俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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皆様、お待たせしました。
今回からまた原作通りに物語が進んで行きます。いろいろなレイオニクス達とあのハンターからの挑戦をクロウ達はどう切り抜けるのでしょうか。
感想と評価をお待ちしております。

超合体怪獣グランドキング、魔王ヤマタノオロチ、剛力怪獣シルバゴン
プラズマ怪獣アースゴモラ、カプセル怪獣ミクラス
キール星人グランデ、X星人カイザー、どくろ怪獣レッドキング、宇宙隕石怪獣モンスターX
分身宇宙人ガッツ星人(RB)、宇宙海人バルキー星人(RB)、変身怪人ゼットン星人(RB)
黒幕宇宙人キラアク星人(RB)、集団宇宙人フック星人(RB)
宇宙ロボット・キングジョーブラック、宇宙凶険怪獣ケルビム、宇宙海獣レイキュバス
岩石怪獣ガクマβ、宇宙礫岩怪獣グロマイト、地底怪獣テレスドン
彗星怪獣ドラコ(再生)   登場




第36話 新たな戦いの地平で

異次元人ヤプールとの戦いに決着をつけたクロウ一行。

新しい怪獣や仲間を得られた喜びを感じながら次なる戦いへ進んで行くのであった。

 

 

 

此処は、惑星ハマーのとある地帯―――

 

 

「ギシャアアアァァァッ!!」

 

「キャアァカァァァッーー!!」

 

 

岩と砂しかないこの場所で、今まさに2体の怪獣が戦うとしていた。

一方はかつて惑星ボリスでクロウ達と戦いを繰り広げた地底怪獣テレスドン。

もう一方は頭の短い5本の角と黒いタイルの様な皮膚が特徴の彗星怪獣ドラコ(再生)である。

何故“再生”であるのかと言うと本来のドラコは角が1本で、背中に翼が生えて両手が鎌なのだ。

そして2体の近くには例の如くレイオニクスが2人おり、テレスドンの方にいるのは頭の細長い触覚と1つ目が特徴の変身怪人ゼットン星人(RB)で、ドラコ(再生)の方にいるのは薄透明な服を着ていて大きな耳が特徴の集団宇宙人フック星人(RB)だ。

 

 

「俺のテレスドンが勝つ。ゼ~ットン!」

 

「馬鹿め!勝つのは俺のドラコだ!」

 

 

互いに自分が操る怪獣が勝つと言い張るレイオニクス達を合図にレイオニクスバトルが開始された。

テレスドンとドラコ(再生)は互いにパンチやキックを放って相手を攻撃し、一進一退の攻防を繰り広げる。しかし突然テレスドンが大きく唸り声を上げると、自身の体を高速回転して突進する技『ドリルスピンタックル』でドラコ(再生)を吹っ飛ばした。

 

 

「キャアァカァァァッーー!?」

 

「ギシャアアアアアアァァァァッ!!」

 

 

吹っ飛ばされて倒れたドラコ(再生)に追い打ちをかけようとテレスドンはキックを放つ。しかしドラコ(再生)はすぐに立ち上がってテレスドンの足を掴んで攻撃を防ぎ、そのまま投げ飛ばした。そして今度は自分だ!と言うかのようにテレスドンの頭を掴んで左右に振り回し、追撃をかけるがテレスドンは左手を勢い良く振って張り手を食らわせて反撃する。バトルがさらに激しくなると思った時、突如何処からか光線が放たれてテレスドンとドラコ(再生)を撃ち倒した。

 

 

「なにっ!?」

 

「あぁっ!ドラコが!?」

 

 

突然の事に2人は驚きの声を上げる。そして光線が放たれた方向を見つめるとそこにはあのキングジョーブラックがいた。

バトルを邪魔した奴に対して怒り狂うゼットン星人(RB)だったが、相手がキングジョーブラックだと分かると実力が違うと内心悟って悔しそうに自分のバトルナイザーを握りしめる。すると彼の元に1人の兵士・・・否、ペダン星人がやって来た。

 

 

「だ、誰だ貴様!?」

 

「レイオニクスハンターだ!!」

 

 

名乗るのと同時にペダン星人は銃を抜いてゼットン星人(RB)を射殺する。そしてそのままフック星人(RB)も撃とうと銃を構えるが・・・。

 

 

「た、頼む!助けて。助けてくれ。助けて下さい!」

 

 

殺されたくないあまりバトルナイザーを置き、必死にお願いするフック星人(RB)を見てペダン星人は撃つのを戸惑う。

その隙をついてフック星人(RB)は隠し持っていた短剣を投げるが、ペダン星人は素早く躱してフック星人(RB)を撃ち倒した。

するとペダン星人が被っていたヘルメットのマスク部分が消えてその素顔がはっきりした。なんとそのペダン星人の正体は死んだと思われたダイルだった。彼は重傷を負いながらも生き残って怪我を治し、再びレイオニクス達を抹殺していたのだ。

だがダイルは使命を果たせたと言うのにどこか不機嫌な感じだった。

 

 

「ああああーー!!何なんだこの気分は!?何故こんな苦い気持ちになる!」

 

 

そう言った瞬間、ダイルの脳裏にレイの姿が浮かんだ。

 

 

「アイツのせいか?アイツのせいでこんな事に・・・?」

 

 

