相手は怪獣に仇なす存在とは言い難いですが、相手に容赦ない戦い方を度々しているヒーロー達と対決します。けど我らの怪獣王は戦いません(えっ!?)
それでも是非楽しんで読んでください!
また、感想と評価をお待ちしております。
深海怪獣ジグラ(RB)、深海怪獣グビラ、水異怪獣マジャッパ
深海怪獣ゲードス、円盤生物ブラックテリナ、
宇宙狩人クール星人、奇機械宇宙人ガピヤ星人サデス
流星人間ゾーンファイター・ゾーンエンジェル・ゾーンジュニア 登場
此処は、クロウ達が存在しない別世界の地球。
この地球の日本のとある家にて、ある宇宙人の一家が住んでいた。その一家はピースランド星人と言う。
元々は地球から遠く離れた大宇宙にある平和の星・ピースランド星で暮らしていたが、宇宙の悪魔・ガロガバラン星人の侵略によって星が壊滅。それによりピースランド星人はファミリーごとに宇宙船パンドラカプセルに乗りこみ、安住の地を求めて流星人間となった。
そしてその難民のうち、この一家は地球に辿り着いて「防人(さきもり)家」として生活していたが、ガロガバラン星人が地球を次なる征服目標と定めて、宇宙要塞ステーションを建設し、恐獣ミサイルを地球に送り込んできたのだ。
地球を第2の故郷と思う防人一家は、地球を守る為にガロガバラン星人に立ち向かい、日夜戦いを繰り広げていた。
そんな彼らだが、家の居間の地下にある司令施設メカルームに集まって、少し暗い表情を浮かべながら必死に機械を操作していた。
「どうですお父さん、反応ありましたか?」
「駄目だ。全く反応がない」
「そうですか・・・」
家の大黒柱である防人 陽一郎は、先程から機械を操作している父・防人 雷太にある期待を込めて訊ねるが、その期待に反する答えを言われて顔を伏せる。
また2人の傍にいる妻の防人 月子や三兄弟の1人で長女の防人 螢、末っ子の防人 明も同様に顔を伏せる。
「一体何処に消えてしまったのかしら光は・・・?」
一家が悲しんでいる理由は、三兄弟の長男の防人 光が行方不明である事だ。
彼は数日前、ガロガバラン星人が送り込んだ侵略兵器の宇宙超恐獣キングギドラを相手に、ゾーンファイターに変身して戦いを繰り広げ、金星であと一歩と言うところまで追い詰めた。そしてグロッキー状態になりながら必死に逃走するキングギドラを追い掛けていた時、突如目の前に巨大な黒い異次元空間が発生したのだ。
その異次元空間は渦巻きのように回りながら強烈な旋風を出して周りを吸い込み始める。あまりに突然の事だった為、キングギドラとゾーンファイターは逃げる事ができずに吸い込まれてしまい、空間も消えてしまった。
それ以降彼らの行方は分からなくなってしまったのだが、一家は諦めずにずっと空間を探し続けた。
しかし何日経っても見つからない為、皆が絶望になりそうになった時、突然機械からブザーが鳴って、画面のある部分が点滅したのを見て雷田はすぐに調べる。
「あった・・・反応があった!かなり小さいが、異次元空間の穴が再び発生したぞ!!」
それを聞いて一家全員が喜びの表情になる。発生した穴の中に入って、ゾーンファイターを探しに行ける。そうと分かれば、彼らはすぐさま行動を開始する。
大型宇宙船パンドラカプセルの出撃準備を整え、螢と明がそれぞれゾーンエンジェルとゾーンジュニアに変身して乗り込む。
「いいか螢、明。あの異次元空間の先には何が待ち受けているのか分からん。できる限り戦いは避け、光を見つけたらすぐに帰ってくるんだ。分かったな」
「はい、お父さん」
「分かりました!」
2人は父の言葉に返事をして、パンドラカプセルを発進させる。そして異次元空間の穴があると思われる場所に向かうと、そこにはちょうどパンドラカプセルが入れるくらいの大きさの穴があった。それを見た2人は迷うことなく穴に飛び込んだ。
異次元空間の穴の中は不安定な状態で、宇宙船は激しく揺れる。それでも2人は必死に操縦桿を握って何とか耐えて通り抜ける。
抜けた先にあったのは、彼らと同じ宇宙空間であった。
「此処は・・・宇宙?僕達、地球から少し離れた所に出ちゃったのかな?」
「いいえジェニア、此処の宇宙は私達がいた宇宙とは少し違うわ。きっと別の宇宙なのよ!」
ゾーンエンジェルがそう言った時、突如ブザーが鳴り出した。慌てて調べてみると、レーダーがある方向に向かって光の点滅を繰り返していた。
「これは・・・ファイターの反応だわ。この先にファイターがいるのよ!」
「やったねエンジェル!早くそこに行こうよ!!」
