった。

 

 

 

次は残っているうちの1つの空間の戦いをご覧頂こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「一体此処は何処なんだろう?」

 

「分からない。だがどうにも嫌な雰囲気しか感じない」

 

「そうね・・・」

 

 

周りを警戒しながら歩いているのはリーシャ、ルーネ、カミーラの3人だ。

彼女達は運良く同じ場所に出て、すぐにクロウと合流しようと見渡す限り続く深い森の中を歩いていた。しかし此処もグロラス達がいた空間と同じように何処行っても森ばかりで人の気配など感じられなかった。

 

 

「やっぱり人の気配なんて感じられない。此処には私達以外いないのかも」

 

「いや、そんな事はない様だ」

 

 

そう言ってルーネは刀を1本抜いて近くの木に向ける。

 

 

「そこに隠れているのは分かっている。いい加減出てきたらどうだ?」

 

 

ルーネはすぐにでも斬る事ができる構えをとりながら問いかける。すると木から出てきた者は・・・!

 

 

「「「ク、クロウ様/さん!?」」」

 

「何だお前達か、驚かせるな・・・」

 

 

現れた者の正体はなんとクロウだった。彼を見てリーフは慌てて刀をしまい、彼女達はすぐに駆け寄る。クロウも3人の元へ駆け寄る。

 

 

「クロウさん、無事だったのですね!」

 

「あぁ、気がついたら向こうの方に倒れていてな。誰かいないかと探していた時にお前達がいたもんでな。無事で良かった」

 

 

安心して笑顔になりながらクロウが彼女達に触れようとした時、リーシャは銃を構えて発砲し、ルーネは再び刀を抜いて斬りつけ、カミーラは手から電撃を放ってクロウを攻撃した。

 

 

「な、何を・・・!?」

 

 

いきなり攻撃されたクロウは傷つけられた部分を手で押さえながら彼女達に問う。3人は冷たく睨みつけながら言った。

 

 

「貴方・・・クロウさんではないね」

 

「何を言っているリーシャ?俺は・・・」

 

「いや、貴様は偽者だ。貴様からほんの微かだが殺気を感じる」

 

「それにさっきの笑顔、目は笑っているけど目の奥は笑っていなかった。私達の知っているクロウ様の目で見つめられると本当に心地良く感じるものなのよ!」

 

「くっ・・・こうなったら!!」

 

 

騙していたつもりが騙されていた事実に偽クロウは動揺し、何かを決心すると持っていた偽ギガライブナイザーを捨て左腕に装着してある腕輪を操作する。

すると彼の体から火花が出て激しく燃え上がっていき、キラキラと輝く銀色の体を見せつけた。

 

 

「貴様は誰だ?」

 

「私は宇宙仮面。偉大なる神ヤプールに仕える異次元軍団の四天王であり、この空間の絶対的な主だ」

 

「あんたが?・・・随分と弱そうな奴ね」

 

「確かに・・・」

 

「フン!私を甘く見ない方がいいぞ。私の使命は貴様達からマイナスエネルギーを得て、抹殺すること。その為に私が偉大なる神ヤプールに頼んで戴いた猛者達を見るがいい!」

 

 

宇宙仮面は余裕な表情(?)で再び左腕に装着してある腕輪を操作して光らせる。すると彼の背後から3体の怪獣達が姿を現した。

1体は頭の1本角と両手の鋏、口から外へと生えている鋭い牙、そして腹部にある人間の女性の乳房に似た突起が8つあるのが特徴のくの一超獣ユニタング。

もう1体は体の色が青と金と交互になっていて、1本角と1つ目、蝙蝠の羽の様な耳、先端が槍状になっている尻尾が特徴の暗黒超獣ブラックサタン。

そして最後に現れた怪獣は全身が植物の蔓に覆われてその周りから無数の触手を生やしていて、頭部が鰐ととある怪獣が合体したような顔が特徴のバイオ怪獣ビオランテだ。

 

 

「さぁ、偉大なる神ヤプールの手によって蘇り、私に選ばれた猛者達よ!そこにいる3人を倒せ!!」

 

 

「ユシャアアアアァァァッ!!」

 

「グオオオォォーーー!!」

 

「ギャオオオオオオオォォォォォ!!」

 

 

宇宙仮面の命令を聞いた3体は彼女達に向かって歩き出す。それを見てルーネは腰に差してあるもう1本の刀を抜き、カミーラは懐からスパークレンスを取り出して迎え撃とうと前に出ようとするが、それよりも早くリーシャが前に1歩出て2人を制止ながら言う。

 

 

「待って!あの4体は私が相手をする。2人は万が一の場合に備えて此処で見ていて」

 

「・・・そうか。分かった」

 

「貴方と怪獣達の力、見させてもらうわ」

 

「ありがとう!」

 

 

