インフィニット・ストラトス ~黒兎の見る世界~   作:フォールティア

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お、おっしゃあああああ!(大歓喜)

これもひとえに読んでくださっている皆様のお陰、本当にありがとうございます!

これからも、どうかよろしくお願いいたします‼



#23 再転入と嫁宣言!?

「ここなら良いでしょう」

 

そういって楯無会長が座ったのは、花畑からそう離れていない、校舎近くの休憩所だった。

屋根とテーブルが付いているし、長話には丁度良い場所だ。

僕がテーブルを挟んで座ったのを確認して、会長は話し始めた。

 

「扶桑君は、私達の家について何か知ってる?」

 

「・・・更識家は対暗部用の暗部と言われ、その範囲は日本全てに及ぶとされる。いわば裏社会における『安全装置』とも称されている・・・この位ですかね」

 

「十分よ。伊達にあの天才の下には居ないと言うわけね・・・そこまで解るなら、私が何を言おうとしているのか、解るかしら?」

 

「・・・・・・家柄、ですか」

 

「流石ね、その通りよ」

 

褒めてくれてはいるけど、会長の表情は暗いままだった。

「これは僕の予想ですけど」、そう前置きして会長に自分の推察を話した。

 

「楯無会長は、簪にその裏社会に深く関係して欲しくないから何か、キツい物言いをしてしまって、それ以来避けられてる・・・って感じですかね?で、簪の方は会長の真意には気付いていないと言った所でしょうか」

 

「・・・貴方、エスパーなの?」

 

驚いた顔の会長を見て、慣れないウィンクをして誤魔化す。

 

「さあ、どうでしょう?何にせよその反応だと、当りみたいですね」

 

「正解よ、ドンピシャど真ん中ストライク・・・私の言い方が悪かったのよねぇ。はあ、当時を思い出したら憂鬱になってきたわ」

 

言いながら会長の肩がガクリと下がり、重い溜め息を溢す。相当だな、これは・・・。

 

「因みにそれを言ったのっていつ頃です?」

 

「去年の冬・・・若干、喧嘩腰で言っちゃったのよね・・・ああ、もうダメ。私が東京湾にダイブしてくるわ。いえこの場合DIEブしてくるわ」

 

「落ち着いてください、潜水するにはまだ早いですよ!?海水冷たすぎるし、せめて海開きまで待って下さい!」

 

「そこ普通ダイブするのを止めるところよね!?夏になったらオーケー出しちゃうの!?」

 

「・・・いやぁ、つい」

 

「つい、で自殺許可出しちゃう人始めてみたわよ!?」

 

「でも会長の事だから死ななそう」

 

「私は宇宙人か!?」

 

「え?」

 

「え?」

 

ほんの少し見つめ合った後、どちらからでもなく笑いだす。

意外と面白い人だな楯無会長は。このノリに着いてこれるなんて。

扇子に『大爆笑』の文字を浮かべて、まだ笑いが収まらないのか口元を歪めている。

 

「貴方は不思議ね。真面目な話してたのに、すっかり気が抜けちゃったわ」

 

「真面目な空気って苦手なんですよ、僕は」

 

皆して真面目な顔して、笑えない空気感というのが、この世界に来てから嫌いになった。

・・・これも束さんの影響かな。あの人の何でもありな考え方に毒されたのかもしれない。

 

「それに、会長みたいな綺麗な人は、笑顔が一番似合いますから」

 

「・・・・・・・・・」

 

あれ?急に楯無会長が固まってしまった。扇子を握り締めた手だけがワナワナ震えている。

はて、何か気に障ることを言ってしまっただろうか・・・・・・

 

「な、ななななな何をいきなり言うのかしら!?じ、冗談も程々にした方が良いと思うんだけど!?」

 

「・・・え?冗談も何も、会長は綺麗じゃないですか」

 

「~~っ!?」

 

おおぅ、会長の顔が真っ赤になってしまった。

声にならない声を上げたかと思うと、会長はバッと立ち上がり、

 

「き、今日はこの辺で勘弁してあげるわ!じゃあ大会の後処理系の仕事があるので!!」

 

と言って駆け出し・・・って早っ。もう見えなくなっちゃったよ。

て言うか、

 

「シャルとボーデヴィッヒさんの事、訊きそびれた・・・」

 

まあ、明日になれば解るか。

楽観的にそう考え、僕は残った時間を学園の探索に費やした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日、月曜日。

朝のHRを行っていた教室は耳鳴りが聞こえるほど静かになっていた。

教壇の上に立つ山田先生の横に、ボーデヴィッヒさんと『女子の制服を着た』シャルが立っていたからだ。

 

「ーーと、言うことでデュノア君は実はデュノア『さん』でした~」

 

「「「「な、なんだってぇ~~!?」」」」

 