そう言って2人はパンドラカプセルを操縦して反応がある方向に向かうと、そこには見た目からにして岩だらけと分かる惑星があった。しかしあの惑星からゾーンファイターだけでなく、他にも沢山の生命反応がある事が分かった。
一体あの惑星は何なのか?何故あんな岩だけの惑星に沢山の生命反応があるのか?そう疑問に思いながら2人はその星に突入するのであった。
一方2人が突入している方の反対側では、少し小さめの1機の宇宙船が向かっていた。その宇宙船はどことなくギガ・ロボフォーに似ていた。と言う事はその宇宙船に乗っているのは・・・。
「クロウ様、まもなくゴルドニウム星に着きます」
「そうか、ご苦労だった。そのまま安全運転で着陸しろ」
「畏まりました」
宇宙船に乗っていたのはやはりクロウであった。そして彼だけでなく、その周りには操縦や様々な身の世話をしている10体のアンドロイドに、護衛役のサデスや暇だった事で付いてきたジグラ星人(RB)がいた。
「あれか?最近モンスターキングが見つけたゴルドニウムと言う鉱石がある星は?」
「そうだ。僅か一握り程の大きさでも1個の惑星に匹敵する質量とエネルギーを持つ鉱石ゴルドニウム・・・それが唯一採れる星だ」
「ワオ!あのゴルドニウムが採れるなんて・・・凄いじゃないか!」
伝説の鉱石とも言えるゴルドニウムが採れると聞いた途端、サデスは少し大袈裟な感じで両手を上げながら驚く。その仕草にジグラ星人(RB)は少し呆れながら訊ねる。
「なんだサデス、貴様そのゴルドニウムと言う鉱石を知っているのか?」
「勿論だよジグラ!さっきクロウ様が言った通りもの凄いエネルギーを持っていてね。それを使って作られた武器なんかそこらの武器とは比較にならない程の威力なんだよ。また数も少ない為にその価値は信じられないくらい金額なんだよ~!!」
「ほぉ・・・それは興味深い鉱石だな。ならば早くそこに行こうぞモンスターキング!」
「分かっている。そう焦る事はないぞジグラ。もうすぐ着くんだからな」
話を聞き終わった途端、早くゴルドニウムを見てみたいと言うジグラ星人(RB)を落ち着かせながらクロウ達は星に向かう。
そして大気圏を無事に抜けて、星の中心に建てた基地に辿り着いた。基地の近くには採掘場や選鉱場、さらに収容所まであった。
何故なら此処は元々クロウが怪獣達に酷い事をしてきた奴ら・・・ノワール星人や刃向かってきた連中を収容する為に選んだ星だったのだ。彼らのこれまでの行いを反省させる為に適当に選んだ星がまさかゴルドニウムがある星とは思っていなく、最初に採れた時は大変驚いた。
だが採れると知れば彼らを労働者としてこき使う事にしたのだ。
「(昔読んだ本やテレビで見た知識がこんなところで役に立つとは・・・)世の中どうなるか分からないものだな」
「何か言ったかいクロウ様?」
「いや、なんでも無い。それよりもさっさと行くぞ」
ボソッと言った言葉がつい口から出てしまい、それを聞いて訊ねてきたサデスになんでも無いと言いながら基地に入る。そして途中で会う配下の宇宙人や警備担当のユートム、チブロイド、バリスレイダーのロボット達に挨拶して行きながら歩く事数分、ようやく管理室に到着した。中には宇宙人やロボット達の他に此処の管理者として指名したクール星人がいた。
「これはクロウ様!お待ちしておりました」
「クール星人、ご苦労だったな。見たところ大分採掘が進んでいるようだな?」
「はい!クロウ様の言う通り生かす殺さずを元にして、連中にメトロン星より買った薬を混ぜた飯や飲み物を与えて自我を失わせ、日夜採掘させております。おかげ様でゴルドニウムが絶えず、さらに予想以上に採れています!詳しくはこちらに・・・」
そう言って渡されたデータを見ると、彼の言う通り採掘量は予想以上の数値であった。どうやらこの星にはかなりの量のゴルドニウムがあるようだな。これなら売上額も相当なものになって、今後は資金に困らなくて済むな。
そう思うとつい笑い声が出そうになるが、王としての威厳を失わせない為に必死に我慢する。そしてクール星人にある事を訊ねる。
「ところで・・・アイツはどうしている?」
「アイツ?・・・あぁ、あの新人でしたらちゃんと働いていますよ。おい、モニターを変えろ」
「はい」
指示を聞いた宇宙人の1人があるボタンを押す。すると複数あるモニターの1つの映像が変わる。するとそこにはヘルメットのような物を被りながら無言で働いている宇宙人の姿が映った。
「彼かい?ゾーンファイターと言って、クロウ様に戦いを挑んだ骨のある威勢の良い宇宙人というのは?」
「あぁ、そうだ」