リーシャの言葉を聞き、油断なく高い決意をした瞳を見て2人は承諾する。信じてくれた2人にリーシャは感謝の言葉を送り、腰に備えてあったネオバトルナイザーを取り出す。

 

 

「行きなさい!ガーディー!シルバゴン!モスラ!エレちゃん!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「ガウウウゥゥゥッ!!」

 

「ゴシュィィィィィィィィン!!」

 

「ピュアアアアアアッ!!」

 

「キイイイイィィィッ!!」

 

 

召喚された4体は咆哮を上げながら並び立つ。本来レイオニクスは3体までしか怪獣を操る事ができないんのだが、ごく稀に4体操れるレイオニクスがいるのだ。しかしリーシャの場合、クロウの力と特訓によってそうなったのだが・・・今はその話を置いておこう。

そして4体はそれぞれ目の前にいる敵に対して戦いを挑んだ。

 

 

「ガウウウゥゥゥッ!!」

 

「グオオオォォーーー!!」

 

 

まず最初はガーディーVSブラックサタンの戦いで、頭の1本角を構えて突進してくるブラックサタンをガーディーは上手く避けて側面に回りその角に噛み付き、そのまま左右に振り回す。

 

 

「グオオオォォ!?」

 

 

角を強く噛まれている上に左右に振り回されてブラックサタンは痛みを感じながらだんだん気持ち悪くなってきた。

早く抜け出そうと両手を前に突き出して指先から大量のミサイルを放つ。だが下しか見えない為に正確に狙えず、ミサイルの殆どが見当違いな所へ撃ってしまった。

それならばと今度は両手を左右に振って滅茶苦茶に撃ちまくった。

 

 

「ガウウウゥゥゥッ!?」

 

 

流石のガーディーもこのミサイル攻撃によって角から口を離してしまう。だがそれでも強く噛みついていた事でブラックサタンの1本角にはヒビが入ってダメージを与えていた。

自慢の角を傷つけられたブラックサタンは怒り、特大の一撃を食らわせようと目にエネルギーを溜めて強力な『破壊光線』を放つ準備をする。そして準備が整うまで相手が接近しないように再び指先からミサイルを放って攻撃する。

 

 

「ふ~ん、成程・・・ミサイルでガーディーの動きを止めつつ近づけないようにして、一気に光線を撃って倒すつもりね。それならガーディー、ミサイルなんか気にせずにゼペリオン光線よ!」

 

「ガウウウゥゥゥッーー!!」

 

 

相手の考えを悟ったリーシャは、素早くガーディーに指示を出す。それを聞いてガーディーはその場で仁王立ちして、ミサイル攻撃に耐えつつ口にエネルギーを溜める。

そしてブラックサタンが『破壊光線』を放ったのと同時に『ゼペリオン光線』を発射する。

光線は両者の間でぶつかり、暫く押し合った後爆発を起こす。それにより閃光と煙が発生して視界を遮った。

 

 

「グオオォォ!?グオオオォォ・・・」

 

 

あまりの眩しさと煙によってブラックサタンは目を瞑ってしまう。だが彼は慌てなかった。何故なら相手もこの光と煙によって動けずにいるに違いないと思ってからだ。そして目が見えるようになったら今度こそ光線で倒してやるとチャンスを待ち、ようやく光が弱まったのを感じて真正面を見る。するとそこに驚愕の光景が目に映った。

 

 

「ガウウウゥゥゥッ!!」

 

「グオオオオォォォーー!?」

 

 

なんとガーディーがもう目の前に迫っていたのだ。そしてある程度距離が縮まると勢いよく前転し、通常よりも威力の籠った尻尾攻撃を食らわせた。

 

 

 

バッキイイィィン!!!

 

 

 

「グオオオォォォーー!!?」

 

 

仲間から教わったガーディーの強烈な回転尻尾攻撃を受けたブラックサタンは大きくブッ飛ばされた。同時に頭の角が粉々になりつつ折れてしまった。その痛みにより起き上がれないブラックサタンにガーディーはさらなる攻撃を仕掛けるのであった。

 

 

 

「ゴシュィィィィィィィィン!!」

 

「ユシャアアアアァァァッ!!」

 

 

次はシルバゴンVSユニタングの戦いで、両腕を振り回しながら迫るシルバゴンにユニタングは口と両手の鋏から白い糸を噴射した。その糸によりシルバゴンは絡め取られ、動けなくなってしまった。それを見てユニタングはそのまま引き倒してしまうと糸を引っ張ろうとするが・・・。

 

 

「ゴシュィィィィィィィィン!!」

 

 

どんなに力を込めて引っ張ってもシルバゴンは引き倒れない。それどころか逆に糸を掴まれて引っ張られて、そのまま振り回されてしまった。慌てて糸を切ろうとするユニタングだが、振り回されている為に切る事ができなかった。