山田先生の一声にクラス一同が驚きの声を上げる。このクラスはホントに変なところで団結力あるなぁ。

「事情は私が説明しよう」、そう言って教室の入り口付近に立っていた織斑先生が一歩前に出る。

 

「デュノアには織斑と扶桑、二人のボディーガードを依頼していたんだ」

 

「ボディーガード、ですか?」

 

オルコットさんの疑問に織斑先生が頷く。

・・・なるほど、そういう事か。

 

「『男性IS操縦者のどちらかを誘拐する』等と、ふざけた脅迫状が届いてな。それをデュノア社長に話した処、デュノアを男装させて転入させた、というわけだ」

 

「男装する事で、お二人の近くに居られるようにした、という事ですか」

 

「そういう事だ。大会中、学園の外に犯人が見つかり警察に明け渡し、諸々の問題が済んだのでデュノアには女子として再転入してもらった、というワケだ」

 

少々、危ういけど一応筋は通ってる・・・かな。

 

「この事は内密に頼む。もし世間にバレた場合、私達に危険が及ぶ可能性があるからな」

 

「「「「絶対に言いません!」」」」

 

鬼気迫る表情でクラス一同が断言する。ともすれば血判でも押しかねない勢いだ。

オルコットさんは何か思うことがあるのか顎に指を当てて考えてる。

まあ後で専用機持ち皆にはシャルに許可を貰ってから事の真相を伝えよう。

 

「デュノア君もとい、デュノアさんについては分かりましたけど、ボーデヴィッヒさんは何故そこに?」

 

「ああ、それはだな・・・ボーデヴィッヒ」

 

「はい」

 

一人の生徒の疑問に、織斑先生はボーデヴィッヒさんの背中をトンと押す。

皆の前に立ったボーデヴィッヒさんは深呼吸をした後、深く頭を下げた。

 

「今回のトーナメントで、皆には迷惑をかけた。・・・だから、ごめんなさい」

 

その一言に、クラス全員が彼女が立っていた理由を理解する。

VTシステムの件は学園中に知れ渡っている。当然、箝口令は敷かれているが。

この件に関しては、ボーデヴィッヒさんは寧ろ被害者と言えるだろうというのがクラス全員の意見だ。

なので、

 

「「「「許す!」」」」

 

異口同音にそう言い放つとボーデヴィッヒさんが逆に面食らった顔をした。

 

「・・・怖く、ないのか?」

 

「皆、何か聞こえた?」

 

「聞こえないな」

 

「何か言いましたの?」

 

「「「「「私達のログには何もないわ」」」」

 

ボーデヴィッヒさんの疑問に対し僕から始まりクラスの見事な連携で返す。

半ば布仏さんと同じマスコットキャラとしてクラスに馴染んでるのに今更怖がる理由もないしね。

 

「みんな・・・ありがとう」

 

花が咲くような笑顔でそういったボーデヴィッヒさんにクラス中がホッコリする。

 

「あー、妹に欲しい」

 

「布仏さんのパジャマ似合いそうよね」

 

「いや、ここはセクスィーな格好を」

 

「そして何よりベッドに」

 

「おいそこの変態共、聞こえてるぞ」

 

教室の一角に座るクラスメイト数人に織斑先生が溜め息混じりに注意する。

危険人物多いなこのクラス。

 

「そ、それでだな」

 

落ち着きを取り戻したところでボーデヴィッヒさんが口を開いた。

 

「ふ、扶桑。こっちに来てくれ」

 

「え、僕?」

 

自分自身を指差すとコクコクと頷かれた。はて、何だろうか?

椅子から立って、ボーデヴィッヒさんの前に立つ。うわ、視線が凄い刺さる。

 

「その、私を助けてくれて、感謝している。だから・・・」

 

瞬間、唇に柔らかい感触があった。

目の前にはボーデヴィッヒさんの顔。

・・・・・・・・・・・・・・・え?

 

「ーーーー!?」

 

「これは、私なりの恩返しだ」

 

「へ?え?」

 

「つまりだな・・・その、私がお前の嫁になる!!」

 

混乱するクラスの中、堂々とボーデヴィッヒさんが宣言した。

 

「な」

 

 

 

 

「「「「「なにいぃぃぃぃぃぃぃいぃぃぃぃ!!?」」」」」

 

 

 

 

 

「宜しく頼むぞ、『睦月』?」

 

阿鼻叫喚の地獄絵図と化した教室で、ニコニコと彼女は笑った。

 

「は、ははは・・・」

 

うん、もう笑うしかないね、これ。

 




今回の話で第2章本編は終了です。
次回からは裏話、ゴールデンウィークを挟んで、臨海学校編となります。

前書きにも書きましたが、この作品がランキング入りしました。
評価してくださった方、お気に入り登録してくださった方々、本当にありがとうございます。
今後とも、どうかお付き合い下さいm(__)m
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