「フン!なんと愚かな奴だ。威勢が良いのではなく、己の力量も分からぬただの愚者だ」
「何を言っているんだいジグラ。強い相手に戦いを挑むと言うのは、チャレンジ魂があって良い事じゃないか」
「それは貴様だけだ。我だったら絶対にそんな事はせん!」
サデスとジグラ星人(RB)が言い争っている中、クロウはモニターに映るゾーンファイターを見ながら、彼と出会った時の事を思い出していた。
それはクロウがたまたま息抜きしようキングオブモンスにライブして、宇宙をのんびり飛んでいた時、突如目の前に異次元空間が発生して、中からキングギドラが出てきたのだ。見るからにとても酷い状態だったので、すぐさまギガライブナイザーに回収したところへ、キングギドラを追ってきたゾーンファイターが現れた。そして俺の事を「ガロガの仲間だな!」と言って攻撃してきた。
最初は話し合おうとしたが、執拗に攻撃してくる事に苛立って返り討ちにした。それからちょうど人手不足だった事もあって此処で働かせているのだ。
ちなみにキングギドラは、無事に治療を終えて惑星ボリスでのんびり暮らしている。
そう思い返していると、突然警報が鳴り出した。
「どうした?」
「ハッ!何者かがこの星に侵入したようです」
「侵入だと・・・?場所は?」
「ちょうど今、奴の近くにいます」
そう言ってクール星人が機械を操作すると、ゾーンファイターから少し離れた場所に2人の男女を発見した。そう、ゾーンエンジェルとゾーンジュニアである。
「何だアイツら?」
「どことなく彼に似ているね。クロウ様、ひょっとしてあの2人は・・・」
「・・・あぁ、間違いない。奴の仲間だ。此処まで助けに来るとは、良い度胸だ!」
そう感心している間にも2人は岩陰に身を潜みながら少しずつゾーンファイターに近づいていた。このまま簡単に奴を救出されたらいろいろ面倒だ。近くにいるロボット達に捕獲を命じようとした時、ジグラ星人(RB)が声を掛けた。
「モンスターキングよ!奴らの始末は我に任せよ!!」
「何、お前が?」
「そうだ。あんな奴らに負ける我では無い!なにより我の新たな怪獣達の力を試すにはちょうど良い相手よ」
そう言いながらジグラ星人(RB)は特訓により進化したネオバトルナイザーを掲げる。そして中にいる怪獣達が大きく鳴き声を上げた。
それを見てクロウの答えは決まった。
「・・・分かった。奴らの相手はお前に任せる。行けジグラ!!」
「フハハハハハ!承知したぞモンスターキングよ!!」
そうしてジグラ星人(RB)は高笑いしながら管理室を出る。そしてそのままゾーンファイターの所に向かって行った。その間にクール星人に近くにいるロボット達を避難させるよう伝える。そこへサデスが話し掛けた。
「彼に任せて大丈夫かいクロウ様?」
「あれ程大口で言ったんだから大丈夫だろう。それにアイツにはボリスで仲間にした怪獣や俺が与えた怪獣達がいる。だがもしヘマをした時はサデス、お前にも出撃してもらうぞ」
「分かった。でも僕からとしたらちょっと物足りない相手だけどね~」
そう呟きながらサデスは再びモニターを見つめ、クロウも同様にこれから始まるジグラ星人(RB)の戦いをのんびり見物するのであった。
一方ゾーンエンジェルとゾーンジュニアは、自分達が見つかっているとは知らずにゾーンファイターがいる所まで近づいていた。
「いた、ファイターよ!」
「エンジェル、行こう」
2人は岩陰に隠れながら辺りに誰もいない事を確認し、急いで彼の元へ駆け寄ろうとする。だが突如辺りが暗くなり、どうしたのかと上を見上げてみると、上空にブラックテリナに乗ってやって来たジグラ星人(RB)がいた。彼は何の躊躇いもなくブラックテリナから飛び降りて、上手く着地した後に高笑いしながら2人の前に立ち塞がった。
「フハハハハ!貴様ら、よく此処まで侵入できた。だがそれも此処で終わりだ!このジグラ星人の前にひれ伏すがいい!!」
「ジグラ星人?もしかして・・・ガロガの仲間か!?」
「ガロガ?・・・誰だそいつは?」
「ガロガの仲間じゃ・・・ない?」
「ジュニア、此処は別の宇宙なのよ。彼はガロガとは無関係だわ。だからまだ話し合う事ができるかもしれない。私に任せて」
そう言ってゾーンエンジェルは少し前に出て、ジグラ星人(RB)に話し掛けた。
「初めまして!私達はゾーンエンジェルとゾーンジュニアと言います。あそこにいる彼、ゾーンファイターを探しにやって来たんです。お願いです!ファイターを返してください!」
「それはできん。アイツはモンスターキングに逆らった者だ。返す訳にはいかん!」
「モンスターキング?それは一体何者なんですか?」