そして何回も振り回した後シルバゴンは次にユニタングを地面に思いっきり叩きつけた。

 

 

「ユシャアアアアァァァッ~~!」

 

 

地面に叩きつけられてユニタングは悲鳴を上げる。だが戦意は衰えていなく、寧ろ超獣である自分がこんな奴に負けて堪るかと立ち上がり、早く糸を切ろうと牙と鋏を動かそうとする。だがその前にシルバゴンがまた糸を掴んで振り回して再び地面に叩きつけた。

それが何回も繰り返し行われ、それにより糸は切れたがユニタングは体中ボロボロになり起き上がれなくなってしまった。

 

 

「ゴシュィィン!ゴシュィィィィィン!!!」

 

 

糸が使い物にならないと分かるとシルバゴンは体に絡みついた糸を取り、倒れたままのユニタングを無理やり立ち上がらせる。そしてそのまま強く抱き締めた。

 

 

「ユシャアアァァ!?シャアアアアァァァッ~~!」

 

 

いきなり抱き締められたユニタングは驚き、顔を赤く染める。

実はユニタングは女性超獣なのだ。まぁ、最初の乳房に似た突起があると知った時点で皆女性だと気付いただろう。それにいきなり異性に抱き締められたら誰もが驚くのは当然だ。激しく鳴いて必死に両手の鋏を振り回しながらシルバゴンの拘束から逃れようとする。だがシルバゴンの剛力には敵わずどんどん締め上げられていき、だんだんと彼女の力が弱まっていった。

 

 

「ゴシュィィィィィィィィン!!」

 

 

抱き締めながらそれを感じたシルバゴンは、止めとばかりにさらに強く抱き締める。

そしてこのままユニタングの体が押し潰されるかと思った時、突然彼女の体がバラバラになって崩れ落ちてしまった。

 

 

「シュィィッ?・・・ゴシュィィィィィィィィン!!」

 

 

押し潰す筈がバラバラになって肉塊となったユニタングを見てシルバゴンは首をかしげる。

しかし細かいことは気にしない性格のシルバゴンは、戦いに勝ったと思ってドラミングをする。そしてまだ戦っている仲間の元へ行こうと背中を向けて歩き出した。

この時リーシャが見ていれば後の緊急事態を避ける事ができたであろうが、生憎彼女は他の戦いの方を見ていた。ルーネとカミーラもそれぞれ別の方を見ていた為、バラバラになったユニタングの肉塊が動いている事に気がつかなかった。

 

 

 

この次はビオランテVSモスラ・レオ&エレちゃんの戦いだ。

 

 

「ギャオオオオオオオォォォォォ!!」

 

「ピュアアアアアアッ!!」

 

「キイイイイィィィッ!!」

 

 

ビオランテは体と地面から大量に出している先端に口のついた触手を振り回してモスラ・レオとエレちゃんを締め上げようとする。対してモスラ・レオは素早い動きで空を飛んで避け、エレちゃんは口から『電子ビーム』を放って触手を破壊する。

この時戦いを見ていたリーシャ、ルーネ、カミーラの3人はある事に気がついた。それはモスラ・レオが一度も攻撃していなかったのだ。

 

 

「どうしたのモスラ?何故攻撃しないの!?」

 

「ピュアァッ!カキュウウオオウン!」

 

 

理由を訊ねるリーシャにモスラ・レオは鳴き声と同時にテレパシーを送ってある事を伝えた。それを聞いてリーシャは内心驚きの声を上げる。

 

 

『あの怪獣から・・・ゴジラの気配を感じるって!?』

 

 

突然の事に混乱しつつもリーシャは後ろで不思議そうに見つめている2人を無視して、必死に頭の中をフル回転させて考える。

確かにあの姿はどことなくゴジラに似ている感じがする。けど見た目は植物だ。ひょっとして植物とゴジラが合体して誕生した怪獣なの?

まさしくリーシャの考え通りで、ビオランテはとある別世界・・・否、ゴジラがいた世界で人間の手によってゴジラの細胞と人間の細胞が薔薇に融合され、それにより細胞分裂を始めて急激に成長した怪獣なのだ。

その世界でゴジラと2度に渡って戦い、最後は光の粒子となって宇宙へ消えて行った。そして巨大な薔薇の姿になって宇宙から地球を見守っていたが、ヤプールの手によってこの世界に連れて来られてしまった。さらに彼の科学力で前の姿に戻され、魔力によって操られているのだ。

モスラ・レオはそれに気がつき、無理矢理操られているビオランテをなんとか助けてあげたいと思っているので攻撃しなかったのだ。

 

 

『成程・・・貴方ならそう思うのは当然ね。けどあの怪獣を操っていると言う魔力を消す事なんてできるの?』

 

「ピュアアァァッ!カキュウウオオウン!」

 

 

テレパシーのまま質問するリーシャにモスラ・レオは1つだけあると言う。だがそれは少々危険な賭けでもあった。

 