レイの事を考えるダイルだったがいくら考えても答えが出る事がなく、さらに苛立ってその場にある岩を蹴って八つ当たりする。

そしてある程度落ち着いたところでダイルは惑星ハマーのとある場所にあるペダン星人の母艦に帰還し、ペダン星人を指揮するハーラン司令官に今回の結果を報告した。

 

 

「ダイル、早速レイオニクスを5人仕留めたそうですね。しかもあの怪我から復帰してたった2日で、流石我が星のレイオニクスハンター。感心しましたよ」

 

「恐れ入ります。ハーラン司令官閣下」

 

「・・・でも、1つ不満もあります」

 

「不満?」

 

「地球のレイオニクス、ピット星のレイオニクス、ねこ舌星のレイオニクス、ザム星のレイオニクス、そしてモンスターキングと名乗る最強のレイオニクス達を、何故真っ先に抹殺しないのですか?聞けば2度も殺し損ねているとか・・・狙った獲物は必ず逃さない、それがお前の誇りだった筈・・・違いますか?ダイル」

 

「・・・・・」

 

「今すぐ行きなさい。そして抹殺するのです。全てのレイオニクス達を、お前のその手で!」

 

 

ハーランの指示に従って、ダイルは頭を下げたまま無言でその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

一方クロウ達は、戻って来て早々レイオニクスバトルを行っていた。しかも今回の相手は因縁深い奴であった。

 

 

「地球のレイオニクス!この前は油断したが今度はそうはいかんぞ!」

 

「ピット星人!てめぇもだ。今度こそお前をブッ飛ばして、俺の強さを見せつけてやる!」

 

 

怒りと憎しみが籠った声で宣言する2人の宇宙人。一方はかつてレイと戦って敗れたガッツ星人(RB)で、もう一方はリーシャと戦って敗れたバルキー星人(RB)だ。

そして彼らとは別にもう1人、女性のレイオニクスがいた。尼僧のようなケープを着た外見をしているのが特徴のキラアク星人(RB)だ。彼女は傲慢な態度でクロウに話し掛ける。

 

 

「やれやれ、あのお二方は血の気が多くて困りますわ。まぁ、彼らの事はほっといて・・・はじめましてモンスターキング・クロウさん。私はキラアク星人。貴方を倒して全ての怪獣達を支配する者ですわ」

 

「ふん、ただの鉱物生命体がでかい口を叩くではないか」

 

「当然ですわ。なにしろ私の操る怪獣達はとても可愛く、強い子達なんですから。行きなさい!」

 

 

そう言ってキラアク星人(RB)はバトルナイザーを掲げて自分の手持ち怪獣を召喚する。それに合わせてガッツ星人(RB)とバルキー星人(RB)も召喚する。

 

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「ガアァァギャァァァォォォン!!」

 

「ガッオオオォォァァァアン!!」

 

「グッギャアアアオォォーーン!!」

 

「ギシュウウウウウッ!!」

 

 

召喚された怪獣はガッツ星人(RB)とバルキー星人(RB)が1体、キラアク星人(RB)が2体の合計4体だ。

上の鳴き声から順に1体目は四足歩行で背中の薄赤色と黄土色の大小な棘と頭部に2本の角があるのが特徴の岩石怪獣ガクマβ。

2体目は同じく四足歩行で体中が岩石や瓦礫等を食べてできた厚く黒い鎧に包まれているのが特徴の宇宙礫岩怪獣グロマイト。

3体目は頭の長い角とヒレ状の耳、長い爪、棘がついた瘤のある尻尾が特徴の宇宙凶険怪獣ケルビム。

そして最後が両腕の大小の鋏を持っているのが特徴の宇宙海獣レイキュバスだ。

 

 

「捻り潰せケルビム!」

 

「切り刻んでしまえレイキュバス!」

 

「叩き潰しなさいガクマ、グロマイト!」

 

 

指示を聞いた4体はそれぞれ咆哮を上げながら腕を振るったり、鋏を鳴らしたり、足を上げたりしてクロウ達を威嚇する。

 

 

「成程、そういう怪獣達か・・・なら今回のメンバーはこいつ等だ。行け!グランドキング!!ヤマタノオロチ!!」

 

「行きなさい!シルバゴン!!」

 

「頼むぞ、ミクラス!!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「グゥエエエエエゥゥゥーー!!」

 

「グギャオオオオオォォォォ!!」

 

「ゴシュィィィィィィィィン!!」

 

「ガアアアァァァッ!!」

 

 

クロウ達が召喚したのはグランドキングとヤマタノオロチ、シルバゴン、そしてウルトラセブンから授かったミクラスである。

各陣営の怪獣達はそれぞれの相手を睨み付けながら対峙する。そんな彼らの上空をペンドラゴンとギガ・ロボフォーが飛行し、戦いの様子を眺めていた。

 

 

「いよいよミクラスの初陣ね。どこまで戦えるかしら?」

 

「きっと強いですよ。なんたってウルトラセブンから託された怪獣ですからね!」

 

「そうだな。必ずレイは勝つ!」

 

「それはクロウ様とリーシャも同様だ」

 

「グェグェグェ!当然ノ事ダナ」

 

「あぁ・・・けどどうせなら俺が戦いたかったぜ。新しく仲間になった怪獣達の力をクロウ様に見せたかったのによ~」

 

「それなら僕も同じだよ。はぁ~~」

 

「2人とも拗ねないの。クロウ様ならきっと別の相手で戦わせてくれるわよ」

 