「モンスターキングはこの宇宙を支配する者だ。そんなモンスターキングに逆らった以上、もはやアイツが貴様らの元へ戻る事はない!」
「そんな・・・!?」
ジグラ星人(RB)の言葉を聞いてゾーンジュニアは絶望のあまり倒れそうになる。そんな彼女にゾーンジュニアは必死に呼びかける。
「エンジェル!諦めちゃダメだ!」
「ジュニア・・・」
「アイツがファイターを返さないと言うけど、ファイターは僕達の大切な家族だ!腕ずくでも取り返そう!!」
「・・・分かったわジュニア。一緒に戦ってファイターを取り返しましょう!!」
彼の言葉で元気を取り戻したゾーンエンジェルは、再びジグラ星人(RB)に向き合う。そして戦闘態勢をとる。それを見てジグラ星人(RB)は、不適な笑みを浮かべながらネオバトルナイザーを取り出す。
「ほう?我と勝負する気か・・・面白い!我の新たな怪獣達の力を見るがいい!!」
そう言ってジグラ星人(RB)はネオバトルナイザーから3体の怪獣を召喚した。
1体目は魚のようなシルエットの胴体とヒレ状の手足、鼻先にあるドリル状の角、サメのように鋭い牙を生やした大きな口、黒と黄色の斑模様を持つ白い体が特徴の深海怪獣グビラ。
2体目はタツノオトシゴの様な顔と胸鰭、長い鼻吻が特徴の水異怪獣マジャッパ。
3体目はこれまた魚のような鰭を持つ体と赤色に縁取られた白目、首元の鰓、頭頂部から生えたチョウチンアンコウのような触角が特徴の深海怪獣ゲードスだ。
ちなみにクロウが与えた怪獣はマジャッパである。
「クファァァァァッ!クファァァァァッ!!」
「ギョボアアアァァァァァッ!!ジャパッパッパッ・・・!!」
「ギアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
「フハハハハハ!見るがいい我の新たな怪獣達の姿を!そしてその強さを思い知れ!行け!!」
召喚された3体は大きく咆哮を上げる。そしてジグラ星人(RB)の命令を聞いてゾーンエンジェル達の方へ歩き出す。
ちなみにブラックテリナは、ジグラ星人(RB)を守るように上空で待機している。
迫ってくる3体を見て2人は一瞬怯むが、すぐに戦意を奮い立たせる。
「ジュニア、この3体は私に任せて。その間に貴方はファイターをお願い!」
「エンジェル、1人で大丈夫?」
「大丈夫よ!ファイターがいなくなってからずっと私も彼と同じように戦えるよう特訓をしていたんだから!それじゃ、頼んだわよ」
そう言ってゾーンエンジェルは向かって来る3体を睨みながら走り出し、ある程度の所で止まる。
「ゾーン・ダブル・ファイト!!」
掛け声を上げた瞬間、彼女は光に包まれる。そして徐々に巨大化していった。銀とピンクのスレンダーなボディに、頭部に『ゾーンマーカー』と言う飾りを持ち、後ろ部分に薄くケープのようなヒラヒラがあるのが特徴の姿だ。
「タアァーーー!!」
「クファァァァァッ!!」
巨大化したゾーンエンジェルは、気合を込めた掛け声を上げながら3体と対峙する。それを見て最初に動いたのはグビラで、ドリル状の角を回転させながら走り出す。
対してゾーンエンジェルは、タイミング良くジャンプしてそのまま馬乗りになる。そして背中に何度もチョップを浴びせる。
グビラは振り落とすと激しく揺らすが、彼女は振り落とされぬよう両足に力を込めて、さらに追撃しようとするが・・・。
「ギョボアアアァァァァァッ!!ジャパッパッパッ・・・!!」
「キャアッ!?」
仲間を助けようとマジャッパが動いて、鼻の先から勢いよく『マジャッパ水流』を放つ。それを食らったゾーンエンジェルは吹っ飛ばされ、グビラの背中から落ちてしまう。
しかし彼女はすぐに起き上がって体勢を立て直そうとするが、マジャッパは再び『マジャッパ水流』を放つ。
「フッ!くっ!あぁ!」
必死に攻撃を避けるゾーンエンジェルだが、マジャッパは続けざまに放ってくる。そのせいで避けるのが精一杯で、反撃する事ができなかった。それでも彼女は諦めずに何とか反撃しようと避けながら接近する。
「ギアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
「ハッ!?タァー!!」
すると今度はゲードスが向かって行き、大きく腕を振って張り手を繰り出す。しかしゾーンエンジェルは素早く避けて、逆にお腹部分に向かってパンチを繰り出す。しかしゲードスは攻撃を食らっても平然としており、彼女の腕を振り払った後、連続で張り手を繰り出してダメージを与えた。
「うぅ・・・」
「クファァァァァッ!クファァァァァッ!!」