 

「(けどこの子はきっとやろうとするだろうね。なにしろ優し過ぎる子だから。けどもしそれが成功したらあの怪獣が私達の仲間になる可能性がある。そしてクロウさんに褒めてもらえる///)」

 

 

賭けに応じるか迷うリーシャだが、クロウへの想いでだんだん傾き始める。すると突然誰かに肩を叩かれる。振り向くと後ろにいたリームとカミーラが話し掛けてきた。

 

 

「リーシャ、あの巨大な蛾・・・いや、失礼。モスラだったな。見た感じ的にあの怪獣と戦いたくないようだが、私が変わろうか?」

 

「万が一と言ったけど、これ以上時間をかけるのはごめんよ」

 

「待って!もう少しで終わらせるから。モスラ、貴方の気持ちは分かったわ。私達も協力するよ!エレちゃん、尻尾を長く伸ばしてアイツの動きを止めて!」

 

「キイイィィッ!キイイイィィィッ!!」

 

 

自分の気持ちを酌んでくれたリーシャにモスラ・レオは翅を大きく羽搏かせて嬉しがる。そんな彼女を見てリーシャは微笑んだ後、ずっと戦っていたエレちゃんに指示を出す。命令を受けたエレちゃんはすぐに尻尾を勢いよく振ってビオランテに巻き付けた。

先程まで『電子ビーム』で触手を破壊していたから妨害も少なく巻き付く事に成功し、続けざまに『エレクトリックテール』で攻撃する。

 

 

「キョロロロ!?ギャオオオオオォォォォ!!」

 

 

一方エレちゃんの『エレクトリックテール』を受けたビオランテは、強力な電流によって痺れて動けなくなってしまう。だがそれもほんの僅かで徐々に動き出し、体と地面から再び触手を出し始めた。あと2、3分くらい経てばまた攻撃してくるだろう。だがこちらとしては十分な時間だ。

 

 

「今のうちよモスラ!パルセファニック・シャワー!」

 

「ピュアアアアアアァァァッ!!」

 

 

モスラ・レオは素早くビオランテの真上で止まると、翅から美しく光り輝く鱗粉を撒いた。この鱗粉は、傷ついた生き物や植物を回復させる上に枯木等の生命力を蘇られる事も出来る奇跡の技だ。だがそれを敵に使うのはどういう事であろうか?

すると暴れていたビオランテがだんだんと大人しくなっていった。その証拠に出していた触手がただユラユラと動いているだけだ。

どうやらヤプールの魔力が浄化され、さらに人間の心を取り戻して暴れるのを止めた様だ。まさに奇跡が起きた。

 

 

「良かった・・・成功できたみたい。ご苦労様モスラ!エレちゃん!」

 

「ピュアアアアアアァァァァァッ!!」

 

「キイイイイイィィィィッ!!」

 

 

ビオランテを大人しくできた事にリーシャをホッと息を吐き、頑張ったモスラ・レオとエレちゃんを褒め称える。2体は嬉しそうに鳴き声を上げ、それを見ていたルーネとカミーラも状況を理解して2体の連係プレーと信じ合う心などに感心する。

その後2体は途中合流したシルバゴンと一緒にまだ戦っているガーディーの加勢に向かった。

 

 

「そ、そんな馬鹿な!ヤプール様の魔力を浄化させるなんて・・・信じられない!?」

 

 

目の前で起こった出来事に宇宙仮面は驚愕する。そしてまだ残っている戦力を見て考えた結果、自分が負ける可能性が高くなって慌てふためく。このままではヤプールに消されてしまうか超獣に改造されてしまうかもしれないからだ。そんな彼に突如話し掛ける者が現れた。

 

 

「ふ~ん、だいぶ苦戦しているようだね~」

 

「何を・・・き、貴様!?」

 

 

馬鹿にするような口調で話し掛けてきた者は、幻覚宇宙人メトロン星人・・・ではなく、最初に地球に現れてセブンと戦った個体の息子・メトロン星人Jrである。どうやら彼も復活して、再びヤプールの配下になったようだ。

そんなメトロン星人Jrはニヤニヤした表情(?)で宇宙仮面の周りを歩きながら言う。

 

 

「あ~んな貧弱な女達に苦戦するなんて、お前なんて四天王には向いていないんじゃないの~?僕の方が向いているんじゃないの~?」

 

「黙れ小僧!そう言うお前はどうなんだ?唯見ているだけではないか!」

 

「・・・アッハハハ!本当に何も知らないんだね?主役は遅れてやって来て、重要な局面で登場するもんなんだよ!」

 

 

