インフィニット・ストラトス ~黒兎の見る世界~   作:フォールティア

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戦闘描写上手くなりたいな・・・




#06 打鉄弐式

『二人とも~、準備はいい?』

 

「打鉄弐式、問題ない。何時でも始められる」

 

「ヘイズルも大丈夫だよ」

 

簪とペアを組むことになった翌日の放課後。打鉄弐式を展開した簪とヘイズルを展開した僕は第二アリーナの空中で相対していた。

今日は完成した打鉄弐式の運用テストを兼ねた模擬戦を行う。

アリーナのオペレータールームから、場内のスピーカーを伝って布仏さんの声が響く。

 

『りょーかーい。それじゃ、カウントダウンいっくよ~』

 

その言葉の後、空中にカウントダウンを示す数字が現れる。

残り十秒。

 

「睦月」

 

「何?」

 

「出せる全力で行くからね」

 

そう言って笑う簪を見て僕も思わず笑みを浮かべる。

残り五秒。

 

「じゃあ、その全力をちゃんと受け止めないとね」

 

 

「・・・行くよっ」

 

零。

直後、打鉄弐式の非固定武装が稼働し、蒼白の閃光を二つ放つ。

速射荷電粒子砲《春雷》、成程確かに。

 

「速い・・・!」

 

肩のスラスターを起動し射線から離れる。春雷の特性はその名の通り、弾速と発射に擁する時間だ。

通常の荷電粒子砲ならチャージが必要なところを、威力をある程度犠牲にすることでチャージ時間を短縮、排熱効率を上げることで連射をも可能にした。

 

「流石に当たらないか・・・」

 

「そう簡単には当たれないよっ!」

 

空中を自在に飛び回りながら互いに撃ち合う。ヘイズルのビームライフルはカートリッジ式なので、あまり長時間の撃ち合いには向かない。

なので、

 

「こうするっ!」

 

ビームライフルを量子化、かわりに拡張領域から束さんがネタで送ってきた『ジャイアントガトリングガン』を展開。

サイドスカートに懸架された弾倉が唸りを上げ、銃身が回転を始める。

 

「フルファイア!!」

 

「くっ!?」

 

秒間数千発という正に雨と称すべき弾丸の群れに、簪が春雷の連射を止め、回避行動に移る。

打鉄弐式の行動先を予測して銃身を傾ける。

まあでもガトリングガンなので集弾率はかなり悪く、弾丸の隙間を抜けられてしまう。

そこで、左手の改良型シールドブースターの出番である。

僕の動きに気付いたのか簪が警戒心の籠った目で此方を見る。

 

「発破をかける!」

 

ガトリングの雨に、拡散粒子砲のシャワーを追加する。

雨は密度を増し、もはや壁となって簪へと襲いかかる。

 

「そんなモノ・・・」

 

しかし簪は一切物怖じせず、夢現を構えて突撃してきた。『左手を開いて』。

・・・まさか!?

 

「突き抜けてみせる!!」

 

ビームと実弾で形成された壁を、掌部ビーム砲《バルマフィオキーナ》による高威力の一撃を撃ち放って無理矢理に穴を開けて突破してきた。

まさか、自分の攻撃を、自分で開発した武装に破られるとは・・・

 

「何て皮肉か!!」

 

バチィッ!!

 

ジャイアントガトリングを即座にパージして、突破した勢いのまま振るわれる夢現の刃をビームサーベルで受け止める。

普通なら、実体刃である夢現がビームによって溶断されるが、対ビームコーティングが施された震動刃によって短時間だが鍔迫り合いが可能となっている。

 

「日本の代表候補生の名は、伊達じゃない・・・」

 

「そうみたいだね・・・っ!!」

 

夢現を切り払って距離を取りつつ左手に展開したビームライフルで牽制弾を放つ。

サーベルを背中に戻し、右手にロングブレードライフルを展開、チャージを開始する。

 

「っ!させない!!」

 

ビームの圧縮を感知したのか、チャージを完了させまいと打鉄弐式の春雷が再び連射される。

こっちだってただやられるワケじゃ無いけどね・・・!

