インフィニット・ストラトス ~黒兎の見る世界~ 作:フォールティア
フィンガー系武器ってロマンじゃね?
「・・・にしても、良いの?」
「ん、何が?」
「折角の休日なのに・・・私とこんなところに居て」
「良いんだよ。『簪』とこうしてるの、楽しいから」
「そ、そう・・・」
IS学園に入って最初の日曜日、僕は朝から簪と一緒に整備棟に籠ってISの開発に勤しんでいた。
あのクラス代表決定戦の後、ヘイズルの造形をカッコいいと言ってくれた簪とロボット談義をして完璧に意気投合。以来、名前で呼び合うようになった。
「ラブコメしてるところに~、空気を読まずに登場~」
ディスプレイとにらめっこしながらキーボードを叩いていると部屋の入り口からそんな間延びした声が聞こえた。
もう、発音の時点でその人物が誰なのか解る。
作業の手を止めて後ろを向くと、案の定、布仏さんが立っていた。長い袖に隠された手にはビニール袋が握られていた。
というか、ラブコメ?
「ら、ラブコメなんてしてない・・・」
そう言うと、顔を赤くした簪は俯いてしまった。どうしたんだろう?
「あ~、ふっくん『も』鈍ちんか~」
「に、鈍ちん?」
言うほど僕は鈍いだろうか?これでも結構心の機敏には敏感だと思うんだけど・・・。
部屋にあるテーブルにビニール袋を置いて、布仏さんがディスプレイに映し出された情報を見る。
「おお~、スペック高いね~」
どうやら、布仏さんのお眼鏡にかなったようだ。布仏さんは意外や意外、ISの整備技術を持っているのだ。それも専門学科の二、三年生に匹敵するほどに。
クラス代表決定戦の前日に、放課後ばったりここであってから話をしてかなりの技術力があることが分かったのだ。
「非固定武装(アンロックユニット)にマルチロックオン式の八連装ミサイルポッド『山嵐』、荷電粒子砲『春雷』。近接武装に完成してる高振動薙刀『夢現』・・・ってこれは?」
「ああそれ?」
武装一覧を見ていた布仏さんが最後の行を見て疑問の声を上げる。
隠し玉として僕が設計した特殊武装、その名も
「掌部ビーム砲、『パルマフィオキーナ』だよ」
ええ、皆さんご存じのアレです。
懐に入られた際、対応できる武装が無かったから僕が設計、開発したものだ。
半分はロマンだけどね!
「頑張れば白刃取りも出来る優れもの」
「あったほうがカッコいいじゃん?」
揃って言いはなった僕と簪に布仏さんが珍しく苦笑いを浮かべた。
「ほんと、二人は仲良しだね~」
「「ロマンを解る人に悪人はいない」」
もはやこれは摂理だね。
閑話休題。
「そういえば、来週二組に転入生くるみたいだよ~」
三人でテーブルに座りながらお菓子を食べていると布仏さんがそんな事を言った。
この時期に転入生なんて珍しい。
「何でも中国からの転入なんだって~」
「中国って確か最近になって第三世代のISをロールアウトしたよね」
「それのテストも兼ねてるのかもね」
だとすればこんな中途半端な時期に転入してくるのも頷ける。
各国の代表候補生とその専用ISが集まる学園は機体の運用テストには最適だ。
「来週にはクラス代表対抗戦あるし~、もしかしたら参加するのかもね~」
「初戦で一夏とぶつかったりして」
「いやいや、それは難しいでしょ」
そう都合よくぶつかる確率は低いだろう。寧ろそうなったら何か作為的なモノを感じる。
マシュマロを食べながらそんな風に考えていると、二人から妙な視線を感じた。
「・・・何?」
「いやぁ~やっぱりふっくんは~」
「可愛い・・・」
「か、かわーーっ!?」
なななな何をいきなり言うのかな二人は!?
「い、いや僕なんて別に可愛くないし、というかカッコいいって言われた方が僕としては嬉しいんだけど!?」
「ヘイズル展開してるときはカッコいい」
「それは全身装甲だからだよねぇ!?」
「というか~ふっくんにカッコいいはあんまり似合わない言葉かも~」
「ぐはぁ・・・!」
にべもなく放たれる布仏さんの言葉に轟沈する。酷い、酷すぎる・・・これが人のする事かぁ!!
「まあ何にせよ、来週も忙しい」
「だね~」
「むぅ・・・」
お茶を濁されて僕はご立腹ですよ、ええ。
銘菓老舗『皐月屋』の饅頭?仕方ない今回は許してあげよう。
という訳で打鉄 弐式をプチ魔改造しましたw
次回もお楽しみに‼