そう言うとメトロン星人Jrは両手をクロスさせて巨大化する。さらに異次元空間から3体の超獣と怪獣・・・いや、生物を出現させた。

1体は頭の赤い角と顔の半分が赤い毛に覆われ、白銀色の巫女とも思える服を着て、左肩に付いている花が特徴の水瓶超獣アクエリウス。

もう1体は頭頂部の単眼と長い触手が特徴の宇宙電気クラゲ・ユニバーラゲス。

そして最後が古代ジュラ紀後期に棲息していた巨大生物・恐竜だ。

 

 

「さぁ行くぜお前ら!回りくどい策なんて無しだ。一気にブッ飛ばすぞ!」

 

「ギィッガアアアアアァァァァ!!」

 

「シュウウウゥゥ~~!」

 

「ピュヴヴヴヴヴゥゥゥッ!!」

 

 

過激な事を言うメトロン星人Jrの指示に従い、3体は咆哮を上げて戦場へ向かって行く。

そしてメトロン星人Jrも歩き出そうとした時、いきなり宇宙仮面が前に立ち塞がった。見ても分からぬと思うが今の彼は・・・・・かなり怒っていた。

 

 

「いい加減にしろ小僧!!お前如きに馬鹿にされる私ではない!今この場で私の切り札を見せてやる!!」

 

 

激しい怒りを放ちながら宇宙仮面は腕輪を操作して新たな怪獣を出現させた。

その怪獣は、蛇のような見た目で口の中に目があり、両腕から肩に掛けて蛇のような物が生えているのが特徴で、神話に出てくるゴルゴンの名を持つ石化魔獣ガーゴルゴンである。

 

 

「この怪獣・・・!」

 

「驚いたか?こいつこそ私の最高の切り札だ!こいつがいる以上私の負けはない。行けガーゴルゴン!お前の力でレイオニクス共を倒して「バァン!!」・・・ガァッ!?」

 

 

宇宙仮面は先程とは打って変わって上機嫌になり、そのままガーゴルゴンに命令を出そうとした時、突然銃声が響いた。さらに音とともに自分の腹が痛み出す。恐る恐る下を見てみると自分の腹がメトロン星人Jrの腕にいつの間にか装備されていたシリンダー状の銃・ラウンドランチャーで撃ち抜かれていた。彼は空間転移で備え付けたのだ。

 

 

「確かにあの怪獣は使えそうだ。僕が貰っておくよ」

 

「き、貴様・・・!!」

 

「・・・だからお前ももういらない。消えろ」

 

 

 

ババババババッ!!!

 

 

 

再び鳴り響くラウンドランチャーの銃声音。それと同時に宇宙仮面の体が激しく揺れ、さらに腕輪にも命中してしまう。そして最後に地面に倒れ、火花を散らしながら消滅した。

 

 

「これで四天王は僕で決まりだが、実績がないと流石のヤプールも認めないだろう。けどまぁ、実績ならアイツらを倒せばいいか。ハハハ、さぁ行くよガーゴルゴン!お前も僕に従った方が身の為だよ」

 

 

「・・・キュイッ!アァオーーー!!」

 

 

操り人が殺され、ヤプールの魔力が消えた事でいろいろと混乱していたガーゴルゴンにメトロン星人Jrは命令を出す。最初は混乱していたガーゴルゴンだが、知識の高い彼女は彼の言葉を理解して内心怒るが、この空間から抜け出すまで従う事にしようと考えて、ゆっくりと歩きながらメトロン星人Jrと共に戦場に向かうのであった。

 

 

 

その頃リーシャは、ガーディー達によって散々痛めつけられた上に、宇宙仮面が死んだ事でエネルギーが途絶えてグロッキー状態となったブラックサタンへ止めの必殺技を出すよう指示を出していた。

 

 

「ガーディー!ゼペリオン光線!!シルバゴン!ゼペリオン光弾!!モスラ!クロスヒートレーザー・レインボー!!エレちゃん!電子ビーム!!」

 

 

主の命を受けた4体は一斉に必殺技を放つ。凄まじい威力を誇る光線にブラックサタンが耐えられる筈がなく、悲鳴を上げた後大爆発を起こした。

 

 

「・・・ふぅ、これで終わりのようね。皆お疲れ様!」

 

 

最後の敵を倒したのを確認して、リーシャは4体を褒める。それを後ろで見ていたルーネとカミーラも褒める。

 

 

「うむ!見事な戦いであった」

 

「そうね。ちょっと甘いかもしれないけど・・・良かったわよ」

 

 

主人だけでなく2人からも褒められたガーディー達はとても嬉しそうに鳴き声を上げる。それを見てリーシャ達は可愛いと思いつつ、少し離れた所で大人しくこちらを見ているビオランテを連れて早く元の場所へ戻ろうと宇宙仮面の元へ行こうとする。その時突如横から大量の黒緑色の噴煙が襲い掛かってガーディー達は倒れてしまった。

 

 

「なっ、何!?」

 

「アッハハハ!良いよ良いよ。よくやったよアクエリウス!」

 

