インフィニット・ストラトス ~黒兎の見る世界~   作:フォールティア

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どうも皆さま、まんまと風邪を家族からうつされたフォールティアです。

ハミングバードってイケてない?



#11 真相、トーナメント開幕

「あー、つまり箒さんがトーナメントで優勝したら付き合って欲しいって一夏に言ったのが誰かに聞かれてしまった、と」

 

「ああ・・・」

 

ベッドに座った箒さんが申し訳なさそうに頭を垂れる。

簪と視線を合わせてアイコンタクト。

 

(いやはや、中々に凄い噂の真相だね・・・)

 

(篠ノ之さんの宣言した場所も悪かったかも)

 

(昼休みの食堂じゃあ、ねぇ)

 

秘密にするどころか寧ろ噂として拡散してくださいと言っているようなモノだ。

にしてもシャルロットが抜けてるのは何でだろう?

 

「デュノアはまだ入って日が浅いから、この手のイベントはもう少ししてから・・・だそうだ」

 

雰囲気で僕の言いたいことを悟ったのか、箒さんがそう答えてくれた。

まあ、シャルロットが女性だってバレる可能性が低くなるならそれで良いけどね。

 

「よし、噂の真相については分かったよ。対処も簡単だし」

 

「簡単・・・?」

 

「私達が優勝すれば良い、そう言うこと?睦月」

 

「うん、正解」

 

噂話を無効とするにはそれしかない。一夏ペアが勝った場合、相方であるオルコットさんが理由を付けて一夏に交際を申し込むだろう。

箒さんペアの場合、凰さんと箒さんで一夏の取り合いが発生する。確実に。

シャルロットペアはまあ問題は無いとしても、注目度が増すからあまり好ましくない。

となると僕らが優勝するしか穏便に済ませる手段が無い。

 

「やはりそうなるか・・・」

 

「凰さんとか全力で掛かってくるだろうから、どうなるか分からないけどね。これしか方法がない」

 

「すまない、世話をかける」

 

「まあでも、誰かが優勝して一夏を狙ってもどうにかなりそうだけどね・・・」

 

鈍感を極めたような彼だ。今回の付き合ってもらうって言葉も、買い物か何かかと勘違いしてそうな気がする。

その事を箒さんに言うと思い当たる節があるのか、肩を落とした。

 

「ありえない、とは言えないな・・・昔から変な所で勘違いを起こす奴だったし」

 

「もういっそストレートに告白」

 

「うぐっ・・・その、それはだな、更識」

 

簪のあっさりとした物言いに箒さんがたじろぐ。

それが出来たらこんなことにはなってないだろうね・・・。

 

「そこら辺は追々やろう、相談なら幾らでも聞くからさ」

 

「何から何まで、苦労をかける」

 

「これくらい、どうってことないよ・・・さ、箒さんはそろそろ戻った方が良いよ、消灯時間が近い」

 

「もうそんな時間か・・・相談を聞いてもらってありがとう。明後日は宜しく頼む!」

 

時計を見て慌てた様子で箒さんが出ていった扉を見て思う。

 

「何時もあんな風に素直にお礼が言えれば少しは違うのに」

 

「・・・さらっと人の心を読むのは止めてよ簪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、トーナメント当日。

何時もの第三アリーナの男子更衣室で僕達は組み合わせの発表を待っていた。

 

「・・・シャルロット、今日デュノア社からは誰が来てる?」

 

「婦人だよ。父さんは『別件』でいない」

 

「それは重畳、これで心置き無くやれる」

 

昨日の夕方に束さんから情報を貰って、出せる手を尽くした。

結果として婦人は黒、社長は白だったのでもはや容赦はない。束さんも何かウキウキしながらやってたし色々。

 

「じゃあ後はこのトーナメントを楽しむだけだな!」

 

「一夏、僕ら負けた場合、下手したら誰かと付き合うことになるんだよ?」

 

「買い物に付き合うって事だろ?特に問題ないだろ」

 

「「はあ・・・」」

 

斜め上をいくその言葉にシャルロットと揃って溜め息を吐く。

一夏は一度、女心について教わった方が良いかもしれない。この調子だと近い将来絶対苦労するし。

 

「お、組み合わせ出たぞ」

 

一夏の声に顔を上げると、投影ディスプレイにトーナメントの組み合わせが表示された。

トーナメントは学年別に行われ、それぞれAからFのブロックに別れて試合をしていく形式だ。

一日目の今日は第五試合までやるらしい。

 

「えー、っと僕は・・・あった」

 

「第一試合か、がんばれよ睦月」

 

Aブロック第一試合・・・相手は三組の女子二人か。

時間もない、簪と合流しよう。

 

「それじゃ、行ってくるよ」

 

「おう、勝ってこい!」

 

「頑張ってね、睦月」

 

二人の応援に片手を振ることで応え、僕は急ぎ足でピットへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初戦で専用機ペアかぁ・・・」

 

「や、優しくしてね?」

 

アリーナの空中、対峙した僕と簪に対戦相手の古津(ふるつ)さんと櫛木(くしき)さんがそう言ってきた。

古津さんはラファール・リヴァイヴ、櫛木さんは打鉄を使用している。ふむ、バランスの取れた機体チョイスだね。

 

「安心して、流石に苛烈な攻撃は控えるから」

 

まだISを扱いはじめて少ししか経ってない二人にロングブレードライフルとかは流石に撃てない。この前訓練でオルコットさんにちょっとチャージしたの撃ったら、「初心者には絶対に撃たないで下さいまし、ともすればトラウマになりかねませんわ」と言われちゃったからね。

 

「簪」

 

「機体に問題なし。何時でもやれる」

 

「声震えてるよ?」

 

「・・・き、キノセイジャナイ?」

 

緊張からか、何だが動きがぎこちない簪。大丈夫・・・じゃないか。

 

「そうだ簪」

 

「ナニカナ?」

 

「トーナメント終わったら買い物付き合って欲しいんだけど・・・良いかな?」

 

「・・・・・・」

 

プライベートチャンネルで簪にそう提案する。

日常的な話題を出すと緊張解れやすいってどこかの本に書いてあったし、これでどうだろう?

実際、買いたいものあるしね。

 

「睦月」

 

「うん?」

 

「絶対だからね。嘘ついたらパルマ接射十連発だからね」

 

それ絶対に死ぬじゃないですかヤダー!

対戦相手の二人が「パルマ?」って言いながら首を傾げる。

まあ、二人がこの試合で知ることは無いだろう。

 

【カウントダウン開始】

 

アナウンスが聞こえた途端、会場全体の空気が変わる。

来賓の方々に特と見せよう、僕らの戦いを。

 

「簪っ、駆け抜けるよ!」

 

「当然!」

 

【試合開始】

 

始まりのサイレンが鳴り響き、僕達は空を舞った。

 

 





という訳で波乱のタッグトーナメント開催です。
いやーどうなっちゃうんだろうなー(棒読み)

次回もお楽しみに‼
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