「そうだ。ロードは俺達の願いをちゃんと叶えてくれる」

 

「へへ、全くその通りだぜ!」

 

「皆様、そろそろ始まりますよ!」

 

 

トンチキの声を聞いて全員が再び戦いの場に目を向けるとグランドキング、ヤマタノオロチ、ガクマβ、グロマイトが勢いよく突進した。

 

 

「グゥエエエエエゥゥゥーー!!」

 

「グギャオオオオオォォォォ!!」

 

「ガアァァギャァァァォォォン!!」

 

「ガッオオオォォァァァアン!!」

 

 

4体が同時にぶつかり合った後、グランドキングVSグロマイト、ヤマタノオロチVSガクマβの組み合わせで戦闘を続行した。

さらにその後にはシルバゴンVSレイキュバス、ミクラスVSケルビムの組み合わせで激突した。

 

 

「グゥエエエエエゥゥゥーー!!」

 

「ガアァァギャァァァォォォン!!」

 

 

最初はグランドキングVSグロマイトで、グロマイトが両足を前に突き出して押し倒そうとするが、グランドキングはそれを巨体で受け止める。そして片方の鋏でグロマイトの首を掴んで動きを止め、もう片方の鉤爪で背中を何度も攻撃する。

自分の体は鎧に守っているから大丈夫!そう思うグロマイトだが、皆様ご存知の通りグランドキングの鉤爪は鉄である。岩石や瓦礫等でできたグロマイトの鎧を何度も攻撃する事で粉々に破壊してしまった。

 

 

「ギイィィィッ!ガアァァギャァァォォン!?」

 

 

背中の鎧が破壊された事にグロマイトは驚きと悲鳴が混じった鳴き声を上げる。

そんなグロマイトにグランドキングは容赦なく眼から『グランレーザー』を放つ。光線は背中に命中し、グロマイトは地面に倒れて鎧はさらに粉々になってしまった。

 

 

「ガアァァギャァァァォォォン!!」

 

 

だがグロマイトはグランドキングの攻撃を受けても怯まなかった。剥き出しになってしまった自身の本体を修復せず、逆に粉々になった鎧の破片を猛スピードで食べる。そして立ち上がるのと同時に破片を元に作った『岩石弾』を至近距離から勢いよく放つ。

しかしグランドキングは『岩石弾』を食らっても少しよろめくだけで大したダメージを受けなかった。逆に岩石で体が汚れた事に怒って、再び鉤爪で激しく攻撃を加えるのであった。

 

 

 

次はヤマタノオロチVSガクマβである。

 

 

「グギャオオオオオォォォォ!!」

 

「ガッオオオォォァァァアン!!」

 

 

ガクマβは角を前に突き出し、前足の爪を長く伸ばした後猛スピードで走り出してヤマタノオロチを切り裂こうとする。

しかしヤマタノオロチは8つの首のうち4つの首の両目から『覇帝紅雷撃』を放ち、それによってガクマβが動きを止めた隙に残り4つの首の口から『高熱火炎』を吐いて攻撃する。

 

 

「ガッオオオォォァァァ!?」

 

 

光線と火炎を受けて苦しむガクマβ。必死に反撃しようと口から『石化光線』を放とうとするが、それよりも先にヤマタノオロチが2つの首を伸ばして左右から喉元に噛みつき、そのまま真上に上げて光線が当たらないようにした。

当然ガクマβは振り解こうと両足の爪を振るうが、ヤマタノオロチの首はくねくねと器用に動いて避ける。それならば、とガクマβは角と背鰭から電撃を放つ。

 

 

「グギャアアァァッ!?」

 

 

流石のヤマタノオロチもこれには驚いてガクマβの首を離してしまう。その隙をついてガクマβは体勢を整えて口から再び『石化光線』を放つ。

これが決まればガクマβの勝利は確実であったであろう。しかしヤマタノオロチは素早く体勢を立て直し、8つの首の両目全てから『覇帝紅嵐舞』を放って『石化光線』を相殺する。

そしてさっきのお返しと言わんばかりに全ての首を伸ばして再び喉元に噛みつく。しかも今度は角にも噛みついている。

 

 

「グギャオオオオオォォォォ!!」

 

 

唸り声と共に力を込めながらヤマタノオロチはガクマβの喉元と角を噛み千切る。それによりガクマβの喉元と角が生えていた部分からは血が噴き出し、大ダメージによりその場に倒れた。

 

 

「何をしているのですガクマ!早く起きなさい!」

 

 

キラアク星人(RB)は苛立ちながらガクマβに指示を出す。だが誰がどう見てもガクマβは戦闘不能状態だ。

 

 

「おい、もうこれ以上ガクマβを戦わせるのは無理だ。もう1体もグランドキングに押さえられているし・・・いい加減諦めたらどうだ?」

 

「黙りなさい!私が貴方如きに、たかが獣の王如きに負ける筈なんてありえません!」

 

 

戦況の流れを説明して降伏を進めるが、キラアク星人(RB)は往生際悪く自分の敗北を認めなかった。それどころかクロウの事を“獣の王”と罵った。それを聞いてリーシャ達は烈火の如く怒って、今すぐにでも殺そうと外に出て行こうとするのをタクト達が必死に押さえる。しかしクロウは至って冷静だ。

 

 