 

驚くリーシャ達だったが、横から誰かの笑い声を聞いて急ぎ戦闘態勢をとりながら振り向く。するとそこには先程のメトロン星人Jr達がいた。

 

 

「お前は誰だ?」

 

「僕はメトロン星人Jr。ヤプール様に仕え、新たな四天王になる者さ!さぁ、お前ら!奴らの怪獣達に止めを刺すぞ!!」

 

 

メトロン星人Jrは4体に命令して両腕を振り上げながら迫る。対してガーディー達はその場から動けずにいた。実はあの噴煙は猛毒ガスで、それにより手足が痺れてしまっている。さらに遠くの方からバラバラになったユニタングの肉塊が飛んで来て、そのまま合体して元の形に戻り、両手の鋏を振り上げながら迫ってきた。

 

 

「あぁ、皆!!」

 

 

自分の怪獣達が苦しむ姿と迫り来る敵を見てリーシャは涙目になりながら叫ぶ。そんな彼女の肩をルーネが優しく叩く。

 

 

「リーシャ、今すぐガーディー達を回収するんだ」

 

「えっ?でもそうしたら・・・」

 

「安心しなさい。ここから先は・・・私達が戦うわ」

 

 

そう言ってルーネは鎧兜を纏って本来の大きさになり、カミーラはスパークレンスで変身して巨人の姿になった。それを見てメトロン星人Jr達は足を止め、リーシャはガーディー達を回収し、安全な所まで下がった。

 

 

「行くわよルーネ」

 

「あぁ!任せろカミーラ!」

 

 

2人は頷き合った後、勢いよくメトロン星人Jr達へ突撃した。

まず最初にユニバーラゲスが2本の長い触手を伸ばして2人を捕らえようとする。しかしカミーラは『アイゾード』で切り裂き、ルーネはジャンプして避ける。さらにルーネはそのままカミーラに向かって噛みつき攻撃を仕掛けようとする恐竜を踏み台のように踏み付け、もっと高く飛び上がってユニバーラゲスの所まで来る。

 

 

「はあぁーーー!!」

 

「シュウウウゥゥ~~!?」

 

 

目前まで迫ったルーネを見て慌てて触手で防ごうとするが、それよりも早くルーネが2本の刀で真っ二つに切り裂いた。

 

 

「シュ、ウゥゥゥ~~・・・」

 

 

切り裂かれたユニバーラゲスは、体を発光させながら消滅した。

 

 

「ガアアァァ!?ギィッガアアアアアァァァァ!!」

 

 

戦いの最中ユニバーラゲスが消滅したところを見たアクエリウスは激しく鳴き声を上げ、目から涙を流した。彼女はかつて一緒に地球に来て行動を共にしていた仲間が死んだ事に悲しんでいるのだ。

そして最愛とも言える仲間を倒したルーネを睨みつけ、仇を討とうと花から猛毒の噴煙を出して両腕の鋭い爪を構えながら走り出す。しかしルーネは口を閉ざして噴煙を吸わないようにしながら刀で爪を防ぎ、そのままアクエリウスの腹を蹴り、さらに頭に膝蹴りを食らわせて怯ませた後、バックステップで距離を取る。

 

 

「お前の仲間を思う気持ちの強さ。見事なものだ。その気持ちに応えて・・・私の技を魅せよう。奥義・斬風乱舞!!」

 

 

ルーネの放った技は、双剣に自分のエネルギーで集めた風を組み合わせて勢いよく振り、それにより作り上げた鋭い風の刃をいくつも相手に放つものだ。

放たれた刃はアクエリウスの両手両足、花、首等を切り落とした。そして残った体も支えるものがなくなって落下した。

倒した後ルーネはアクエリウスの体を丁寧に置き、首の傍に花を添えてあげた。

 

 

「アクエリウス・・・私は超獣でありながら仲間思いのお前の事を忘れない。もし蘇ったりした時は、今度は刀ではなく、花を持って会いたいものだ」

 

 

優しく言いながらルーネはアクエリウスの亡骸に手を合わせる。そして少し経った後立ち上がり、残りの敵を倒しに向かうのであった。

 

 

 

一方カミーラは、リーシャに危害が及ばないように注意しながらメトロン星人Jr含む4体を相手に互角の戦いを繰り広げていた・・・と言っても実際積極的に戦っているのはメトロン星人Jrとユニタング、恐竜の3体だ。

メトロン星人Jrがパンチを繰り出せばカミーラは手で払うように受け流し、逆にビンタを食らわせる。

ユニタングが角を飛ばして攻撃すると『アイゾード』で切り裂き、そのまま体にも斬りつけてダメージを与える。

恐竜が口を大きく開けながら突進攻撃して来れば『カミーラウィップ』で口に巻き付け、そのまま犬を躾けるように引っ張って投げ飛ばす。

それならばと3体が同時に攻撃しようと同時に突進する。しかしカミーラはジャンプして避けて同士討ちを仕掛ける。その後バレリーナのように優雅に着地する。

3体がこの様子なら残っていたガーゴルゴンは何をしているだろうか?彼女は少し離れた所でやる気なく両肩の蛇の口から青色の稲妻状の破壊光線を放つだけだ。しかも適当に放っているので、味方に命中する事もあった。