「ギョボアアアァァァァァッ!!ジャパッパッパッ・・・!!」
「ギアアアアアァァ!!」
苦痛の声を上げつつもゾーンエンジェルは戦意を失わず、ゲードスの腕を掴んで押さえようとする。だがそこへグビラとマジャッパも加わり、ドリルやパンチ、キック等で彼女を激しく攻撃した。
どうやらいくら特訓した、と言ってもまだ彼女は戦いに慣れていないようだ。それによりゾーンエンジェルのダメージはどんどん蓄積していき、腰にあるベルトのバックル『ゾーンメーター』の色が青から黄に変わってしまった。エネルギーが徐々に減ってしまっているのだ。
それを見たジグラ星人(RB)は笑い声を上げる。
「フハハハハハ!良いぞお前達!もっとそいつを痛めつけてしまえ!!」
自分が有利である為に良い気分になりながらジグラ星人(RB)は指示を出す。その時、彼の持つ通信機からクロウの声が響いた。
『おいジグラ!良い状況なのが分かるが、周りをしっかり見ろ。もう1人の仲間がゾーンファイターに被せたヘルメットを外そうとしているぞ』
「何・・・?」
知らせを聞いたジグラ星人(RB)が周りをキョロキョロ見てみると、いつの間にかゾーンジュニアが岩陰から飛び出してゾーンファイターに近づき、必死に声を掛けながらヘルメットを外そうとしていた。
「なっ!しまっ・・・!!」
それに気付いたジグラ星人(RB)は急いでネオバトルナイザーを構えてブラックテリナに妨害させようとするが、それよりも先にゾーンジュニアがヘルメットを外してしまった。
「ファイター、しっかりして!僕だよゾーンジュニアだよ!!」
「う・・・うぅ・・・」
「ファイター!」
「・・・ジュ、ジュニア・・・?」
「そうだよ!よかった・・・」
意識を取り戻したゾーンファイターを見て、ゾーンジュニアは安心の表情を浮かべる。そして彼を連れて逃げ出そうとするが・・・。
「こ、小僧~~~よくもやったな!こうなれば我の手で始末してくれる。2人まとめて消えるがいい!!」
そう言ってジグラ星人(RB)は怒りを込めながら頭部の単眼から細胞組織を停止させるオレンジ色の必殺光線『オレンヂ光線』を放つ。
しかし2人は咄嗟に近くの岩の後ろに隠れる。その間にゾーンジュニアはこれまでの事をゾーンファイターに説明する。
「・・・・・と言う事なんだ」
「そうだったのか・・・分かった。ジュニア、僕はすぐに巨大化してエンジェルに加勢する。君はパンドラカプセルに乗って加勢してくれ。そしてアイツらを倒したらこの星から脱出して、家に帰るんだ!」
「うん、分かったよファイター!!」
そう言って2人はそれぞれ行動を開始する。
まずゾーンファイターが「ゾーン・ダブル・ファイト!!」と掛け声を上げながら巨大変身した。そしてゾーンジュニアを手に乗せて、足下にいるジグラ星人(RB)を倒そうと近づく。
「ちょ、ま、待って!?ブラックテリナ!!」
「ファアアアアアアァァァァ!!ピュオン!!ピュオン!!」
それを見たジグラ星人(RB)は命の危機を感じ、慌てながらブラックテリナに指示を出す。
指示を聞いたブラックテリナは急いでやって来て、口から『ファイヤーレイン』を放ってゾーンファイターを牽制する。そして触手を伸ばしてジグラ星人(RB)を自身の体に乗せて救出した後、すぐに遠くへ飛び去ってしまった。
「くっ!くそ~・・・」
「ファイター!アイツの事は放っておいて・・・早くエンジェルを!」
「・・・分かった!ジュニアも頼むぞ!!」
飛び去ったブラックテリナを追い掛けようとするゾーンファイターに対して、ゾーンジュニアは大声でゾーンエンジェルの加勢を頼む。それを聞いてゾーンファイターは頷き、ゾーンジュニアをパンドラカプセルの近くへ置いた後、すぐさまゾーンエンジェルの加勢に向かった。またゾーンジュニアもすぐに走り出して、パンドラカプセルに乗り込むのであった。
一方ゾーンエンジェルは、3体の怪獣達による連携攻撃によって『ゾーンメーター』の色が黄から赤に変わってしまい、もはやグロッキー状態であった。
「ハァハァ・・・・・」
「ギョボアアアァァァァァッ!!ジャパッパッパッ・・・!!」
「ギアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
荒い息を吐く彼女に止めを刺そうとマジャッパとゲードスがそれぞれ腕を掴み、そのまま動きを封じる。
「クファァァァァッ!クファァァァァッ!!」
ギュイ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛!!!
