インフィニット・ストラトス ~黒兎の見る世界~   作:フォールティア

23 / 86

うぉぉ・・・簪との絡みを書きたいぃ・・・




#02 巻き添え模擬戦

「ーー伝達事項は以上だ。これでホームルームを終わる。一時限目は二組と合同のIS実習だ、遅れるなよ」

 

何ともインパクトの強い二人の転入生の自己紹介の後、二、三点話した織斑先生の言葉に僕はげんなりする。

アリーナの更衣室って遠いんだよねぇ・・・

織斑先生と山田先生が教室から出ていくのと同時に僕と一夏は立ち上がる。

 

「一夏、急ごう」

 

「ああ、一時限目まであと十分もない。朝からあの出席簿はくらいたくないぜ」

 

「だよねぇ、っとデュノア君」

 

「僕?」

 

教室を出掛かったところでデュノア君を呼ぶ。彼は更衣室が何処にあるとかまだ解らないだろう。

 

「更衣室の場所、解らないでしょ?案内するよ」

 

「歩いて行ってる暇はなさそうだ。走るぞ」

 

「そう言うわけだから。さ、行くよっ」

 

走り出した一夏を追うようにデュノア君の手を掴み廊下を駆け出す。

・・・男子にしては手、柔らかすぎない?

いや、人の事言えないけどさ。

 

「え、えぇっ?」

 

驚くデュノア君の声を聞きながら廊下を突き当たりまで猛ダッシュ。

マズイ、人が出てきた!前はアリーナに行こうとしたら取り囲まれて結局遅刻したから、上手く抜けないと・・・!

 

「一夏!」

 

「デュノアとラウラの情報はもう回ってる筈だ、取り囲まれる前に突破するぞ!」

 

「了解っ!」

 

こちらを視認した女子生徒が声を掛けてくるが、急いでいる事を走りながら伝えて切り抜ける。

っと、階段か。

一夏は先に階段を『飛び降りて』いる。

普段なら僕も一夏同様、飛び降りてるんだけど、デュノア君に無理させるワケにもいかないし。

かといって手を繋ぎながらだと駆け降りづらい。

なら、

 

「ちょっとごめんよ~」

 

「え?うわぁっ!?」

 

一度立ち止まり、デュノア君を抱える。俗に言うお姫様抱っこだ。いや、男同士だから王子様抱っこなのかな?

そしてそのまま階段を一階まで駆け降りる。

 

「喋ると舌噛むから気を付けてね」

 

「降りきってから言わないで欲しかったかな・・・」

 

一階に着き、デュノア君を降ろすと困り顔でそう言われた。顔赤いけど、やっぱり急にやりすぎたかな?

再度デュノア君の手を掴み廊下に出ると、一夏が待っていてくれた。

 

「さ、後は道なりに真っ直ぐだ。行こうぜ」

 

「だね、着替えなきゃいけないし」

 

一夏の言葉に頷いてもう一度僕達は駆け出した。

 

 

 

 

 

 

何とか余裕を持ってアリーナの更衣室に辿り着いた僕達はそそくさと着替え始める。

余裕があると言っても数分だからね、急ぐに越したことはない。

 

「睦月、あとどのくらいだ?」

 

「三分は余裕あるよ」

 

上着に手をかけ、パパっと脱いでハンガーに掛ける。

僕は下にIS用のスーツ(はっきりいって水着に近い)を着てるから直ぐに着替え終わる。

 

「デュノア君も早く着替えた方が・・・はやっ」

 

「先に着ちゃってたからね・・・あはは」

 

「さっきから顔赤いけど、大丈夫?」

 

「だ、大丈夫!何でもないよ!」

 

「そう?」

 

あたふたと胸の前で手を振って返すデュノア君の様子にちょっとした違和感を感じつつも、服を掛けたハンガーをロッカーへと入れ、三人揃ってアリーナ内へと進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「今からISを使った実習を行う。まずはISがどういった物か、今一度目で見てもらおう」

 

整列した僕ら生徒全員に聞こえるよう声を張り上げた織斑先生の言葉に皆一様にざわつく。

クラス代表対抗戦や普段の一夏の特訓で見慣れているとはいえ、これから実際に動かすのだ、再確認の意味も含めてやるのだろう。

 

「そうだな・・・オルコット、凰。前に出ろ」

 

呼ばれた二人が皆の前に立つ。代表候補生同士の模擬戦でもするのかな?

そう思っていたら、ヘイズルのセンサーが上空に反応を掴んだ。

咄嗟に上を見ると、山田先生がISを纏って『落ちてきていた』。

 

「どいてくださぁぁい!!」

 

うわぉ、明らかにバランス失ってるよ・・・やっぱ職業柄、あんまりIS使う機会無いんだろうか。

そんなのんきな事を考えつつ、ヘイズルを即時展開。シールドブースター等は外してある。

よし、皆離れてるね。

ブースターを起動し、直上の山田先生の元へ飛ぶ。

 

「よいしょっ!」

 

「ふぇぇ!?」

 

伸ばされた山田先生の腕を掴んで抱き寄せ、そのままスラスターを逆噴射して落下のスピードを和らげて空中で停止する。

危ない危ない、あと少し遅かったらアリーナにクレーターが出来てたよ。

 

「大丈夫ですか?山田先生」

 

「あ、ありがとうございます、扶桑君・・・バランスを崩してしまって」

 

「ドンマイですよ、先生」

 

気落ちする山田先生を励ましながら、地面に降り立つと拍手が巻き起こった。いや、何故に?

山田先生を下ろしてヘイズルを待機形態にする。いやぁ、我ながらナイスな動きしたよ。

 

「よくやった、扶桑。・・・さて、アクシデントがあっが、今からオルコットと凰には山田先生と模擬戦をしてもらう」

 

そこまで言って織斑先生は僕を見た。・・・まさか。

僕の視線の意味に気付いた織斑先生は悪戯っ子のような笑みを一瞬だけ浮かべて口を開いた。

 

「ついでだ、扶桑。お前も山田先生とやってみろ」

 

「拒否権を行使しますっ!」

 

「却下だ」

 

にべもなく却下され、僕は二人の後に山田先生と戦うことになった。

・・・一夏、同情じみた視線は止めて。余計悲しくなるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーで。

 

「運命からは逃れられなかったよ・・・」

 

ヘイズルを完全武装状態で展開して空中で静止する。

オルコットさんと凰さんは開幕三分程で沈みました。いや、途中で口喧嘩始めちゃうんだもん、そうなりますよね。というかそれで良いのか代表候補生。

というか、

 

「二人がかりでどうしようも無かった人を単機でどうしろと!?」

 

「山田先生、本気でやって構いません」

 

「織斑先生の鬼!!」

 

スパルタか、巨人○星ですか!?二人相手にして余裕の表情だった人を本気で相手とか親指一つでコンクリートの壁に穴開けろって言ってるようなものだよ!

・・・あぁ、もう。やるからには切り替えないと。

 

「全力で行きます」

 

「えと、よろしくお願いしますね?」

 

両手にビームライフルとブルパッブマシンガンをそれぞれ構える。

対して山田先生の第二世代型IS、ラファール・リヴァイヴはマシンガンとグレネードを。

相手は元国家代表候補、油断なんて出きるはずがない。

 

「それでは、始めっ!」

 

「「ーーっ!」」

 

 

織斑先生の合図とともに僕と山田先生は動き出した。

 

さて、どこまでやれるか・・・。

 





若干駆け足ぎみですが、二人が来てから最初の授業です。
次回は普通の実習に・・・戻れるかなぁ・・・

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。