 

 

「くそ!くっそ~~!どうなっているんだ!?」

 

「ふふ、どうしたの坊や。これが貴方の力なの?四天王になる割には弱すぎるし、器が小さいわね」

 

 

思い通りに部下達が動かず、攻撃も全く当たらない事にメトロン星人Jrは怒りのあまりその場で地団駄を踏む。それとは対照にカミーラは自分のペースに持ち込んでいる為、余裕の表情をし、指でコイコイと挑発したりする。

 

 

「ば、馬鹿にするな!ユニタング、さっさと糸で捕まえろ!!」

 

「ユシャアアアアァァァッ~~!!」

 

 

指示を受けたユニタングは口と両手の鋏から大量の白い糸を噴射し、カミーラを捕らえようとする。しかしカミーラは氷の鞭『カミーラウィップ』で糸を全て絡め取り、逆にユニタングに巻き付けて動けなくする。

そして鞭を両手で掴んで力一杯振り回し、そのまま投げ飛ばした。

 

 

「キュイッ!?アァオオォーーーーーッ!!」

 

「ユシャアアァァ!?」

 

 

投げ飛ばした先にはガーゴルゴンがいて、ユニタングは勢いよく彼女にぶつかってしまった。ガーゴルゴンはいきなりぶつかってきたユニタングに怒り、肩の蛇を伸ばしてユニタングの両腕に噛みついて何度も地面に叩きつけた。さらに両手の爪で切り裂いたりする。

無論ユニタングも暴れて引き離そうとするが、ガーゴルゴンの方が力が強い為に攻撃され続けた。

 

 

「キュウゥーーー!アァオオォーーーーッ!!」

 

 

ガーゴルゴンは尻尾の先端をガラガラヘビのように振動させ、口の中にある目にエネルギーを集約させていく。そしてそこからゴルゴン伝説の元であり、あらゆるものを石に変える効果がある『石化光線』を放つ。

 

 

「ユシャアア、アアァァァ、ァァ・・・・・」

 

 

光線を食らったユニタングは、脚から少しずつ石化していく。必死に助けを求めるように鋏を上に掲げるユニタングだが、とうとう完全に石化してしまった。

 

 

「キュウッ!アァオーーー!!」

 

 

ガーゴルゴンは石化したユニタングにゆっくり近付き、両手の爪で壊し始めた。如何にバラバラにされても再び活動する事ができるユニタングでも石になってしまってはどうする事もできず、完全に破壊されてしまった。

自分に無礼を働いた奴を倒せて、ガーゴルゴンは勝利の鳴き声を上げる。その光景はカミーラとメトロン星人Jr達にも見えた。メトロン星人Jrは激しく怒鳴り声を上げる。

 

 

「が、ガーゴルゴン!何をやっているんだ!味方を倒す奴がいるか!?」

 

「あらあら、これはとても良いモノを見られたわ。配下の者をまとめきれず、挙句の果てに裏切られて喚き散らす坊やの姿を(笑)クロウ様の足元にも及ばない惨めな子ね」

 

「なっ!?ぐうぅ~~!!」

 

 

喚き散らすメトロン星人Jrの姿を見てカミーラは本当に面白そうに笑う。また、安全な所で見ていたリーシャもつい笑い出してしまう。そんな彼女達の元へルーネが合流した。

 

 

「カミーラ、リーシャ、無事か?」

 

「えぇ、私は大丈夫!」

 

「私も何の心配もないわ。寧ろもっと遅く来ても良かったのに」

 

「何を言う!例えどんな状況でも仲間の元へ早く来るのは当然だ!」

 

「そう・・・ルーネ、貴方は本当に良い子ね。愛するクロウ様の次に好きになりそうだわ」

 

 

そう言いながらカミーラはルーネの頬を優しく撫でる。突然の行動にルーネは勿論、リーシャも顔を真っ赤にする。そんな時、メトロン星人Jrが笑いながら彼女達に言う。

 

 

「アッハハハ!愛するクロウ様だって~~?アイツの何処がいいのさ!あんなの唯の獣の王じゃないか!」

 

「「「!!」」」

 

 

今アイツは何て言った?クロウの事を獣の王だと?愛する人を侮辱された事にリーシャ、ルーネ、カミーラの3人は心の底から怒り出す。

 

 

「お前・・・今私のクロウ様の事を何て言った?」

 

「私のクロウの事を獣の王ですって?」

 