そしてグビラがドリルを猛スピードで回転させて、激しい音を鳴らしながら勢いよく彼女に向かって走り出す。迫り来るドリルを見て、ゾーンエンジェルは目を瞑って覚悟を決める。
だがその時、彼女の耳にある者の声が聞こえた。
「流星ジェット!!」
「ファァァッ!?」
「えっ・・・?」
その声を聞いてゾーンエンジェルが目を開くと、目の前には勢いよくグビラに組み付いて一緒に倒れ込んでいるゾーンファイターの姿があった。それを見て彼女は喜びの声を上げる。
「ファイター!!」
「エンジェル!今助ける!!流星ダブルキック!!」
そう言ってゾーンファイターはグビラを踏み台に大きくジャンプして、空中で一回転してからマジャッパとゲードスにキックを食らわせてブッ飛ばした。
その隙にゾーンエンジェルを助け出した。
「ファイター!正気に戻ったのね!!」
「ああ!この通りだ。それよりエンジェル、もうすぐジュニアがこっちにやって来るから早くエネルギーをチャージするんだ!その間こいつらは僕が防ぐ!!」
「分かったわ」
彼の言葉に従ってゾーンエンジェルは後退し、ゾーンファイターは立ち上がって追い掛けようとする3体の足止めをする。するとそこへゾーンジュニアが乗ったパンドラカプセルがやって来て、彼女のゾーンメーターが赤であるのを見るとすぐに「ゾーンマーカーチェンジ」と叫びながら『エネルギー光線』を発射して回復させた。
そして回復した彼女と共にゾーンファイターの元へ向かった。
「トォッ!イヤァーーー!!」
「クファァァァァッ!クファァァァァッ!!」
「ギョボアアアァァァァァッ!!ジャパッパッパッ・・・!!」
「ギアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
その頃ゾーンファイターは、迫ってくる3体を相手に互角の戦いを繰り広げていた。
最初に突進したグビラのドリルを掴んで動きを押さえながら体にキックを食らわせ、そのまま横に投げ飛ばす。
そのまま追い打ちしようとした時、向かって来たゲードスの連続パンチを受け流し、お返しとばかりに顔や腹に何度もパンチを浴びせて、怯んだ隙をついて首を掴んで背負い投げを食らわす。
そしてマジャッパが鼻から相手を麻痺させる有毒ガス『マジャッパ芳香』を放ってくるが、素早くバック転して躱し、その後すぐに空高くジャンプして空中で高速回転し、その回転力を利用して強烈なフライングパンチを食らわせる技『流星風車』でダメージを与えた。
しかし3体は再び立ち上がって彼に襲いかかる。
だがそこへゾーンエンジェル達が向かって来るのを見て、一旦彼から離れる。さらにブラックテリナに乗ってやって来たジグラ星人(RB)を見て、主と合流してから対峙した。それを見てゾーンファイターも同じように2人と合流して対峙するのであった。
このまま両者の戦いが再び始まると誰もが思っていた頃、戦いを静かに観戦していたクロウはクール星人からある情報を聞いていた。
「何・・・?採掘場の鉱山の至る所で崩落が起きそうだと?」
「はい。その原因が今行われている戦闘でありまして、早く終わらせなければ採掘場の全てが大変な事になってしまうでしょう」
「そうか・・・」
報告を聞いたクロウは、顎に手を当てて考え始める。そして暫くしてから彼は「よし」と頷いてサデスの方に視線を向ける。
「聞いたなサデス。今すぐジグラの加勢に入って、戦いを終わらせろ!」
「任せてよクロウ様!今のゾーンファイター君ならちょうど良い相手になりそうと思っていたしね。さぁ、待っててよゾーンファイター君!僕と熱いバトルをたっぷりしようね~!!」
「・・・・・暑苦しい」
そう言ってサデスは嬉しそうに戦場へ向かっていった。だがその様子を見て、クロウが若干引いていたのは余談である。
そして彼が戦場に辿り着くと、今まさにジグラ星人(RB)の怪獣軍団とゾーンファイター達が激突しようとしていた。
「おぉ!ベストタイミング!!それじゃ、いっちょやりますか!!」」
そう言うとサデスは万歳するように両腕を上に上げて、全身光らせながら力を込める。すると彼の体は徐々に巨大化していく。そして巨大化が終わると、突然現れた彼に驚いて動きを止めるゾーンファイター達に向けて、右腕の二連式突撃銃『ガピヤ・スネイク』を何発も撃った。
