インフィニット・ストラトス ~黒兎の見る世界~ 作:フォールティア
先日の地震でプラモのヘイズルのアンテナがポッキリいった作者です。
皆様は大丈夫でしたか?
「待っていたぞ、扶桑」
「お待たせ、ボーデヴィッヒさん、シャル」
決勝戦。
アリーナの中央で先に待っていたボーデヴィッヒさん、シャルと相対する。
二人の機体情報は頭に叩き込んであるし、ヘイズルのデータベースにも入っている。
「にしても、午前中の試合から様変わりしたな。その機体」
「追加武装ありったけ載せたからね。今までの方法じゃ、対処出来ないよ?」
まじまじとヘイズルを見るボーデヴィッヒさんにおどけてそう答える。
胸部及び腹部に増加装甲であるフルアーマーユニットを。
腰部前面にサブアームユニット、左側面にワイヤーアンカー、右側面にビームサーベルをマウント。
両腕にはマウントラッチを増設、シールドブースターを計四基装備。背中には強化シールドブースターを装備。
極めつけに試作型ロングブレードライフルを両手に装備と、普段のヘイズルからかけ離れたシルエットになっている。
といっても、ロングブレードライフルを除けば、研究所に居た頃の何時もの装備何だけど。
過剰火力?細かいことは気にしない。
「睦月は一人軍隊(ワンマンアーミー)でも目指してるの・・・?」
「いや、こうでもしないと研究所(あそこ)じゃ直ぐ倒されちゃってたから」
「どんな生活環境なのそれって・・・」
「360度、全方向から鉛弾が飛んでくるような訓練ばっかだったよ」
「「うわぁ・・・」」
シャルとボーデヴィッヒさんが揃ってげんなりとした顔をする。うん、誰だってそんな反応になるよね。
同じ立ち位置だったら僕もそうなる。
さて、と。
ハイパーセンサーを使ってアリーナの観客席、そこから隔離された一角を見る。
貴賓席、十人居る中、右から三番目に目的の人物が居た。
・・・見つけたぞ。
化粧の濃い、見てからに自己顕示欲が強そうな顔をしている女性。デュノア夫人だ。
都合が良い。我欲で自分が調べようとした人間がどれ程のモノか、しっかりとその目に焼き付けてもらおう。
「睦月、大丈夫?」
「問題ないよ。・・・ああそうだ簪」
「何?」
「今回はプランBで行こう」
【試合開始10秒前】
僕の言葉を聞いて、隣に立つ簪がニヤリと笑いながら夢現をクルリと回して構える。
「オーケー、了解」
「プランB?」
「なんだそれは?」
シャルとボーデヴィッヒさんの問いにロングブレードライフルを構えて応える。
バックブースト準備開始。ロングブレードライフル、エネルギーカートリッジ、供給開始。
「「ああ」」
【試合開始】
「「無いよそんなモノ!!」」
合図と同時に後退。簪が前衛としてボーデヴィッヒさんへと向かう。
そして僕は連射(バースト)モードのロングブレードライフルの引き金を飛翔しかけたシャルへと引いた。
「くっ・・・ホントに馬鹿げた火力だね!」
「初弾きっちり避けてるのによく言うよ!」
互いに円を描くように上昇しながら撃ち続ける。
シャルの駆るラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡは元となったラファール・リヴァイヴ同様、機動性が高い。何より特徴的なのはその携行火器の多様性にある。
他の量産機よりも大きいリヴァイヴの拡張領域を初期装備(プリセット)を外すことで更に拡張、武装量を増やす事で、継戦能力を高め、戦術への対応力も強化されている。
搭乗者であるシャルの技量も合わせればとても第二世代とは思えないポテンシャルがある。
【左腕残弾 6 。リロード開始】
【シールドエネルギー 残り685】
やっぱり手数は向こうの方が上か。
マシンガンを使っていたと思ったらライフルが飛んできたりと目まぐるしく武器が変わる。