「せっかく助けてやろうと思ったのに・・・どうやら余計な情けだったようだな。ヤマタノオロチ、一気に片を付けろ!覇帝紅嵐舞・ゼロシュートだ!!」

 

「グギャオオオオオォォォォ!!」

 

 

クロウの指示に従ってヤマタノオロチは新必殺技を繰り出す。8つの首がガクマβに再度噛みついて『覇帝紅嵐舞』を放ち、そのまま首を上に向けて光線により持ち上げて勢いよく投げ飛ばす。ガクマβは地面に落下したのと同時に爆発した。

これはレイのゴモラが得意としている『超振動波・ゼロシュート』を真似した必殺技『覇帝紅嵐舞・ゼロシュート』である。

 

 

「グギャオオオオオォォォォ!!」

 

 

ガクマβを倒した事にヤマタノオロチは勝利の咆哮を上げ、次なる標的をグロマイトに変えてグランドキングの加勢に向かうのであった。

 

 

 

一方シルバゴンVSレイキュバス、ミクラスVSケルビムの方では・・・。

 

 

「ゴシュィィィィィィィィン!!」

 

「ギシュウウウウウッ!!」

 

 

以前惑星ボリスにてレイキュバスと戦った事があるシルバゴンは、その経験を元にレイキュバスの鋏攻撃、口から吐く『冷却ガス』と『火炎弾』を躱したり、受け止めたりする。そして自慢の剛力で殴ったり、頭突きや尻尾等を使ってダメージを与えて戦況を有利に進めていく。

しかしミクラスの方は不利な状況であった。ケルビムが放つ3千度の火球『弾道エクスクルーシブスピット』で怯えて尻餅をつき、その隙をつかれて棘がついた瘤のある尻尾『超音速クラッシャーテイル』と頭の鋭い角『裂岩マチェットホーン』を連続で食らって逃げ出してしまった。

その様子を見てリーシャ達は唖然としてしまう。

 

 

「ヌハハハハ!ウッハハハハハ~~!!」

 

 

ガッツ星人(RB)は自分の怪獣の方が有利で、ミクラスの無様な姿を見て大きく笑い声を出す。また、声を出さずともバルキー星人(RB)やキラアク星人(RB)も同様に嘲笑うかのような表情をしていた。

 

 

「やっぱりダメか。中距離の火球、近距離の尻尾、さらに至近距離は鋭い角と・・・ケルビムは攻守ともに完璧な怪獣なんです。とてもミクラスの敵う相手じゃない」

 

「いや、そうでもないさ」

 

「えぇ、前にも同じような事があったわ。その時クロウさんから戦いは最後の瞬間まで何が起きるか分からない事を教えてもらった。今も同じよ」

 

 

そう言ってリーシャは視線を戻し、全員も同じように視線を戦場へと戻す。その頃怯えるミクラスにレイが激励していた。

 

 

「ミクラス、お前の力はそんなものじゃない。立て!見せてみろ。お前の本当の実力を!」

 

 

レイの言葉を聞いてミクラスは闘志を燃やしながら立ち上がり、両腕をギュッと握りしめて目を強く瞑りながら勢いよく突進した。

そしてミクラスの強烈な突進攻撃は見事に命中してブッ飛ばした・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グランドキングを!!!

 

 

「グゥエエエエエエエゥゥゥゥゥーー!?」

 

 

 

ドッズウウウウゥゥゥン!!!

 

 

 

グロマイトを攻撃する為、片足を上げていたグランドキングは何故かこちらに向かって走ってきたミクラスの突進攻撃を避けられずに食らって倒れる。

体重が21万トン以上もあるグランドキングが倒れた事で辺りに大きな地震が起きた。

 

 

「うおっ!」

 

「うわぁ!?」

 

「きゃあぁ!?」

 

「あ痛っ!!」

 

 

その凄まじい揺れに誰もが立っていられず、全員がバランスを崩して尻餅をついたりする。その間ミクラスは目を瞑ったまま味方とは知らずにグランドキングに馬乗りになり、何度もパンチを浴びせる。

 

 

「待てミクラス!それは違う!!」

 

「ヤマタノオロチ、ミクラスを止めろ!」

 

「グギャオオオオオォォォォ!!」

 

 

ミクラスの暴走を見てレイは慌てながら叫び、クロウはヤマタノオロチに指示を出す。ヤマタノオロチはすぐさま首を伸ばしてミクラスの両腕に噛みついて押さえる。そして残った首でミクラスに呼び掛ける。

 

 

「ギャオオオォォ!グギャオオオォォッ!!」

 

「ガオォ~~ン?」

 

 

レイやヤマタノオロチの声でようやく我に返ったミクラス。恐る恐る目を開けて下を見て、自分が仲間のグランドキングを攻撃していた事に気が付いて口と頭を押さえる。

そしてすぐさま退いて必死に謝るが・・・。

 

 

「グゥエエエエエエゥゥゥゥゥーーー!!!」

 

 

当然グランドキングの怒りは収まらず、大きく唸り声を上げながら立ち上がって鉤爪を振り上げてミクラスの頭を思いっきり攻撃した。

 

 

 

バッキイィィン!!!