 

「ジャベリンは、こう使う!!」

 

左手のライフルを量子化、長大な実体槍を展開してそのまま投げつける。

 

「何がジャベリンよ!・・・なっ!?」

 

簪が避けようとした瞬間、槍の穂先が炸裂。無数の刃となって打鉄弐式のシールドエネルギーと装甲を削り爆煙を生み出す。

《クラスタージャベリン》、束さんが開発した中規模面制圧実体槍だ。

 

【フルチャージ完了。発射後、限界熱量到達と同時にユニットパージ】

 

いいタイミングでチャージが終了した。煙の中へと砲身を向ける。あの程度で墜ちるような簪では無いことは理解している。

であるならこの間隙、次に来る一手は・・・

 

「《山嵐》、マルチロック・フルバースト!!」

 

「そう来るよねぇ!!」

 

高誘導マルチロックミサイル《山嵐》、全弾頭計四十八発が多角的軌道を描いて襲い来る。

当然素直に全弾当たる気は無い。

躊躇いなくロングブレードライフルの引き金を引いた。

 

「いっけえぇぇぇっ!!」

 

放たれる柱の如き桃色の閃光がミサイルを撃ち落とすが、逃れた数発が直撃する。

流石に全弾撃墜とは行かないか・・・。

 

【限界熱量到達。ユニットパージ】

 

ミサイルによって出来た煙を突き抜けながらライフルごと拡張領域にしまう。

僕より少し高い位置に静止した簪と視線を交わす。

お互い、肩で息をするほどあの短時間で体力を消耗し、持てる手も出し尽くした。

後は・・・

 

「「近接戦で決める・・・!」」

 

簪は夢現を、僕はビームサーベルを構えて一気に加速する。

凪ぎ払われる薙刀の刃をサーベルで軽く受け止めつつ流す。返しの手で振り降ろすが柄で柔らかく逸らされる。

 

「「っあぁぁ!!」」

 

袈裟、逆袈裟、右薙ぎ、左薙ぎ、逆風・・・あらゆる方向から刃を振るうがお互いに掠りはするも直撃にはならない。

機体の向きを様々に変えながら空中で何度も火花を散らす。

 

【シールドエネルギー残り五十パーセント。打鉄弐式、シールドエネルギー残り五十パーセント】

 

刃を払い、距離を取る。

・・・もう後がないか。

簪も解っているのか、夢現を構えて静かに息を整えている。

次の一撃で終わらせよう。

ビームサーベルを逆手に構え、ブースターにエネルギーを込める。

 

「ふう・・・」

 

この瞬間に全てを込めて。

 

「「ーーっ!!」」

 

同時に爆発的な加速をもって接近。

 

斬!!

 

交差。

ビームサーベルを振り切った体勢のまま、呟く。

 

「「ナイスバトル」」

 

【battle end draw】

 

空中に投影された文字を見てゆっくり構えを解き、肩の力を抜く。

いやぁ・・・いい試合だったよ。

 

『二人とも~、本気でやり過ぎだよ~。運用テストのレベルじゃ無かったよ』

 

スピーカー越しの布仏さんの言葉に簪と顔を見合わせる。

・・・・・・、

 

「「忘れてた・・・」」

 

『もー、熱中し過ぎ~!』

 

布仏さんの怖くも何ともないお怒りの言葉に二人揃って苦笑いを浮かべる。

まあでも。

 

「簪」

 

「うん、やっぱり」

 

「「楽しかったね」」

 

 

 

夕暮れのアリーナで、布仏さんが来るまで僕達は笑いあっていたーー。

 

 





ということで打鉄弐式との模擬戦でした!

パルマフィオキーナの射撃設定って、PS2のゲーム位でしか生かされてなかったような・・・

次回もお楽しみに‼
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