高速切替(ラピッドスイッチ)。文字通り手持ちの武器を拡張領域内の武器と高速で持ち替える技術の事だ。
思考による制御が殆どのIS操作の最たるモノと言える。
拡張領域内の武器の呼び出しには二通りある。
一つは、口頭による呼び出し。武器の間違えなどがそうは起こらず、確実性が高い。しかし、相手に武器の切替を知らせる事になり、対応されやすい。
二つ目は、イメージによる呼び出し。上手くいかないと武器が呼び出せなかったり、戦闘機動しながら武器をイメージするといった、難易度が高いやり方だ。
でも、相手に手の内を読ませにくいし、何より今のシャルのように相手の意表を突きやすいといったメリットがある。
この二つ目を極限まで突き詰めたのが高速切替だ。
イメージによる武器切替を文字通り目にも見えない早さで行うことで、戦闘に於いて相手に隙を見せることなく攻撃を仕掛け続ける事が出来る。
何より、
「やりにくいっ!!」
グレネードランチャーとアサルトライフルから発射された、榴弾とKE弾をロングブレードライフルで焼き払う。
やられる相手にとってはやりにくい事この上無いのだ。何せ矢継ぎ早に入れ替わる武器に対応しなければならないからだ。
かといって防ぎに回れば圧倒的な物量でシールドエネルギーを根こそぎ削られかねない。
「掠っただけでこの威力・・・ホントに第三世代!?」
【ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ 残りシールドエネルギー 624】
「さぁ、どうだろうね!」
実は第四世代ですだなんて言えるわけない。
マシンガンから絶えず放たれる弾幕をスラスターを駆使して避けながらロングブレードライフルを撃ち放つ。
出力調整は上手くいってるみたいだ。流石に使い始めた頃のままだと戦いにくいからね。
「全く・・・それだけ大きいのに直撃しないなんてね!」
「そう簡単にはーー」
【全シールドブースター 起動】
「当てられると思わないでね!!」
「速っ・・・!?」
計五基のシールドブースターが同時に点火。スピードメーターが瞬時加速に匹敵する速度を叩き出す。
さあ、行こうかヘイズル!
【サブアームユニット アーム起動 ブルパッブマシンガン、ビームライフル展開】
フロントスカートに装備された、無骨な増加装甲にも見えるサブアームユニットが展開、先端にあるマニピュレーターが展開した武器を掴む。
【制御シーケンス α(アルファ)、自動制御開始】
「ランページ!」
【命令受理。トリガー】
ロングブレードライフル、ブルバッブマシンガン、ビームライフルが一斉に火を吹く。
集弾性の悪いマシンガンによって動きを制限され、何発かがリヴァイヴに直撃する。
「まさか、隠し腕が有るなんてね・・・まるでビックリ箱みたいだ」
【ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ 残りシールドエネルギー 421】
シールドで幾らか威力を減衰されたか・・・。でも半分近くまでは削れた。
こっちもカウンターで幾らか貰ったけど、まだ何とかなる。
【残りシールドエネルギー 642】
シールドブースターを細かく動かし制御しながら、ハイパーセンサーで簪側の戦闘をチェックする。
やっぱり厄介なのはA.I.C.か・・・。
実質、山嵐は使いにくくなってしまっているか。
ボーデヴィッヒさんの機体、シュヴァルツェア・レーゲンの武装はブレードワイヤーとレーザー手刀、右肩のレールカノンと中、近距離戦向きだ。
A.I.C.もあり、同じ中距離戦機体の打鉄弐式は相性が少し悪い。
でも簪の事だ、上手くやるだろう。
「こっちはこっちで、頑張らないとね!!」
「往くよ、睦月!」
互いに武器を携え、勝利の為に動き出す。
ーー試合はまだ始まったばかり。
全部載せってロマンだよね!F90とか!
次回もお楽しみに‼