「随分ふざけた事を言うわね。私のクロウに!」

 

 

3人がそれぞれ“私の”と入れているのを置いといて・・・彼女達は凄まじい殺気を放つ。それを受けたメトロン星人Jrは恐怖のあまりその場を動けなくなってしまう。しかし今の彼女達に慈悲の言葉はない。

 

 

「ルーネ、一気にいくわよ!」

 

「ああ!承知した!」

 

 

掛け声と同時に2人は走り出す。それぞれ手に極限まで鋭くさせた武器を手に持ちながら・・・。

 

 

「ひぃっ!お、おい!早く行け!!」

 

「ピュヴヴゥ!?ピュ、ピュヴヴヴヴヴゥゥゥッ~~!」

 

「ええい!さっさと行け!!」

 

 

メトロン星人Jrは最後に残った忠実な部下の恐竜に迎え撃つように命じるが、恐竜は完全に戦意喪失して怯えていた。

しかしメトロン星人Jrは容赦なく背中を蹴って無理矢理行かせる。

 

 

「「邪魔だ/よ!!」」

 

 

そんな恐竜をルーネとカミーラは走りながらそれぞれの得物を振る。すると恐竜の首はゆっくりと落ちていった。

哀れ恐竜は怒りに燃える乙女達の最初の犠牲者になってしまった。だが安心しろ。もうすぐ君の主人も後を追うから!

 

 

「く、来るなーーー!!」

 

 

迫り来る乙女・・・いや、メトロン星人Jrにとっては悪鬼2人に対して、必死にラウンドランチャーと両手から『ショック光線』を放つ。

だがルーネとカミーラは素早い動きで避けて目の前までやって来た瞬間、目にも止まらない速さでメトロン星人Jrの全身を切り裂いた。

そして2人が刀をしまい、剣を消したのと同時にメトロン星人Jrのラウンドランチャーが粉々になりながら落ちていき、それに続くように両手両足がバラバラになって崩れ落ちた。

 

 

「あ、あぁ・・・嘘、だ。僕が・・・こんなところで・・・!」

 

 

目の前で起きている事が信じられず、メトロン星人Jrがそう呟いた瞬間、彼の顔に切れ目が入ってバラバラになり、そのまま絶命した。

怒りの対象を倒せた事でルーネとカミーラ、そしてリーシャの怒りは収まり、3人はスッキリしたような表情になる。

 

 

「ふぅ~、ようやく気持ちが落ち着いてきた」

 

「本当ね。あんな奴には二度と会いたくないわ」

 

「ルーネ!カミーラ!アレを見て!!」

 

 

2人の元へ駆け寄ったリーシャが指差した方向には黒い穴が開いていた。どうやら宇宙仮面とメトロン星人Jrが倒された事で隠されていた異次元空間の出入り口が出現したようだ。

 

 

「あそこを潜ればきっと元の場所へ戻れてクロウさんに会えると思う」

 

「ならば迷う事はない。このような所に長居は無用。急ぎクロウ様の元へ行こう」

 

「そうね。それじゃ、リーシャは私の手に乗って。そうすれば安全だから。それから・・・貴方達も一緒に来なさい」

 

 

リーシャを手に乗せながらカミーラは後ろに向かって声を掛ける。後ろにはビオランテとガーゴルゴンがいた。

ビオランテは先程助けてくれた恩がある為素直に彼女達について行こうとするが、ガーゴルゴンはどうするか迷うような仕草をする。

そんな彼女にカミーラはクロウの凄さと偉大さを話した後「此処にずっといる事になってもいいのか?」と言い、それを聞いてガーゴルゴンはそんなに言うなら会ってみようと思い、ゆっくり頷いて彼女達に付いていく事にした。

こうしてリーシャ達3人は、新たな怪獣2体と一緒に異次元空間を脱出したのであった。

そして一刻も早く愛するクロウと合流するべく、先を急ぐのであった。

 

 




【大怪獣バトルファイル】
バイオ怪獣ビオランテ


ある人間の手によってゴジラ細胞と人間の女性の細胞が薔薇に融合されて誕生した怪獣。
全身が植物の蔓に覆われてその周りから無数の口のついた触手を生やしていて、頭部が鰐とゴジラが合体したような顔が特徴である。
主な武器は口のついた触手と口から出す『強酸性放射能樹液』である。
かつて自分がいた世界でゴジラと戦い、最後は金色の粒子になって巨大な薔薇の姿になって宇宙から地球を見守っていたが、ヤプールの手によってこの世界に連れて来られ、彼の科学力で前の姿に戻された上に魔力によって操られてしまう。
しかしモスラ・レオの技によって魔力は浄化され、人間の心を取り戻しながら解放された。そしてリーシャ達と同じく解放されたガーゴルゴン一緒に異次元空間を抜け、その後クロウの元へ行く事になるのはもう少し後の話である。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。