 

 

 

強烈な一撃を受けた事でミクラスの頭の角は折れ、さらに血が噴き出る等の大ダメージを食らってその場に倒れた。しかしグランドキングはまだ怒っていて、ミクラスに止めを刺そうと迫る。

 

 

「マズイ!レイ、急いでミクラスを戻せ!!」

 

「あ、あぁ・・・戻れミクラス!」

 

 

グランドキングが踏み付けようとした間一髪のところでミクラスはレイのバトルナイザーに回収される。今回は本当に危なかった。普段滅多に怒る事はなく大人しいグランドキングだが、流石に裏切った奴には容赦しないか(汗)

そう思っているとまたガッツ星人(RB)達の笑い声が響いた。

 

 

「ヌッハハハハ!なんて間抜けな怪獣だ。よくそんな奴を仲間にしたもんだ~~!」

 

「全くだぜ。俺だったらあんな弱い奴、絶対いらねぇな!」

 

「やはり何年時が過ぎようと地球人は愚かですね。やれやれ・・・」

 

 

散々とミクラスを馬鹿にしまくる3人のレイオニクス達。しかもレイの事まで馬鹿にするとは・・・これはどんな事があろうと許せないな。リーシャも同じ気持ちなのか、怒った表情になって俺と一緒に言い返そうとした時、レイが手で制した堂々と言った。

 

 

「違う!ミクラスは間抜けな怪獣じゃない。アイツはまだ戦いに慣れていないだけだ。それに弱い怪獣でもない!!そして地球人も愚かじゃない!俺達を舐めるな!!」

 

「フン!だったらどうする?お得意のゴモラでも出すのか?」

 

「あぁ・・・だが次に出すのはお前が知っているゴモラではなく、新しく仲間になったゴモラだ!」

 

「何!?」

 

「行け!アースゴモラ!!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「ギシャアアアアアァァァァーーー!!」

 

 

レイが新たに召喚したのはアースゴモラであった。ゴモラよりも大きく咆哮を上げ、手足や体を動かしながらアースゴモラはケルビムを睨み付ける。

ちなみに今の彼はヤプールに操られていた時とは違って、体の様々な部分にある結晶が紫色ではなく緑色だ。

 

 

「ギャ、ギャアアアオォォ~ン・・・」

 

「何を怯んでいるケルビム!そいつもさっきの奴と同様に間抜けな怪獣に決まっている!さっさと倒してしまえ!!」

 

「グッギャアアアオォォーーン!!」

 

 

アースゴモラの咆哮を聞いてケルビムは怯んでしまうが、ガッツ星人(RB)の激励を聞いてすぐさま口から『弾道エクスクルーシブスピット』を何発も放つ。

しかしアースゴモラは迫り来る火球を見ても怯まず、ケルビム目掛けて猛突進していく。

そしてそのまま角でケルビムをブッ飛ばし、倒れた彼の尻尾を掴んで勢いよく地面に叩きつけた。

 

 

「ええい、何をしているケルビム!反撃しろ!!」

 

「グッギャアアアオォォーーン!!」

 

「ギシャアアアアアアァァァーーー!!」

 

 

ガッツ星人(RB)の指示を聞いてケルビムは立ち上がったのと同時に尻尾を大きく振り回して攻撃する。対するアースゴモラも尻尾を振り、両者の尻尾は絡み合ってそのまま力比べになる。少し経つとアースゴモラが引っ張り上げ、ケルビムは引っ張られた挙句転倒する。力勝負はアースゴモラの方に分があったようだ。

 

 

「ギシャアアアアアアァァァーー!!」

 

「ギャアアアオォォーーーン!?」

 

 

そのままアースゴモラは絡み合ったままの尻尾を再び振る。それによってケルビムは振り回され、またもや地面に叩きつけられた。

これによって流石のケルビムもグロッキー状態になり、立ち上がりはしたもののふらついていた。

 

 

「今だアースゴモラ!超振動波だ!!」

 

「ギシャアアアアアアァァァーー!!」

 

 

それを見たレイはチャンスとばかりにアースゴモラに指示を出す。アースゴモラは突進して角をケルビムの腹に突き刺し、そのまま『超振動波・ゼロシュート』を食らわせて空高く投げ飛ばした。

 

 

「えっ、ひぃ、うぅ、うあああああぁぁぁーー!!?」

 

 

投げ飛ばされたケルビムが自分の方に落ちて来るのを見て、ガッツ星人(RB)は慌てて逃げようとするが間に合わず、押し潰された挙句に爆発に巻き込まれてしまった。

 

 

「ギシャアアアアアアァァァーーー!!」

 

 

ケルビムが爆発したのを確認した後、アースゴモラは大きく勝利の咆哮を上げる。レイもアースゴモラが勝って、喜んでいる姿を見て微笑むのであった。

 

 

「レイの方は終わったな。では俺達もそろそろ終わらせるとするか。なぁリーシャ?」

 

「はいクロウさん!シルバゴン、一気にやっちゃいなさい!」

 

「ゴシュィィィィィィィィン!!」

 

 

レイの勝利を見てクロウ達も決着を付けようと動く。

まずリーシャの指示を聞いたシルバゴンが既にグロッキー状態に近いレイキュバスの両鋏を掴み、力一杯捥ぎ取った。

 

 

「ギシュウウウウウウウゥゥゥゥッ!?」

 

「あぁっ!レ、レイキュバスの鋏が!?」

 

 

自慢の鋏を奪われたレイキュバスは悲鳴を上げ、バルキー星人(RB)はその様子を見て信じられないと言うかのように頭を抱える。

 

 