「ウワッ!?」
「キャア!?」
「あっ!ファイター!!エンジェル!!」
突然の攻撃にゾーンファイターとゾーンエンジェルは避けられず、攻撃を全て食らってその場に膝をついてしまう。それを見てゾーンジュニアは慌てて回復させようとするが、サデスが再び『ガピア・スネイク』を撃ってきた為に上昇して逃れる。
「回復しようなんて・・・そんな狡い真似はさせないよ~少年」
そう言ってサデスはゾーンジュニアをさらに遠ざけようと攻撃を続ける。そこへジグラ星人(RB)が少し怒りながら問いかける。
「おいサデス。何故加勢しに来たのだ?あんな奴ら、我で十分だったんだぞ!」
「そう怒らない怒らない。早く決着をつけろとクロウ様の命令なんだよジグラ。それに・・・彼みたいに熱いバトルができそうな相手を見たらじっとしている方が無理ってもんだよ~~!!」
「・・・ハァ~貴様という奴は・・・・」
自分の欲望に忠実なサデスの言葉を聞いて、ジグラ星人(RB)は呆れて溜め息を吐いてしまう。その時、フラフラになりながらもゾーンファイターとゾーンエンジェルが立ち上がって、一気に決着を付けようとある武器を装着した。
「「流星ミサイルマイト!!」」
一定のポーズを取りながらそう掛け声をすると、閃光を伴って両腕に銀色のランチャーが装着された。これが彼らの持つ最強の武器『流星ミサイルマイト』で、これから高い威力を誇るプロトンミサイルを発射する事ができるのだ。
そして2人は同時に両腕を前に突き出し、サデス達に向けてプロトンミサイルを大量に発射した。
「危ない!!」
しかしその攻撃は咄嗟に前に出たサデスがバリアを張って防御する。だが2人は尚もミサイルを発射し続ける。それを見てジグラ星人(RB)はグビラにある事を命じる。
「グビラ、地面に穴を掘って奴らの背後から襲い掛かれ!」
「クファァァァァッ!!」
指示を聞いたグビラは見つからないようにこっそり後ろに移動して、ドリルを地面に当てて掘り始める。そしてミサイルを放ち続けているゾーンファイター達の後ろに回り込み、そのまま2人に体当たりを食らわした。
「うわっ!?」
「きゃあっ!?」
予想外の攻撃を受けて、ゾーンファイター達は大きく吹き飛ばされて体勢が崩れる。だがすぐに立て直してグビラに攻撃しようとするが、タイミングを見計らっていたかのようにグビラは頭頂部にある噴射孔から『潮吹き』を食らわせてダメージと共に視界を奪う。
その隙をついてサデスがバリアを解いて、勢いよくゾーンファイターに飛び掛かってきた。
「隙あり!!」
「ダアァーーー!?」
突然サデスに飛び掛かられたゾーンファイターは、押し倒されるように地面に倒れる。そしてサデスは馬乗りになってゾーンファイターを何度も殴る。だが彼もやられっぱなしではなく、必死に両腕で防御しながらキックで彼を押し退ける。そして体勢を立て直すと、お返しとばかりにパンチやキックを繰り出す。
しかしサデスは素早く躱したり、振り払ったりして防いだ後、パンチやキックで応戦する。これまでのダメージ等もあってゾーンファイターの方が押され気味であった。
「ファイター!」
「馬鹿め!隙を見せたな。ゲードス!!」
「ギアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
それを見たゾーンエンジェルは慌てて援護しようとするが、そこへジグラ星人(RB)の指示を聞いたゲードスが頭部の触角を伸ばして彼女の首に巻きつける。そして強力な電流を流し込むパルス電撃『ゲードスパルスウィップ』を繰り出した。
「キャアアアアアアァァァァーーー!?」
強力な電撃を食らってゾーンエンジェルは悲鳴を上げる。
「エンジェル!」
「余所見してていいのかな~?」
彼女の悲鳴を聞いたゾーンファイターが心配していると、サデスは余裕の笑みを浮かべながら格闘技を食らわす。彼はそれを防ぐ事しかできず、ますます追い詰められていた。
「ファイター!エンジェル!今助けるからね!!」
2人の危機を見て、今度はゾーンジュニアが駆けつけようとするが・・・。
「小僧!貴様にはこれをくれてやる!マジャッパ!ブラックテリナ!やれ!!」
「ギョボアアアァァァァァッ!!ジャパッパッパッ・・・!!」
「ファアアアアアアァァァァ!!ピュオン!!ピュオン!!」
向かって来るゾーンジュニアに気づいたジグラ星人(RB)が声を上げると、マジャッパが腕の吸盤から掃除機の如く強力な吸引を出して吸い寄せる技『マジャッパ吸引』でパンドラカプセルを引き寄せる。
当然抵抗するゾーンジュニアだったが、それによりパンドラカプセルの動きが止めたところを狙って真上にやって来たブラックテリナが触手を伸ばして船体に巻きつける。さらに先端の爪で船に穴を開けて、そのまま彼を捕まえてしまった。
「ッ!うわあああああぁぁぁ!?」
触手に巻きつかれた衝撃でゾーンジュニアは気を失い、抵抗力を失ったパンドラカプセルはマジャッパの元へ吸い寄せられる。そしてマジャッパは間近まで来たパンドラカプセルを両手で掴み、勢いよく地面に叩きつけた後に踏み潰してしまった。
「あっ!パ、パンドラカプセルが・・・」
唯一帰れる手段であったパンドラカプセルが失ったのを見て、ゾーンエンジェルは絶望の表情となり、ゾーンファイターは悔しさのあまり手から血が出るほど強く握る。そして怒りに任せたままサデス達を倒そうとするが・・・。
「これで決めるよ!ギャラクティカ・サデスファクション!!」
「グワアアアァァァッ!?」
そう言ってサデスは再び飛び掛かって来て、必殺パンチ『ギャラクティカ・サデスファクション』を繰り出す。その全力の拳の一撃を食らったゾーンファイターは大きくブッ飛び、凄まじい土煙を発生させながら地面に倒れ伏した。
そして甚大なダメージによって等身大に戻って気を失った。
「あ、あぁ・・・・・」
ゾーンジュニアに続き、ゾーンファイターまで敗れたのを見て、ゾーンエンジェルはとうとう戦意損失してその場に膝をついてしまう。そんな彼女に止めを刺そうとゲードスが『ゲードスパルスウィップ』と同時に口から『高圧水流』を放とうとした時、クロウの声が響いた。
「待て!これ以上の攻撃は無用だ!!」
「「「「「「ッ!?」」」」」」
突然の言葉に誰もが驚いている中、クロウはゾーンエンジェルに話し掛けた。
「ゾーンエンジェルよ、もはやお前達の勝機は無い。大人しく降伏しろ。悪いようにはしないぞ」
「そ、それは・・・」
クロウの言葉にゾーンエンジェルは言葉を詰まらせてしまう。だが内心理解していた。彼の言う通りもはや勝機は無い事を!
「どうした?まさか、まだ戦う気か?」
「い、いえ・・・その・・・」
「なら早くしろ!これ以上、無駄な事はしたくないのだ」
「・・・分かりました。・・・降伏します。ですが、どうか2人の命だけは助けて下さい!!」
そう言ってゾーンエンジェルはゆっくりと頭を下げて、戦う意思が無い事を示しながら2人の助命を頼んだ。それを見たクロウは優しく語り掛ける。
「安心しろ。其奴らだけでなく、お前の命も奪うつもりはない。なにしろやってほしい事があるのだからな」
「・・・・・分かりました」
彼の言葉を聞いてゾーンエンジェルは頷く。だがそこへジグラ星人(RB)が抗議の声を上げる。
「待てモンスターキングよ!まだ決着はついていないぞ!!」
「いや、ここまできたらもうお前達の勝ちは決まったも当然だ。それにゲードス達の腕試しには十分であろう」
「そ、それはそうだが・・・」
「もしまだ戦いを望むのであるならば、近いうちにお前達が活躍できる舞台を用意してやる。それで我慢しろ」
「そ、そうか・・・それならば我慢するぞ。フハハハハハ!」
「クロウ様!僕にも是非お願いするよ!!」
「あぁ、分かった分かった。どちらも用意してやる。いずれにせよ、サデス、ジグラ!そしてグビラ、マジャッパ、ゲードス!皆ご苦労だったぞ」
その後クロウはジグラ星人(RB)と怪獣達、サデスに労いの言葉を掛けた後、3人を連れて来るように命じた。
彼らは最後だけ少し物足りないと思いつつも勝利を喜び、命令通りするのであった。
それから数日後、ゾーンファイターは再びヘルメットを被らせながら採掘場で働き、ゾーンエンジェルは惑星ボリスにあるクロウが建てた城でメイドとして働き、ゾーンジュニアは怪獣達の世話係として働きながら守護する一員になるよう教育を受けるのであった。
また、彼らがいた別世界の地球がどうなったか分からない。
ただ1つ言える事は・・・・・守護する者がいなくなった事でガロガバラン星人の魔の手が大きくなった事であろう。