「これで終わりよ。シルバゴン!ゼペリオン光弾発射!!」

 

 

完全にグロッキー状態となったレイキュバス目掛けて、シルバゴンは『ゼペリオン光弾』を放つ。レイキュバスは避ける事ができずに食らって、ゆっくりと後ろに倒れて大爆発を起こした。レイキュバスが倒れたのを確認した後、シルバゴンは鋏を手に持ちながらドラミングをして勝利を喜んだ。

 

 

「そんな!?お、俺のレイキュバスが・・・負けるなんて・・・」

 

「これで分かったでしょう?あんた如きが私に勝てるなんて100万年早いのよ!」

 

「ぐぎぎ・・・くそ~お、覚えてやがれ!!」

 

 

自分の手持ちの中で最も強かったレイキュバスが倒されたのを見てバルキー星人(RB)は膝から崩れ落ち、リーシャの言葉もあって悔しさで顔を激しく歪めながら捨て台詞を言ってテレポートでその場から消えた。

リーシャとシルバゴンが勝利を収めたのと同時にクロウとグランドキング、ヤマタノオロチの方も勝利を収めようとしていた。

 

 

「グランドキング!ヤマタノオロチ!グランレーザーと覇帝紅嵐舞を同時発射!!」

 

「グゥエエエエエゥゥゥーー!!」

 

「グギャオオオオオォォォォ!!」

 

 

2体の同時に放たれた必殺技を食らったグロマイトは、悲鳴を上げる間もなく大爆発を起こして粉々になってしまった。

 

 

「わ、私の・・・怪獣達が!?そんな事が・・・あり得ません!」

 

 

キラアク星人(RB)は自分が負けた事が認められず、周りの目も気にせずに頭を抱えながら何度も左右に振る。そんな彼女も終わりの時が来た。

 

 

「煩い奴だ。これでも食らって静かにしていろ!!」

 

「ヒッ!イ、イヤアアアアアアアーーー!!?」

 

 

騒ぎまくるキラアク星人(RB)に嫌気が差した俺はギガライブナイザーを構えて、冷気属性を含ませた『モンスターショット』を撃つ。

何故冷気属性を含ませたかと言うと、キラアク星人は高温下でしか生きる事ができない種族なのだ。その為低温の所では本来の姿である石塊に戻ってしまうのだ。

よって『モンスターショット』を食らったキラアク星人(RB)は一瞬で氷漬けになり、その後粉々に砕け散ってしまった。

 

 

「やれやれ・・・鉱物生命体だけに今回は服に汚れが多く付いてしまったな」

 

「本当ですねクロウさん」

 

「あぁ、そうだな」

 

 

服に付いた氷と砂を払いながら愚痴を溢しているクロウの元にリーシャとレイがやって来る。

 

 

「それにしてもレイ、アースゴモラの戦いは良かったけど・・・ミクラスの方は何とかしないといけないわね」

 

「あぁ、その通りだ。クロウ、後でまた特訓をお願いしてもいいか?」

 

「別に良いぞ。と言うかあのまま放っておくのはミクラスは勿論、レイの為にもならないからな」

 

 

そう言って話を終えた後、リーシャとレイを連れてギガ・ロボフォーの方へ歩き出す。

 

 

「ふん、まだ汚れが付いている感触がするな。あとでシャワーでも浴びるか」

 

「それでしたらクロウさん、あの・・・私と一緒にシャワーを浴びませんか///」

 

「へっ!?」

 

「あぁ、そうするか」

 

 

クロウの呟きを聞いたリーシャがとんでもない事を言う。

一緒にシャワーを浴びるだと!?近くにいたレイはリーシャの言葉を聞いて、顔を赤く染めながら俯く。どうやら彼にはまだまだ早い内容であったようだ。しかしクロウの方は動揺せず、彼女の話に賛成しながら優しく手を繋ぐ。リーシャもクロウの手を握り返し、2人は仲良くギガ・ロボフォーに向かって歩き出す。その後をレイはまだ顔を赤くしつつ内心羨ましく思いながら追いかけた。

 

 

 

けど大丈夫だよレイ、君も遠くない未来でクロウの様に隣に自分を愛してくれる人がいるよ。しかもその人は光の者・・・おっとこの話はまた今度でね。

ちなみにシャワーの件は、リーシャに対抗してルーネとカミーラも一緒に入りました。

その後濡れた髪をタオルで拭きながら自室に戻ろうとした時、突如警報が鳴った。慌ててメインルームに入り状況を確認する。

 

 

「どうした?」

 

「ペンドラゴンの近くにペダニウム反応を確認しました」

 

「ペダニウムだと?モニターを見せろ!」

 

 

ペダニウム反応と聞いて急いで調べてみるとペンドラゴンの前にキングジョーブラックが飛んでいた。それを見たリーシャは猛スピードでペンドラゴンの方へ走り出す。

その後を俺達も追いかけてペンドラゴンに入り、いつもの部屋に入ろうとするが、中から聞き覚えのある者の声が聞こえた為全員が耳を立てながら聞く。

 

 

「レイ、貴様何故まだこの惑星にいる?地球人よ、貴様らは俺に言った。戦いは望んでいない。この男と地球に帰りたいだけだと・・・だが帰らなかった。それどころか今ものうのうとレイオニクスバトルを続けている!この嘘つき共め!最後まで勝ち残り、レイブラッドの後継者になるつもりだな?全宇宙を支配するつもりか!そして我がペダン星を!!」

 

「違う!俺が戦っているのはレイブラッドの後継者になる為なんかじゃない!」

 

「嘘だ!!」

 

「嘘じゃない!それに・・・もし後継者と言うなら俺ではなく、クロウの方が何倍も上だ!」

 

 

えっ?何故此処でそんな事を言うの!?予想だにしていなかったレイの言葉を聞いて、俺は驚きのあまりその場で飛び跳ねそうになる。

しかし驚くクロウを他所にリーシャ達はレイの言葉は正しいと言わんばかりの何度も頷く。そして話はさらに続く。

 

 

「レイはなこの戦いを一刻も早く終わらせる為、敢えてこの星に残ったんだ!

 

「何?」

 

「レイの望みはな、破滅や混乱ではない。この宇宙の平和だ!その為にレイは戦っている。勝ち残ってレイブラッド星人を倒す!それが彼の目標だ!」

 

「・・・本当なのか?」

 

「あぁ!」

 

「・・・フッフフフフ!ハッハハハハハ!!」

 

 

レイの目標を聞いたダイルはその場で大笑いする。それを見てヒュウガは怒りながら問い出す。

 

 

「レイブラッド星人を倒すだと?フッハハハ!そんな事が本気でできると考えているのか?」

 

「できるわ!レイならきっとできる!」

 

「そうさ。レイは今までだって何度も不可能を可能にしてきた!俺以上の魔法使い、いや・・・怪獣使いだ!」

 

「君も信じなよ!レイならきっと未来も救える!君の故郷だって・・・」

 

「黙れ!どんなに言うがこいつは1人だ。たった1人で何ができる!?」

 

「・・・1人じゃない。俺にはボスや皆、俺を信じて戦ってくれるゴモラ達、そして俺が・・・いや、俺達が胸を張って誇れて仕える事ができる偉大なる主人、モンスターキング・クロウが見守っているんだ!!」

 

 

オ、オイイイイイィィィィーーー!!レイさんよ!お前また何言っちゃっているの!?いつからそんな事を言える子に育っちゃったの!?

いや確かにいろいろと世話して上げたり、修行して上げたりしたけど・・・まさかそんな馬鹿な事が!?そしてリーシャ達よ、そんなに激しく同意しなくてもいいよ!猛スピードで首を縦に振って、首外れはしないかい!?あとこんな事をしているせいで俺達完全に入るタイミングを逃しているよ。

 

 

「ならばその証拠を見せてもらおう!」

 

 

そう言ってダイルが腰に付けてあった機械を手に持って操作すると円盤状態で待機していたキングジョーブラックが合体して地上に降り立った。

 

 

「まずはキングジョーブラックを倒してみろ!寝言はその後に聞いてやる」

 

 

次にダイルが腕に装着してあるリングに触れると空間転送でその場から消えた。

 

 

「ボス、行って来る。これは避けられない戦いだ」

 

「分かった」

 

 

ヒュウガの許可を得てダイルの元に向かうとするレイだったが、ドアの前に立っていたクロウ達を見て足を止める。

 

 

「クロウ・・・皆も悪いが今回の戦いは何があろうと手を出さないでくれ。ダイルに言われた事、必ず証明してみせる!だから俺とゴモラ達を見守っていてくれ」

 

「あぁ、分かっている。俺は絶対お前が勝つ事を信じているよ」

 

 

クロウの言葉にリーシャ達も同意するように頷く。それを見たレイは嬉しい表情になりながら頷き、再び走り出してキングジョーブラックの傍に立っているダイルの元へ向かった。

 

 

「行け!ゴモラ!!」

 

「ギシャアアアアアアァァァーーー!!」

 

 

召喚されたゴモラはすぐさまキングジョーブラックに向かって突進する。対するキングジョーブラックも進撃してゴモラを攻撃する。

最初は自慢の角や尻尾攻撃が通じず、キングジョーブラックに押されるゴモラだったが、レイのレイオニクスの力を受けて自身の力を全て燃やした事でレイオニックバースト状態にパワーアップした。

それを見たハルナ達はレイがまた暴走してしまったと不安の声を上げるが、クロウとヒュウガが否定した。

 

 

「安心しろ。レイは暴走状態になっていない。長い間特訓してきたおかげで今ではもう完全にレイオニクスの力を制御している」

 

「あぁ、レイの強さは本物だ!」

 

 

その後ゴモラは先程まで押されていた事が嘘であったかのようにキングジョーブラックを圧倒していた。

 

 

「ゴモラ!超振動波だ!!」

 

 

指示を受けたゴモラは『超振動波』を勢いよく発射する。キングジョーブラックは腕のランチャーで防ごうとするができず、そのまま『超振動波』を食らって体中から火花を散らしながら倒れた。

 

 

「馬鹿な・・・キングジョーブラックが・・・!?」

 

 

ダイルは強化されたキングジョーブラックが倒された事に驚きを隠せなかった。そんな彼を尻目にレイは後ろを向いてペンドラゴンに戻ろうとする。

 

 

「待て!まだ戦いは終わっていない!」

 

「いや、もう終わった筈だ」

 

 

静かにそう呟いた後レイは再びペンドラゴン目指して歩き出す。それを見てダイルは銃口を向けて撃とうとするが・・・。

 

 

「・・・・・ああぁ!!」

 

 

とうとう撃つ事ができず銃を降ろしてしまう。その間にペンドラゴンが空高く飛び、同じくギガ・ロボフォーも空を飛んで2機はその場から飛び去って行った。

ちなみに余談だが、ダイルがレイを撃とうとしなかった為にリーシャもレイを守ると言う理由でペンドラゴンの操縦席にある攻撃ボタンを押す事ができず、とても苛立った声を上げる彼女をクロウ達が必死に押さえるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、かつてクロウ達と激戦を繰り広げたキール星人グランデとX星人カイザーの方にも2体のキングジョーブラックと4人のペダン星人が襲撃していた。

 

 

「待て!貴様達、レイオニクスだな?」

 

「まぁね」

 

「Yes!」

 

 

ペダン星人達の問いに2人は堂々と答えてその場から立ち去ろうとするが、当然ペダン星人達が許さず銃を向ける。

 

 

「問答無用ってかい?いいね」

 

「ちょうどストレスが溜まっていたところだ。お前ら、良いバトルをしてくれよ」

 

 

そう言って2人は同時にネオバトルナイザーを取り出し、それぞれ怪獣を召喚した。

グランデの方はどくろ怪獣レッドキングで、カイザーの方は宇宙隕石怪獣モンスターXだ。

 

 

「ギィガアアアオオォォォン!!」

 

「グガアアアアァァァッ!!」

 

「2体ともレベル3・・・キングジョーブラックの敵ではない」

 

「へぇ~そうかい」

 

「なら試してみるかい?」

 

 

ペダン星人達は小型機械を取り出して2体に向けて調べる。そして2体のレベルがそれ程でもないと判断する。だがそれは大きな間違いであった。

なにしろ2体を操っているのはグランデとカイザーだからだ。

 

 

「ギィガアアアオオォォォン!!」

 

「グガアアアアァァァッ!!」

 

グワアッシ・・・!グワアッシ・・・!

 

 

最初に動いたのは勿論レッドキングで、足元にあった岩をキングジョーブラックに向けて蹴っ飛ばす。キングジョーブラックはそれをランチャーで叩き落とすが、レッドキングはその間に接近していて、右側にいたキングジョーブラックを自慢の怪力で圧倒する。

それを見た左側のキングジョーブラックがペダニウムランチャーで攻撃しようとするが、いつの間にか接近していたモンスターXの凄まじい格闘術を受けて大ダメージを食らってしまう。

そして2体のキングジョーブラックはあっという間にグロッキー状態になってしまった。

 

 

「何故だ?戦闘レベルは段違いの筈!あの程度の怪獣達に押される筈が!?」

 

「sorry!普通はそうなんだが・・・」

 

「俺達は普通じゃないんだ」

 

 

そうこうしている間にレッドキングは飛び蹴りでキングジョーブラックを倒し、モンスターXは両目と肩の目から放たれる電撃光線『引力光線デストロイド・サンダー』で倒した。

 

 

「あんまり良いバトルじゃなかったな」

 

「そうだな。まぁいい暇潰しにはなった・・・と言う事で俺達の勝ち!」

 

 

グランデとカイザーはレッドキングとモンスターXを回収し、今度こそその場から立ち去ろうとする。しかしそれをみすみす見逃すペダン星人達ではなく・・・。

 

 

「ええい!撃て撃て!!」

 

 

怒りを込めながら銃を構えて何発も発射する。グランデはそれを素早い動きで躱し、カイザーも素早い動きで躱しながらペダン星人達に近づき、パンチやキックで全員倒してしまった。

そして2人はのんびりと立ち去るのであった。

 

 

 

 

 

一方ダイルはペダン星人の母艦に帰還して、ハーランから先程の件について質問されていた。

 

 

「どうして殺さなかったのです?地球のレイオニクスは元よりあの場にいたレイオニクス達を?何故黙っているのです?答えなさい!ダイル」

 

「あのレイオニクス達は特別です」

 

「特別?」

 

「はい、彼らは・・・特に地球のレイオニクスであるレイはもしかしたら未来を救えるかもしれません。我がペダン星の未来を!」

 

 

決意を込めながらハーランに告げるダイル。必死に言う彼の話を聞きながらハーランは内心薄く笑うのであった。

 

 




【大怪獣バトルファイル】
カプセル怪獣ミクラス


ウルトラセブンが使役するカプセル怪獣の1体。巨大な角とバッファローに似た姿が特徴である。
主な武器は500万馬力の怪力と口から吐く『熱光線』である。
アーマードダークネスから解放されたセブンがレイに感謝のお礼と自身の代わりに手持ち怪獣として託した。今回の初陣にてケルビムと対峙するが、憶病な性格であった為に怯えて戦いの場から逃げ出したばかりか、レイの激励を受けて奮起しても味方のグランドキングを攻撃してした上に功績をアースゴモラに取られてしまうという大失態を犯してしまう。
その為バトルナイザーから戦いを見ていたクロウ達の怪獣達はおろかレイの怪獣達からも呆れられてしまう。
特にグランドキングや彼に好意を持っているモスラ親子からは“ダメな奴”と烙印を押されてしまった。それでもレイやクロウ達はミクラスを鍛えれば頼りになると思っているが、皆さんご存知の通りレイはゴモラを主に使い上にアースゴモラが大きな活躍をしたから果たしてミクラスが次に登場するのかは不明である。



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